国際平和拠点ひろしま構想の今後の進め方について協議するため,「国際平和拠点ひろしま構想推進委員会」を開催しました。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでの開催となりました。
開催概要
(1)日 時 令和4年11月30日(木) 9:00〜10:15(日本時間)
(2)場 所 オンライン
(3)内 容
ア 協議事項
・ 「国際平和拠点ひろしま構想(2022-2024)」及びG7広島サミット関連事業について(報告)
・次期国連開発目標へ核兵器廃絶を位置づけることを目指したフレンズ会合について(協議)
・核抑止に替わる安全保障ビジョンの策定に向けて(協議)
イ 主な意見
【次期国連開発目標へ核兵器廃絶を位置づけることを目指したフレンズ会合について】
- 広島県と日本政府との緊密な連携が重要になるだろう。また、各国のどこの部門へ、どのような形でアプローチをするのかという点が非常に重要なポイントになる。
- 国連は、2023年9月に、ニューヨークで、SDGサミットを開催するので、こうした機会を活用してはどうか。
- 日本政府は、「人間の安全保障」の分野でフレンズ会合を率いているという事実があり、この問題で、主導権を握ることができるのではないか。
- 核実験場のあった国にアプローチをすることが重要。カザフスタンのように、現在進行中の被害や未解決の被害について語ることができる国があれば、従来このような会合でリーダーシップを取ってきた国とは違った声が挙がるのではないか。
- 核兵器を使用する側がどのような責任を負うべきかという問題について、核兵器国のみならず、核の傘の下にいる国の責任も大きい。フレンズ会合では、将来に対する責任をどのように分担するべきかという概念も持つべきだ。
【核抑止に替わる安全保障ビジョンの策定に向けて】
- 国際社会の仕組みや歴史的理解といった観点から、国際秩序に関する学者のグループによる小規模な研究会のようなものを開き、一連のワーキングペーパーを作成して、政府間のメカニズムに入れていくことが、新しい安全保障を考える上で役に立つのではないか。
- このプロジェクトの主眼は、核抑止力の非有用性を強く主張することだ。私たちは、「核抑止には何らかの効用があるかもしれない」という考え方に後退することがあまりに多い。核抑止は、考え得るメリットよりもデメリットの方がはるかに大きい。
- 対立のエスカレーションや危機に対処するための、通常戦力に裏付けられてた、協調的な安全保障の事例を再び作ることに積極的に焦点を当てるべきである。広島がこのようなプロジェクトを立ち上げることができれば、重要な貢献になる。
- 軍縮のコミュニティでは、話しやすい似た思考を持った国だけで議論することが多い。重要なのは、そのような国・地域だけではなく、同じようなジレンマに直面している他の国を巻き込んで何ができるのかを考えることである。
【ロシアのウクライナ侵略について】
- 核兵器を持とうとしている国に対して、「核兵器を持ったからといって、通常兵器による戦争に勝てるわけではないし、他の国を命令に従わせることはできない」と説得することで、核兵器の保有を思い止まらせることができるかもしれない。このように、核抑止力の有用性が限定的であることを示すことができれば、核抑止力への依存を克服するための議論に繋がる可能性がある。
- G7サミットは、主に関係国の経済問題等について話し合う場であるが、政治的、戦略的にこうした場を活用して、会合の最後に、核使用のタブー、あるいは、核兵器問題について声明を盛り込むなどして、ロシアのプーチン大統領がやろうとしていることに対して、組織的に対抗をすることも考えられるのではないか。
(4)会議出席者(8名)
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氏 名 |
所 属 等 |
顧問 |
ギャレス・エバンズ |
元豪州外務大臣,元オーストラリア国立大学長 |
ジョン・アイケンベリー |
プリンストン大学教授 |
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スコット・セーガン |
スタンフォード大学教授 |
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委員 |
秋山 信将 |
一橋大学国際・公共政策大学院長 |
阿部 信泰(座長) |
元国連事務次長(軍縮担当) |
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ロバート・ジェイコブス |
広島市立大学広島平和研究所教授 |
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湯﨑 英彦 |
広島県知事 |
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パートナー |
隈元 美穂子 |
国連訓練調査研究所(ユニタール)持続可能な繁栄局長兼広島事務所長 |
【参考:国際平和拠点ひろしま構想推進委員会とは】
国際平和拠点ひろしま構想の行動計画の策定など,構想の推進に関する重要な事項について意見又は助言を求めることを目的として,平成24年に設置し,毎年開催している。
過去の国際平和拠点ひろしま構想推進委員会
2020年国際平和拠点ひろしま構想推進委員会 2019年国際平和拠点ひろしま構想推進委員会 2018年国際平和拠点ひろしま構想推進委員会
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