SDGsセレクトブック参加者からの メッセージ
広島県は平成30(2018)年度に「SDGs未来都市」として内閣総理大臣により選定された。これは政府が、自治体によるSDGsの達成に向けた取り組みを公募し、優れた取り組みを選定する都市を選定し、その成功事例の普及展開等を行うことで地方創生の深化につなげていくための取り組みである。その一環として広島県では、平成30(2018)年度から『未来につなげるSDGsとビジネス~広島における企業の取組現場から~』という冊子を環境省中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)と共催で制作している。この冊子は地元企業等によるSDGsビジネスの最前線を県内の大学生が取材することで、SDGsビジネスに対する若い世代の理解を促すとともに、国内外に対して県内の事例を発信することを目的にしている。その2020年度版冊子の編集プロジェクトに参加した宮田菜穂さんと永田みのりさんに話を聞いた。
参加したきっかけは
宮田:SDGsという言葉は高校のときの「総合的な学習の時間」で習ったけど内容が漠然としていて、結局何をしていいかわからず、頭の中が「?」だらけだったんです。でもその「?」な状態がすごく気持ち悪くて。大学に入って以降、より頻繁にSDGsという言葉を聞くようになったこともあり、「これはちゃんと考えなければいけない問題なのかも」と思って参加することに決めました。
永田:私がSDGsという言葉を初めて聞いたのは、2019年、周防大島の観光を活性化しようというプロジェクトがあって、所属していたゼミが「SDGsを学べる中高生向け体験型学習プログラム」という案を提出することになったんです。それで実際に島に行って民泊施設や、新たなビジネスを創出するための道の駅のチャレンジショップを調査して。そこで興味を持って、もっと情報が知りたいと思って参加しました。
永田:私がSDGsという言葉を初めて聞いたのは、2019年、周防大島の観光を活性化しようというプロジェクトがあって、所属していたゼミが「SDGsを学べる中高生向け体験型学習プログラム」という案を提出することになったんです。それで実際に島に行って民泊施設や、新たなビジネスを創出するための道の駅のチャレンジショップを調査して。そこで興味を持って、もっと情報が知りたいと思って参加しました。
取材で印象に残ったことは
永田:私はテレビ新広島に取材に行き、『ひろしま満点ママ!!』の生放送のスタジオを見学した後、話を伺いました。今年の冊子はwithコロナの社会に向けた、SDGsの観点におけるトランスフォームというコンセプトがあり、コロナの状況下では当初飲食店の情報は控え、家でできることを発信していったという話を聞きました。あと、子育てサポートを行ったり、広島のテレビ局として今年は平和記念式典や原爆についての特別番組をオンラインで配信したという話も聞きました。コロナとSDGs、両方に取り組まれていた姿が印象的でした。
宮田:私は「道の駅世羅」を運営する世羅町観光協会の方に話を聞きに行きました。観光業はコロナ禍で最もダメージを受けた業界なので、取材に行く前はチームのみんなとどういう切り口で取材するべきか、かなり話し合いました。だけど実際話を聞くと、コロナをきっかけにもともとやっていたオンラインショップの運営を本格化させたと言われて。これまでは道の駅に来てくれる人にしか商品を届けられなかったけど、オンラインを通じて遠方の方に知ってもらえたことで将来的な観光客が獲得できたとポジティブに捉えられていました。それ以外にも、道の駅の役割は商品の販売だけでなく、地域活性化や町づくりの拠点になっていることも知りました。
これからどんなことに取り組んでいきたいですか
宮田:以前はSDGsって難しいし、何から取り組めばいいかわからないイメージだったけど、このプロジェクトに参加したことで「自分ができることからやればいいんだ」と思うようになりました。たとえばゴミを拾うだけでもSDGsにつながるし、それでも十分なんです。今後は昔の私みたいに「SDGsって難しい」と思い込んでいる人にそんなことないと伝えていきたいです。もし小学生にSDGsのことを伝えるとしたら……「SDGsは私たちがこれから生きていく社会にとって大切なこと。世の中をよくすることは自分たちにもできるし、みんながいつもやっているゴミ拾いやゴハンを残さないこともそうだから続けてね!」って話したいと思います。
永田:そもそもSDGsって項目が多すぎて、何を目指しているのかわかりにくくなってるところがあると思います。なので私はこのプロジェクトを通して「私自身は何を目指しているんだろう?」って考えて、個人的には環境問題に取り組んでいきたいと感じました。目指すものって、広島の人にとっては平和だったり、発展途上国の人にとっては経済成長だったり、それぞれが自分の関心のあることに注目して行動していけばいいと思うんです。具体的な行動としては、環境問題やSDGsは堅苦しいものに見られがちなので、私はそれを楽しいものとして広めたくて。たとえばマイボトルを持ち歩くことをおしゃれなものとして、それを写真に撮ってSNSに投稿したり。そういう身近なところからSDGsのことを広めていきたいと思っています。
宮田菜穂(みやた・なほ)さん。安田女子大学家政学部生活デザイン学科3年生。もともとは住宅やインテリアのデザインに興味があったが、SDGsに触れたことで街づくりに関心が移る。就活も街づくりに従事できる企業を検討中。
永田みのり(ながた・みのり)さん。安田女子大学現代ビジネス学部国際観光ビジネス学科4年生。就職活動でも企業のSDGsや環境問題に対する姿勢を重視。最終的に、木を伐採しながら植林もしている住宅用建材メーカーを選んだ。
平和学習
「未来につなげるSDGsとビジネス~広島における企業の取組現場から~」特別編
2020年度は特別編として特別編としてコロナ禍にあっても、あるいはコロナ禍だからこそSDGs を積極的に推進している企業・団体について取り上げました。掲載企業・団体数:11
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