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国際平和拠点ひろしま

ひろしまジュニア国際フォーラム参加者インタビュー

 広島県が次世代の平和人材の育成を目的に行っている「ひろしまジュニア国際フォーラム」、2022年8月に第7回目のプログラムがオンラインで開催されました。今回は崇徳高校2年生で新聞部に所属する坂田勇太さんに、フォーラムに参加したきっかけやそこで得たものについて話を聞きました。

●参加したきっかけは?

 新聞部の顧問の先生が勧めてくれました。崇徳高校の新聞部は校内の出来事だけではなく、平和や国際問題といった幅広いテーマを扱うんです。被爆者の方に取材する機会もあり、そうした経験を重ねていくうちに平和に興味を持ち、自分たちの世代も平和について行動しなければと思うようになりました。あと中学時代から国際問題や環境問題に関心があって、英語の授業も好きだったんです。そうしたこともあって、すぐに申し込みました。

●印象に残ったことは?

 プログラムは核兵器廃絶や平和構築に関する講義と、「広島宣言」を作成するためのグループディスカッションの2つがありました。講義を聴いて驚いたのは、核兵器という大きな問題ではなく、核を用いた小型の武器がすでに流通していて、それを狙うテロ組織も存在するという話です。各国が核兵器を保有している危険性はもちろん知ってましたが、民間組織まで核に手を伸ばしているという事実に恐怖を感じました。

 ディスカッションは参加者約60人が小グループに分かれて、若い世代に何ができるのか、広島の役割は何かについて話し合いました。僕のグループは全部で6人。中国の人、中東出身の人もいました。僕はグループリーダーだったので会の進行をしたり、みんなの意見をまとめたりしたのですが、英語で、しかもオンラインだったので大変で! 日本語で話すのも難しい話題なのに、それを英語で話し合うって……自分のスキルのなさを痛感したけど、それはそれで有意義な体験だったと思います。

●今回の体験で得たものは?

 人として積極性が増したと思います。異なる言語を持つ人にも積極的に話しかけることができましたし、平和に関する知識も深まりました。現在の世界情勢を詳しく知ったことで、核に対する危機感はいっそう現実味を帯びました。

 あと、フォーラムの内容を学校の新聞でも紹介したんです。ここの新聞部は伝えたいことがあれば自分で記事を書いて発行できるので、今回の経験を高校生の視点から発信できたのはよかったと思います。参加した高校生に新聞の取材としてインタビューして、深い話をすることができたのもよかったです。

 その後、今回の一連の流れに関して先生が僕のことを誇らしいと言ってくれたんです。英語を使ってディスカッションして、その内容を新聞にしたことを褒めてもらって、すごく自信になりました。

●今後取り組みたいことは?

 大学ではもっと平和について学びたいと思っていて、すでに行きたい大学も決まっています。平和といっても非核から教育までいろんな要素があるので、大学ではもっと高次な授業を受けて、志の高い仲間と一緒に学んでいきたいです。

 ゆくゆくは僕のような高校生がもっと平和活動に参加できる場を作りたいです。大学に進学した新聞部の先輩が“高校生ブランド”という言葉をよく使っていて。実は高校生だからこそ話を聞かせてもらえるチャンスが多いということに、みんな気付いていないと思うんです。今は平和活動って特殊なことのように思われているけど、数学の授業とかと同じように当たり前のことになるといいなと思っていて。将来的には若い世代が行動を起こせる場を提供できる人になりたいですね。

坂田勇太(さかた・ゆうた)さん。崇徳高校2年生。新聞部では国際理解担当班の班長を務める。父の影響で志村けんや渥美清を尊敬するなどシブい趣味を持つ一面も。

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