2020年は広島・長崎に原爆が投下されて75年目を迎えます。

75年経った今でも核兵器は廃絶されておらず，2020年１月時点で１万３千発を超える核兵器が地球上に存在します。

核兵器使用の実相を知っていただくため，原子爆弾投下後の広島県庁の状況を伝えます。

原子爆弾投下前の広島県庁

1945年当時，広島県庁は現在の広島市中区基町ではなく，広島市中区加古町（当時は広島市水主町）にありました。

明治11年（1878年）に竣工した県庁舎の本館はルネッサンス式木造２階建の建造物でした。

原子爆弾投下直後の広島県庁

1945年８月６日に投下された原子爆弾により広島県庁は破壊され，多数の職員が死亡し，負傷した職員も多くいました。そのため，行政機能は一時全く中止せざるを得ませんでした。

高野広島県知事は当日福山へ出張中でしたが，広島市全滅の知らせを受け，急遽広島に戻りました。

８月６日の夕方に高野知事は県の第一避難所であった比治山多聞院（たもんいん）に到着し，同所を広島県防空本部にしました。８月７日には下柳町（現在の広島市中区銀山町）の東警察署に拠点を移して救助活動が行われました。

広島県職員の被災状況

広島県職員の被災状況については，「広島県庁原爆被災誌」（1976年発行）の中で，本庁607名，出先機関等524名の1,131名が死亡したと記載されています。内訳は次のとおりです。

出典：広島県「広島県庁原爆被災誌」（1976年）を基に作成

建物の被害状況

一発の原子爆弾により多くの建造物も倒壊，火災による焼失にあいました。

広島県庁は全焼し，その他にも中国総監府，広島市役所などの官公庁，広島高等師範学校，中国新聞社などが全焼しました。

このように一発の原子爆弾は多くの市民の命を奪い，地域の機能を壊滅させました。

現在でも，地球上に13,000発以上の核兵器が存在します。

核兵器は人類に必要でしょうか？

核兵器使用の実相を知ってください。

参考文献

広島県『広島県庁原爆被災誌』(1976年)

広島県庁舎の戦災復興 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/100378.pdf