バラク・オバマ(前アメリカ合衆国大統領)からのメッセージ
被爆75周年にあたり,原爆の日を厳かに迎えられる広島と長崎の皆様に,心よりご挨拶を申し上げます。
私の大統領在任中で非常に光栄だったことの一つは,2016年の広島訪問でした。被爆地・広島を訪れ,かつてここで起きた破壊の大きさと,奇跡のような復活を遂げた広島の姿を,十分に認識するためにはそこに立ってみなければなりません。私は,自ら折り鶴を折り,広島平和記念資料館と平和記念公園へ赴いた時のことをずっと覚えています。
なかでも,原爆投下の日の記憶を持つ被爆者(ヒバクシャ)の方々と挨拶を交わしたことを忘れることはないでしょう。彼らはいつも,私たちに訴えかけてきます。科学の進歩が,破壊するためではなく何かを築いていくために利用される平和な世界を希求することを,決してあきらめてはならないのだと。私は,日米同盟がこの精神を謳っていることを誇りに思って,この同盟をさらに強化すべく,常に自分の役割を果たしていきます。
今年の原爆の日は,参列される被爆者の数も少なく,とりわけ心が痛みます。しかし,被爆者の方々の記憶と体験が決して色あせることはないという信念に,私は勇気づけられます。広島訪問の際に行った演説でお話したことをもう一度申し上げます。 「いつの日か,証人としての被爆者の声を聞くことがかなわなくなる日が来ます。 けれども1945年8月6日の朝の記憶が薄れることがあってはなりません。この記憶のおかげで,私たちは現状を変えなければならないという気持ちになり, 私たちの倫理的想像力に火がつくのです。そして私たちは変わることができるのです。」
被爆75周年特設ページ
2020年,原子爆弾が投下されて75年を迎えました。 核兵器はもう過去の出来事でしょうか? 地球上には未だに1万3千発を超える核兵器が存在します。 被爆から75年を迎える今だからこそ, 一緒に平和について考えてみませんか。
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