「国際平和拠点ひろしま構想」に掲げる「核兵器廃絶ロードマップへの支援」を具体化するため,核軍縮・軍備管理に向けた多国間協議の場として,「ひろしまラウンドテーブル」を開催した
(1)日時
令和元(2019)年8月21日(水曜日)午前10時30分から午後6時まで 令和元(2019)年8月22日(木曜日)午前9時から午後0時まで
(2)場所
リーガロイヤルホテル広島(広島市中区)
(3)出席者(24名)
国名 | 氏 名 | 所 属 等 |
日本 | 秋山 信将 | 一橋大学国際・公共政策大学院長 |
日本 | 阿部 信泰 | 元国連事務次長(軍縮担当),元原子力委員会委員 |
日本 | 栗崎 周平 | 早稲田大学政治経済学術院准教授 |
日本 | 芝井 清久 | 情報・システム研究機構 統計数理研究所 データ科学研究系 特任助教 |
日本 | 戸﨑 洋史 | 日本国際問題研究所主任研究員 |
日本 | 久島 直人 ※21日全体会まで参加 |
外務省軍縮不拡散・科学部長〔大使〕 |
日本 | 広瀬 健太郎 | 早稲田大学政治経済学部講師 |
日本 | 藤原 帰一 | 東京大学大学院法学政治学研究科教授 |
日本 | 向 和歌奈 | 亜細亜大学国際関係学部講師 |
日本 | 湯﨑 英彦 | 広島県知事 |
豪州 | ギャレス・エバンス | 元豪州外務大臣,オーストラリア国立大学長 |
豪州 | ラメシュ・タクール | オーストラリア国立大学教授,アジア太平洋軍縮不拡散リーダーシップネットワーク(APLN)共同代表 |
中国 | 沈 丁立 | 復旦大学教授 |
中国 | 趙 通 | 清華カーネギーグローバル政策センター研究員 |
韓国 | 千 英宇 | 元大統領外交安保上級秘書官 |
韓国 | 文 正仁 | 延世大学特別名誉教授,大統領外交安保特別補佐官 |
ロシア | アントン・フロプコフ | ロシアエネルギー・安全保障研究センター長 |
米国 | ジョン・アイケンベリー | プリンストン大学教授 |
米国 | ジェフリー・ルイス | ジェームズ・マーティン不拡散研究センター 東アジア不拡散プログラムディレクター |
米国 | デボラ・ローゼンブルム | 核脅威イニシアティブ(NTI)副理事長 |
米国 | スコット・セーガン | スタンフォード大学教授 |
スイス | ウィルフレッド・ワン | 国連軍縮研究所(UNIDIR)リサーチャー |
スウェーデン | ティティ・エラスト | ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) リサーチャー |
英国 | ベイザ・ウナル | 英国王立国際問題研究所(CHATHAM HOUSE) シニアサーチフェロー |
(4)内容
ア 協議事項
【テーマ】「非核化をどう進めるか」ー東アジアの非核化と核依存からの脱却ー
【分科会】①「東アジア地域の緊張緩和と非核化」
②「核兵器の依存からどう脱却するか」
イ 総括
核兵器のない世界の実現に向けて,協議事項に沿って意見交換を行い,議長声明をとりまとめるとともに,核兵器を巡る厳しい国際情勢を受けて緊急アピールを採択した。
- 議長声明(日本語(仮訳)) (PDFファイル)(270.29KB)
- 議長声明(英語) (PDFファイル)(41.06KB)
- 緊急アピール(日本語(仮訳)) (PDFファイル)(146.62KB)
- 緊急アピール(英語) (PDFファイル)(36.40KB)
ウ 議長表明概要
(緊急アピール)
○ 平和と安定を維持するため,国際的な枠組みである核軍備管理・軍縮・不拡散協
定を堅持し,さらに前進させることを求める。
(核兵器への依存からの脱却)
○ 国際人道上の均衡性の要件を厳格に順守した場合,核兵器は限定的な効用しか
もたらさないにもかかわらず,悲惨な人道的結末をもたらす核兵器は,削減され,最
終的には廃棄されるべきものである。
○ 核兵器禁止条約には,核兵器が存在せず,その使用の脅威のない世界の実現に
対する,国際社会の強い思いが明記されている。
○ 最先端技術による通常兵器は,従来の核兵器の役割の代替となる可能性がある
一方,戦略的安定性が損なわれないよう注意が必要である。
(核兵器使用のリスク低減)
○ 核兵器使用の危険性が高まっているにも関わらず,冷戦期につくられた核軍縮
の構造は弱体化しており,再編が必要である。
○ 核兵器保有国は核兵器の近代化を進めており,核の使用されるリスクを低減さ
せるためには早急に措置を講じなければならない。
(東アジアの緊張緩和と非核化)
○ 北朝鮮は部分的な制裁解除と引き換えに,核実験や中距離及び大陸間弾道ミサ
イルの発射実験など,一連の非核化に合意する可能性があるが,漸進的なステッ
プ・バイ・ステップ・アプローチまたは段階的なアプローチア必要不可欠である。
○ 東アジアにおける信頼性の高い多国間協議のメカニズムとして,6か国協議を基
本的な枠組みとする新たな首脳会合の開催が有効である。