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国際平和拠点ひろしま

G7広島サミットへ向け、 想いをのせて走るラッピング路面電車



2023年5月19日(金)~21日(日)にかけて開催される、「G7広島サミット」。サミットが日本で開催されるのは今回が7回目となり、開催地である広島に世界から注目が集まっています。広島の地元企業や地域団体など、各所で関連した取り組みが実施されている中で、広島電鉄によるラッピング電車の運行についてお話を伺いました。

プロジェクトを担当した広島電鉄・坂元麻里さん

昨年(2022年)11月に創業110周年を迎えた「広島電鉄」は、高校生が描いた絵をあしらったラッピング電車を運行。きっかけは、「広島サミット県民会議」(G7広島サミットの円滑な開催を目指して官民一体で設立された組織)事務局からの声掛けだったといいます。
「サミット開催に向けて機運を高めていきたいというお話でしたので、ぜひにとお引き受けさせていただきました。ありがたかったですね。」と話すのは、広島電鉄地域共創事業部の坂元麻里(さかもと まり)さん。普段から、プロスポーツチーム等の応援企画やイベントの実施など、地域の賑わいづくりに関連する事業を手掛けています。

「サミットが広島で開催されると決まってから、何か協力できることがあればとずっと思っていました。街中にポスターなどが増えて盛り上がりを見せる中で、今回の取り組みは、地場企業として実施する意義を非常に感じました。」
広島電鉄では、平素から若い世代にも地域づくりに関わってほしいという考えを持っているため、原画を描くのが高校生だというのも喜ばしい点だったそうです。

県民会議事務局の主導により、原画提供は、山陽女学園中等部・高等部、ノートルダム清心中・高等学校、広島県立神辺高等学校、広島県立広島皆実高等学校、広島市立広島みらい創生高等学校、広島市立基町高等学校の6校に決定。「平和」や「観光」をテーマにした、いずれ劣らぬ力作が揃いました。

テーマや絵柄にそれぞれ工夫をこらした各校のデザイン

参加校のひとつ、ノートルダム清心中・高等学校では美術部のメンバーが原画を制作。部長の米田布逢(よねだ ふう)さんは、「G7広島サミットという大きな行事があるのは前から知っていたので、せっかくならやってみたいと思いました。結果的に皆で協力して完成させることができ、とても良い経験になりました。」と、ほほ笑みます。
また、デザインを考案した福田瑚花(ふくだ このか)さんは、「広島の街から鳩が飛び立つ、平和をイメージするような絵にしました。5月に咲く花をあしらおう、明るい配色にしようなど、部員から少しずつアイデアを出してもらい作り上げていきました。デジタルではなくアナログな方法でデザインを描いたことで、優しい雰囲気が出せたと思います。」と話します。
制作の中心を担った宮田りな(みやた りな)さんは、「普段、色を薄く塗るクセがあるので、ラッピングになっても絵柄がわかるように濃い目に塗ることを心掛けました。明るい色づかいで、戦争が持つ負のイメージよりも、未来に希望を持つ温かな平和のイメージに仕上げています。」と、工夫した点や原画の意図について語ってくれました。

原画を担当した美術部の宮田さん(左)、米田さん(中)、福田さん(右)

制作を進めていく中で、時に意見がぶつかることもあったというメンバーたち。「けれどその中で、互いの意見に耳を傾けたり譲り合ったりして、結果的に満足のいくものができあがりました。大げさかもしれないけど、活動の中で“平和の原点”を見つけた気がします。」と、取り組みを通じて得られたものの大きさを話してくれました。

各校の原画が描かれたラッピング電車

ほかにも、折り鶴や広島の名所、スポーツなど、各校デザインの絵が一堂に会したラッピング電車は、サミット閉会までの運行を予定しています。
「写真を撮ってSNSにアップしてくれるなど、市民の皆さんの反応も上々です。今しか見られない電車なので、ぜひ多くの方に楽しんでもらえたらと思います。また、広島電鉄は原爆投下の3日後には運転を再開したことから、“復興の象徴”や“平和の象徴”と言っていただいております。そのような歴史を皆さんに知っていただくと共に、国際平和都市・広島で、広島電鉄が平和を訴えるコンテンツとして在り続けられたらと考えています。」と、坂元さんはラッピング電車に込められた想いを語ってくれました。


【DATA】

広島電鉄株式会社

https://www.hiroden.co.jp

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