Request letter米国に対する核実験中止要請文(2024.5.14)
要 請 文
貴国が今年と来年の前半に、ネバダ州の核実験場内にある地下施設で臨界前核実験の実施を計画しているとの報道に接しました。
貴国に対しては、2022年4月にも、その前年に2回の臨界前核実験を実施したことに対して強く抗議を行ったところです。
貴職が、昨年5月に開催されたG7広島サミットにおいて、他のG7リーダーとともに核軍縮に向けた意思を示されたことは、国際社会の核軍縮に向けた機運を大きく前進させるものであったと認識しています。
しかしながら、わずか一年の間に今回の臨界前核実験の計画が明らかになったことを受けて、広島県民は大きく失望しています。
仮に貴国が核実験を行った場合、ロシアをはじめ、中国や北朝鮮など、他の核保有国に更なる核開発と核抑止力を強化する口実を与えることになり、国際社会が積み上げてきた核軍縮の取組を大きく後退させることは明白です。
平和な世界を実現するために必要なことは、圧倒的な破壊力を持つ核兵器を維持・強化することではなく、どんなに厳しく困難な道のりに見えたとしても核軍縮の歩みを止めないことです。
核抑止力への依存は、いずれは人類他地球上のすべての生命に破滅をもたらす大いなる恐怖であるということを貴職が強く認識し、決して核実験を実施しないよう、人類最初の原子爆弾による未曾有の惨禍を経験した広島県民を代表して、強く要請します。
2024年5月14日
アメリカ合衆国大統領
ジョセフ・バイデン 閣下
日本国 広島県知事 湯﨑英彦
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