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国際平和拠点ひろしま

(2) 国際原子力機関(IAEA)保障措置(NPT締約国である非核兵器国)

A) IAEA保障措置協定の署名・批准

核物質が平和的目的から核兵器及び他の核爆発装置へと転用されるのを防止・検知するために、NPT第3条1項で、非核兵器国はIAEAと包括的保障措置協定を締結し、その保障措置を受諾することが義務付けられている。2021年9月の時点で、NPT締約国である非核兵器国のうち、8カ国(パレスチナを含む)が包括的保障措置協定を締結していない46。
また、NPT上の義務ではないが、IAEA保障措置協定追加議定書の締結については、NPT締約国である非核兵器国のうち、2021年末時点で132カ国が批准している。イランは2016年1月に追加議定書の暫定的な適用を開始したが、2021年2月にその適用を終了した。
包括的保障措置協定及び追加議定書のもとでの保障措置を一定期間実施し、その結果、IAEAによって「保障措置下にある核物質の転用」、「申告された施設の目的外使用(misuse)」及び「未申告の核物質及び原子力活動」が存在する兆候がない旨の「拡大結論(broader conclusion)」が導出された非核兵器国(2020年末時点で72カ国47)については、包括的保障措置協定と追加議定書で定められた検証手段を効果的かつ効率的に組み合わせる統合保障措置( integrated safeguard )が適用される。2020年には66カ国で統合保障措置が実施された48。
本調査対象国のうち、NPT締約国である非核兵器国に関して、包括的保障措置協定及び追加議定書の署名・批准状況、並びに統合保障措置への移行状況は、表2-1のとおりである。なお、EU諸国は欧州原子力共同体(EURATOM)による保障措置を受諾してきた。また、アルゼンチン及びブラジルは二国間の核物質計量管理機関(ABACC)を設置し、両国、ABACC及びIAEAによる四者協定に基づく査察を実施している。
2021年9月のIAEA総会で採択された決議「IAEA保障措置の有効性強化と効率向上」では、NPT締約国で小規模な原子力活動しか実施していない国である少量議定書(SQP)締結国に議定書の改正ないし改定を求めるとともに、同年9月時点で69カ国について改正が発効したことが記された49。他方、原子力導入の意図を表明している国のなかで、サウジアラビアは依然としてSQPの改正議定書を受諾していない50。
2021年に注目されたのが、原子力潜水艦の核燃料に対するIAEA保障措置の実施に関する問題であった。豪州、英国及び米国は9月に新たな安全保障パートナーシップ「AUKUS」を創設し、その取組の1つとして、3カ国が協力して豪海軍の原子力潜水艦導入を進めることに合意した。
非核兵器国による原潜の導入にあたっては、その核燃料に対していかなる保障措置を実施するかが課題となる(コラム5参照)。グロッシ(Rafael Grossi)IAEA事務局長は、3カ国から、「豪州が豪海軍の通常兵器搭載原子力潜水艦の能力を獲得することを支援するために、最適な経路を特定する」18カ月間の3国間の取組について報告を受けたとし、その協力の重要な目的は、「核不拡散体制の強化と豪州の模範的な核不拡散の資格」を維持することであり、「今後数カ月間、IAEAと協力していく」と3カ国から連絡があったことを明らかにした51。
この問題については、中国やロシアをはじめとする国々などから批判や懸念が示されている。たとえばロシアは国連総会で、以下のように述べた。

条約で直接禁止されているわけではないが、NPT非核兵器国による原潜の建造は、IAEA保障措置の実施に非常に不利な前例となる可能性がある。このパートナーシップは、豪州が南太平洋非核地帯条約に参加していることとの関連でも疑問視されている。核兵器国が非核地帯条約議定書に署名または批准する際に行った留保を明確にすることは、正当化されるように思われる52。

中国はIAEA宛ての10月29日付書簡で、豪州に移転される原子力推進装置と核燃料が核兵器製造に転用されない保証はなく、IAEA保障措置も効果的に適用できないとして、IAEA全加盟国の参加を認める特別委員会の設置、並びに勧告を含む報告書の提出を提案し、その報告書が採択されるまでの間は米英豪は計画を開始しないよう求めた53。また、11月にも中国外交部報道官が、「現行の保障措置メカニズムでは、IAEAは米英が豪州に提供しようとしている原子炉や兵器級核物質を効果的に監視し、関連する核物質や技術が核兵器開発に使用されないようにすることができない。したがって、米英豪のこのような動きは、核拡散の大きなリスクをもたらし、NPTの目的と趣旨に明らかに違反し、国際的な核不拡散体制に深刻な影響を与えている」54と批判した。
ブラジルは以前から非核兵器国で初となる原子力潜水艦の保有を目指しているが、その核燃料に対するブラジル・IAEA間の保障措置のあり方を巡る動向の詳細は明らかではない55。また、イランは、2012年に原潜建造計画を表明し、2020年にも計画が進行中だと報じられたが、具体的な動向は明らかではない。

 

B) IAEA保障措置協定の遵守

2021年に刊行された『2020年版保障措置ステートメント』によれば、2020年末時点で、包括的保障措置及び追加議定書の双方が適用される131カ国(2020年には追加議定書を暫定的に適用していたイランを含む)のうち、IAEAは、72カ国についてはすべての核物質が平和的活動のもとにあると結論付け、59カ国については未申告の核物質・活動がないことに関して必要な評価を続けている。また、包括的保障措置協定を締結し追加議定書未締結の44カ国について、IAEAは、申告された核物質は平和的活動のもとにあると結論付けた56。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、IAEAによる保障措置の実施にも大きな困難を課したが、IAEA事務局長報告書によれば、2020年7月1日〜2021年6月30日の間に、「各国による渡航制限や、健康・安全対策によってもたらされる多くの課題にもかかわらず、IAEAは新型コロナ禍の間も効果的な保障措置の実施を継続してきた」。上記期間にIAEAは2,249回の査察、708回の設計情報検認(DIV)、201回の補完的アクセスを実施した。IAEAは査察官及び技術スタッフの移動のために特別拠出金から415万ユーロ(うち178万ユーロは査察官及び技術スタッフのイランへの渡航にかかるもの)を拠出し、チャーター機の使用契約を締結した。また、IAEAの地域事務所が所在するカナダ及び日本については、他国と比べて困難度は低く、2つの地域事務所により、上記の期間に264回の査察、69回のDIV、21回の補完的アクセスが実施された57。

 

北朝鮮

北朝鮮は2002年以降、IAEAによる監視を拒否してきた。2021年9月のIAEA事務局長報告「北朝鮮への保障措置の適用」では、「IAEAは、公開情報や衛星画像などを含む入手可能な保障措置にかかる情報を評価することにより、北朝鮮の核計画の進展を監視している。IAEAは、北朝鮮の寧辺(Yongbyon)及びその他の核施設にアクセスできず、以下に記載した施設の運転状況や構成、設計の特徴、位置などを確認することはできない。またそこで実施されている活動の特徴や目的についても同様である」58と述べた。また、IAEAは、公開情報や衛星画像などを通じて把握した北朝鮮の核関連施設などの状況について報告した。その概略は以下のとおりである。

➢ 2021年2月中旬から7月上旬にかけて、放射化学研究所が5カ月間運転された兆候が見られた。この期間は、5MWe実験用原子炉(黒鉛減速炉)の燃料を再処理するのに必要な時間である。
➢ 2021年7月上旬以降、黒鉛減速炉の運転と見られる兆候が見られた。
➢ 寧辺の遠心分離濃縮施設とされる施設については、運転していないことを示す兆候が一定期間あった。
➢ 降仙(Kangson)複合施設で進行中の活動の兆候があった。

また、IAEAは、「関係国間で政治的合意がなされれば、北朝鮮からの要請と理事会の承認を前提とし、北朝鮮へ即座に復帰する準備ができている」とし、「2020年9月の報告以降、特に以下の準備を行ってきた」とした59。

➢ 核計画にかかる公開情報の収集・分析の強化
➢ 核計画を監視する高解像度商業衛星画像の収集・分析の拡大
➢ 検証及び監視活動の迅速な開始の準備ができていることを確実にするため、必要な機器などの調達の完了
➢ 北朝鮮の施設の技術的特徴及び核計画に関連する技術についてのIAEA査察官の訓練
➢ 北朝鮮にて検証及び監視を行った経験を有する査察官の知識の文書化
➢ 過去に北朝鮮でIAEA査察官による活動を通じて得られた履歴情報と現在の情報の統合


イラン

検証・監視

イラン議会は2020年12月に国内法を制定し、2021年2月までにイランの石油販売に関する障害が取り除かれ、銀行取引が正常化されなければ、IAEA保障措置協定追加議定書の暫定適用を停止すると定めた60。この国内法に基づいて、イランは2月15日にIAEAに対して、追加議定書の暫定適用を含む以下のようなJCPOA上の措置を2月23日より停止すると通告した61。

➢ IAEA保障措置協定追加議定書の適用
➢ 包括的保障措置協定補助取極修正コード3.1(IAEAへの新たな原子力施設設計情報の早期提供)62
➢ IAEAによる最新技術の使用や長期的プレゼンスのためのアレンジ
➢ ウラン精鉱に関連する透明性措置
➢ ウラン濃縮に関連する透明性措置
➢ JCPOAの規定に基づくアクセス
➢ 自発的措置の実施に対する監視と検証
➢ 遠心分離機の部品製造に関連する透明性措置

これを受けて、グロッシIAEA事務局長は2月21日にサレヒAEOI長官と会談し、以下のような合意に達したことを共同声明で明らかにした63。

➢ イランは、以前と同様にIAEA包括的保障措置協定を完全かつ制限なく履行する
➢ (イラン国内法に)合致する暫定的な二国間の技術的了解事項のもとで、IAEAは必要な検証・監視活動を最大3カ月間継続する
➢ その目的を達成するために、技術的了解事項を定期的に見直す

技術的了解事項の具体的な内容は非公表だが、最大3カ月の暫定期間に、イランは追加議定書の履行範囲である施設の検証のため、IAEAが設置したカメラの監視データを自主的に保存し、米国による制裁措置が解除された場合にはIAEAに提供することが合意に含まれていた。グロッシIAEA事務局長は、上述のような措置の結果、査察員の数は減らず、必要なレベルの監視は可能だが、アクセスは縮小すると述べ、イラン政府は査察官のアクセスはそれまでの70%程度になるとの見通しを示した64。
上記の合意から3カ月後の5月24日に、イランはIAEAによる最低限の核施設査察をさらに1カ月間受け入れることに合意した。これにより、イラン核施設の監視映像を通じた査察の継続が可能になるが、グロッシ事務局長は「あくまでも暫定的措置」であり、追加議定書に基づく十分な査察はできない状態だと強調した65。しかしながら、イランのガリバフ( Mohammad Bagher Ghalibaf)国会議長は1カ月間の延長を終えた後の6月27日に、IAEAとの合意は「失効した」とし、原子力施設に設置している監視カメラのデータや画像をIAEAに渡さないとした66。
この間、IAEAは5月末の報告書で、イランの濃縮ウラン保有量について、初めて推計値を報告した。これは、2月23日以降、「オンライン濃縮モニターや電子封印のデータにアクセスできず、設置された測定器が記録した測定記録にもアクセスできなかった」ためだとした67。
また、IAEAは9月の報告で、イランが追加議定書を含めIAEAの査察を制限したことについて、検証や監視の活動が「著しく損なわれている」と懸念を表明した68。カラジの遠心分離機部品製造工場に設置された監視カメラとそのデータ(2021年6月の破壊工作で、設置されていたカメラが損傷を受けたとされる)についても、以下のように報告された。

2021年9月4日、IAEAは、TESAカラジ複合施設の遠心分離機部品製造工場に設置されていた4台の監視カメラへのアクセスを提供された。このうち、1台は破壊され、1台が深刻な損傷を受け、他の2台は無傷であることを確認した。データ記憶媒体は3台のカメラから回収され、それ以上の検査を行わずにIAEAの封印が施された。しかしながら、破壊されたカメラの記憶媒体と記録ユニットは、提出されたカメラの残骸の中には残されていなかった。IAEAは、2021年9月6日付のイランへの書簡で、イランに記憶媒体と記録装置の所在を確認し、それらが存在しない理由について追加情報を提供するよう要求した。封印された他の3台のカメラの記録媒体にアクセスできるようになるまで、記録媒体のデータが復元可能か否かを判断することはできない。
……本報告の時点では、技術的理解に関連するイラン国内の残りのモニタリング及び監視機器の状況について、IAEAはイランから情報を受領していない。実際、イランはこの問題に関して数カ月にわたり、IAEAとの関わりを全く持っていない。イランが2021年5月24日の合意を引き続き実施していないことで、IAEAは機器の整備や記憶媒体の交換を妨げられている。このことは、将来的にイランの核関連のコミットメントの検証・監視を再開するために必要となる知識の継続性を維持するうえでのIAEAの技術的能力を著しく損なうものである69。

これについて、イランとIAEAは9月12日に、核施設の監視カメラのデータを継続して記録するために協力することで合意した。共同声明によれば、「IAEAの査察官は、特定された機器を整備し、IAEAとAEOIの共同封印のもとでイランに保管されることになる記憶媒体を交換することを許可される。その方法と時期については、両者で合意する」70。しかしながら、イランは上記の合意にもかかわらず、ウラン濃縮に使う遠心分離機の部品の製造工場への査察官の立ち入り、監視・モニタリング機器の整備と記録媒体の交換を拒否したとIAEAが指摘した。これに対して、イランはIAEA宛の書簡で、IAEAの指摘は不正確で、共同声明の合意事項を逸脱しているとし、「『共同声明』中の『特定された機器』という言及に、テロ攻撃によって破損した4台のカメラが含まれているとするIAEAの主張を否定する」とした。また、「カラジの施設は安全保障面の調査と司法手続きのもとにあり、カメラを取り換えることはできなかった」とも主張した71。
11月のIAEA事務局長報告では、カラジの遠心分離機部品製造工場で、破壊・撤去された監視カメラの再設置ができていないことが報告された。同月のIAEA理事会で、グロッシ事務局長は以下のように述べ、イランの対応を批判した。

JCPOAに関連して、イランのすべての施設や場所にある監視・モニタリング機器へのIAEAの定期的なアクセスがないなかで、2021年2月にイランと交わした一時的な合意により、知識の継続性の維持が容易になったと考えた。しかしながら、約9カ月に及ぶ合意の度重なる延長は、この知識の継続性を回復するためのIAEAの能力に大きな課題となりつつある。
また、2021年9月12日にIAEAとイランの間で合意された内容に反して、カラジの工場にアクセスできなかったため、JCPOAに関連するイランのすべての施設・場所での監視・モニタリングの復旧が完了できなかった。このことは、JCPOAの再建に関連して不可欠であると広く認識されている、工場での知識の継続性を回復するためのIAEAの能力に深刻な影響を与えている72。

グロッシ事務局長はまた、「イランの原子力施設では、保安官によって、IAEA査察官が過度に侵襲的な身体検査を受けていることを懸念している。イランに対して、この状況を改善するために直ちに措置を講じ、国際的に受け入れられているセキュリティの慣行、及びIAEAとその査察官の特権と免責に関するイランの法的義務に合致した方法で、原子力施設のセキュリティ手順を実施するよう、改めて要請する」73とした。
12月に入り、イランとIAEAは、残された未解決の保障措置問題の解決に向け、引き続き作業を行うこと、12月末までの両者が合意した日にカラジのワークショップから撤去されたカメラに代わるカメラを再設置し、その他の関連技術活動を実施する予定であることなどに合意した74。なお、監視カメラの映像については、JCPOA再建までの間、IAEAは視聴できない。

 

未申告活動

IAEA事務局長は、2021年2月23日付の報告で、イランが1989年〜2003年の秘密裏・組織的な核開発計画(AMADプラン)に関連するものであった可能性のある4つの場所でのIAEAに未申告の核物質・活動の存在について、IAEAによる評価をまとめた。このうち、1カ所では、環境サンプリングの結果、ウラン転換が実施された可能性を示す人為的に生成された天然ウラン粒子、並びにウラン236を含む低濃縮ウラン(LEU)及びウラン235の割合が天然よりわずかに低い濃度の劣化ウランが検出された。また、他の2カ所では、環境サンプリングの分析結果として、人為的に生成されたウラン粒子の存在が示唆されたとした。さらに、残る1カ所については、広範囲にわたって痕跡が消され、整地されたため、IAEAは補完的アクセスを行う価値がないと評価した75。
IAEAが5月に作成した報告書では、「IAEAが補完的アクセスを実施した3施設で核物資の粒子が検出されたことについて、何カ月も経過したがイランは必要な説明を行ってこなかった」とし、「イランの保障措置申告の正確性及び完全性に関するIAEAの疑問点の解明が進まないことは、イランの核計画の平和的性質を保証することへのIAEAの能力に深刻な影響を与えている」と記載された76。11月のIAEA事務局長報告でも、これらの問題が未解決であると報告された77。

 

シリア

IAEAは、2007年のイスラエルによる空爆で破壊されたシリアのダイル・アッザウル( Dair Alzour )のサイトについて、IAEAに未申告で秘密裏に建設されていた原子炉だった可能性が高いと評価している。IAEAはシリアに、未解決の問題について十分に協力するよう求めているが、シリアは依然として対応していない78。
また、このIAEA保障措置ステートメントでは、2020年にダマスカス近郊の小型研究炉(MNSR)及びダマスカス市内の施設外の場所(LOF)で査察を実施したこと、並びにシリアが申告した核物質については、平和的活動からの転用を示す兆候はなかったことが記載された79。


46 IAEA, “Status List: Conclusion of Safeguards Agreements, Additional Protocols and Small Quantities Protocols,” September 15, 2021, https://www.iaea.org/sites/default/files/20/01/sg-agreements-comprehensive-status.pdf. 2021年にはエリトリア及びミクロネシアの包括的保障措置協定が発効した。未締結の8 カ国は、いずれも少量の核物質しか保有していないか、原子力活動を行っていない。
47 エルサルバドル、リビア、ニカラグア及びナイジェリアが新たに導出される一方、ウクライナが2020 年には導出されなかった。
48 IAEA, “Safeguards Statement for 2020,” 2021. 拡大結論が導出されたものの統合保障措置が適用されていないのは、エルバルサドル、ヨルダン、リビア、ニカラグア、ナイジェリア及びトルコ。
49 GC(65)/RES/12, September 2021.
50 サウジアラビア初の研究用原子炉が完成間近で、同国はその核燃料を輸入する前に保障措置協定を再交渉し、すべての核物質・活動が適切に保障措置下に置かれるようIAEAと補助取極を締結するなど、SQP をフルスコープの保障措置協定にする必要がある。また、サウジアラビアが締結しているSQP のもとでは、保障措置上の便宜から実施している原子炉の設計・建設段階でのチェックを行うことができない。IAEA はサウジアラビアと保障措置協定の改正に向けた協議を継続しているが、2021 年にも進展はなかった。
51 IAEA, “IAEA on Trilateral Effort of Australia, United Kingdom, and United States on Nuclear Naval Propulsion,” September 16, 2021, https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/iaea-on-trilateral-effort-of-australia-unitedkingdom-and-united-states-on-nuclear-naval-propulsion.
52 “Statement of Russia,” General Debate, UNGA, October 6, 2021.
53 INFCIRC/965, November 1, 2021.
54 “Foreign Ministry Spokesperson Zhao Lijian’s Regular Press Conference,” November 22, 2021, https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/202111/t20211122_10451520.html.
55 Leonardo Bandarra, “Brazilian Nuclear Policy under Bolsonaro: No Nuclear Weapons, But a Nuclear Submarine,” Bulletin of the Atomic Scientists, April 12, 2019, https://thebulletin.org/2019/04/brazilian-nuclear-policy-underbolsonaro
56 IAEA, “Safeguards Statement for 2020.”
57 GOV/INF/2021/34-GC(65)/INF/8, August 26, 2021.
58 GOV/2021/40-GC(65)/22, September 2021.
59 Ibid.
60 “Strategic Action Plan to Lift Sanctions and Protect Iranian Nations’ Interests,” December 2, 2020, https://www.niacouncil.org/publications/iranian-parliament-bill-on-nuclear-program-full-text-in-english/?locale=en.
61 GOV/INF/2021/13, February 16, 2021.
62 IAEA は、JCPOA ではなく包括的保障措置に基づく措置だと主張している。
63 “Joint Statement by the Vice-President of the Islamic Republic of Iran and Head of the AEOI and the Director General of the IAEA,” February 21, 2021, https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/joint-statement-by-thevice-president-of-the-islamic-republic-of-iran-and-head-of-the-aeoi-and-the-director-general-of-the-iaea.
64 Patrick Wintour, “IAEA and Iran Strike Three-Month Deal over Nuclear Inspections,” Guardian, February 21, 2021, https://www.theguardian.com/world/2021/feb/21/iran-pushes-ahead-plan-cut-un-nuclear-inspections.
65 Philipp Jenne and Jon Gambrell, “Iran Agrees to Extend Deal on Cameras at Its Nuclear Sites,” AP, May 24, 2021, https://apnews.com/article/united-nations-middle-east-iran-europe-iran-nuclear-a9a1ff0cdc170b38cad13e0d85681af9.
66 Kareem Fahim and Karen DeYoung, “Hardening Stances by Iran and U.S. Complicate Negotiations to Revive Nuclear Deal,” Washington Post, June 27, 2021, https://www.washingtonpost.com/world/middle_east/iran-bidennuclear-deal/2021/06/27/08507cf2-d750-11eb-8c87-ad6f27918c78_story.html.
67 GOV/2021/28, May 31, 2021.
68 GOV/2021/39, September 9, 2021.
69 Ibid.
70 “Joint Statement by the Vice-President and the Head of Atomic Energy Organization of the Islamic Republic of Iran and the Director General of the International Atomic Energy Agency,” September 12, 2021, https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/joint-statement-by-the-vice-president-and-the-head-of-atomic-energy-organization-ofthe-islamic-republic-of-iran-and-the-director-general-of-the-international-atomic-energy-agency.
71 INFCIRC/964, November 1, 2021.
72 “IAEA Director General’s Introductory Statement to the Board of Governors,” IAEA, November 24, 2021, https://www.iaea.org/iaea-director-generals-introductory-statement-to-the-board-of-governors-24-november-2021.
73 Ibid.
74 “IAEA and Iran Reach Agreement on Replacing Surveillance Cameras at Karaj Facility,” IAEA, December 15, 2021, https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/iaea-and-iran-reach-agreement-on-replacing-surveillance-camerasat-karaj-facility.
75 GOV/2021/15, February 23, 2021.
76 GOV/2021/29, May 31, 2021.
77 GOV/2021/52, November 17, 2021.
78 IAEA, “Safeguards Statement for 2020.”
79 Ibid.

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