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国際平和拠点ひろしま

2021世界平和経済人会議ひろしま【報告書】

2021年・国際社会のカムバックとよりよい復興
-パンデミック・差別と格差・自国中心主義の克服のために-

世界平和経済人会議ひろしま

ビジネスのプラットフォームとしての「国際平和」の重要性を改めて関係者間で共有し,企業やNGOなどの各主体の
役割を見つめ直し,ビジネスと平和貢献のあり方の関係を多面的に議論することで,真に平和で持続可能な国際社会
につなげることを目指す。
2013年に初めて「国際平和のための世界経済人会議」を開催し,被爆から75年を迎えた2020年からは「世界平和経
済人会議ひろしま」として新たなスタートを切り,今回が6回目の開催。

開催日:令和3年9月8日(水)・9日(木)
主催:へいわ創造機構ひろしま(HOPe)
【 基調講演 】 船橋 洋一 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長
  • 「平和あってこその経済」,「経済あってこその平和」。この善循環が機能しなくなってきている。グローバル化が行き過ぎれば経済自体が武器化し,デカップリング(平和と経済の分離)が生じ,平和そのものを壊しかねない。
  • 現代は,軍事的な脅威だけでなく,非軍事的な脅威(気候変動,パンデミック,テロ,サイバーなど)に対して,国民が当事者意識をもって安全保障に参画するパートナーシップが必要。
  •  経済人がすべきことは,率先し,リスクをとって有事に備えた取組を始めること,また,ポピュリズムやナショナリズムに対して声をあげること。
【セッション1】気候変動対策のために企業ができること:
        脱炭素社会に向けたエネルギー転換とイノベーション
  • SDGsの17目標のうち気候変動の達成度合いに,他の目標の達成度いも左右される。民間の役割は重要で,そのために資金供給,投資が必要。
  •  エネルギーはあらゆる経済活動の根本。投資の設計,社会インフラ全体の効率性,省エネ社会の構築に合わせて取り組まなければ,脱炭素を進めることはできない。政府・民間が連携してビジネスモデルを構築する必要がある。
  •  一番の課題は移行期で,ゴールにどう向かうかのビジョンを持つことが大事。ビジョンを示すことが企業に求められる大きな役割。社会はビジネスによって変わる。

御立 尚資 (モデレーター)

ボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザー
木村 一哉 大崎クールジェン株式会社代表取締役社長
竹内 純子 NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員,U3InnovationsLLC 共同創業者・代表取締役,東北大学特任教授
兵頭 誠之 住友商事株式会社代表取締役 社長執行役員 CEO
水野 弘道 革新的ファイナンス及び持続可能な投資に関する国連事務総長特使
【セッション2】エッセンシャルな医療物資を誰もが必要な時に
        手に入れることのできる世界のために
  • 健康危機が経済危機にもなり,国の独立や自立に影響を与える安全保障となった。今後の危機に対応するためにはしなやかなレジリエンス概念が必要。
  •  日本は,グローバルマインドを持った政策を打ち出さなければ,本当のグローバルヘルスにつながらない。グローバルな人材の育成,コミュニティの形成が必要。
  •  大きな価値観の変化にどう経済・産業が対応するか。中長期的なグローバルな視点に立つことが産業界のメリットになるような政策が必要。
柏倉 美保子 (モデレーター) ビル&メリンダ・ゲイツ財団日本常駐代表
黒川  清 東京大学・政策研究大学院大学名誉教授,東海大学特別栄誉教授
武見 敬三 参議院議員,世界保健機関(WHO)UHC担当親善大使
中谷 比呂樹 慶應義塾大学医学部訪問教授,グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)会長・代表理事
柳川 範之 東京大学大学院経済学研究科教授
【セッション3】米中対立時代におけるビジネスの地政学的リスクへの向き合い方
  • 利益のみ追求する企業は将来性がない。優先度を把握・分析し,詳細の定義をする。
  • 通訳ではなく,解釈を加えて意思疎通を促す「翻訳」に,日本の役割がある。譲れないものは譲らないでいいが妥協できるところは妥協する。
  •  価値観についての共有がない場合も,利益の共有がある。日本は国益を考え,中長期的な視野をもっていかなければならず,その議論が必要。
村田 晃嗣 (モデレーター) 同志社大学法学部教授
川口 順子 武蔵野大学客員教授
髙島  誠 三井住友銀行頭取CEO
三浦 瑠麗 株式会社山猫総合研究所代表
【セッション4】行き過ぎた自由競争主義の是正:貧富の差をなくし,
        安定した経済と民主主義を保つために企業ができることとは
  •  新しい産業に安心して転職できる社会にするには,政府の役割が大きい。社会人が学び直しできるリカレント教育に力を入れること,雇用の流動性が確保される社会,セーフティネットが確保されることを求めたい。
  • フリーランサーの増加は経済の原動力として期待もしたいが,リスキリング(職業能力の再開発・再教育)のモチベーションを与え,人材を社会の財産として成長させていくことが,ひいては企業にとっても利益になる社会を期待している。
  •  完全な平等ではないが,どんな出自でも才能を生かすことができるのが健全な社会。結果平等でなく,機会平等がもっと強調されていい。
  •  健全な社会は,労働者の流動や世代交代が活発で,新陳代謝が高まっている社会であると考えられる。新陳代謝を高めるには労働制度の見直しが必要ではないか。
井手 英策 (モデレーター) 慶應義塾大学経済学部教授
大槻 奈那 マネックス証券株式会社専門役員チーフ・アナリスト
渋澤  健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役,コモンズ投信株式会社取締役会長
隅  修三

東京海上日動火災保険株式会社相談役

【セッション5】平時と戦時の境界があいまいな時代におけるデュアルユース技術の扱い
  • 個人情報については,イノベーションの阻害要因になってはいけないが,何かしらの規制は必要。デジタル庁の役割に期待。
  •  制約により技術の停滞が始まるため,ルールは最低限に。
  •  多様なエキスパートが集まり,経済や安全保障へのインパクトを含めて議論し意思決定できるチームのような体制を日本も作るべき。
  •  使い手がどう判断するのかが重要。デュアルユース(軍民両用の技術)に対して経済的合理性とは異なる点でサプライヤーを選ぶなどの目線が,社会全体で育ってくることが重要。
神保  謙 (モデレーター) 慶應義塾大学総合政策学部教授
坂本 幸雄 紫光集団高級副総裁,エルピーダメモリ株式会社元代表取締役社長
平野 未来 シナモンAI代表取締役社長CEO
村井  純 慶應義塾大学教授
【セッション6】ポストコロナ時代におけるダイバーシティ&インクルージョンの促進のため
        経済人にできること  
  • 次世代の持続可能性のためには,マルチステークホルダー資本主義への移行が必要。多様性によるプロセスイノベーションで生産性を上げることが必要。
  •  多様化が進む中,「普通」を見直さなければ働き手を失う。障がい者が自分の特性を生かせる分野で貢献できるところまで持っていくのが企業・社会・スポーツ界の責任。
  •  誰もが暮らしやすいためには,平等よりも公平が大事。格差の分断はなくならない。いろいろな方法で誰もが暮らしやすいということを考えなければならない。
末松 弥奈子 (モデレーター) 株式会社ジャパンタイムズ代表取締役会長兼社長
大日方 邦子 株式会社電通パブリックリレーションズダイバーシティ&インクルージョンセンター長
柄澤 康喜 MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社取締役会長 会長執行役員
杉山 文野 NPO法人東京レインボープライド 共同代表理事,JOC理事
【セッション7】コモンズが開く経営と平和の融合
  •  金融や資本を活用し,抽象的な平和を具体的なマーケットとしてマネージする社会システムのデザインを考えるべき。コモンズ(様々な共有資源,公共財)も含めて,思想から実践に動く時期である。
  •  企業は,雇用を提供することで発展していくだろう。労働者に雇用を提供し,彼らの生活の質を担保し,環境を保護し,法的要件を満たすことで,ステークホルダーとの争いを回避できる。
  •  社会的な責任としてのソーシャルマーケティングを発展させる形で貧困や労働や環境,さらには平和に取り組むという視点が重要。
吉川 成美 (モデレーター) 県立広島大学大学院経営管理研究科教授
江戸 克栄 県立広島大学大学院経営管理研究科専攻長/教授
ホー・チー・ズン ピープルワン・ジョイントストック・カンパニー研究・開発部門長
マルク・アンベール レンヌ大学名誉教授(政治経済学),経済活動に関する政治的・倫理的な知識の構築を目的としたPEKEA共同設立者,International Convivialist共同創設者
横山 禎徳 県立広島大学大学院経営管理研究科研究科長
【総括セッション】2021 広島アピールの発表
加治 慶光 シナモンAI取締役会長兼チーフ・サステナブル・デベロプメント・オフィサー,日立Lumada Innovation Hub Senior Principal,鎌倉市スマートシティ推進参与
御立 尚資 ボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザー
湯﨑 英彦 広島県知事
  • 「2020広島宣言」をベースに,今年の会議の議論を踏まえてアップデートした「2021広島アピール」を発表。
  •  大きな意味で人間の安全保障としての平和はビジネスを行う上での前提であり,企業人自体が,守って強くしていかなければいけないものである。取組を進めていかなければいけないが,一方で,SDGsとしての取組に結びつき,進んでいるものもある。
  •  アピールをそれぞれがどのように実現するか,平和な状態となり,経済発展が進み,よい果実を得ていけるよう取組を強めていかなければならない。
  •  功利主義というのは,自らの利を実現するには他者の利を追求する必要があり,これが真の功利主義であり,ビジネスがとる長期的な視点ではないか。

2021 世界平和経済人会議ひろしま 2021 広島アピール

国際平和のための世界経済人会議は,ビジネスと平和貢献のあり方の関係を多面的に議論することで,真に平和で持続可能な国際社会につなげることを目指して,これまで開催されてきました。
昨年,被爆及び終戦から75 年の節目となった2020 年の本会議は,平和を脅かす課題が生じない状態を創り出していく「積極的平和」の実現のため,経済人が果たすべき役割を明確にし,行動につなげていくための議論を行いました。
しかし,COVID-19 との闘いは想像以上の長期戦となり,社会的に弱い立場の人や企業に大きな影響を与え,格差が拡大しました。
また,本来世界中が協調し取り組むべき人道的課題についてさえ対立が生じています。経済安全保障の考え方は重要である一方,経済の武器化を極端に進めると,経済に必要な平和との善循環を破壊することに繋がりかねません。
今こそ,もう一度,平和あってこその経済,経済あってこその平和という観点から,平和と経済の善循環を推進するような国際秩序のしくみを長期的な視点から構築することが必要です。自らの利を実現するためには他者の利,すなわちマルチステークホルダーの利を同時に追求する必要があるという「真の功利主義」を実践する必要があります。
このような思いと考えから,我々は2021 年を,「ビルドバックベター(より良い復興)」のスタート地点であるとし,ビジネスが出来る貢献を通じて,希望ある未来を目指します。

私たちの具体的な行動

企業活動を通じて,SDGs などに取り組み,積極的平和の実現に積極的に貢献することで,物心両面で満たされた人類の恒久的な平和をより深いレベルで実現します。

[グローバル経済と格差への対応の視点から]

  •  資本主義のメリットを活かしながら,「格差の縮小」「地球環境の保全」といったSDGs の目標を企業経営に組み込むことで,資本主義の潜在的弱点を補い,積極的平和に資する活動を行っていくことは可能で,かつ実際に行われ始めており,その流れを加速させていきたい。具体的には,貧困や格差などは社会を不安定にし,ビジネスの基盤を侵食するものであるという認識に立ち,本業を通じて社会課題の解決を図ると同時に,環境や雇用,格差などを意識した企業活動を更に拡大すべきである。
  •  健全な経済成長と格差縮小を両立させるためには新陳代謝が不可避である。長期の視点で,次世代を含めた教育訓練支援やリスキリングを行い,雇用を創造し続けることが企業の責務である。同時に善循環を作っていくためには,企業と政府が十分な対話を通じ協調していくことが不可欠である。
  • 金融資本市場においても企業の社会的インパクトの定量化の動きもあり,多様な投資家が行動を始めている。金融資本セクターと企業が協働することで,過度に近視眼的でない,システムを構築しているマルチステークホルダー全体が繁栄することを目指す。
  •  多様性が存在することは,企業,社会のサステナビリティ,イノベーション,レジリエンスを向上していくために不可欠である。したがって,多様性の存在が当然の前提となる社会システムを構築していく。
  • そのために,自らの中にある無意識のバイアス(例 公平よりも平等の優先,前例主義へのとらわれ等)を認識するきっかけ,気付き,教育の機会を充実させていく。さらに,多様性を包摂するための環境整備をしていくことに経済人がコミットしていく。

[地政学的リスクの中でのビジネスの貢献の在り方の観点から]

  • 米中2 大国の対立をはじめ,地政学的リスクが経済を含むものになことの現実を直視しなければならない。一方で,対立だけを直視するのではなく,経済文化,気候変動など,共有・共感可能な部分は数多く存在する。これらの相互依存関係,協力関係に焦点をあて,第三国の企業,経済人は,対立者間の翻訳者としての役割を果たし,地政学的リスク低減に貢献することができる。
  •  ビジネスの実行においては,最も好ましい立地,市場,拠点の配置等をきちんと追求した上で,例えば海外資産の運用等相互依存関係が強まる領域を自らの強みとし,機会として捉えていくことが必要である。

[都市化,工業化と気候変動等による平和のリスクの視点から]

  • 経済人は,COVID-19 対応の観点から,これまでの工業化・都市化等の「集中化」から,「分散化」の必要性が議論されていることに留意し,「平和」が担保された社会変容の適切な在り方を見据えた企業活動,金融活動等を行うよう努める。
    今後ますます複雑化する様々な問題の解決に向けた,全体最適を求めるためには,関係者間のコミュニケーションが必要で,そのためには,規模の適切性(例えば原爆からの復興における広島市・県の規模)が重要であるということを再認識する。
  •  気候変動は,自然災害の原因となるのみならず,深刻な安全保障上のリスクとなっており,産業構造と社会構造の革命的変化は不可避である。一方,この気候変動はリスクであると同時に,経済的機会でもあり,民間主体の気候変動への積極的な対応が経済全体の発展につながる。
  •  カーボンニュートラル実現に向け,再生可能エネルギーを含めた安定的かつ効率的なエネルギー供給と温室効果ガス削減を両立させ,供給側,需要側双方において,イノベーションを促進するため企業,金融資本市場,政府等,広範な対話を通じて仕組みづくりを積極的に進めていく。
  •  SDGs の各目標には,時にはトレードオフの関係があると同時に各目標は連関もしている。経済人は,各企業として,その目標の達成を目指しつつも,社会全体がwin-win となることに努める。個別に行われてきた様々な取組をSDGs の名のもとにまとめるとともに,さらに深い理解促進と経営への組み込みを行う。

[テクノロジーが平和に与えるインパクトの視点から]

  • ネットを通じた情報操作,ドローンの戦闘投入,衛星サイバー攻撃,半導体を含む経済安全保障の争い等により,テクノロジーが平和に与えるインパクトはますます大きくなっている。
  •  イノベーションを続けながらテクノロジーのネガティブな側面を低減するためには,テクノロジーそのものよりも,それをどう使うか,誰が使うかをコントロールしていく仕組みづくりが不可欠である。
  •  より効果的なルールを作成し運用していくためには,
     ・民間企業間での自主的ルール形成
     ・規制当局の技術及び市場ダイナミクスの知見を高めるための民間と政府の対話
     ・先端的分野については政府,民間,NPO 等様々なエキスパートを含むチームによるガバナンス
     の3 点が必要となる。

[グローバル社会における自治体の役割の視点から]

  •  経済活動の前提である平和を維持し,SDGs を達成するためには,平和に貢献する視点を持った,グローバルに活躍する経済人の育成が不可欠である。具体的には,科学リテラシー,足元のコミュニティへの関与,偏見の除去と社会格差の縮小といった視点を組み込むべきである。こういった人材を育成する公教育及び民間教育を支援していく。
  •  市民社会やコミュニティと密接な関係がある,自治体レベルで行う「外交」は,国と国との外交を補完し,姉妹都市間協力等自治体ならではの関係構築を通じて持続可能な平和の推進の上で重要な役割を果たす。地方自治体のこのような役割をしっかり認識し,平和の構築に寄与していく。
  •  世界的な格差拡大の中で,教育の効果を広げていくために,デジタル・オンラインの活用を行っていく。

[人間の安全保障の視点から]

  • 国と国の指導者が安全保障を担う時代から,個々人にとっての人間の安全保障が重要性を持つ時代になり,さらに,人類社会の集団としての安全保障が求められる時代になってきた。その中で,企業・自治体・NPO・NGO,そして個々人が,積極的平和の構築に関与していく必要がある。
  •  新型コロナウイルスワクチンなど,エッセンシャルな医療物資の確保・供給は,その不足に悩む途上国だけの問題ではなく,変異株等を通して,先進国自身の問題でもある。
  •  グローバルヘルスそのものが人類の公共財として,すべての人の手に届くものでなくてはならない。その実現を目指すグローバルヘルス分野で我々が更に貢献するためには,企業の役割は不可欠であり,官民連携,国際機関の公共調達への参入,ルール形成など多様な形なでの貢献が期待される。公共財の供給は経済全体を持続的に豊かにしていく前提条件となる。
  •  COVID-19 は,既に存在している課題やそれに伴う変化の潮流を加速度的に顕在化している。この中で,人類を襲う未知のリスクに対応し,それに起因する平和へのリスクが高まりかねない。我々はこれを認識し,このリスクへの対応を積極的に行っていく。その実行においては,複数の主体間で倫理と価値を共有し,能動的に人類の全体最適を図っていく。

[コモンズが開く経営と平和の融合の視点から]

  •  国際的にSDGs 達成のみならず,地域の課題解決のためには,経営に関する従来型のエコシステムの変容に伴い,物事の本質が重視され,経営学も問い直しが求められており,「平和をプラットフォームにした経営学」の創成が必要である。
  •  これは,多くの人びとの共感により支えられる課題解決型のビジネス,マネジメントであり,社会システムの分裂・分断を乗り越え,「社会共通の価値(コモンズ価値)」から未来をデザインし,行動する能力を培うものである。
  •  排他的・個別的な縦の関係から,包摂的・社会的な横の関係へ,コモンズが拓く「平和経営学」は,今後,学問上のみならず,多くの人びとが共感し,参加しあえる平和構築とそれに繋がるビジネス創出を目指していく。

                               2021 世界平和経済人会議ひろしま参加者一同
                               2021 世界平和経済人会議ひろしま特別顧問一同
                               2021 世界平和経済人会議ひろしま企画運営委員会委員一同

これまでの開催状況

2016 国際平和のための世界経済人会議(2016 年10 月)

平和のためのマーケティング

セッション1 非人道兵器廃絶のためのキャンペーン
セッション2 平和キャンペーンのためのコミュニケーション・デザイン
セッション3 平和に貢献する非営利部門のマーケティング
セッション4 平和の貢献するソフトパワー・ビジネス
セッション5 世界経済フォーラムのYGL との対話
セッション6 平和貢献による新たな企業価値の創出(BOP・CSV)
セッション7 世界平和拠点としての広島

2018 国際平和のための世界経済人会議(2018 年11 月)

マルチステイクホルダーのパートナーシップにより,SDGs を通じて国際平和を実現する

スタートアッププログラム SDGs,BOP,CSR ビジネスの創出を通じた平和の実現
セッション1 気候変動による平和のリスクと環境イノベーション
セッション2 デジタル化する世界に潜む不安定さから平和を守るために
セッション3 新しい時代の教育を通じた平和構築
セッション4 アートによる社会への働きかけを通じた平和の実現
セッション5 平和実現に向けたスポーツの持つ可能性
セッション6 利他が生みだす新たな資本主義と平和の道すじ

2019 国際平和のための世界経済人会議(2019 年10 月)

ビジネスを通じて地球規模課題を解決し,国際平和を実現する

スペシャルセッション 成長指標と平和
セッション1 文化交流による平和構築
セッション2 情報空間の安全保障によるガバナンスの保持
セッション3 アジアにおける防災・緊急支援・国際保健による平和貢献
セッション4 グローバル・ビジネス戦略を通じた平和の実現
SDGsビジネスコンテスト 広島ピース・スタートアップ・アワード

2020 世界平和経済人会議ひろしま(2020 年8 月)

COVID-19 との闘いを踏まえた「積極的平和」と「SDGs」

「2020 広島宣言」


会議登壇者・参加者から,「経済と平和」の連携の重要性を再認識し,広島だからこそ,日本にとどまらず,世界に何ができるかという視点で,被爆・終戦100 年を視野に入れ,民主的で自由なビジネスの前提条件となる「積極的平和」の実現のため,新たな行動を始めることを宣言する「2020 広島宣言」を発表

 

  • グローバル経済と格差への対応の視点から(セッション1 を踏まえて)
      資本主義のメリットを活かしながら,SDGs の目標を企業経営に組み込むことで,資本主義の潜在的弱点を補い,積極的平和に資する活動を行っていく。ダイバーシティが社会・経済のレジリエンスを高めるという認識のもと,インクルーシブな社会・経済を作るように努める。
  • 都市化,工業化と気候変動等による平和のリスクの視点から(セッション2 を踏まえて)
      COVID-19 対応の観点から,これまでの工業化・都市化等の「集中化」から,「分散化」の必要性が議論されていることに留意し,「平和」が担保された社会変容の適切な在り方を見据えた企業活動,金融活動等を行うよう努める。

  • グローバル社会における自治体の役割の視点から(セッション3 を踏まえて)
      経済活動の前提である平和を維持し,SDGs を達成するためには,平和に貢献する視点を持った,グローバルに活躍するビジネスパーソンの育成が不可欠である。具体的には,科学リテラシー,足元のコミュニティへの関与,偏見の除去と社会格差の縮小といった視点を組み込むべきである。こういった人材を育成する公教育及び民間教育を支援していく。

  • 人間の安全保障の視点から(スペシャルセッションを踏まえて)
      COVID-19 は,既に存在している課題やそれに伴う変化の潮流を加速度的に顕在化している。この中で,人類を襲う未知のリスクに対応し,それに起因する平和へのリスクが高まりかねない。我々はこれを認識し,このリスクへの対応を積極的に行っていく。
基調講演 地球と共存する経営
セッション1 ウィズ/アフターCOVID-19 の「グローバル経済」と「格差」への対応
セッション2 都市化,工業化と気候変動等による平和のリスク(ウィズ/アフターCOVID-19 を踏まえて)
セッション3 グローバル社会における自治体の役割~「教育」や「自治体外交」を通じた平和構築(ウィズ/アフターCOVID-19 を踏まえて)
スペシャルセッション ウィズ/アフターCOVID-19 の「人間の安全保障」と「平和×ビジネス× SDGs」
総括パネル 「2020 広島宣言」発表

このページに関するお問い合わせ先

へいわ創造機構ひろしま

住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52

Tel:082-513-2466

Fax:082-228-1614

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