2022世界平和経済人会議ひろしまの開催結果について
ビジネスによる積極的平和~世界の平和と安定のために~
世界平和経済人会議ひろしま
ビジネスのプラットフォームとしての「国際平和」の重要性を改めて関係者間で共有し,企業やNGOなどの各主体の
役割を見つめ直し,ビジネスと平和貢献のあり方の関係を多面的に議論することで,真に平和で持続可能な国際社会
につなげることを目指す。
2013年に初めて「国際平和のための世界経済人会議」を開催し,被爆から75年を迎えた2020年からは「世界平和経
済人会議ひろしま」として新たなスタートを切り,今回が7回目の開催。
開催日:令和4年9月8日(木)
主催:へいわ創造機構ひろしま(HOPe)
場所:広島国際会議場(併せてオンラインで配信)
【オープニング ・特別対談】
- 戦後の工業化,グローバル化と資本主義に,民主主義を掛け算した仕組みのほころびが,ウクライナの問題を契機に,エネルギー,食糧や自然災害などにおいて顕在化している。専門家やビジネス,政府関係者など様々な立場の方々が知恵を出し合い,どうすればこうしたリスクを減らし,次の戦争,平和への脅威を減らしていくことができるか。
- ビジネスができることとしてキーワードは3つ。
①イノベーション,②情報,特にインターネットの時代がもたらす分断への対応, ③広義の分配,特に人的資本への投資。
・イノベーション:事業規模の拡大が必ずしも生産性の向上に繋がってはいない。一律規模ではなく,分散し,適切な規模でコントロールすることがテクノロジーにより可能となる。
・情報:情報発信するビジネスの側が,どう正確に伝え,意図をもってねじ曲げられている情報を外すほか,受け手側にリテラシー教育をするか。
・分配(人材育成):長期雇用の仕組みを守るだけでなく,新しいスキルを身につけることにより,世の中が変わっても労働者が稼げる力を持てるよう,意欲のある人を手助けすることが必要。
御立 尚資 | 京都大学経営管理大学院特別教授 |
湯﨑 英彦 | 広島県知事 |
【セッション1】経済安全保障とSDGsの時代におけるエネルギーの安定供給
- 気候変動は命を脅かす問題であり,企業としても,市場や投資の流れが変わる中,企業価値や競争力のためにも,脱炭素化に取り組まなければならない。エネルギーミックスについては,日本は風力などポテンシャルがあり,再生可能エネルギーの可能性を追求すべきだが,一方,需要側も含めて原子力の問題も直視する必要がある。
- 世界のあらゆる地域で,以前にも増して,安全性と経済性,安定供給,環境適合性の両立の重要性が増している。足元の経済や社会への負荷をしっかり考えながら,複線的なシナリオで持続可能な脱炭素への移行を目指していくことが必要。
- CO2を単に減らすというのではなく,グリーン・トランスフォーメーションにより,国民が高付加価値を感じられるようにする必要がある。そのための産業技術サービスを生み出していくことが必要。
加治 慶光(モデレーター) |
シナモンAI会長兼CSDO(チーフ・サステナブル・デベロプメント・オフィサー) 日立Lumada Innovation Hub Senior Principal, 鎌倉市スマートシティ推進参与 |
竹内 純子 | 国際環境経済研究所理事,東北大学特任教授(客員),U3イノベーションズ合同会社共同代表 |
松尾 豪 | 合同会社エネルギー経済社会研究所代表取締役 |
三宅 香 | 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)共同代表,三井住友信託銀行株式会社 ESGソリューション企画推進部主管 |
【セッション2】世界経済の不安定化の中でイノベーションによる経済成長と雇用を確保するための人材育成について
- イノベーション人材の育成につながる雇用環境を産官学で連携して作る必要がある。例えば,就職氷河期世代や難民の受入促進のため,設定した雇用率をクリアすれば税制メリットがあるような仕組みを作れば,企業も多様性・寛容性を積極的に取り入れ,それがクリエイティブな仕事のできるイノベーション人材育成につながる。
- 社内での変革だけではなく,スタートアップ企業などの外部と連携したオープンイノベーションなど,様々な形でイノベーションの推進を支援することにより変革を促すことで,社会の課題解決につながっていく。
- これまでは社会が成長していくという前提で,多くの企業が減点主義だったのかもしれないが,失敗を経験とし,新しいことにチャレンジしていくことができる心理的安全性があれば,社会変化に対応しながら事業の継続,つまり雇用の継続が可能となる。
末松 弥奈子 (モデレーター) | 株式会社ジャパンタイムズ代表取締役会長兼社長 |
石原 直子 | 株式会社エクサウィザーズ「はたらくAI&DX研究所」所長 |
井上 高志 | 株式会社LIFULL代表取締役社長,一般財団法人NEXT WISDOM FOUNDATION 代表理事, 一般財団法人PEACE DAY代表理事,一般社団法人ナスコンバレー協議会代表理事, 公益財団法人Well-being for Planet Earth評議員,一般社団法人新経済連盟理事 |
髙島 誠 | 株式会社三井住友銀行頭取CEO |
【 クロージング 】
- リスクや環境変化に対し,ビジネスがいかに積極的に準備を進めるか。それが繁栄や強さに繋がり,ひいては安定,そして平和に繋がる。平和があって初めてビジネスが成り立つということをウクライナでも実感。平和に対して積極的に何ができるのかということが重要な課題。
- ビジネスは,誰かがルールを作ってくれるのを待っているだけではなく,積極的に一緒にルールを作る,声掛けを行うことが重要。リスク回避に繋がる。ルール作りに欠かせないのはイノベーション。
- これまでの規範が揺らぐ状況の中で,次の時代へ向けてどう行動するのか,具体的な基準を作ることが重要。G7はそれをリードできる。2023年に広島サミットが開催され,2025年に戦後80年を迎えるタイミングでインパクトのあることができると良い。
- グローバルな経営者に働きかけ,グローバルな視点で広島から,気候変動や難民,資源を巡る争いへの対応などを含め,幅広く平和についてメッセージの発信を目指してはどうか。
船橋 洋一 | 公益財団法人国際文化会館グローバル・カウンシル チェアマン |
御立 尚資 | 京都大学経営管理大学院特別教授 |
湯﨑 英彦 | 広島県知事 |
これまでの開催状況
2020 世界平和経済人会議ひろしま (2020 年8 月)
2019 国際平和のための世界経済人会議(2019 年10 月)
2018 国際平和のための世界経済人会議(2018 年11 月)
2016 国際平和のための世界経済人会議(2016 年10 月)
このページに関するお問い合わせ先
へいわ創造機構ひろしま(広島県地域政策局平和推進プロジェクト・チーム内)
住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52
Tel:082-513-2366
Fax:082-228-1614
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