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国際平和拠点ひろしま

Hiroshima Report 2024(5) 核兵器の削減

A) 核兵器及び核兵器を搭載可能な運搬手段の削減
米露は、2011年2月に発効し、2021年2月に期限が5年間延長された新戦略兵器削減条約(新START)について、条約で規定された回数の現地査察を発効以来実施したが、2020年4月1日以降、新型コロナウイルスの世界的感染によって、現地査察の中断が続いた。さらに、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略後、同年8月にロシアは米国の対露制裁などの影響で米国での現地査察を実施できないと批判した。米国はこれを否定し、現地査察の再開に向けてロシアに協議を呼び掛けた。両国は11月末に二国間協議委員会(BCC)を開催することで合意したが、ロシアがその延期を米国に通告した。

ターナー(Bruce Turner)米軍縮大使は2023年1月にCDで、「我々は、ロシアが昨日まで、条約で規定された時間枠内でのセッションの日程再調整を拒否していることに失望している」62と発言した。これに対して、リャブコフ(Sergei Ryabkov)露外務次官は、「米国によるレトリックと行動の両方におけるエスカレートの傾向を考慮すれば、…率直に言って、状況は新しい日程を設定することを許さない」63と述べ、米国を批判した。リャブコフ外務次官はまた、「軍備管理を含む安全保障分野の状況全体が、ロシアに戦略的敗北を与えるという米国の路線によって人質にとられている」64とし、「新STARTが犠牲になる可能性が十分にある。我々は、そうしたシナリオに向けた用意ができている」65とも述べた。

こうしたなかで、米国務省は2023年1月31日、新STARTの履行に関する議会への年次報告書で、以下のように報告した66。

2022年12月31日時点で入手可能な情報に基づき、米国はロシアが新STARTの条項を遵守しているとは認定できない。米国がロシア領内で査察活動を行うのを「一時免除」する規定の無効な発動に基づいて拒否したことにより、ロシアは米国の査察活動を促進する義務を遵守せず、米国が当該査察活動を行う権利を否定している。ロシアはまた、条約で定められた期間内に二国間協議委員会(BCC)の会合を開催する義務を遵守していない。

また、報告書では、「米国は、ロシアが新STARTの弾頭数の制限を遵守しているか否かについても懸念している。この懸念は、ロシアが査察活動を促進する義務を遵守していないこと、新STARTの弾頭数の制限に近接していることに起因する」とも指摘したが、「それは不遵守の決定ではない。…米国は、ロシアが2022年末に新STARTの弾頭数の制限を下回っていた可能性が高いと評価している」とした。さらに、「米国は、ロシアが新STARTの条項を遵守しているとは認定できないが、…本報告書に明記されたロシアの不遵守が米国の国家安全保障上の利益を脅かしているとは判断していない」と結論付けた67

これに対して、ロシアは、以下のように反論し、「ロシアが新STARTの規定を遵守していないという米国代表の主張を断固として拒否する」とした68

条約に基づく査察活動の停止について、標準的な査察手続きに違反したのは米国の活動であったことに注目したい。米国は反ロシア的な制限を採用し、ロシアが米国領土内で妨害されることなく査察を行うことを妨げ、それによって米国側に明白な一方的利益をもたらした。
米国が事前の取極なしにロシアでの査察を再開する意向を示したことで、我々は一時的に、条約の規定で想定されている査察体制から戦略施設を撤回せざるを得なくなった。これらの措置は、新STARTに反するものではない。それらの目的は、米国の活動によって疑問視されている両国の平等と対等の原則を厳守し、すべての条約メカニズムの安定的な運用を確保することにある。

そして、プーチン大統領は2月21日の議会での年次教書演説で、新STARTから脱退したわけではないとしつつ、「彼らは我々に戦略的敗北を与え、我々の核施設を要求しようとしている」とし、「この観点から、私は本日、ロシアが新STARTの履行を停止すると発表せざるを得ない」と発言した。ロシアによる履行の再開にあたっては、英仏などNATO加盟国の攻撃能力を考慮する必要があるとも述べた69。

ロシア外務省は同日の声明で、プーチン大統領の決定は米国の「破壊的行為」を受けたものであり、米国が戦略兵器を改名して条約の削減対象から外れるようにするなどして、「条約の数的制限に関する中心的条項に違反した」と主張した。同時にロシア外務省は、「条約のライフサイクルの中で、…条約に規定された数的制限を厳格に遵守し続ける。ロシアはまた、1988年に署名された関連するソ米協定に従って、大陸間弾道ミサイル(ICBM)及び潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に関する通告を米国と交換し続ける」とした。また、「米国が政治的意思を示し、全般的な非エスカレーションと条約の包括的な運用再開のための条件整備、ひいては条約の存続に向けた誠実な取組を行えば、新STARTの中断という決定を覆すことは可能である」70とも述べた。

ロシアによる新START履行停止を定めた国内法は、2月22日にロシア議会(上・下院)で承認され、同月28日に大統領が署名して成立した。ロシア外務省は同日、米国に条約の履行停止を正式に通告した。

ロシアはその後も米国の対応を批判した。リャプコフ外務次官は3月1日に、米露が条約に関連する事項について秘密裏に協議していたこと、ロシアが将来的にそのような意見交換にオープンであることを述べつつ、「米国が行動を改めるまで、またウクライナとの関係で米国が行っていることに良識の兆しが見えるまで…新STARTの履行停止という決定が再検討される可能性はないであろう」71と述べた。また、リャブコフ外務次官は3月2日のCDでの演説で、「ウクライナによるロシアの戦略施設に対する攻撃を支援するために、新STARTの下で申告されたそれら施設のセキュリティを米国が『探ろう』と試みたことで、状況は一層悪化した。こうした背景から、新STARTの下でロシアの核施設へのアクセスを回復し、査察するという米国の要求を、非常に皮肉なことと受け止めている。…このような状況下で、我々は条約の停止を発表せざるを得なかった」72と述べて、自国の行動を改めて正当化した。

ロシアは、新START履行停止の一環として、戦略核戦力に関するデータの米国への提供を打ち切った。これを受けて、米国は3月28日、対抗措置として自国も戦略核兵器に関するデータの提供を行わないことを明らかにした。プラム(John Plumb)米国防次官補(宇宙政策担当)は、米国は3月末に予定されている情報交換についてロシアに圧力をかけたものの、「ロシアはその情報を提供しないと回答した」ことを明らかにした73。パテル(Vedant Patel)米国務省副報道官は、ロシアによる条約の履行停止は「法的に無効であった。したがって、既存の新START違反に加え、ロシアがこのデータを交換しないことは条約違反となり、結果として、ロシアに条約遵守への復帰を促すことを意図した合法的な対抗措置がとられることになる。米国はロシアと同様に、年2回のデータ更新をロシアに提供しないであろう」74と発言した。

リャプコフ外務次官は同月29日、米国がデータ提供を行わないことへの対抗措置として、ロシアは新STARTに基づくミサイル発射実験の事前通告を停止すると明らかにした75。リャブコフ外務次官は4月4日にも、新STARTの履行停止によって査察やデータ共有を米国と行わないことにより、「あらゆる方法で我々の軍事情報をのぞき見している」米国の情報収集を妨げることになると述べた76。一方でロシアは、1988年に締結された弾道ミサイル発射通告協定の下での米国へのミサイル実験にかかる事前通告は継続するとした77。実際に、米露が2023年に実施したそれぞれのICBM発射実験では、両国とも他方に事前通告を行った。

米国は6月1日、「ロシアが新STARTの履行に復帰するのを促す目的とした追加の合法的な対抗措置」として、以下のような措置を打ち出した78。

新START第7条第2項で義務付けられているすべての通告を保留。ただし、1988年の弾道ミサイル発射通告協定にしたがってICBM及びSLBM発射の通告を継続し、1989年の主要戦略演習の相互事前通告協定にしたがって演習の通告を行う。
ロシアの新START査察官及び航空機乗組員に発給された既存のビザを取り消し、そうしたビザの申請を拒否し、ロシアの査察用航空機に発給された常設の外交クリアランス番号を取り消すなどといったことにより、米国領土におけるロシアの新START査察活動を促進することを控える。
米国のICBMとSLBMの発射に関する遠隔測定情報(テレメトリー)をロシアに提供しない。

他方、米露はいずれも、戦略核戦力の数的制限に関する条約の義務については引き続き遵守するとの意図を表明している。この点に関して、米国は7月1日、「米国は、2023年7月1日現在、ロシアが新STARTの中核的制限を超える重要な活動に関与していないと評価している。ロシアが条約の検証規定を履行しない状態が続けば、ロシアが条約の中核的制限を遵守していることに対する米国の信頼は時間とともに低下する」79との評価を示した。

サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官は6月2日、ロシアに対して、米国は米露がどのように核リスクを管理し、どのように新たな核軍備管理の枠組みを構築できるかを前提条件なしに話し合う用意があると述べた80。しかしながら、2023年中に条約の再履行に関する米露間の協議は行われず、米国あるいはロシアから新STARTの再履行、あるいは今後の二国間核軍備管理に関する具体的な提案も示されなかった。

NPT準備委員会では、多くの国がロシアに対して新STARTを再履行するよう求めた。しかしながら、ロシアは、新STARTにかかる自国の行動について以下のように述べて正当化した。

米国の破壊的な行動は、すでにほとんど破壊された軍備管理体制に壊滅的な影響を与え続けた。とりわけ、それは新STARTの中断につながった。ロシアが強いられた決定は、米国が新STARTの基礎となった基本原則と理解を損ない、これに続いて根本的な状況の変化を招いたことへの、正当かつ合法的で、現実的に不可避な反応であった。米国側が新STARTに基づく中核的な数的制限を守らず、同条約の対象となる我が国の戦略施設をキエフ政権が攻撃するのを支援したことも、同条約の存続可能性に深刻な打撃を与えた。
新STARTの「凍結」と、これに先立って米国が引き起こした中距離核戦力全廃条約(INF条約)の崩壊を踏まえ、ロシアは核ミサイル分野における予見可能性と安定性を維持すべく、様々な措置を講じている。我々は、新STARTに規定された中核的な数的制限を引き続き遵守し、関連する通告の交換を通じてICBMとSLBMの発射を米国に通告し、米国製の地上発射型中距離及び短射程ミサイルが関連地域に出現するまで、同様のミサイルの配備に関する一方的なモラトリアムを遵守する。同時に、このモラトリアムは、米国防総省が欧州及びアジア太平洋地域に地上発射型中距離・短射程ミサイルを配備するための活発な準備を進めていることから、深刻な圧力を受けている81

条約のもとでの削減状況は、米国務省のホームページで定期的に公表されてきたが、ロシアによる履行停止に伴い、2023年3月1日時点でのデータは、米国の戦略戦力数しか記載されず、9月時点でのデータは米国のものも公表されていない(表1-4)82。新STARTが定めた削減期限である2018年2月5日になされた両国の申告では、配備戦略(核)運搬手段、配備・非配備戦略(核)運搬手段発射機、及び配備戦略(核)弾頭のすべてについて、条約で規定された数的上限を下回った。

 

B) 核兵器の一層の削減に関する具体的計画
核兵器の一層の削減に関する新たな具体的計画・構想を2023年に明らかにした核保有国はなかった。

サリバン米大統領補佐官は2023年6月の講演で、米国は「ロシア及び中国との二国間軍備管理協議に前提条件なしで関与する意思を表明している」とし、ロシアに対しては新STARTの後継条約を巡る協議について「両国の相違点の解決を待たず、ロシアと取り組む用意がある」と発言した。また、中国について、「軍備管理に関する実質的な対話のテーブルに着かないことを選択してきた」とも述べた83。米国はNPT準備委員会でも、「ロシアが新STARTの遵守に戻り、核リスクの管理と2026年以降の核軍備管理の枠組みを議論するために我々と関与する時である。誤算と誤解のリスクを回避するため、中国が戦略核問題について実質的に我々と関与する時である」84と述べてロシア及び中国に軍備管理対話を呼びかけた。

他方、リャブコフ露外務次官は、「米国が提案しているベースでは、我々はこの対話を行う準備ができていないし、今後も行うつもりはない。第一に、基本的にロシアに敵対的な米国の方針が、我々にとって良い方向に変化していることを確認しなければならず、これはまだ起こっていない」85と発言した。また、リャブコフ外務次官は10月、ロシアは米国から新たな対話を求める非公式メモを受け取ったとし、米国は「戦略的安定と軍備管理に関する対話を組織的な基盤に置くことを提案しているが、それはあらゆる出来事から切り離されて行われている」と述べ、「我々はその準備ができていない。新STARTを含む戦略的安定性に関する対話に戻ることは、米国のロシアに対する深く根本的な敵対的路線の変化なしには不可能である」と発言した86。

中国は、一貫して自国による核兵器削減プロセスへの参加を時期尚早だと主張している。NPT準備委員会では、「今優先すべきことは、最大の核兵器を保有する国々が、核軍縮のための特別かつ主要な責任を果たし、新STARTの効果的な履行を継続し、重要かつ実質的な方法で核兵器をさらに削減し、他の核兵器国が核軍縮プロセスに参加するための条件を整えることである」87と主張した。中国はさらに、「核政策も核兵器の保有数も大きく異なる国々に同じ核軍縮義務を求めることは、歴史的かつ現実的な論理に反し、国際的な核軍縮プロセスを確実に行き詰まらせる」88とも主張した。

米中は11月、オバマ(Barack Obama)政権期以来初となる局長級の軍備管理協議を開催した。米国務省によれば、「双方は、オープンなコミュニケーションラインを維持し、米中関係を責任を持って管理するための継続的な取組の一環として、軍備管理及び核不拡散に関する問題について率直かつ徹底的な議論を行った」とし、「米国は、中国の核の透明性向上と、核や宇宙を含む複数の領域にわたる戦略的リスクを管理・低減するための実践的措置への実質的な関与の重要性を強調した」89。しかしながら、具体的な進展はなく、次の協議の開催に関する合意もなかったと報じられた90。

 

C) 核戦力強化・近代化
核保有国は、核軍縮に関するコミットメントを繰り返す一方で、核兵器能力の強化や近代化を継続してきた。NPT準備委員会では、多くの非核兵器国が核戦力近代化の動向に対する強い懸念を表明した。NAM諸国は、「米国の核態勢見直しを含む一部の核兵器国の軍事ドクトリンに規定されている既存の核兵器の改良と新型核兵器の開発が、核軍縮に関する法的義務に違反するとともに、軍事・安全保障政策における核兵器の役割を減少させるという約束に違反し、核兵器国によって提供された消極的安全保証に反することを懸念をもって繰り返す」91と述べた。

ICANが2023年6月に刊行した報告書によれば、核保有国による2022年の核兵器関連支出額(核戦力の近代化を含む)の総計(推計)は829億ドルで、前年(824億ドル)から増加した。このうち米国が437億ドル、中国が約117億ドル、ロシアが96億ドル、英国が68億ドル、フランスが56億ドルであった92。

 

中国

中国は、「常に核戦力を国家の安全保障に必要な最小限のレベルにとどめ、核兵器の投資、数量、規模において他国と同等であることを求めない。中国はいかなる形でも軍拡競争に参加しない」93との方針を繰り返している。しかしながら、中国は核戦力の開発・配備の状況について一切公表しておらず、その実態は明らかではない。

近年、中国による核戦力の近代化が加速しているとの懸念が高まっている。米国防総省が10月に公表した2023年版「中国の軍事力に関する年次報告」では、「中国は、2030年までにおそらく1,000発以上の運用可能な核弾頭を保有し、その多くがより高い即応性レベルで配備され、2035年に中国人民解放軍(PLA)の近代化を『基本的に完了』させるという目標に沿って、それまでは戦力を増強し続けるだろうと推定される。これは2049年までに『世界一流』の軍隊を保有するという習近平の目標への道のりで重要なマイルストーンになる」94との分析を示した。2023年2月には、米軍幹部が議会に対して、前年10月時点で中国が保有する地上配備型固定式・移動式ICBM発射機の数は、米国のICBM発射機の数を上回っていると通知したことが報じられた95。

中国の戦略核戦力の中心であるICBMについて、2000年代後半以降、移動式のDF-31A/AG、固定式で1基に3~5個の核弾頭を搭載可能な複数個別誘導弾頭(MIRV)化のDF-5B、移動式で1基に最大で10個の核弾頭(核弾頭は3個程度で、別に囮や侵入支援を搭載しているとの見方もある)を搭載可能なMIRV化のDF-41といった新型ICBMの配備が続いている。米国防総省は、「中国はおそらく2022年に、少なくとも300の新しいICBMサイロからなる3つの新しい固体燃料サイロ・フィールドの建設を完了し、少なくともいくつかのICBMをこれらのサイロに装填した」96と分析し、ICBMを350基、その発射基を500基保有しているとの見積もりを示した97。

中国はSLBM戦力の強化も進めている。米国防総省は、中国が6隻の晋級(Jin class)弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)(Type 094)にJL-2またはJL-3 SLBMを搭載して常続的な海洋パトロールを行っていると分析している98。JL-3は中国の最新のSLBMで、射程距離は10,000km以上と見積もられており、中国沿岸から米国本土への攻撃が可能だとされる。

また、中国は核弾頭を装着可能な空中発射弾道ミサイル(ALBM)を搭載できるH-6N戦略爆撃機と、核巡航ミサイルを搭載可能なH-6K戦略爆撃機によって、戦略核三本柱を完成させつつある。

非戦略核戦力に関して、中国は核・通常両用の地上発射型短・中距離ミサイル戦力を質的にも数的にも高いレベルで保持していると見積もられている。米国防総省の「中国の軍事力に関する年次報告書」では、中距離弾道ミサイル(IRBM)の発射機が250基、そのミサイルが500基、準中距離弾道ミサイル(MRBM)の発射機が300基、そのミサイルが1000基以上、短距離弾道ミサイル(SRBM)の発射機が200基、そのミサイルが1,000基以上と推計している99。

中国は、弾道・巡航ミサイルに加えて、極超音速ミサイルの開発も積極的に推進している。2020年に配備が開始されたDF-17極超音速ミサイルに加えて、2023年には中国が2019年からDF-27極超音速ミサイル(射程5,000~8,000km)の運用を秘密裏に開始し、飛翔実験を実施したことが報じられた100。2021年10月には、部分軌道爆撃システム(FOBS)の実験を実施した可能性も指摘された101。

中国は、米国防総省報告で示された上述のような分析や見積もりについて、「これまでのものと同様に、事実に基づかず、偏見に満ちたものである。中国を脅威と呼ぶのは、米国が軍事的覇権を維持するための都合のいい口実を見つけるためだけのものだ。中国はこれに強く反発している」102と批判した。

 

フランス

フランスは、2015年に自国の核弾頭数の上限を300発にすると宣言した103。保有する核戦力を3セットのSLBM16基(計48基)、及び中距離空対地巡航ミサイル(ASMPT)54基で構成するとの体制も現在まで維持されている。

フランスは、射程延長及び命中精度向上を図ったM51.3 SLBMの2025年までの開発完了を計画しており、2023年11月にはその初の発射実験を実施した104。さらに、2035年までの就航を目指した第3世代のSSBN(SNLE 3G)の開発、並びにこれに搭載するM51.4 SLBMの2040年代初めを目標とした開発といった計画105を2021年に開始した。ASMPTの後継についても、第4世代ミサイル(ASN4G)の設計開発を開始し、2035年の導入を計画している。フランスはさらに、核・通常両用の極超音速滑空飛翔体を開発しており、2023年6月にはそのプロトタイプの初の実験が実施された106。

 

ロシア

ロシアは、対米核抑止力の維持を主眼としつつ、冷戦期に建造された核戦力の更新をはじめとして様々な運搬手段の開発・配備を積極的に推進してきた。

戦略核戦力については、今後のロシアの戦略核戦力の中核を担うとされるRS-28(Sarmat)ICBMが実戦配備されたと2023年9月に報じられた107。12月には、RS-28が、東シベリア・クラスノヤルスク地方の南西ウジュルの部隊に近く実戦配備されるとも報じられた108。また、1月には、戦略ロケット軍が、トーポルMからRS-24ヤルスへの転換を完了する予定と発表した109。

海洋配備戦力については、2013年より、ボレイ級SSBNへの転換が開始された。これまでに3隻が就役し、5隻が建造中である。

近年注目されてきた、従来にはないコンセプトの「エキゾチック」な核運搬手段のロシアによる開発については、2023年にも様々な動きが見られた。1月には、新型原子力潜水艦「ベルゴロド」に搭載される予定の原子力推進で射程10,000km以上のStatus-6(Poseidon)長距離核魚雷について、第一陣の製造が終了したと報じられた110。3月には、Status-6を搭載する2隻の原潜を配備する基地として、太平洋沿岸におけるインフラ施設の建設を2024年初めに完了する計画であるとも報じられた111。2021年に配備が開始されたアバンガルド極超音速滑空飛翔体のさらなる配備も進んでおり、2023年11月には、ロシアのロケット部隊が、アバンガルドを搭載したICBMを、ロシア南部の発射サイロに装填したと報じられた112。

10月にはプーチン大統領が、SSC-X-9 (Skyfall)とも称される「ブレヴェストニク原子力推進巡航ミサイルの最新の実験を成功させた」と述べた113。ロシアはこれまでに10回以上の発射実験を実施したがいずれも失敗に終わっていたと見られ、これが初めての成功となる。

 

英国

英国は上述のように、2021年3月に公表した「安全保障・防衛・開発・外交政策統合見直し」で、核兵器の総保有量の上限を180発から260発に引き上げる予定だと表明した114。また、NPT運用検討会議に提出した国別報告で、英国は、それは「上限であって目標ではなく、現在の備蓄数でもない。これは、長年にわたる英国の最小限の信頼できる抑止態勢と完全に一致するものであり、国際的な安全保障環境に照らして、引き続き検討する」115ことを明記した。

英国は2017年10月、既存のヴァンガード級SSBNに替わる4隻の新型ドレッドノート級SSBNの建造を開始した。新型SSBNの一番艦は2030年代初頭の就役が予定されているが、技術的・予算的問題により建造には遅れが生じている。新型SSBNに搭載されるSLBMには、米国との協力で検討が進められているW93核弾頭の搭載が計画されている。

 

米国

米国は引き続き、戦略核戦力に関する以下のような近代化計画を維持している。

コロンビア級SSBNを12隻建造し、その一番艦を2031年に運用開始
450基のミニットマンⅢ・ICBMを400基のセンチネル(Sentinel)地上配備戦略抑止力(GBSD、新型ICBM)に転換
B-21次世代戦略爆撃機、及びこれに搭載される空中発射巡航ミサイル(LRSO)を開発・配備

このうち、LRSOについては、2022年に9回の実験が成功するなど116、2027年の生産決定に向けて順調に開発が進んでいると報告された117。また、11月には、B-21の初の試験飛行が実施された。他方、センチネルについては、サプライチェーンの問題と熟練技術者の不在により、2029年5月の初期配備という目標から2年遅れる可能性があると報じられた118。

バイデン政権が開発中止を決定した核弾頭搭載海洋発射巡航ミサイル(SLCM-N)については、前年に引き続き一部の議員や軍の高官が開発予算の維持を模索している。米議会は2023年12月に、2024会計年度の予算としてSLCM-Nのために2億6,000万ドルを承認し、バイデン大統領もその国防授権法に署名した。また、米国防総省はB61-7重力落下式核爆弾の後継となるB61-13の開発を目指すと発表した。B61-13は、B61-7と同程度、B61-12よりも高い爆発威力を有するものとなる119。

米国は2022年のNPT運用検討会議に提出した国別報告で、自国の核計画について以下のような点を再確認した120。

NATOと連携し、欧州内に陸上核武装ミサイルを配備しないことを決定する。
計画中の米国の近代化プログラムでは、ICBMの数を増やさない。
核武装した原子力推進巡航ミサイルや魚雷を開発する計画を持たない。
極超音速滑空機または極超音速巡航ミサイルに核弾頭を配備する計画または意図を持たない。

 

インド

インドは引き続き、「戦略核三本柱」の構築に向けて核戦力の開発を推進している。2023年には、インドがアグニ6 ICBM(射程10,000km)を開発中だと報じられた121。インドはMIRVを開発していると考えられているが、その状況は不明である。また、インドは4隻目のSSBNの進水に向けて建造を進めている。

インドはこのほかに、2023年にはプリトビ2 SRBM122及びアグニ・プライム123の発射実験を実施した。

 

イスラエル

イスラエルは、核兵器の保有を明言しておらず、その動向も必ずしも明らかではない124。運搬手段については、戦闘爆撃機、核弾頭搭載可能なIRBMやSLCMの開発・配備を進めてきた。2020年1月にはジェリコ長距離弾道ミサイルの発射実験を実施したと見られている125。また、イスラエルは2段式のジェリコⅡ IRBMから、射程4,000km超で3段式のジェリコⅢへのアップグレードを進めていると見られている。

 

パキスタン

パキスタンは、インドに対する抑止力の構築を主眼として、核弾頭搭載可能な短距離、準中距離及び中距離ミサイルの開発・配備に注力してきた。2023年10月にはアバビール(Ababeel)MIRV化IRBM、単弾頭のハトフ5(Hatf-V)IRBMの発射実験を実施した。パキスタンは、核弾頭搭載可能なハトフ7地上発射巡航ミサイル(GLCM)の開発も進めている。

 

北朝鮮

北朝鮮は2023年も、活発な核・ミサイル開発を継続した126。

2023年2月8日の北朝鮮人民軍創建75周年の軍事パレードには、12基の火星17型ICBM移動式発射機や、戦術核運用部隊として24基のSRBM及び対地攻撃巡航ミサイル(LACM)発射機を登場させ127、朝鮮中央通信(KCNA)はICBMについて、「軍事力の変革的な発展と北朝鮮最大の核攻撃能力を誇示」したとし、また戦術核運用部隊については「強力な戦争抑止力と反撃能力」だと報じた128。

2月18日には火星15型ICBMの発射訓練を実施し、KCNAによれば、ミサイルはロフテッド軌道で打ち上げられ、最高高度は約5,768.5km、飛距離は約989kmで、4,015秒飛行し、日本海公海上の「目標水域を正確に打撃した」。また、この発射訓練は、「事前の通告なしに行われ、…不意の発射訓練を通じて、兵器システムの信頼性を再確認・検証し、北朝鮮の核戦力の戦闘態勢を認識させ、国家の核抑止力を構成する要素の正しい作動、反応性、信頼性、有効性、戦闘能力に対する信頼と保証を証明した」と報じた129。

3月16日には、火星17型ICBMの発射訓練を実施し、最高高度は6,045km、4,151秒かけて1,000.2kmを飛行したと報じられた。KCNAは、「発射訓練を通じてICBM部隊の臨戦態勢が実証された」とし、金総書記が「核戦争抑止能力を不可逆的に高めることによって、敵に打撃の恐怖を与え、戦争を抑止し、国民の平和な生活と社会主義建設への努力を保証する必要性を強調した」と報じた130。また、論評では、「国家防衛の聖なる使命を果たすために必要な場合、いつでも使用され、危険に拡大される衝突が起こるなら、戦略的企図に従って任意の時刻に先制的に使用できるもの」であり、「今回行われたICBM火星17型の発射訓練は、それに対する明白な示唆である」とした131。

4月13日及び7月13日には、新型の固体燃料式ICBMである火星18型の発射実験を実施した。後者の実験について、KCNAは、6,648kmの最高高度や74分を超えた飛行時間は「新記録」だと伝えた132。北朝鮮は12月18日にも火星18型について、(発射実験ではなく)「発射訓練」を実施し、KCNAによれば、ミサイルは最大高度6,518.2kmまで上昇し、1,002.3kmの距離を4,415秒間飛行した後、日本海沖の公海に設定された海域に正確に着弾した133。

北朝鮮は、非戦略核戦力についても活発な活動を繰り返した。2月20日には、「600ミリ放射砲を動員し、395km及び337kmの射程の仮想標的を設定」した「超大型放射砲射撃訓練」を実施した。KCNAは、超大型ロケット砲は「戦術的核攻撃手段」であり、「敵の作戦飛行場を灰燼に帰してその機能を麻痺させることができる」とし、北朝鮮は「制空権を誇る米韓連合空軍に対抗する抑止力と意思を完全に示した」と報じた134。今回の発射地点から約390km先には在韓米軍の群山基地、約340km先には韓国空軍の清州基地がある。

北朝鮮は、直後の2月23日に4発のファサル2戦略巡航ミサイルの発射訓練を実施し、楕円や8の字形の軌道で2時間50分にわたって約2,000km飛行し、標的に命中したと報じた135。3月18~19日の「核反撃仮想訓練」では、「平安北道鉄山郡から発射された戦術弾道ミサイルは、800kmの攻撃範囲に設定された日本海の目標海域の上空800mで正確に爆発し、核弾頭の核爆発制御装置と起爆装置の作動の信頼性を改めて証明した」と報じられた136。11月には、IRBM用の固体燃料エンジンの燃焼実験を成功裏に実施したとされる137。

北朝鮮による潜水艦をプラットフォームとした核戦力の発射実験・訓練も注目された。3月12日には、潜水艦からの戦略巡航ミサイル2発の水中発射訓練を実施し、1500kmを8の字を描きながら2時間6分3秒~2時間6分15秒間飛行して標的に命中したと報じた138。潜水艦から巡航ミサイルの発射訓練を行うのは初めてと見られる。

3月24日には、「無人水中核攻撃艇『ヘイル』」の発射実験を実施し、59時間以上航行した後で実験用の弾頭を爆発させたとした。「水中核戦略兵器の使命は、密かに作戦海域に侵入し、水中爆発を通じて超大規模な放射能津波を発生させ、敵の海軍攻撃グループと主要な港を破壊することにある」とも報じた139。4月初めにも、「戦略的水中システム」と位置付ける「ヘイル2」と命名された「水中核攻撃ドローン」を発射し、1,000kmの楕円型に水中距離を移動し、発射から71時間6分後に最終段階に到達し、「試験弾頭が水中で爆発した」140。

9月8日には、SLBMを搭載可能な戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄」を公開した。金正恩(Kim Jong Un)総書記は同月6日の進水式で、「この潜水艦は様々な威力の核兵器の運搬手段を多量に搭載し、水中で敵対国を先制及び報復攻撃する脅威的な手段である」141と述べた。この潜水艦には、ミサイルの垂直発射管10基が設置され、4つの大型ハッチは北極星シリーズのSLBM、6つの小型ハッチはKN-23 SLBM改良型が使用する可能性があると分析されている142。

この間、北朝鮮は5月及び8月に、軍事偵察衛星を搭載したロケット「千里馬1型」を発射したが、失敗に終わった。しかしながら、露朝首脳会談後に実施された11月の千里馬1型の打上げは、北朝鮮によれば成功し、偵察衛星「万里鏡1号」が宇宙軌道に投入されたと発表した143。


62 “U.S. Statement at the 2023 Session of the Conference on Disarmament Delivered by Ambassador Bruce Turner,” January 24, 2023, https://geneva.usmission.gov/2023/01/24/u-s-statement-at-the-2023-session-of-the-conference-on-disarmament/.
63 “No Date Set for Talks with US on Nuclear Arms Treaty, Moscow Says,” Alarabiaya News, January 23, 2023, https://english.alarabiya.net/News/world/2023/01/23/Moscow-sees-no-prospects-for-US-Russian-meeting-on-New-START-treaty-Agencies.
64 Matthew Gault, “The Last Existing U.S.-Russia Nuclear Treaty Could Soon Fail,” Vice, January 31, 2023, https://www.vice.com/en/article/5d3xkz/the-last-existing-us-russia-nuclear-treaty-could-soon-fail.
65 “Nuclear Arms Control Treaty with US Could Be in Danger, Russia Warns,” Press TV, January 30, 2023, https://www.presstv.ir/Detail/2023/01/30/697290/Russia-US-nuclear-arms-New-START.
66 U.S. Department of State, “Report to Congress on Implementation of the New START Treaty,” January 31, 2023, https://www.state.gov/wp-content/uploads/2023/01/2022-New-START-Implementation-Report.pdf.

67 Ibid.
68 Russian Ministry of Foreign Affairs, “Foreign Ministry statement regarding the Treaty on Measures for the Further Reduction and Limitation of Strategic Offensive Arms (New START),” February 8, 2023, https://mid.ru/ru/foreign_ policy/news/1852877/?lang=en.
69 “Presidential Address to Federal Assembly,” February 21, 2023, http://en.kremlin.ru/events/president/news/70565.
70 “Foreign Ministry Statement in Connection with the Russian Federation Suspending the Treaty on Measures for the Further Reduction and Limitation of Strategic Offensive Arms (New START),” Ministry of Foreign Affairs of Russia, February 21, 2023, https://mid.ru/en/foreign_policy/news/1855184/.

71 “Russia Will Not Rejoin Nuclear Treaty Unless U.S. Changes Ukraine Stance – Deputy Foreign Minister,” Reuters, March 1, 2023, https://www.reuters.com/world/europe/russia-will-not-rejoin-nuclear-treaty-unless-us-changes-ukraine-stance-deputy-2023-03-01/.
72 “Statement by Russia,” CD, March 2, 2023, https://docs-library.unoda.org/Conference_on_Disarmament_-_(2023)/russian_federation_English.pdf.
73 Darya Tarasova and Tim Lister, “Russia Says It Has Suspended All Nuclear Notifications With US, According to State Media,” CNN, March 29, 2023, https://edition.cnn.com/europe/live-news/russia-ukraine-war-news-03-29-23/h_2b78bd8f12b5b50d4a41612998336ecf.
74 “Department Press Briefing,” U.S. Department of State, March 28, 2023, https://www.state.gov/briefings/department-press-briefing-march-28-2023/.
75 「ロシア、ミサイル実験の事前通告停止 ICBMも」『日本経済新聞』2023年3月29日、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290BR0Z20C23A3000000/。
76 “Moscow Suspends New START to Thwart US Intel Collection,” Press TV, April 6, 2023, https://www.presstv.ir/Detail/2023/04/04/700973/Russia-US-New-START-Ryabkov-Ukraine-Putin-Biden-nuclear-weapons.

77 Vladimir Isachenkov, “Russia to Keep Missile Test Notices under Cold War-Era Deal,” AP, March 31, 2023,https://apnews.com/article/russia-us-nuclear-start-treaty-test-warnings-5e7efae0ab2d52ece5d5e1e8609152b0.
78 “Report on the Reasons That Continued Implementation of the New START Treaty Is in the National Security Interest of the United States,” U.S. Department of State, July 6, 2023, https://www.state.gov/report-on-the-reasons-that-continued-implementation-of-the-new-start-treaty-is-in-the-national-security-interest-of-the-united-states/.
79 Ibid.
80 “Remarks by National Security Advisor Jake Sullivan for the Arms Control Association (ACA) Annual Forum”, The White House, June 2, 2023, https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2023/06/02/remarks-by-national-security-advisor-jake-sullivan-for-the-arms-control-association-aca-annual-forum/.

81 “Statement of Russia,” Cluster 1, First PrepCom for the 11th NPT RevCon, August 3, 2023.
82 米国は自国の運搬手段ごとの保有数も公表していたが、2020年9月のデータを最後に公表していない。
83 “Remarks by National Security Advisor Jake Sullivan for the Arms Control Association (ACA) Annual Forum.”
84 “Statement of the United States,” Cluster 1, First PrepCom for the 11th NPT RevCon, August 3, 2023.
85 Mohammad Ali, “Russia Did Not Receive US Proposals on Arms Control – Foreign Ministry,” Urdupoint, July 21, 2023, https://www.urdupoint.com/en/world/russia-did-not-receive-us-proposals-on-arms-c-1727105.html.

86 “Russia Says U.S. Must End ‘Hostility’ for Nuclear Talks,” The Moscow Times, October 25, 2023, https://www.themoscowtimes.com/2023/10/25/russia-says-us-must-end-hostility-for-nuclear-talks-a82882.
87 “Statement of China,” General Debate, First PrepCom for the 11th NPT RevCon, August 1, 2023.
88 “Statement of China,” Cluster 1, First PrepCom for the 11th NPT RevCon, August 3, 2023.
89 “Assistant Secretary Mallory Stewart’s Meeting with the People’s Republic of China’s (PRC) Ministry of Foreign Affairs Director-General of Arms Control Sun Xiaobo,” U.S. Department of State, November 7, 2023, https://www.state.gov/assistant-secretary-mallory-stewarts-meeting-with-the-peoples-republic-of-chinas-prc-ministry-of-foreign-affairs-director-general-of-arms-control-sun-xiaobo/.
90 Jonathan Landay and Arshad Mohammed, “US Says China Reveals Little in Arms Control Talks,” U.S. News, November 7, 2023, https://www.usnews.com/news/world/articles/2023-11-07/us-chinese-officials-held-arms-control-talks-on-monday-state-dept.
91 NPT/CONF.2026/PC.I/WP.8, June 14, 2023.

92 ICAN, Wasted: 2022 Global Nuclear Weapons Spending, June 2023, https://www.icanw.org/wasted_2022_global_nuclear_weapons_spending.
93 NPT/CONF.2020/WP.28, November 29, 2021.
94 The U.S. Department of Defense (DOD), Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2023, October 2023, p. viii.
95 「中国のICBM発射台数、米国を上回る 米軍幹部が議会に通知」『CNN』2023年2月8日、https://www.cnn.co.jp/usa/35199740.html。
96 The U.S. DOD, Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2023, p. viii.
97 Ibid., p. 67.
98 Ibid., p. 108.

99 Ibid., p. 67.
100 「機密文書流出、中国に関する情報も 極超音速滑空兵器『高確率で米のシステム突破』と分析」『読売新聞』2023年4月12日、https://www.yomiuri.co.jp/world/20230412-OYT1T50170/。
101 “A Fractional Orbital Bombardment System with a Hypersonic Glide Vehicle?” Arms Control Wonk, October 18, 2021,https://www.armscontrolwonk.com/archive/1213655/a-fractional-orbital-bombardment-system-with-a-hypersonic-glide-vehicle/.
102 “Foreign Ministry Spokesperson Mao Ning’s Regular Press Conference,” Ministry of Foreign Affairs of China, October 20, 2023, https://www.fmprc.gov.cn/eng/xwfw_665399/s2510_665401/202310/t20231020_11165059.html.
103 François Hollande, “Nuclear Deterrence—Visit to the Strategic Air Forces,” February 19, 2015, http://basedoc.diplomatie.gouv.fr/vues/Kiosque/FranceDiplomatie/kiosque.php?fichier=baen2015-02-23.html#Chapitre1.
104 “France Says Successfully Tests Ballistic Missile,” Barron’s, November 18, 2023, https://www.barrons.com/news/ france-says-successfully-tests-ballistic-missile-6cee866d.
105 “France Launches Program to Build New Generation of Nuclear Submarines,” Marine Link, February 19, 2021, https://www.marinelink.com/news/france-launches-program-build-new-485431; Timothy Wright and Hugo Decis, “Counting the Cost of Deterrence: France’s Nuclear Recapitalization,” Military Balance Blog, May 14, 2021, https://www.iiss.org/blogs/military-balance/2021/05/france-nuclear-recapitalisation.

106 “France Conducts Maiden Test of Hypersonic Glider,” Reuters, June 28, 2023, https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/france-conducts-maiden-test-hypersonic-glider-2023-06-27/.
107 “Russia Deploys Sarmat ICBM for Combat Duty,” The Moscow Times, September 1, 2023, https://www.themoscowtimes.com/2023/09/01/russia-deploys-sarmat-icbm-for-combat-duty-a82333.
108 「ロシアICBM、東シベリア配備 最新重量級の『サルマト』」『共同通信』2023年12月16日、https://www.47news.jp/10273993.html。
109 Michael Starr, “Russia to Modernize Nuclear Forces in 2023, Add More Multi-Warhead Nukes,” Jerusalem Post, January 3, 2023, https://www.jpost.com/international/article-726527.
110 Guy Faulconbridge, “Russia Produces First Set of Poseidon Super Torpedoes – TASS,” Reuters, January 17, 2023, https://www.reuters.com/world/europe/russia-produces-first-nuclear-warheads-poseidon-super-torpedo-tass-2023-01-16/.
111 「ロシア、24年に『ポセイドン』搭載原潜のインフラ完成へ」『ロイター』2023年3月27日、https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-poseidon-idJPKBN2VT098。
112 “Russia Loads Missile with Nuclear-Capable Glide Vehicle into Launch Silo,” Reuters, November 16, 2023, https://www.reuters.com/world/europe/russia-installs-one-more-hypersonic-nuclear-missile-ifax-2023-11-16/.

113 “Russia Has Tested a Nuclear-Powered Missile and Could Revoke a Global Atomic Test Ban, Putin Says,” U.S. News & World Report, October 5, 2023, https://www.usnews.com/news/world/articles/2023-10-05/russia-has-tested-a-nuclear-powered-missile-and-could-revoke-a-global-atomic-test-ban-putin-says.
114 United Kingdom,Global Britain in a Competitive Age, p. 76.
115 NPT/CONF.2020/33, November 5, 2021.
116 John A. Tirpak, “New Details of Secret LRSO Missile: Nine Successful Flight Tests in 2022,” Air & Space Forces Magazine, October 2, 2023, https://www.airandspaceforces.com/secret-lrso-missile-nine-successful-flight-tests-2022/.
117 John A. Tirpak, “LRSO Stealth Nuclear Missile on Track for Production Decision in 2027,” Air & Space Forces Magazine, April 25, 2023, https://www.airandspaceforces.com/lrso-production-decision-2027/.
118 Shannon Bugos and Gabriela Iveliz Rosa Hernández, “New U.S. ICBMs May Be Delayed Two Years,” Arms Control Association, May 2023, https://www.armscontrol.org/act/2023-05/news/new-us-icbms-may-delayed-two-years.

119 “Department of Defense Announces Pursuit of B61 Gravity Bomb Variant,” U.S. Department of Defense, October 27, 2023, https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3571660/department-of-defense-announces-pursuit-of-b61-gravity-bomb-variant/.
120 NPT/CONF.2020/47, December 27, 2021.
121 Vaibhav Agrawal, “Rocketing to Uncertainty: Agni 6 ICBM – India’s Bold Aspiration or Reckless Ambition?” Frontier India, September 26, 2023, https://frontierindia.com/rocketing-to-uncertainty-agni-6-icbm-indias-bold-aspiration-or-reckless-ambition/.
122 “India Successfully Test-Fires Short-Range Ballistic Missile Prithvi-II,” PGurus, January 11, 2023, https://www.pgurus.com/india-successfully-test-fires-short-range-ballistic-missile-prithvi-ii/.
123 “India Successfully Flight-Tests New-Generation Ballistic Missile ‘Agni Prime,’” Telegraph, June 8, 2023, https://www.telegraphindia.com/india/india-successfully-flight-tests-new-generation-ballistic-missile-agni-prime/cid/1943354.
124 Hans M. Kristensen and Matt Korda, “Nuclear Notebook: Israeli Nuclear Weapons, 2022,” Bulletin of the Atomic Scientists, January 17, 2022, https://thebulletin.org/premium/2022-01/nuclear-notebook-israeli-nuclear-weapons-2022/ などを参照。
125 Don Jacobson, “Israel Conducts Second Missile Test in 2 Months,” UPI, January 31, 2020, https://www.upi.com/Top_News/World-News/2020/01/31/Israel-conducts-second-missile-test-in-2-months/3481580486615/.

126 “North Korean Missile Launches & Nuclear Tests: 1984-Present,” CSIS Missile Threat Project, https://missilethreat.csis.org/north-korea-missile-launches-1984-present/ も参照。
127 Vann H. Van Diepen, “North Korea’s Feb. 8 Parade Highlights ICBMs and Tactical Nukes,” 38 North, February 15, 2023, https://www.38north.org/2023/02/north-koreas-feb-8-parade-highlights-icbms-and-tactical-nukes/.
128 “Military Parade Marks 75th KPA Birthday,” KCNA, February 9, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202302/news09/20230209-01ee.html.
129 “ICBM Launching Drill Staged in DPRK,” KCNA, February 19, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202302/news19/20230219-01ee.html.
130 “Demonstration of Toughest Response Posture of DPRK’s Strategic Forces,” KCNA, March 17, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202303/news17/20230317-01ee.html.
131 “On Root of Escalated Tension in Korean Peninsula,” KCNA, March 17, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202303/news17/20230317-02ee.html.
132 “Respected Comrade Kim Jong Un Guides Test-fire of ICBM Hwasongpho-18,” KCNA, July 13, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202307/news13/20230713-01ee.html.

133 “Clear Display of DPRK Strategic Forces’ Toughest Retaliation Will and Overwhelming Strength:Launch Drill of ICBM Hwasongpho-18 Conducted,” KCNA, December 19, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202312/news19/20231219-01ee.html.
134 “Multiple Rocket Launching Drill by KPA,” KCNA, February 20, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202302/news20/20230220-08ee.html.
135 “Strategic Cruise Missile Launching Drill Conducted,” KCNA, February 24, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202302/news24/20230224-09ee.html.
136 “Nuclear Counterattack Simulation Drill Conducted in DPRK,” KCNA, March 20, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202303/news20/20230320-01ee.html.
137 “New IRBM Solid-fuel Engine Test Conducted in DPRK,” KCNA, November 15, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202311/news15/20231115-17ee.html.
138 “Underwater Launching Drill of Strategic Cruise Missiles Conducted,” KCNA, March 13, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202303/news13/20230313-01ee.html.
139 “Important Weapon Test and Firing Drill Conducted in DPRK,” KCNA, March 24, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202303/news24/20230324-01ee.html.

140 “Underwater Strategic Weapon System Tested in DPRK,” KCNA, April 8, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202304/news08/20230408-01ee.html.
141 “Respected Comrade Kim Jong Un Makes Congratulatory Speech at Ceremony for Launching Newly-Built Submarine,” KCNA, September 8, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202309/news08/20230908-02ee.html.
142 Joseph S. Bermudez Jr., Victor Cha and Jennifer Jun, “North Korea Launches New Ballistic Missile Submarine,” CSIS Beyond Parallel, September 11, 2023, https://beyondparallel.csis.org/north-korea-launches-new-ballistic-missile-submarine/.
143 “DPRK NATA’s Report on Successful Launch of Reconnaissance Satellite,” KCNA, November 22, 2023, http://www.kcna.co.jp/item/2023/202311/news22/20231122-02ee.html.

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