10月6日(日)に行われた第4期グローバル未来塾inひろしまの研修について受講生からの報告書をお伝えします。講師は国際協力機構(JICA)中国所長 三角幸子氏です。
(受講生からの報告書を編集せず掲載しています。)
【報告書1】
JICA 国際協力について
JICA 三角所長
広島女学院高等学校 中島望
三角さんはこのJICAとは何か、そして国を通じての支援がその国にどのような影響を与えるか、そして日本にもどのような影響を与えるのかについて講義された。
一点目は、JICAとはどのような組織なのか、ということについてだった。JICAとは日本の政府開発援助(ODA)を実施する組織で、開発途上国を支援している。私たちがよく耳にする青年海外協力隊を派遣しているのもこの団体である。ではなぜ日本はほかの国を助けるのだろうか、という議題から講義に入った。主な理由は三つあり、一つ目は国際社会の一員としての当然の責務、つまり人道的理由からだ。国際連合に加入しており、かつ先進国である日本は他国よりも優位にある国として助ける責務を負う。二つ目は輸出国を援助することによってフィードバックを得られるからだ。日本は国民が生活に必要なもののほぼすべてを海外から輸入している。そのため主な輸出国である発展途上国を支援することは、日本を間接的に支援することに繋がる。三つ目は世界問題には国境はないからだ。経済発展の裏で起きている環境汚染や地球温暖化によって引き起こされる感染症は国を超え、人類に影響を与える。援助をすることによりその国での環境問題が改善されるだけではなく、日本を間接的に感染症の脅威や地球温暖化による影響を抑えることができる。つまり国際援助を行うことにより、開発途上国の発展を促し、酔って世界の安定と平和につながるということを学んだ。
二点目は援助を行う際の注意点と意味についてだった。まず援助する際にJICAが実際注意しなければならないことを募金活動を通じてグループでディスカッションを行った。ワークショップを通じで援助自体を行うことはもちろん良いことだが、むやみやたらに行えばいいというものではないということも痛感した。実際JICAでは援助を行う前に三つのことについて考える。一つ目は依存心を生まないかどうか、ということだ。いくら貧しい村を助けるとはいえ、援助はあくまでもそこに住む人々の自立を促すものであり、援助に頼る生活になってはいけない。二つ目は妬み、恨みを生まないかどうかだ。一つの村に対して援助を行ったことにより、隣にある村から恨みを買うなど、その村だけが突出して裕福になるようでは、後々争いを引き起こす原因となりかねない。三つ目は本当に必要かどうかだ。過去の事例として援助を行ったが実際はその村にとっては最重要項目ではなかったため整備が行き届かず、援助が無意味になってしまった、という例があるように、無限ではない資金をどうしたら最大限に生かせるか、というところも重要なポイントとなる。これらからモノや金はあくまでも手段であり、目的になってはならないということを学んだ。
この講義を通じて、私は主に二つのことを学んだ。一つ目は援助の重要性だ。正直この講演を聞く前はどうして日本が私たちの税金を使って他国の援助を行わなければならないのかがわからなかった。しかし援助された国だけの利益ではないことや、世界は繋がっていることを具体的に実感することができた。二つ目は援助の難しさだ。いくらそこに困っている地域や人がいたとしても、やみくもに物資や金を与えてもただ悪化するだけ、という言葉に私が募金をする際はもっと考えてから行動しようと気づかされた。全体を通じて、手段と目的をはき違えてはならない、という考えは問題を解決するにあたってどの課題でもいえることだと感じた。プロジェクトを行う際は時々立ち止まって三角さんのおっしゃったことを行えているか確認しようと思う。
【報告書2】
講義名 国際協力 について
研修講師名 JICA中国 三角幸子
報告者 広島女学院高校 波田詩子
日本の政府開発援助を実施する組織である、Japan International Cooperation Agency は青年海外協力隊を派遣したり、資金・お金貸し、インフラを整備したり、そのほかにも学校や病院を立てて発展途上国を支援している。なぜこのようなことをする必要があるのか。三角幸子さんはなぜ日本が発展途上国を支援する必要があるかの説明を通して日本を含む先進国が世界の平和と安全をもたらすのに不可欠であり、それらの国が発展途上国の支援をすることの大切さについての講義をされた。
では、その日本が発展途上国を支援する理由とは何か。
1点目は、国際社会の一員として当然の責務であるためである。このことは日本国憲法の前文にも「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」また、「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たとうとする各国の責務であると信ずる。」
明記されているように、同じ地球に住む人間として非人道的な生活を強いられている者に手を差し伸べることは普通のことだと考えられる。
2点目は、日本のために支援をする。発展途上国の発展が世界の安定と平和に繋がっていると言えるので、開発途上国への支援は日本のためでもあると言えるのだ。また、日本は多くの資源や食料品などを発展途上国に頼っている。例えば、タイヤは天然ゴムでできており、それは100%輸入である。また10円玉は銅からできており、それも輸入に頼っている。よって、もらうばかりじゃなく、こちらも相手国を助けなければならないのである。
3点目は環境の悪化や感染症に国境はないということである。例としてあげられるのがエボラ出血熱である。これはウイルス性の感染症であり、致死率の高さが特徴である。発展途上国の国で流行し、多くの近くの国々へと伝染していった。また、蚊媒介感染症も簡単にある地域で流行すると広まってしまう。このような問題は一つの国が解決すればいい問題ではありません。多くの国が力を合わせ、止める必要があることは明らかなのです。
この講義を通じて、私は一見関係なさそうな国でも、地球全体に平和と安全をもたらすためには、助けを必要とする国を支援する必要があるのだと強く感じました。直面している問題を放置したらどうなるのか?そう考えると怖くてたまりません。一つ一つ目標を立てて少しでもより良い世界にするため、日本も頑張らなくてはならないのです。
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