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国際平和拠点ひろしま

折り鶴ノートを 世界の子どもたちに

 広島市の平和記念公園の原爆の子の像に、世界中から贈られるたくさんの折り鶴。2018年(平成30年)からその折り鶴再生紙で作られた学習ノートを、世界の子どもたちへ無償で送付する『折り鶴ノートプロジェクト』が活動しています。運営するのはNPO法人『ピース マインズ ヒロシマ』。代表の川野登美子さんと、田河内秀子さん、桜井剛司さんにお話を伺いました。

左から、田河内秀子さん、川野登美子さん、桜井剛司さん。田河内は印刷会社の役員、川野さんは着物リメイク業、桜井さんはデザインや広告代理業と様々な職種の会員が参画。

「広島の企業として何か平和に役立つことができないかということで、広島県中小企業家同友会の13人が発起人となって始めました。そこで、代表は原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの同級生で、長らく語り部の活動をしている川野登美子さんにお声がけさせていただきました」(田河内さん)

代表を快諾した川野さんは「折り鶴ノートプロジェクトは、私の講演活動をしている目的とピッタリだった」と、現在まで精力的に活動しています。

 ノートはB5版で40ページ。表紙と巻頭、巻末に折り鶴の再生紙が使われ、折紙で折られた折り鶴1羽と、折り紙が1枚同封されています。原爆の悲惨さ、原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんについて記載されたページや、折り鶴の折り方を紹介するページもあります。

 送付先は松井一實広島市長が会長を務める平和首長会議の加盟都市があるドイツ、フランス、イギリス、オーストラリアをはじめ、2019年(令和元年)には11か国、27地域へ広がりました。しかし、2020年(令和2年)は新型コロナウィルスの影響で送付できたのは2都市のみ。思うように活動ができなかったそうです。

2019年(令和元年)には、ドイツ国際平和村に折り鶴ノートを進呈。子どもたちと学生との交流に活用された

 年間、200万円程度になる活動費は会員の年会費と寄付でまかない、ノートに同封する折り鶴も広島の中小企業が集う会の有志が製作。様々な業種のメンバーがいるからこそ、それぞれの得意分野を活かしながら活動に参加しているそうです。

 「ある企業の社長さんは『若い社員たちの平和教育のためにも社員全員で折り鶴を作ります』と手を挙げてくださり、500羽近く折っていただきました。そのような参画もあるのだと気付かされました」(川野さん)

 ノートを受け取った子どもたちからは、真剣に折り鶴を折る様子の写真やお礼の寄せ書きが送られることも。外国で暮らす子どもたち一人ひとりへ平和の意識を届けることを大切に今後も活動していきます。

「コロナが収束したら、また一つずつ海外のルートを開拓していきたいです。まだ実現できていませんが、戦地の子どもたちや核兵器保有国のすべての国への送付も目指しています」(桜井さん)

PEACE MINDS HIROSHIMA「折り鶴ノートプロジェクト」

『広島県中小企業家同友会』の会員が主体となり、原爆の子の像に捧げられた折り鶴再生紙から学習ノートを製作。世界中の子どもたちへ無償で贈っている

活動の詳細は公式ウェブサイトへ:https://pm-hiroshima.com/

電話:082-295-0270

Mail:info@ hiroshima.com

※国内での販売は、平和記念公園内のレストハウスにて(1冊300円)

平和学習

原爆の子の像

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ヨウコとサダコ - 「きのこ雲」の下の子供たち

原爆投下により犠牲になった広島の子供たち。このコラムでは,原爆投下当時2歳だった 佐々木禎子さんと 13 歳だった森脇瑤子さんについて紹介しています。

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