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国際平和拠点ひろしま

Future Leaders' Program 2019 - Octoberグローバル未来塾inひろしま2019 第4期研修報告(10月27日)Vol.2

10月27日(日)に行われた第4期グローバル未来塾inひろしまの研修について受講生からの報告書をお伝えします。講師は文教大学兼任講師 渡部真由美氏です。

(受講生からの報告書を編集せず掲載しています。)

【報告書1】

講義名 紛争後の緊急支援について
研修講師名 文教大学 渡部真由美 兼任講師
報告者 牧本 武蔵

第二次世界大戦終結後も世界では紛争や迫害などによって国外への移動を強いられる難民の数は増加傾向にある。2018年12月現在の難民の総数は人7,080万人で、過去70年間で最多、20年前の統計と比べてほぼ2倍となっている。
難民発生の構図を、渡部先生がNGO職員として約3年間人道支援にかかわったコソボ紛争を例に述べると、セルビア人発祥の地であるコソボでアルバニア人が住民の多数を占める状態となったことに不満を持ったセルビア人がアルバニア人を迫害したことが原因であった。
民族間の軋轢は日本という単一民族の国に住む私たちにはあまりなじみのない問題だが、ミャンマーで発生しているロヒンギャ問題もこの民族間の軋轢が主な原因であることを考慮しても、難民問題について考える上で重要なキーワードといえるだろう。
難民問題の内、難民自身が抱える問題として
・衣食住の欠乏
・故郷の被害状況、身内の被害などによる精神的ダメージ
・社会インフラの機能マヒ
などが挙げられ、人道支援にはこれらの問題の緩和、解決が求められる。
人道支援をするうえでの課題は主に3点挙げられる。
まず一つは、「支援の偏り」である。人道支援の手は一般的に世間の注目が集まり(CNN効果)、かつ支援のしやすい場所に集中する傾向がある。しかし、被害状況が深刻なのは必ずしもそのような場所に限らず、世間の話題になりにくい場所やへき地などの支援の行き届きにくい場所との支援の公平性が求められる。
二つ目は、「テロの標的となる危険」である。2003年にイラクで発生した国連施設での自爆テロをはじめ、世間の注目を得ること、社会に影響力を誇示することを目的にテロリストたちが人道支援関係者をテロの標的にする傾向が増している。
人道支援者の独立性、中立性の消失によって、行動が制限される中でどのように効率的で実効性のある人道支援を行うかが課題となっている。
三つ目は、「平和構築への長い道のり」である。人道支援はあくまで中立の立場を持って被害者、加害者に接しなければならない。しかし彼らには様々な感情があり、たがいに簡単に分かりあい、許しあうことは容易ではない。被害者にとって赦しは与えられるものではないという認識を持つこと、加害者は決して「モンスター」ではない、権力への服従、傍観、無関心が「普通の人」を加害者にすると認識したうえで加害者と接することが求められている。
人道支援者にとって最大の目標は、この世界で国連やNGOの存在意義、価値が無くなることである。この平和構築という途方もない難題-『ムーンショット』-を達成するために必要なのは、適切な手段-『ロケットサイエンス』-だ。ジュール・ベルヌの言葉にもあるように、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という信念を捨てず、地道に取り組むことが求められる。


【報告書2】

講義名 紛争後の緊急支援について
研修講師名 文教大学 渡部真由美 兼任講師
報告者 広高等学校 藤川巧汰

 渡部真由美講師は、世界で繰り返されている紛争や、虐殺、難民問題などの悲劇に対して、人道支援はどんなことをしているか、現場には、どのような課題があるか、また、私たちに今できることは何かについて講義された。
 一点目は、難民問題。「数字で見る難民問題」では、最近難民の数がここ20年間でほぼ2倍になっていたり、世界では108人に1人、2秒に1人が難民になっていたりなどの驚くべき事実を学んだ。「コソボ紛争を例に」では、まずコソボ紛争とは何かや普通の民がどのようにして故郷を追われる難民へとなるのかを学んだ。
 2点目は、緊急支援の現場。「コソボを例に 緊急支援の現場とは」では紛争終了後、やっとの思いで故郷へと帰還してもそこにあるのは、焼け野原になっている故郷、必死になって犠牲者やその遺品などを掘り起こしたり行方不明者の探索をしたりする人々、破壊されたガス、水道、電気などの社会インフラ、厳しい冬の寒さとの闘い、そして、手足を失いかねない地雷など、といったようなものばかり。紛争が終わったからと言ってまたすぐ前のようには安心して暮らせない、食事すらままならない状況がしばらく続く緊急支援の現場の厳しさを学んだ。
 3点目は、人道支援の課題。「支援の偏り」では、混乱する緊急支援の現場ではどのチームがどこに支援に行くかが非常に調節しにくく、それにより僻地に支援物資が届きにくいことが多々ある。また、支援により、援助依存を生む危険性もあり、もしそうなれば、その後の復興の足を引っ張ることになることを学んだ。「CNN効果」では、2015年や、2016年の有名な画像を例にメディアの集中による物資、人、資金の集中の問題、また、勝手に物資などを送ることはかえって混乱を招いてしまう恐れがあることなどを学んだ。「テロの標的となる人道支援関係者」では、テロにより渡部真由美さんのお知り合いの方も亡くなったというお話も伺った。「平和構築への長く険しい道のり」では、どちら側でもない、中立な関係を保たなければならない、しなければ命が危ないことを学んだ。
 4点目は、虐殺。ルワンダの大虐殺のじわじわと殺された話や、ネルソン・マンデラの言葉はとても印象的だ。
 5点目は、無関心。「紛争後の支援で最も重要な視点と現場のリアルなジレンマ」、「暴力と普通の人」、「ホロコースト アウシュビッツ収容所」、「傍観や無関心と戦う」では、暴力をふるうからといってその人たちは「モンスター」ではなくたいていはただ無関心な傍観者にすぎず、彼らを「モンスター」とみなす行為で紛争や、暴力を予防することはできないことを学んだ。
 6点目は、平和構築。「平和を構築することは…」、「あきらめずに続ける信念」、「平和を考えるときに必要な視点」では、平和を構築していくためにはロケット・サイエンスを利用したムーン・ショット、サグラダ・ファミリアの建造のように終わりの見えないものでも信念をもってやり続けること、共感力、想像力大切なことを学んだ。
 この講義を通して私は、紛争や、難民問題に対する関心が急激に高くなった。今まで私の中で平和を考えていく上で重きをおいていたのは、「核兵器」で紛争や難民問題は、認識はしてはいたものの真剣に考えたことはあまりなかった。そんな私には今回の講義が特に心に響いた。
 この度、講義をしてくださった渡部真由美講師誠にありがとうございました。


グローバル未来塾inひろしまについては以下のURLからご覧ください。

https://hiroshimaforpeace.com/gmirai/

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