2017WBCWP国際平和のための世界経済人会議(2017年)
SDGsにおけるマルチステイクホルダー・パートナーシップを通して国際平和の実現へ
2017World Business Conference for World Peace
Marketing Peace
会議概要
本年9月,世界経済人会議ミニ・フォーラム「SDGsにおけるマルチステイクホルダー・パートナーシップを通して国際平和の実現へ」を開催します。この会議は,昨年10月の「2016国際平和のための世界経済人会議」でいただいた,フィリップ・コトラー教授の提言と共同コミュニケの具体化に向け,企業,NGOなど社会の多岐にわたるステークホルダーを結びつけ,世界の持続的発展と平和の実現を目指して開催します。
開催日時
2017/9/1(金) 9:30~19:00
開催場所
広島大学東千田未来創生センター
(広島市中区東千田町1-1-89)
主催
広島県
コトラー教授の3つの提言
- 核兵器をはじめとする兵器の削減
- 憎しみの連鎖を減らす
- 愛を高める
平和のためには,これらを通したピース・メイキングが必要。
持続的な平和の対話の場の構築に向けての声明
「国際平和のための世界経済人会議」の運営委員会及び参加者一同は,広島に持続的な平和の対話の場を構築することを希求し,同会議実行委員会及び広島県に向けて,以下を提案します。
- 「国際平和のための世界経済人会議」を今後とも継続的に開催すること
- 広島を拠点とした平和対話のためのトラック2(企業・NGO/NPO)コミュニティを 以下の方法により創設・維持すること
(1)トラック2コミュニティの維持活性化のための事務局と財団の創設
(2)「平和のためのマーケティング」研究所の創設
(3) 国際平和拠点としての広島の情報発信の強化 - 広島における平和のための研究機能を強化・集積すること
プログラム
開会式
あいさつ:湯﨑 英彦 ≪広島県知事≫
基調講演:ジェリー・ホワイト ≪ノーベル平和賞受賞者・アショカ上級フェロー≫
セッションに入る前に
「SDGsを通じて平和を推進する」 根本かおる ≪国連広報センター所長≫
Session1
平和と金融 【SDGs No.8,12,13,17】
リーマンショックを契機に,資本提供者へのリターンのみを重視する行き過ぎた資本主義への反省から,SDGsが目指すサステナブルでインクルーシブな資本主義を通じた平和貢献への気運が高まる中,国連・企業・投資家・現場NGOという平和実現に欠かせないリーダーが一堂に会し,金融を通じた平和への道筋を提示する。
Session2
平和とテクノロジー 【SDGs No.9】
テクノロジーは,軍事技術の研究開発を背景に発展してきた側面がある一方,近年では,紛争防止や紛争解決のためのデジタル技術への活用が試みられ始めており,このような平和とテクノロジーの多面的な関係を浮き彫りにすることを目指す。
Session3
平和とメディア 【SDGs No.16,17】
メディアが平和の促進にも障害にもなり得る今,平和実現に向けてどのような姿勢と手段でメディアを活用すべきか,多様なステイクホルダーによるメディア利用の実態を把握するとともに,取るべきアクションについて議論する。
Session4
平和と環境(5と並行開催) 【SDGs No.7,13,14,15】
地球温暖化を含む環境破壊がもたらす国際平和への脅威や,環境保護の努力が国際平和にもたらす貢献を確認しつつ,これに関する国・国際機関・企業・市民セクターにおける様々なクロスセクターの環境保護の努力とあり方について議論する。
Session5
平和とグローバルヘルス(国際保健)(4と並行開催)【SDGs No.3,6】
グローバルヘルスが国家間の紛争防止や国際平和に貢献する仕組みを確認しつつ,特に企業や市民セクターが果たす役割,その新しいパートナーシップのあり方を議論する。
Session6
広島の平和を世界に広げSDGsを達成する 【SDGs N0.17】
これまで広島が培ってきた課題解決に向けた経験を地球規模で捉えなおすことで,途上国・先進国共通の平和に対する課題を浮き彫りにする。そして,広島が自らの経験を共有し,世界規模の取組として拡大展開していくことで,SDGsの達成に貢献していく道筋を明らかにする。
Session7
ワークショップ
「SDGsビジネスの創造」「平和とダイバーシティ」等のテーマについて,複数のグループに分かれて議論する。
閉会式
あいさつ:湯﨑 英彦 ≪広島県知事≫
会議結果
開会挨拶
湯﨑 英彦 広島県知事
ジェリー・ホワイト氏による基調講演「複雑化した世界の新しいリ-ダ-シップ」
≪登壇者≫
ジェリー・ホワイト
ノーベル平和賞受賞者アショカ上級フェロー
【主な内容】
- 紛争やテロの被害にあった人が被害者意識をもってしまう場合,前に進むためには,レジリエンス(立ち直り前進する力)が必要であり,これは,誰もが訓練により鍛えることができる力である。
- 私達が,災害や事件の起きた日に目を向ける理由は,犠牲者としてのアイデンティティを確かめるためではなく,「他の誰にも二度とこんな目に合わせないために」起きたことを直視し,立ち直り,力強く前進することを表明するためである。
- 人類史上初めて原子爆弾が投下された歴史を持つ広島には,レジリエンスと勇気を持つ次世代のゲーム・チェンジャーを輩出していくという特別な役割があると考えており,期待している。
セッションに入る前に「SDGsを通じて平和を推進する」
≪登壇者≫
根本 かおる
国連広報センター 所長
Session1 平和と金融
SDGsが目指すサステナブルでインクルーシブな資本主義を通じた平和貢献への気運が高まる中,金融を通じた平和への道筋について議論した。
≪登壇者≫
加治 慶光
アクセンチュア株式会社 チーフ・マーケティング・イノベーター
松原 稔
りそな銀行株式会社 アセットマネジメント部責任投資Gグループリーダー
秦 則明
株式会社日立製作所 グローバル渉外本部 渉外企画部 担当部長
稲場 雅紀
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク 専務理事
【主な意見】
- 世界の投資は,SRI投資(※1)から,ESG投資(※2)へ,そしてインパクト投資(※3)へと発展してきている。企業が,その活動の中でSDGsをマーケットニーズ,経営戦略,事業活動のどの段階で取り込むかによってパターンがあるが,バランスをもって取り込んでいくことが重要。
- SDGsに向けた活動において,予期せぬ負の影響を生み出す可能性を考慮して,政府や企業,NGOは自分達の活動が,どのように社会へ影響を与えるのかを多面的にみて評価(SDGs360度評価)する必要がある。
※1 社会的責任投資
※2 環境,社会,ガバナンスの課題を投資の意思決定に組み込んだ投資
※3 教育や福祉などの社会的な課題解決を図ると共に,経済的な利益を追求する投資行動
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session2 平和とテクノロジー
テクノロジー分野においては,近年,紛争防止や紛争解決のためのデジタル技術の活用が試みられるなど,平和とテクノロジーの多面的な関係性について議論した。
≪登壇者≫
長倉 克枝
科学ライター
金子 将史
政策シンクタンクPHP総研 首席研究員
金野 索一
NPO法人 Edo Tec Global 代表理事,多摩大学大学院 特任教授
藤井 宏一郎
マカイラ株式会社 代表取締役
大髙 準一郎
外務省 国際科学協力室 国際科学協力室長
【主な意見】
- 科学技術が外交にもたらすインパクトは大きく,国においても科学技術外交が行われている。
- ITを使うことにより,これまでは難しかった紛争影響国や途上国で社会課題を解決していける人材の育成が可能になっている。
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session3 平和とメディア
平和の実現に向けて,どのような姿勢と手段でメディアを活用すべきか,多様なステイクホルダーによるメディア利用の実態を踏まえて,今後取るべきアクションについて議論した。
≪登壇者≫
根本 かおる
国連広報センター 所長
古田 大輔
BuzzFeed Japan 株式会社 創刊編集長
堀 圭一
一般社団法人 RUSI Japan 理事
山口 琢也
フェイスブックジャパン株式会社 執行役員 公共政策部長
【主な意見】
- フェイスブックでは,利用者の安全性の確保,テロリスト対策やフェイクニュースの締め出しを重視しており,政府や民間,第三者機関等と協力しながら,これらを実践している。
- ニュースを発信する側も,社内のダイバーシティや対話の促進,ニュースの検証に注力している。
- インターネットを通じて,人々の結びつきは深まったが,似通った意見を持つ者が結びつき,違う意見を持つものは排除されるという傾向があることに注意を要する。
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session4 平和と環境
環境破壊がもたらす国際平和への脅威や,環境保護の努力が国際平和にもたらす貢献を確認しつつ,国際機関・企業・市民セクターにおける様々なクロスセクターの環境保護のあり方について議論した。
≪登壇者≫
石垣 友明
外務省 国際協力局気候変動課長
小西 雅子
WWFジャパン 自然保護室次長 昭和女子大学 特命教授
加藤 茂夫
株式会社リコー 執行役員 サステナビリティ推進本部長
林田 昌也
キリン株式会社 執行役員 CSV戦略部長
日比 保史
一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 代表理事
【主な意見】
- 自然環境の維持は,人と人や国と国など社会的な関係性の維持につながることから,自然環境と平和は密接に関わり合っている。
- SDGsを会社経営の根幹に置こうとする場合,持続的な取組としていくため企業経営としての経済合理性(1.事業の成長性,2.リスクの最小限化,3.コスト削減,4.信用)と常に連携させながら取り込むことが重要である。
- パリ協定締結の政府間交渉の会場近くで,実は企業,自治体,NGOがこれに貢献していた状況は,まさにマルチステイクホルダーパートナーシップの重要性を表すものであった。
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session5 平和とグローバルヘルス(国際保健)
グローバルヘルスが国家間の紛争防止や国際平和に貢献する仕組みを確認しつつ,このうち企業や市民セクターが果たす役割やそれらの新しいパートナーシップのあり方について議論した。
≪登壇者≫
金森 サヤ子
大阪大学 COデザインセンター 特任講師(常勤)
戸田 隆夫
独立行政法人 国際協力機構(JICA) 上級審議役 Vice President for Human
赤名 正臣
エーザイ株式会社 執行役
コーポレートアフェアーズ担当兼グローバルバリュー&アクセス担当
水野 達男
認定NPO法人Malaria No More Japan 専務理事 兼 事務局長
鹿角 契
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 (GHIT Fund) 投資戦略・開発ディレクター
【主な意見】
- グローバルヘルスは国際平和にとって最も重要な課題で,かつ一般の人が貢献できる分野。特に広島は,平和への理解と熱意が非常に強いため,ポテンシャルは大きい。
- グローバルヘルスの領域でパートナーシップを実現するには,各セクターの理念を互いに理解すること,またセクターを超えた様々な活動経験によって更にセクターを繋いでいくことが重要ではないか。
- 日本の母子手帳という仕組みは,「誰も置き去りにしない」という仕組みの構築であり,日本の国際貢献の最大のツールになっている。
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session(5)平和とグローバルヘルス(国際保健)未定稿
Session6 広島の平和を世界に広げSDGsを達成する
広島がこれまで培ってきた課題解決への経験を共有し,地球規模の取組として拡大展開していくことによって,SDGsの達成に貢献していくための道筋について議論した。
≪登壇者≫
末松 弥奈子
ツネイシホールディングス株式会社 専務取締役
根本 かおる
国連広報センター 所長
平本 督太郎
金沢工業大学 情報フロンティア学部 経営情報学科 講師,
BoP Global Network Japan代表理事 兼 SDGs
ビジネスエグゼクティブプロデューサー
湯野川 孝彦
株式会社すららネット 代表取締役社長
関 治之
一般社団法人 コード・フォー・ジャパン 代表理事
和田 徳之
nextひろしま実行委員会 代表,
株式会社和大地 代表取締役
【主な意見】
- 日本の教育の特徴である,きめ細やかで底上げ力が高いことはSDGsが提唱する「誰も置き去りにしない」につながる。そうした強みを掘り起して輸出展開してはどうか。
- グローバルビジネスを展開しようとする時,日本企業は意思決定が遅いと批判されることもある。その反面,一度決めたらその国や地域を良くするという覚悟を持って継続的にやり続ける良さがあるとされる。
日本の地方には,革新的な技術を有し地球規模の目線で活動している企業・団体が数多く存在している。その取組や技術,価値観を世の中に広めることで,実は世界の形を変えることができるポテンシャルを多く秘めている。 - SDGsは,地方が,国を介さなくても世界の課題に繋がっていけるプラットフォームである。
県がSDGsの基本計画策定を企画し,マルチステイクホルダーとともに議論して,県民のものとして立案してはどうか。 - 毎年同じ場所に集い,平和及びSDGsについて議論することは極めて重要。その中で,SDGsに向けた活動が育っていく場にしていく必要がある。
会議を継続することにより,互いに活動の成果を共有していけば,発信力とともに,検討して行くべきテーマも深まっていくのではないか。
講演録(日本語訳)は次からご覧いただけます。
Session(6)広島の平和を世界に広げSDGsを達成する 講演録(未定稿)
ワークショップ1 SDGsビジネスの創造
≪登壇者≫
平本 督太郎
金沢工業大学 情報フロンティア学部
経営情報学科 講師
BoP Global Network Japan代表理事 兼 SDGsビジネスエグゼクティブプロデューサー
ワークショップ2 平和とダイバーシティ(LGBT)
≪登壇者≫
松中 権
認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表
株式会社GARDEN 代表
ワークショップ3 平和とシェアリングエコノミー
≪登壇者≫
佐別当 隆志
シェアリングエコノミー協会 事務局長
ワークショップ4 ソーシャルとローカルの新潮流
≪登壇者≫
藤沢 烈
一般社団法人 RCF 代表理事
井上 貴至
長島町役場 前副町長
今井 紀明
認定NPO法人D×P 理事長
木村 真樹
公益財団法人あいちコミュニティ財団 代表理事
コミュニティ・ユース・バンクmomo 代表理事
閉会挨拶
湯﨑 英彦 広島県知事
2016会議ダイジェスト
このページに関するお問い合わせ先
平和推進プロジェクト・チーム
住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52(県庁本館3階)
Tel:082-513-2366
Fax:082-228-1614
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