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国際平和拠点ひろしま

折り鶴に込められた思いを 未来へと循環させていくプロジェクト


 平和記念公園にある原爆の子の像。この像には、2歳で被爆し、10年後に白血病を発症してから約8カ月後に亡くなるまで折り鶴を折り続けた少女・佐々木禎子さんへの祈りと、平和への願いを込めた折り鶴が世界中から届けられます。年間1000万羽とも言われるこの折り鶴を、新しい形に再生して子どもたちのもとへ届ける『折り鶴の再生・循環プロジェクト』が2016年から続いています。


 「私たちが一番大切にしているのは、『思いの循環』ということです。」

 こう話すのは、プロジェクトの発案企画とプロデュースをしているコニカミノルタジャパン株式会社・藤塚洋介(ふじつか・ようすけ)さん。

 コニカミノルタジャパンといえば、複合機やプリンターをはじめとする機器メーカーのイメージが強いですが、なぜこのプロジェクトに関わることになったのでしょうか。

コニカミノルタジャパンの藤塚洋介さん


 「広島市で紙器・印刷・販促の企画製造をする『株式会社トモエ』の会長・高丸晃(たかまる・あきら)さんから、かねてから繋がりがあった弊社に1通の手紙が届いたのです。高丸会長は佐々木禎子さんと同じ年に生まれたそうで、原爆の子の像に届けられた折り鶴を使って、なにかアクションができないかという内容でした。」

 それは手書きの、熱い思いがとても伝わる手紙だったそうです。

手紙を送った株式会社トモエの高丸晃会長


 「高丸会長の思いを受け止め何とか形にしたいと、プロジェクトが立ち上がりました。ただ、弊社もそのような実績がありませんでしたので、ゼロからのスタートです。社内でアイデアを検討した結果、たくさんのアイデアが出ましたが、みんな、いかに折り鶴を消費するかという考えにとらわれてしまうんです。しかし私たちが大切にしなければいけないのは、この一羽一羽に込められた、折った人の思いなんですよね。」

 そこで考え出されたのは、折り鶴からもう一度折り紙を再生し、広島を訪れる人や子どもたちへ渡していくというものでした。そして、異業種4社が手を取り合い、それぞれの得意分野を生かしてプロジェクトを推進することになりました。

折り鶴を仕分けする様子


 原爆の子の像に捧げられた後、一時保管された多くの折り鶴を、まずは広島市内の作業所で再生できるよう仕分けをしてもらいます。次にトモエで折り紙用紙として再生し、その後、愛知県小牧市のパッケージ製造会社『株式会社クラウン・パッケージ』で鮮やかな印刷が施され、大手旅行代理店『KNT-CTホールディングス株式会社』がお世話をする広島を訪れる修学旅行生たちに手渡されるという流れです。

 「『広島に届いたものが、全国・世界に広がり、また広島に返る』という思いも込めてのプロジェクトなのです。」

 そういった経緯で再生された折り紙を見ると、紙全体に色の濃い粒子状の物が含まれているのがわかります。

 「これは、わざと再生する前の紙を荒く残して、再生紙に加えているためです。再生しても、前に折り鶴を折った人の思いがしっかりと残っているんだということが、より感じられますよね。」


 『思いをつなぐ。未来へつなげる。』というコンセプトで2016年に始まったこのプロジェクト。藤塚さんが大切にしているのは、折り鶴を折る人たちの思いの循環。そしてその手助けをしていくために、このプロジェクトを続けていくことです。

 「折り鶴を通して、子どもたちの平和を願う思いを繋げていくことが、このプロジェクトの大きな役割です。」と、再生された折り紙を眺めながら藤塚さんが話してくれました。

 2021年からは、長崎に届けられた折り紙もこのプロジェクトで循環しています。原爆の子の像に捧げられたたくさんの折り鶴の中に、この再生紙で折られた折り鶴を見かけたら、ぜひそこに込められている祈りや願いに、思いを馳せてみてください。そうすれば、思いはさらに未来へとつながっていくはずです。

折り鶴の再生・循環プロジェクト

https://www.orizuru-project.jp/

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