Leaning from Hiroshima’s Reconstruction Experience: Reborn from the Ashes vol1第8章 メディアと復興 はじめに
広島は原爆で都市機能が灰燼に帰した。メディアも壊滅的な打撃を受けた。未曽有の混乱のなかから,原爆の被害を伝える報道は始まった。しかし,連合国軍総司令部(GHQ)による検閲と圧力が立ちふさがる。生存者は,最愛の家族や生活基盤を失い,放射線後障害に見舞われながらも,生活の再建に挑む。耐え難く重い年月が続いた。
本章は,原爆がもたらした惨禍を,中国新聞をはじめ国内外のメディアはどう報じたのか,今日に続く報道の礎がどのように形づくられたのかを検証する。広島復興に立ち向かった市民の生活再建と変遷は,報道のみならず児童の手記や行政資料などを手がかりに,光と影が織り成した内実に迫る。