HOPe
(Hiroshima Organization for Global Peace)
へいわ創造機構ひろしま
核兵器のない平和な世界の実現に向けた新たな提案
「ひろしまイニシアティブ」の推進組織
代表あいさつ
広島には、人類史上初の原子爆弾による破壊を経験し、その廃墟から復興した地であるからこそ、果たすべき使命と役割があります。そのため、広島では、核兵器の廃絶、復興・平和構築等に包括的に取り組んでいます。
しかしながら、世界では、紛争、飢餓、貧困に多くの人々が苦しみ、命を落としており、新型コロナウィルス感染症により、さらに状況は悪化しています。また、地球上には、今なお1万3千発を超える核兵器が存在し続けたままです。
こうした中、広島県は被爆75年を契機に、核兵器のない平和な世界の実現に向けた取組を強化するための新たな提案として「ひろしまイニシアティブ」の策定を進めており、その推進組織として、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)が発足しました。
「へいわ創造機構ひろしま」の名には、広島から、核抑止に頼らない新たな平和のメカニズムを創り出し、核兵器のない平和な世界の実現を目指していく強い志と覚悟を込めています。今後、HOPeは様々な主体との連携・協働を進め、大きなうねりとなって国際社会を変革し、そして、核兵器のない平和な世界が実現する日まで、行動し続けます。
令和3年4月
へいわ創造機構ひろしま代表 湯﨑 英彦(広島県知事)
広島県では、被爆75年を契機に、核兵器のない平和な世界の実現に向けた取組を強化するための新たな提案として「ひろしまイニシアティブ」の策定を進めており、令和3年3月に骨子を発表しました。
そして、「ひろしまイニシアティブ」の推進組織として、令和3年4月1日に、「へいわ創造機構ひろしま【略称:HOPe(ホープ)[Hiroshima Organization for Global Peace]】」を設置しました。
①目的
②主な機能
様々な主体とのネットワークを構築しながら、国際社会の平和と発展に貢献し、核兵器のない平和な世界の実現を目指すことを目的とする。
- 核抑止に代替する新たな安全保障政策に関する研究機能
- 核兵器廃絶と国際平和の実現に貢献する人材育成機能
- 核兵器廃絶に向けた賛同者を増やし行動につなげる情報発信機能
- 平和問題解決へ主体的に行動するコミュニティの形成機能
- 平和に関する資源の集積機能 など
③構成する団体(一覧)
代表:広島県知事、構成団体:20団体
広島県市長会、広島県町村会、中国経済連合会、広島商工会議所、広島経済同友会、広島県経営者協会、日本青年会議所中国地区広島ブロック協議会、連合広島、広島大学、県立広島大学、広島市立大学、広島経済大学、広島修道大学、広島女学院大学、国際協力機構中国センター、ひろしま国際センター、ユニタール広島事務所、ひろしまNPOセンター、NGOひろしま、広島県(順不同) |
④設置時期
令和3年4月1日
事業概要
へいわ創造機構ひろしま【HOPe(ホープ)】では、核兵器のない平和な世界の実現に向け、幅広い取組を進めています。
1「ひろしまイニシアティブ」の推進
①核兵器廃絶に向けた新たな政策づくりと多国間枠組みの形成
政策づくり事業
世界的な平和研究機関等と連携し、核抑止に代わる新たな安全保障政策づくりを推進しています。
連携協定締結先: 国連軍縮研究所(UNIDIR)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)、
英国王立国際問題研究所(CHATHAM HOUSE)、オスロ国際平和研究所(PRIO)
■ひろしまラウンドテーブル開催事業
核軍縮のための非政府レベルによる多国間協議を広島で開催しています。
■ひろしまレポート作成事業
各国の核軍縮・不拡散等の取組状況を評価し「ひろしまレポート」として取りまとめ、公表しています。
■研究拠点形成推進事業
核兵器廃絶に向けて、海外の有力な研究機関と共同研究を実施するとともに、核軍縮研究国際ネットワーク会議を開催し、研究拠点の推進を図っています。
多国間枠組み形成事業
国連等と連携し、新たな安全保障政策をベースにした多国間枠組みの形成を図っています。
■NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議での働きかけ
シンポジウムの開催等を通じて、平和の取組の発信や核軍縮の進展に向けた働きかけ等を行っています。
「NPT運用検討会議第3回準備委員会 シンポジウム」
■国際平和のための対話イベント
広島を訪問された国連幹部と、国際平和実現に向けた対話イベントを実施しています。
「国際平和のための対話イベント」
②平和の取組への賛同者の拡大と世界への働きかけ
国際社会等へのアウトリーチ事業
国連や各国政府への働きかけ強化のため、多様な団体とのネットワーク化を図っていきます。(TPNW(核兵器禁止条約)締約国会議等の国際会議での働きかけ等)
③広島が有する経験や資源を生かした復興・平和構築
人材育成強化事業
核兵器廃絶と国際平和の実現のため、グローバルに活躍し、平和貢献できる人材を育成しています。
■国際平和貢献人材育成プログラム
高校生世代に、将来、国際平和を希求し世界的に活躍できる人材を目指してもらうため、核軍縮や紛争解決などの国際的課題を学ぶプログラムを行っています。
「グローバル未来塾inひろしま」
④持続可能な平和推進メカニズムの構築
プラットフォーム構築事業
多様な主体の参画を促すプラットフォームの構築を図るとともに、平和資源の集積機能等を備えた体制を整備しています。
ビジネスと平和構築のあり方との関係を多面的に議論するとともに、核兵器のない平和な世界の実現に向けた効果的な発信と国際世論の喚起にむけ、経済界との連携を図るため開催しています。
「世界平和経済人会議ひろしま」
■国際平和拠点ひろしまウェブサイト
核兵器廃絶、復興・平和構築の問題を自らの問題として考え、行動していただくための情報を掲載し、取組への賛同者を拡大しています。
「国際平和拠点ひろしまウェブサイト」
2 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所の活動支援
国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所の活動を支援し、広島が有する世界的な知名度やノウハウを活用し、人材育成を通じた国際社会への平和貢献を推進しています。
「国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所が実施する研修」
ひろしまイニシアティブ骨子
~核兵器廃絶のための世界的行動の呼びかけ~
Hiroshima Initiative
Global Call to Action to End Nuclear Weapons
核兵器廃絶に向けた新たな提案を策定・推進することで、核兵器廃絶実現に向けた決意を改めて示し、核兵器のない平和な世界の実現に具体的に貢献する。
被爆75年を契機に、核兵器廃絶のための世界的な行動をすべての国、国際機関、市民社会に改めて呼びかける。
核兵器廃絶のための世界的行動の呼びかけ
核兵器は、切迫した脅威を人類全体にもたらしている。核兵器廃絶は、持続可能な地球そして人類の生存を保障するために、必ず実現しなければならない課題である。最近の国際関係の悪化は核の脅威を増大させており、これに科学技術の発展が絡むことで不確実性は一層高まっている。また、気候変動と災害の甚大化は、私たちが生存のために結束した行動をとることを緊急に求めている。さらに新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的拡大は、国際社会に対して、共通の安全保障のための一層の協力を求めている。COVID-19のパンデミックは、「理論上は起こりうるが現実には起きないだろう」と根拠なく思われてきた大惨事が現実に起こりうることを示した。人類が対処不能な大惨事を起こしうる脅威は、それが起きる前に、取り除いて予防するほかない。被爆75年を契機に、広島県は核兵器廃絶のための世界的な行動をすべての国、国際機関、市民社会に改めて呼びかける。
①国連における核兵器廃絶目標の合意
今日、世界各国の政府や国際機関、企業を含む市民社会は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために協力を強めている。核兵器は、このためのあらゆる努力に対する脅威となっている。核兵器が使用されたら、その影響は世界の環境、社会、経済のあらゆる基盤を破壊し、取り返しのつかない影響をもたらす。核兵器の保持、近代化を含む開発に注がれている資源は、SDGs達成のために振り向けられるべきである。国際社会は、国連事務総長の「軍縮アジェンダ」を着実に履行しつつ、SDGsと軍縮の関係について議論をさらに深める必要がある。国連創設100年を目指した目標の中に、国連加盟国は一致して、核兵器廃絶の達成を位置づけるべきである。そのため、遅くとも2030年には核兵器保有国を含む明確な国際合意が達成されなければならない。せめて被爆者が御存命のうちに、一日も早く核兵器廃絶が国際合意となるように、さまざまな国際的プロセスにおいて働きかけを強めていく必要がある。
②核兵器を拒否する世界的規範の強化
被爆者は、自らが生きているうちに核兵器廃絶をと願い、訴えてきた。その声は、2017年に核兵器禁止条約の採択、2021年にその発効という形で結実した。広島県は、日本政府をはじめ世界のすべての国の政府に対して、同条約に署名・批准するよう求める。同時に、被爆者が訴えてきた核兵器の非人道性を世界に伝えていく若い世代の育成にさらに力を入れていく。これからの取組が核兵器を非正当化し、これを拒否する規範を強化し、各国を動かす力になる。
③核軍縮の促進と核兵器に依存しない安全保障の探求
核軍縮のための二国間および多国間の諸条約の多くが危機に瀕しており、その立て直しが急がれる。国際社会は、既存の核軍縮合意を維持しその完全履行を確保しつつ、新たな核軍縮・軍備管理の交渉を促進するために協力すべきである。核兵器のない平和な世界を達成するためには、それを支える新たな安全保障メカニズムが必要である。既に多くの専門家や研究機関が、核抑止に代替する核兵器に依存しない安全保障政策や核軍縮の具体的方策について提案している。広島県は、これらの研究と啓発をさらに後押ししていく。
④協働のためのプラットフォームの構築
広島県は、この呼びかけに応える国、国際機関、市民社会(企業、NGO、教育、宗教、メディアなど)の間のパートナーシップを促進し、協働のためのプラットフォームを構築する。既存のネットワークや枠組みを生かしながら、さまざまな取組がさらに有効に連携しあえるような場を、広島県は提供していく。国際的には、諸政府や国際機関、NGOが協議する場を提供し、国内的には、行政と市民社会が知恵と力と資金を出し合う仕組みを強化する。同時に、世界中の一人一人が、自発的に、核兵器廃絶への思いを高め、発信していく機運を盛り上げていく。これらのプロセスでは、被爆者の声を継承しつつ、若い世代が中心にいることが不可欠であり、とりわけ女性のリーダーシップを促進することが重要である。
「ひろしまイニシアティブ」策定へ~核兵器のない平和な世界の実現に向けて広島から世界へ新たな提案~
■へいわ創造機構ひろしま発足の歩み
平成13(2001)年5月14日 |
国連機関等とのネットワークの構築を目的に「広島県国際平和構築ネットワーク協議会」設立 |
平成15(2003)年5月28日 | 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所活動支援のため、「広島県国際平和構築ネットワーク協議会」を「ひろしま平和貢献ネットワーク協議会」に改組 |
平成15(2003)年7月15日 | 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所開設 |
平成17(2005)年11月~ 令和2(2020)年3月 |
持続可能な平和構築のための支援として、JICA草の根技術協力事業を活用し、カンボジアの教育・保健分野での復興支援を実施 |
平成23(2011)年11月4日 | 「国際平和拠点ひろしま構想」を発表 |
令和2(2020)年4月1日 | 「ひろしま平和貢献ネットワーク協議会」を「ひろしま平和推進ネットワーク協議会」に改組 |
令和2(2020)年4月~ 令和3(2021)年3月 |
被爆・終戦75周年記念事業の実施による事業の拡充 |
令和3(2021)年3月17日 | 「ひろしまイニシアティブ」骨子を発表 |
令和3(2021)年4月1日 | 「ひろしま平和推進ネットワーク協議会」を改組、「へいわ創造機構ひろしま」(HOPe)発足 |
このページに関するお問い合わせ先
へいわ創造機構ひろしま
住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52
Tel:082-513-2466
Fax:082-228-1614
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