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国際平和拠点ひろしま

(11) 不可逆性

A) 核弾頭及びその運搬手段の廃棄の実施または計画

米露による新START では、過去に締結された主要な二国間核軍備管理条約と同様に、条約で規定された上限を超える戦略(核)運搬手段について検証を伴う解体・廃棄を実施することが義務付けられている。核弾頭の解体・廃棄については、条約上の義務ではないものの、両国は一方的措置として部分的に実施してきた。このうち米国は、バイデン政権下で再び、各年に廃棄された核弾頭数を公表した。発表資料によれば、米国は2020 年に184 発の核弾頭を廃棄した。また、1994〜2020 年に米国が廃棄した核弾頭数は11,638 発であった225。
他の核兵器国からは、核兵器の廃棄に関する新たな報告はなされていないが、フランス及び英国は、退役した核弾頭や運搬手段の解体を行っている。また、2021 年の国連総会第一委員会では、2022 年にドイツとフランスが核弾頭の廃棄を模擬する演習を実施する予定であることが報告された226。


B) 核兵器関連施設などの解体・転換

核兵器関連施設などの解体・転換に関して、2021 年には顕著な動きは見られなかった。核保有国から新たな情報の公開もなされなかった。
フランスは、核保有国のなかで唯一、1996 年に核実験場の完全かつ不可逆的な閉鎖を決定し、1998 年に完全に閉鎖して除染作業を行った227。北朝鮮も2018 年に核実験場の閉鎖を宣言し、坑道の入り口を爆破したが、完全かつ不可逆的な閉鎖であるかは確認されていない。


C) 軍事目的に必要ないとされた核分裂性物質の廃棄や平和的目的への転換など

米露間のプルトニウム管理・処分協定(PMDA、2011 年7 月発効)228を巡る状況は、ロシアが米国による敵対的な行為などを理由に2016 年10 月に履行を停止して以降、打開に至っていない。
米露合意に基づいて計画された混合酸化物(MOX)燃料生産施設(MFFF)について、米国は2018 年にプロジェクトを公式に終了させた(『ひろしまレポート2021年版』を参照)。NNSA は、MFFF を核兵器用のプルトニウム・ピット生産施設に改装することを検討している。


225 NNSA, “Transparency in the U.S. Nuclear Weapons Stockpile.”
226 “Statement by Germany,” General Debate, First Committee, UNGA, October 5, 2021.
227 NPT/CONF.2015/10.
228 解体された核弾頭から取り出された米露の余剰プルトニウム各34t を、混合酸化物(MOX)燃料化して民生用原子炉で使用し処分することなどを規定している。

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