誰もができる平和活動「ピースアクション」 被爆地から平和を希求し続ける
広島県生協連と長崎県生協連、日本生協連(※)が1978年から毎年開催している生協独自の平和集会「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」。コロナ禍の影響で2020年からオンライン開催を導入し、より多くの人が被爆の実相を知り平和について考えることが可能になりました。今年もオンラインを継続させながら、県内での会場参加も受け入れます。広島県生活協同組合連合会事務局スタッフの渡辺とおるさんに、2022年の意気込みを伺いました。
※広島県生協連、長崎県生協連、日本生協連とは、それぞれ生活協同組合連合会の略称です。広島県生協連は15の生協で構成、組合員数は約85万人です(2022年5月現在)
日本生協連と広島県生協連、長崎県生協連が主催する「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」は、被爆体験の継承や核兵器のない世界への思いを共有する生協独自の集会です。全国の生協組合員が毎年8月に広島または長崎を訪れ、講演や演奏会、分科会などで平和学習に取り組んでいます。ここで学んだことを参加者が地元に持ち帰り、暮らしの中で平和に対する考え方を広げていこうという狙いです。
近年は、毎回3000人以上の参加があります。コロナ禍の2年間は会場開催が難しく、オンライン開催となりライブ配信や特設サイトでの動画公開にも取り組みました。結果的に広島・長崎で延べ6500人と多くの参加がありました。
オンラインで行われた被爆者による証言の様子(2021年)
今年の「2022ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」は8月4・5日を広島、7・8日を長崎が担当します。
広島は、今年のピースアクションのテーマとして「ヒロシマから平和な未来を~被爆77年 戦争も核兵器もない世界を次世代へ」を掲げています。被爆77年を迎え、被爆者の方もご高齢になり語り継ぐことが難しくなってきました。私たちは平和への希求が薄れるのではないかという危機感も持っています。「次世代へ」という言葉には私たちの祈りも込めています。今年は3年ぶりに会場参加を復活させ、被爆者ご本人による被爆・戦争体験の証言、安田女子大学書道学科による大書パフォーマンス、証言者と原爆の絵を描く広島市立基町高等学校生徒のインタビューなどを披露します。オンライン配信もあります。会場では参加者が舞台にあがって全国に向けて平和のメッセージを発信したり、フィナーレを飾る「虹のコーラス」では被爆ピアノによる演奏も予定しています。
7日(日)午前中は広島と長崎の合同でオンライン「子ども平和会議」を開催する予定です。小学校中学年から高校生までの児童・生徒がオンラインで平和について語り合って考えをまとめ、最後には平和に対するアピール文を発表するものです。参加者には自分が住んでいる地域の戦争跡について調べるなどの事前活動を必須とし、若い世代に平和の尊さについて考えてもらうことに力を入れています。
今年の6月下旬からは特設サイトを開設。2020年から最新の2022年分も含めた被爆証言の動画、生協ひろしまの碑めぐりガイドによる石碑や絵碑の紹介動画、基町高等学校生徒による「次世代と描く原爆の絵」の絵画も紹介しています。サイトでは、全国の参加者に対し、プログラムに参加して感じたことをまとめたエッセイを募集するなど、同時進行でさまざまな平和を考えるプロジェクトを進めています。また、平和を考えるきっかけをたくさん用意しています。
基町高等学校生徒による「次世代と描く原爆の絵」の発表(2021年)
生協は、組合員さんの暮らしを良くしていくこと、子どもたちが安心して成長できる暮らしを目指す組織です。そのための食品選びや開発などにも取り組んでいます。食の安全も、平和な世界があってこそ築かれるもの。日本生協連は、戦後の1951年に「平和とよりよい生活のために」というスローガンを掲げ、平和を追求する活動に力を入れてきました。
ピースアクションは誰もが参加できる平和活動の一つです。生協の組合員さんはもちろん、そうでない方の参加、視聴も可能ですし、参加無料です。被爆地「ヒロシマ・ナガサキ」だからこそ可能な、被爆の実相や被爆者の思いに触れることができるピースアクションを通して、一人一人が動き出せるような取り組みで平和を目指し続けていきたいと考えています。
2022ピースアクションinヒロシマ
開催日:2022年8月4・5日
2022ピースアクションinナガサキ
開催日:2022年8月7・8日
HP https://peace.jccu.coop/2022hiroshimanagasaki
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