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国際平和拠点ひろしま

「グローバル未来塾inひろしま」(第6期生)成果報告会・修了証書授与式



広島県・へいわ創造機構ひろしま(HOPe)が世界平和に貢献できる人材の育成を目的に開講している、高校生のための平和教育プログラム「グローバル未来塾inひろしま」。第6期生の成果報告会および修了証書授与式が2月5日(日)に行われました。

成果報告会はまず全20名の塾生が1人4分という持ち時間で「国際平和のための提言」を日本語と英語で発表。核兵器廃絶や平和構築に関する講義、英語によるディスカッション、広島市内の被爆建物巡り……など半年に及ぶ研修の成果をそれぞれの言葉で表現しました。



「自分の能力をもっと高めないといけないと思った。」「広島は2つしかない被爆地の1つ。平和のシンボルであり続けなければならない。」「私たちの世代が戦争の記憶・記録を次の世代に引き継ぐ必要がある。」……未来に対するメッセージはもちろん、流暢な英語でのスピーチも今回の実習の成果です。



その後は修了証書を授与。池田秀雄塾長(広島大学名誉教授)からは「世界を、日本を、広島を、周囲をリードしていく人物になることを期待しています。」と熱いエールが贈られました。



それを受けて受講生代表の東 祥恵さん(広島県立福山葦陽高等学校3年)が挨拶。「グローバル未来塾は最高の仲間たちと出会えた素晴らしい場所。未来の日本を担う人間になれるよう、互いに手を取り合って精進していきたい。」と全員の想いを代弁しました。

近年はコロナ禍によってリモートでの開催や、開催自体が見送られたこともある「グローバル未来塾inひろしま」。4年ぶりの対面での授与式終了後は互いに写真を撮り合うなど卒業式の後のような風景で、研修を通じて強い友情が育まれたことを物語っていました。

今回は参加者の中から岩本篤憲さん(近畿大学附属広島高等学校東広島校1年)と高原沙理楽さん(広島県立広島叡知学園高等学校1年)に、「グローバル未来塾」を通して感じたことを語ってもらいました。



●参加したきっかけは?

岩本さん:「グローバル未来塾」のことは先生が教えてくれました。その頃は連日テレビでウクライナ侵攻のことが報道されていて。ニュースを観るだけではなく、自分でも平和のために何かできないか、そのヒントが得られるかもと思って応募しました。

高原さん:これまで原爆についてなんとなく知っていたんですけど、2021年の夏に「今は被爆体験を語り継ぐ語り部が減少して、アルバイトが担っている。」というニュースを見てショックを受けて。そこから平和に関する自分の知識が浅いことに気付き、ここでならそれが学べると思って応募しました。

●印象に残ったことは?

岩本さん:先月フィリピンの高校生とリモートで交流したのですが、彼らは広島に原爆が落とされたことを歴史的事実としてしか捉えていないんです。広島の小中学生は毎年原爆について学ぶのに……。この事実を全世界の人にもっと深く知ってもらって、核問題に対する解決策を考えられる社会に変えたいと強く思いました。

高原さん:広島大学の関恒樹教授は講義の中で「差異に対して二項対立で評価すると人の分断を生む。」と話されて。私自身にも偏見があるし、極端な思想を持ってしまうことが平和の構築を阻害するのかなと感じました。その差を最小化し、お互いの妥協点を見つけることが大事だと思います。



●これからやりたいことは?

岩本さん:僕は薬学の勉強をしたいと思ってて。今はまだアフリカや東南アジアで特効薬のない病が数多くあるんです。将来は国際的な企業に入って、そうした病を治す特効薬を作りたいと思ってます。

高原さん:私はメディアコミュニケーションに興味があるので、風化していく戦争の記憶を映画や広告を使って世界に発信する職業に就きたいです。今もいろんな取り組みを考えていて、G7と同時に開かれる「ジュニア会議」に参加したいし、十代スタッフで「TEDx」(※1)を開催したい、被爆者とアーティストをつなぐNFTアート(※2)も制作したい……できることを行動に移していきます!

(※1)TEDx 「Ideas Worth Spreading(よいアイデアを広めよう)」の理念のもと、著名人の講演会を開催・配信している非営利団体「TED(Technology Entertainment Design)」から承認を受け、世界各地で発足しているコミュニティ。

(※2)NFTアート 暗号資産等で用いられるブロックチェーン技術(取引履歴の改ざん等が困難であることが特徴)を用いて、作成したデジタルアートの唯一性や資産価値を保証する仕組み。NFTは「Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)」の略。



岩本篤憲(いわもと・あつのり)さん。近畿大学附属広島高等学校東広島校1年。趣味は父親と一緒に全国の博物館を巡ること。



高原沙理楽(たかはら・さりら)さん。広島県立広島叡知学園高等学校1年。人を楽しませるエンターテインメントに興味がある。

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