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国際平和拠点ひろしま

平和活動を世界に 文化としてつなげていく

2017年に設立されたNPO法人ピースカルチャービレッジは、一人一人が平和についての役割やビジョンを磨くための場所作り、機会作りを支援している団体です。その設立のためにアメリカから広島に移住し、現在まで積極的に活動しているメアリー・ポピオさんにお話を伺いました。

 戦争と平和について話すときに、暗い、怖い、関わりたくない、などマイナスなイメージを持たれることもあります。でもそうではなく、ピースカルチャービレッジ(以下PCV)は、平和活動を文化として活動・継承していくことを目指した平和教育プログラムを提供しています。「平和文化」は平和に生きる生き方。若い世代と一緒に平和文化を作っていけたらと考えています。

高齢になった被爆者の団体が活動を続けることが困難になっている中で「次の世代の後継者を育てること」、そしてもう一つ「平和活動という仕事を作ること」という、二つの大切なテーマがPCVにはあります。

 学生のときに平和活動をしていた人が、就職と共に辞めざるをえない状況になってしまうのはとても残念ですし、仕事として平和活動をしていきたい人がいても、これまでそのような仕組みがありませんでした。そこで平和活動を、仕事として成立させることをPCVでは考えました。例えば平和記念公園の有料ガイドをする活動や、学校での年間を通した平和学習のトータルプログラムデザインなどをしています。

受け身ではなく、さまざまなワークショップをはじめとする自らが主体となって動き学ぶ平和学習のプログラムを終えたとき、達成感から涙を流してくれる生徒さんがいるのは、とても嬉しい瞬間ですし、そのように心が動くような活動を目指しています。「平和活動ってかっこいい!」という言葉は、生徒さんからの感想で一番嬉しいですね。私も被爆者との出会いで人生が変わりましたが、PCVの活動に参加した子どもたちの中で、一人でも人生が変わるような平和文化との出会いとなってくれればいいですね。

 PCVでの私の仕事は、メディア取材や講演の対応、広島と世界 をつなぐプログラムの制作などをしています。社員3名のうち私以外の2名は被爆3世です。加害国出身である私と被爆3世が一緒に活動をするのは奇跡だと思いますし、本当に意味があることだと思っています。

 コロナ禍になる前までは外国からの団体をアテンドするのがメインの活動でしたが、「今後はオンラインしかないよね」という3人の思いで、2020年からオンラインに力を入れてきました。

 ARの技術を利用して、オンラインでの平和記念公園ガイドや、オンラインでの平和学校であるピースカルチャーアカデミーの設立、AIを駆使したアプリ開発なども行い、コンテンツを充実させるためたくさんの取り組みをしています。

 今は海外からの訪問がなく寂しいですが、いつかまた直接お話できるようになればいいと思います。それまではオンラインで広島の若者と海外の若者を繋ぐことも大事にしていきたいです。

 そして、ARやVRなどを使った親しみやすく参加しやすい平和活動を考え、平和文化としてたくさんの人が繋がっていくことを目指し続けていきたいです。

メアリー・ポピオ

1992年生まれ。アメリカ・ボストン出身。学生時代に「核兵器と核エネルギー」について学び、広島・長崎に訪れた際に原爆や被爆者の話を聞いて人生が変わり、平和活動を行うように。 2016年に広島に移住し、2017年NPO法人PCVの設立メンバーとなる。

【PCV ピースカルチャーヴィレッジ】

自由な探求と個々人の気づき、そして私たち一人ひとりから生まれ出てくる「平和文化」を大切にし、平和な世界を構築するための役割やビジョンを磨くための機会・場所作りを行うさまざまなプログラムを提供。

HP  https://peaceculturevillage.org/

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