開催結果
国内外の高校生等が国際平和についての討議や交流等を行い,平和のメッセージを世界に発信することを通じて,次の世代の人材育成を行うことを目的とした「第7回ひろしまジュニア国際フォーラム」を開催しました。
広島宣言
10のグループが,それぞれの広島宣言を作成しました。主な意見は以下のとおりです。
(1) 核兵器廃絶
ア 核兵器廃絶に向けた課題
・核兵器廃絶に対する認識が不足しており,核兵器が環境や人々の生活に大きな悪影響を及ぼすことを知らない人が世界中に多くいる。
・世界中の多くの人々が現在直面している地球規模の脅威に気づいていない。
・日本国民も安全な環境に住んでいると信じているため,世界中で核兵器が使用されるリスクに気づいていない。
・自国の安全を核抑止力に依存しているため,多くの国が核兵器禁止条約に署名しておらず,それが核戦争の危険性を高めている。
・国家間の不信により,自衛のために核兵器保有に固執しており,簡単に手放すことができない。
・核兵器を取得しようとするテロリストに対して,核物質の保護が十分でなく,核テロリズムの危険が高まっている。
・他国より多くの核兵器を保有することで,他国による核兵器攻撃を抑止できると信じている。
イ 核兵器廃絶に向けた私たちの役割
・核兵器廃絶の請願書に署名するよう全ての人に促す。
・ソーシャルメディアなどを使用して,核兵器に関する情報を共有し,広島の物語を伝えるとともに,グローバルな友情も築いていく。
・このフォーラムで学んだことを友人,家族,周囲の人々に共有する。
・高齢化により組織の存続が困難になりつつある被爆者組織の役割を引き継いでいく。
・芸術や文学などを通じて,核兵器の認識に関する意見と情報を共有する。
・原爆の恐ろしさと長期にわたる影響を伝えるためにソーシャルメディアを活用して,核兵器を保持することがいかに愚かなことであるかを示す。
・核兵器廃絶を提唱する非政府系組織の設立または参加などを通じ,核兵器の危険性に関する認識を広めていく。
ウ 核兵器廃絶に向けた広島の役割
・被爆者の証言を様々な言語で世界に発信し,より多くの人々に深刻さに気づいてもらう。
・広島が持つ平和教育のノウハウを,他県や他国に共有する。
・今回のようなフォーラムを開催し,原爆や平和について深く理解し,異なるバックグラウンドを持つ人々と価値観を共有する機会を増やす。
・被爆者の証言を保存し,核兵器の影響を示す建物や記念碑を保存し,広島平和記念公園を一般に公開し続ける。
・G7サミットで原爆の恐怖を広めるために積極的な役割を果たし,核兵器廃絶の拠点となる。
・被爆者の長期的な健康への影響を科学的根拠に基づいてアピールし,情報を広める。
・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)等の組織と連携することにより,核兵器廃絶の普及を先導する。
(2) 平和構築
ア 平和構築に向けた課題
・平和の実現は全ての人間の義務であるという考えが人々に欠けている。
・差別などの目に見えない暴力や内戦のような身体的暴力そのものが世界中で起こっており,それが搾取や疎外を引き起こしている。
・多くの国では資源が不十分であり,国民のニーズを満たすために,暴力的な手段を講じる可能性が高まっている。
・指導者によっては,自国民の社会的ニーズよりも軍事力の向上を優先している。
・経済的格差や不平等に興味がない,関心がない人がいる。
・異なる背景を持つ人々と協力する必要がある。
・軍事的,経済的,政治的レベルで自国の主権を優先している。
イ 平和構築に向けた私たちの役割
・フォーラムを開催するなどにより,異なるバックグラウンドを持つ多くの人々と話し,交流し,お互いを理解し,誤解を避けていく。
・飢餓,貧困,紛争について現状を学び,SNSを通じて広める。
・必要としている人々にお金や使わなくなった衣類を寄付する。
・心を開いて異なる文化,行動,思考パターン,ライフスタイルを差別することなく受け入れ,他の人にもそのように促す。
・政治家,研究者,戦争経験者,教育関係者等,様々な分野の人々が集まり,平和構築と持続可能性について意見交換するイベントを開催する。
・若い世代に影響力のあるインフルエンサーの力を活用して,若者に社会問題に関心を持ってもらう。
・SNSを使用して世界情勢に関する情報を広め,歴史的出来事の負の影響を継承し,平和活動に若者を関与させる。
ウ 平和構築に向けた広島の役割
・被爆後の復興の経験を活かし,紛争の影響を受けた都市を支援する。
・開発途上国に対して,平和構築と紛争解決を支援するプログラムを実施する。
・ひろしまジュニア国際フォーラムのようなイベントを開催して,広島で平和を学ぶ機会をつくる。
・ポップカルチャーやエンターテインメントと平和を融合させて,世界中の聴衆に訴えかける。
・もっと国際交流を深め,平和に向けて取り組む。
・ソーシャルメディアやウェブサイトを活用して,広島の過去の経験を世界と共有することにより,実際に広島に来られない人にもインターネットで情報を届ける。
・全世代に影響力のあるインフルエンサーを招待して,平和構築に関して,人々を引き付ける内容のイベントを開催する。
・平和構築のための募金キャンペーンを展開し,教育や医療の分野の活動を支援する。
・広島宣言を世界に発信することにより,平和について日頃から考える機会を持ち,世界に発信する。
各グループの宣言文については,以下のファイルをご参照ください。
Hiroshima Declaration by A Group 広島宣言(Aグループ作成)
Hiroshima Declaration by B Group 広島宣言(Bグループ作成)
Hiroshima Declaration by C Group 広島宣言(Cグループ作成)
Hiroshima Declaration by D Group 広島宣言(Dグループ作成)
Hiroshima Declaration by E Group 広島宣言(Eグループ作成)
Hiroshima Declaration by F Group 広島宣言(Fグループ作成)
Hiroshima Declaration by G Group 広島宣言(Gグループ作成)
Hiroshima Declaration by H Group 広島宣言(Hグループ作成)
Hiroshima Declaration by I Group 広島宣言(Iグループ作成)
Hiroshima Declaration by J Group 広島宣言(Jグループ作成)
参加者による行動計画
参加者が,核廃絶及び平和構築のためにどのような活動を行うのか行動計画を作成しました。以下のファイルをご参照ください。(準備中)
SNS 情報掲載サイト
・Facebook フェイスブック
https://www.facebook.com/hjif2016
・YouTube動画配信
<ダイジェスト版> 第7回ひろしまジュニア国際フォーラム報告
https://youtu.be/PG5-FOI3KtA
概要
(1) 主催:広島県
(2) 期間:2022年8月16日(火曜日)~8月20日(土曜日)
(3)方法: Web会議システム(ZOOM)
(4)テーマ:平和な世界の実現に向け,私たちができること
(核兵器廃絶と復興・平和構築の取り組み)
(5) 参加者: 57名
区分 | 人数 | 国・地域名 |
外国人高校生 | 17名(12か国) | 友好提携先:四川省(中華人民共和国) 1, グアナファト州(メキシコ合衆国) 1, 上記以外: アメリカ1,インド1,インドネシア1,スリランカ1,大韓民国1,中華人民共和国3,フィリピン2,ベトナム1,マレーシア1,ミャンマー1,メキシコ1,ラオス1 |
日本人高校生等 | 40名(広島県33名,県外7名) |
(6)スケジュール
月日 | 時間 (JST) | プログラム詳細 |
8月16日 (火) |
12:00-17:00 | オリエンテーション チームビルディング 広島平和公園オンラインツアー 講演(復興・平和構築) |
8月17日 (水) |
12:00-17:00 | 講義・グループディスカッション(核兵器廃絶) |
8月18日 (木) |
12:00-16:30 | 講義・グループディスカッション(復興・平和構築) |
8月19日 (金) |
12:00-15:45 | 広島宣言の作成 |
8月20日 (土) |
12:00-16:20 | 広島宣言の発表 |
*JST: Japan Standard Time