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国際平和拠点ひろしま

トルーマンの艦上発表

2020年は広島・長崎に原子爆弾が投下され75年目となります。

「広島県史 原爆資料編」に掲載されている原爆に対する国際的反応:海外の新聞論調を紹介します。1945年8月6日に広島,8月9日に長崎に投下された原子爆弾について海外の新聞はどのように報じたのでしょうか。

本県が進めている国際平和拠点ひろしま構想の趣旨と合致しない論調も含まれますが,原子爆弾投下を海外でどのように伝えたか知っていただくため 「広島県史 原爆資料編」に掲載されている新聞論調をそのまま掲載しています。

トルーマンの艦上発表

昭和20.8.7 シカゴ・トリビューン紙

[大下応氏蔵]

トルーマン氏,緊張の内に秘密を明かす

―原子爆弾投下を乗組員に語る―

トルーマン大統領座乗米艦艇オーガスタ艦上にて,八月六日,AP電―トルーマン大統領は,きょう,みずからの口から初めて非公式に,広島への最初の原子爆弾投下を当艦乗務の将兵に伝えた。

任務達成の報を受けるや大統領は,バーンズ国務長官を伴って,おりしも昼食中の艦内士官室に現れた。

大統領は興奮にはずんだ声で,「そのままで・・・・・・。諸氏に公表することがある」と口を開いた。士官たちが息をのんで何事かと待ちうけるうちを,トルーマン氏はしばしためらったのち,言葉を続けた。「今しがた,わが方は一発の威力TNT二万トン以上にあたる爆弾を日本に投下した。結果は圧倒的な大成功であった。」

満場の拍手喝采の静まるのを待たず,大統領は,はいって来たときと同様,あわただしくそこを立ち去り,途中,艦内各所の兵員食堂で乗組員面々にこのニュースを繰返した。

乗組員たちの応答は怒号に近かった。「これで故郷に帰るのが早くなった」というのが誰もの口をついて出た言葉だった。

同艦は現在米国東海岸の港を目ざして航行中,大統領はそこからホワイトハウスに帰還の予定で,水曜日までにはワシントン到着の見込みと聞いている。

なおさきのベルリン三巨頭会談についての大統領報告全国放送の日程は今のところ未定である。

(片柳 寛訳)

出典 広島県史 原爆資料編

 

 

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