平和を考える映画④『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』国際平和拠点ひろしま〜核兵器のない世界平和に向けて〜

平和を考える映画④『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』

#peacetimes

　年間200本以上の映画を上映している広島市中区の映画館「八丁座」「サロンシネマ」を運営する序破急の方々に、「今観ておきたい平和を考える映画」をテーマに、おすすめの作品を紹介してもらいます。

　2022年10月21日より八丁座で公開する『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』は「ザ・ビートルズ」の知られざるインド滞在期を追ったドキュメンタリー映画です。

　1968年、23歳だった映画監督のポール・サルツマンは、失恋の傷を癒やすためにガンジス川のほとりにあるアシュラム（僧院）を訪れ、そこで瞑想を学んでいたビートルズのメンバーたちと出会います。彼らと共に過ごした日々を多くの写真に残したサルツマン監督は、本作で再び想い出の地を巡り、関係者たちの貴重な証言と共にビートルズのメンバーたちの素顔に迫っていきます。

　当時の世界は、ベトナム戦争やアメリカでの公民権運動の激化、東西冷戦による核戦争の恐怖等で不安に覆われていました。その頃に人気絶頂期を迎えていたビートルズは、内なる平和を探求する超瞑想運動に傾倒し、運動の創始者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーに招かれてインドを訪ねていました。

　一人一人が瞑想によって心の奥深いレベルで平安と調和を取り戻し、精神世界の内面から世界平和を実現していこうとするマハリシの教えは、ビートルズのメンバーの創作活動にも多くの影響を与えました。代表作にして最高傑作と謳われる『ザ・ビートルズ』（通称「ホワイト・アルバム」）の楽曲の多くはここで生まれたと言われています。

　「俺たちの歌は全て反戦歌だ」とジョン・レノンは発言しています。ビートルズは声高に戦争反対を歌うことはなくても、愛を歌うことによって世界に平和を訴えていたのでしょう。ベトナム戦争が泥沼化する中で作られた「All You Need Is Love」と繰り返し歌う『愛こそはすべて』は、人類の愛の力を称賛するメッセージソングとして若者たちの心に響きました。

　『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』では、既に世界的なバンドであったビートルズのメンバーが、激動する社会から離れたインドの山奥で瞑想を学び、初対面の無名の異国の若者とも分け隔てなく語らいながら、自由に創作活動をしていく姿が興味深く語られています。再び不穏な空気に包まれつつある今日の世界情勢の中で、それぞれの国の人々が、心の奥底で人類愛の連帯感を持ちながら前向きに生きていくための参考になるかもしれません。

■タイトル：「ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド」

■2022年9月23日（金・祝）から全国順次ロードショー

八丁座　2022年10月21日～

監督・脚本・製作：ポール・サルツマン　

ナレーション：モーガン・フリーマン　

製作総指揮：デヴィッド・リンチ

出演：デヴィッド・リンチ、パティ・ボイド、ジェニー・ボイド、マーク・ルイソン、ルイス・ラファム、ローレンス・ローゼンタール、リッキ・クック、ハリプラサード･チョウラシア、デヴィアニ・サルツマン

2020年／カナダ／英語／79分／カラー／1.78:1／5.1ch

原題：Meeting The Beatles in India　

字幕：大西公子　字幕監修：藤本国彦　

配給：ミモザフィルムズ　

【公式サイト】http://mimosafilms.com/beatles/

八丁座

広島市中区胡町6-26 福屋八丁堀本店8階　

TEL：082-546-1158　FAX：082-546-1159

サロンシネマ

広島市中区八丁堀16-10 広島東映プラザビル8階　

TEL：082-962-7772　FAX：082-962-7773

HP：https://johakyu.co.jp/

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