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国際平和拠点ひろしま

あの日、あの悲劇を繰り返さないために…… G7広島サミットに向け「覚えておきたいこと」を発信

 2023年5月19日~21日、被爆地・広島で「G7広島サミット」が開かれます。広島テレビ放送は「覚えておこう。」をキーワードに、「覚えておこう。G7@HIROSHIMA」と題したキャンペーンを展開中。このキーワードに込めた思い、この機会に改めて発信したいメッセージを聞きに、同キャンペーンの幹事を務める広島テレビ放送報道制作局アナウンス部長の長島清隆さんを訪ねました。長島さんが発する「覚えておこう。」の言葉の続きに、「未来のために」という言葉が聞こえてくるような気がします。

広島テレビ放送報道制作局アナウンス部長の長島清隆さん

 1945年8月6日8時15分、広島に原爆が投下されました。77年が過ぎた今もなお放射能による障害に苦しんでいる方や、その時の恐怖や戦時中の暮らしの辛さを思い出すと胸が苦しくなる方もいます。取材した被爆者の方からは、戦争への恨みや憎しみよりも、原爆は恐ろしく嫌なもの、だから核は使ってはいけない、あってはいけないんだという願いの声が聞かれます。ですが、被爆者の皆さんの高齢化も進み、直接、お話を聞ける機会も減ってきました。私自身への戒めも込めて、私たちは原爆投下を当時の方のお話やその時の気持ちなども含めて覚えておかなければならないと思うのです。

 G7広島サミットのように、開催場所そのものがこれほどに大きな意味を持ったことはこれまでにないと思います。ヒロシマの想いを、全国へ、世界へと発信する大きなチャンスです。この機会を生かして、私たちは世界に向けて「覚えておこう。」と呼び掛けます。

 キャンペーンは主に、「放送」「配信」「折り鶴」の3つの取り組みがあります。

「放送」では、G7広島サミット半年前となる11月19日に、広島のスタジオにジャーナリストの池上彰さんや日本テレビアナウンサーの藤井貴彦さんをお呼びして、特別番組を放送しました。大型企画「岸田文雄首相×池上彰氏インタビュー」では、サミットを広島で開催する意義や焦点となるウクライナ侵攻について聞きました。また約100日前となる2月11日にも、池上さんに国際情勢を含めて解説をしていただく番組を放送する予定です。池上さんは NHK 時代に呉の呉通信局に在籍され、被爆二世の取材などをされていたそうです。


【岸田文雄首相×池上彰氏インタビュー インタビュー完全版動画】
https://www.youtube.com/watch?v=hWMOMrV7NxM&t=7s


 夕方に放送している情報番組「テレビ派」では、「もてなしジーセブン」というコーナーを設け、G 7に参加する国の方をおもてなしするヒントになるような広島の情報を紹介しています。広島全体でおもてなしの雰囲気、機運を高めようという取り組みです。

 また、毎週金曜の18時台にはG 7特集のコーナーを設けています。私が担当し、被爆者の方に広島サミットに期待することをお聞きしたり、核をめぐる世界の状況がどのようになっているのか、NPT 再検討会議で見えた広島の願いと現実との乖離といった問題に正面から迫っています。核兵器、原爆がどれほどの被害をもたらすかを我々自身も改めて知り、知ることでまた世界の人に伝えていこうとしています。

 2つ目の「配信」は、広島から全国に、それから世界に発信していくために、開局以来60年にわたって広島テレビが制作してきた平和関連のドキュメンタリー番組を配信する取り組みです。日本語版はもちろん、英語版も作り海外の方にも核について実際に知ってもらう機会を提供しています。

 「もう一つの視点」と題して、アメリカ出身で広島を拠点に活動する詩人・作家のアーサー・ビナードさんが平和関連ドキュメンタリーを解説するコンテンツも配信しています。G7首脳たちに向けた広島ならではのメッセージです。

【ドキュメント】ローマ教皇からのメッセージ 〜戦争はもういらない〜【広島】


 そして3つめの柱が「折り鶴」です。世界中の市民や著名人に「折り鶴」作りを呼びかけ、ヒロシマの願いを形にするというものです。

岸田文雄内閣総理大臣の折り鶴


 岸田文雄内閣総理大臣が作った折り鶴には、「核兵器のない世界への機運を再び広島から」というメッセージが書かれていました。ウクライナ侵攻などでしぼんでいる核廃絶に向けた機運を、G7広島サミットをチャンスにして広島から再び盛り上げたいと強く語っています。そのほか広島県の湯﨑英彦知事や沖縄県の玉城デニー知事らが鶴を折るシーンや、折り鶴の作り方の動画なども配信しています。広島テレビ本社1階ロビーに折り鶴を入れていただくボックスも用意していますので、皆さんのメッセージをお寄せください。

 集めた折り鶴の生かし方は検討中ですが、例えばウォールアートで平和のメッセージを発信するなど各国の首脳たちの目に留まる方法を考えています。


広島テレビ本社1階ロビーに設置された折り鶴BOX

 G7広島サミットで世界の首脳たちが広島で何があったのかを直接見たり聞いたりすることは、核なき世界への第一歩になると思います。「核なき世界」を単なるスローガンに終わらせることなく、本当に実現するために何ができるのか、何を始めるのかを考える機会になることを願っています。

 私たちは「首脳たちが来た」という事実を伝えるだけではなく、ヒロシマのメッセージを象徴するモチーフである折り鶴などを通して、感情にも訴えられるような伝え方をしていきたいなと思っています。



広島テレビ放送株式会社

広島県広島市東区二葉の里3-5-4
TEL:082-207-0404

「覚えておこう。G7@HIROSHIMA」特設サイト

https://www.htv.jp/neverforget/index.html

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