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国際平和拠点ひろしま

Reconstruction support project カンボジア復興支援プロジェクト 事業報告(1/2)

 広島県では,2005年から2020年までの15年間にわたり,JICA草の根技術協力事業を活用し,カンボジア王国(以下,「カンボジア」という。)の復興支援,特に教育分野の復興支援に取り組んできました。

 

 

1 広島県が復興・平和構築事業を行う理由

 県では,「国際平和拠点ひろしま構想」の実現に向け,広島の復興の経験を活かし,内戦などで疲弊した地域の平和構築に向けた支援に取り組んでいます。

 また,広島を訪れる外国人は,徹底した破壊から復興を成し遂げた現在の広島の様子を見て驚き,特に紛争終結地域などから来広するJICAやユニタールが支援する研修生らは勇気を与えられると言います。それは,核兵器による破壊を経験し,一度は廃墟となった広島が豊かな社会を構築しているためです。

 廃墟から復興し,平和の街として生まかわった広島は,国家間の紛争・内戦,過度の暴力全般によって疲弊した地域の平和構築のシンボルでもあることから,紛争終結地域の復興・平和構築支援に取り組むこととしました。

 

 

2 なぜカンボジア?

 世界遺産アンコールワットでいまでは有名となったカンボジアは,1970年代の内戦等の影響により,国際社会に復帰するまで長い時間を要しました。1990年代以降は,日本をはじめとする世界各国から多くの支援・国際協力が行われ,近年目覚ましい経済発展を遂げています。しかし,インフラの整備等,まだまだ発展途上の段階であり,引き続き国際社会からの支援を必要とし,広島県が復興支援プロジェクトに着手しようとした2005年当時もカンボジアは内戦から復興へと歩みを進める過程にありました。

 また,治安の安定性,対日感情,文化,物理的距離など,支援効果や安全への配慮の観点から総合的に勘案し,現実的に広島から支援が可能であったこともカンボジアを対象とした理由です。

 

 

3 なぜ教育?

 カンボジアは,1950年代後半になるとベトナム戦争の影響から国内情勢は不安定となり,1970年のクーデターにより内戦が激化,1975年には極端な共産政策を執るポル・ポト政権が発足します。ポル・ポトは,全ての国民が農民化し,自給自足を目指す,”原始共産主義”を理想に掲げ,通貨や学校,病院の廃止を行い,理想の実現のために知識人と呼ばれる人々(医者,弁護士,教師など反発勢力になりうる者たち)を含む多くの国民の大虐殺を行いました。この時代に,当時の総人口の約1/4(200万人)以上が殺され,教師はその約80%が亡くなったとされ,教科書は廃棄,学校は倉庫や強制収容所,刑務所として使用されるなど,教育基盤は完全に崩壊してしまいました。

 トゥール・スレン博物館は,元は生徒たちが通う高校でしたが,ポル・ポト政権下では政治犯収容所として約20万人が収容され,生還できたのはわずか7人のみといわれています。

 1979年にはポル・ポト政権は崩壊しましたが内戦は継続し,また,東西冷戦構造の影響から西側諸国の支援が乏しく,復興には時間がかかることとなりました。

 教育分野の復興に関しては,まず,「量」的復興に取り組みましたが,ポル・ポト政権下で多くの教員が命を落としたことや,大虐殺の対象のほとんどが大人であり,生き残った国民には子どもが多かったことから,教師が不足し,必ずしも十分な教育指導法を学んでいない人も教壇に立たざるを得ない状況にありました。カンボジアでは教員研修の機会が圧倒的に不足しており,多くの小学校教師,中学校社会科教師は地域ごとの2年制教員養成校で学んだ経験だけで生徒の前に立ち続けることになります。そういった教員の教材研究・開発についての知識,経験の不足や,就学率の低さ,教育理念・制度を現場に普及する教育コンサルタントの不在など多くの課題が山積しています。

 また,失われた教材の代わりにベトナムの教科書をそのまま翻訳したものが使用されるなど,教育の「質」的改善も課題となりました。

 

 

4 支援活動

(1)現地ニーズ調査

(2)第1フェーズ:2005年~2008年

https://hiroshimaforpeace.com/reconstruction-support-project/

(3)第2フェーズ:2008年~2011年

https://hiroshimaforpeace.com/reconstruction-support-project-2/

(4)第3フェーズ:2011年~2014年

https://hiroshimaforpeace.com/reconstruction-support-project-3/

(5)第4フェーズ:2014年~2017年

(6)第5フェーズ:2017年~2020年

現地専門家派遣:https://hiroshimaforpeace.com/cambodiapj2019/

事業完了式典:https://hiroshimaforpeace.com/combodia2019-ceremony/

このページに関するお問い合わせ先

平和推進プロジェクト・チーム

住所:〒730-8511 広島市中区基町10-52

Tel:082-513-2366

Fax:082-228-1614

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