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国際平和拠点ひろしま

Medical Care and Support for A-bomb Survivors広島の被爆後の医療の歩み

1945年8月6日,人類史上最初の核兵器である原子爆弾が投下され,灼熱の閃光と爆風により広島の街は一瞬にして壊滅し,多くの尊い生命が失われ,数えきれない人々が傷つき,今もなお生き残った者たちを苦しめ続けています。また,原子爆弾は広島の医療機関と医療従事者にも壊滅的な打撃を与えました。広島の被爆直後からの被爆者医療の歩みや被爆者に対する法的支援についてまとめました。

被爆前の広島の医療

戦前の広島は,県内に医療の高等教育機関やその附属病院もなく,公的病院も少ないものの軍都広島を象徴するように,陸海軍関係の病院が多く存在していた。

 

 

被爆者医療の歩み

戦時下においては,空襲時の救護対策に支障をきたさないよう,医師の疎開が禁じられていたため,原爆投下の直前,広島市内には298人の医師が残っていた。このうちの実に90パーセントが罹災し,健全な状態で救護活動を行えた医師はわずか28人にすぎなかった。歯科医や薬剤師,看護師も皆同様に被災しており,傷病者の治療に当たるべき専門家集団そのものが壊滅的な打撃を受けていた。

被爆直後~ ●九死に一生を得た広島の従事者たちにより,被爆した医療施設や学校,寺院だけでなく,橋や道路,公園などを利用した救護所での治療に当たる。
●県内のみならず岡山・山口・島根・大阪・兵庫からの救護班の応援に駆け付けた。
1945(S20)年9月8日 赤十字国際委員会(ICRC)駐日首席代表マルセル・ジュノー博士,約15トンの医薬品を持って広島入りし,4日間の滞在中に自らも治療に携わった。
1947(S22)年 米国が原爆障害の後遺症を継続調査することを目的として,原子爆弾障害調査委員会(ABCC)の事務所を開設。
1948(S23)年 復員した若手医師を中心に土曜会が設立。被爆者の研究が行われた。
1953(S28)年1月13日 広島市と広島市医師会により,広島市原爆障害者治療対策協議会(原対協)が設立され,被爆者の無料治療や健康診断を開始した(現(公財)広島原爆障害対策協議会)。
1956(S31)年 放射線の後障害の治療のため日本赤十字社広島原爆病院が開院(現広島赤十字・原爆病院)。
1961(S36)年 広島大学に原爆放射能医学研究所(原医研)が設立され,放射線の人体への影響などの基礎研究を行っている(現広島大学原爆放射線医科学研究所)。
1975(S50)年 原子爆弾障害調査委員会(ABCC)を日米両政府の合意で(財)放射線影響研究所(放影研)に改組し(現在は公益財団法人),被爆者の継続調査を行っている。
1991(H3)年 広島で被爆者治療や放射線障害の研究を行っている組織が協力し,放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)が発足。海外の医療従事者の研修や専門家の派遣などを行っている。

 

被爆者に対する法的支援

昭和29(1954)年3月,米国の太平洋ビキニ環礁での水爆実験で日本の漁船,第五福竜丸の船員が被災した,ビキニ水爆被災事件をきっかけとした原水爆禁止運動の盛り上がりや被爆者自身による国の援護を求める運動などを受けて,昭和32(1957)年に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)」が施行された。これにより被爆者は初めて法的支援を受けることとなったが,充分なものとは言えず,その後も法改正等が行われていく。

施行年 法律名 主な内容

1957(S32) 年

「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)」施行

○被爆者健康手帳の交付(約20万人)

・対象区域は旧長崎市及び広島市並びにその隣接区域

○医療の給付

・認定疾病に対する医療の給付を開始

○健康診断

・全被爆者に対する無料の健康診断(年2回・定期)の実施を開始
1960(S35)年 「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)」改正

○特別被爆者制度創設

・2km以内の被爆者を特別被爆者とし、医療費の自己負担分を無料化

・認定疾病被爆者の認定疾病以外の医療費の自己負担分を無料化

○医療手当創設

・認定疾病被爆者に対して医療手当の支給を開始
1968(S43)年 「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(原爆特別措置法)」施行

○特別手当創設

・認定疾病被爆者に対して、特別手当の支給開始

○健康管理手当創設

・特別被爆者であって造血機能障害等一定の疾病(7種の障害分類)にかかっている者のうち、高齢者(65歳以上)、身体障害者、母子世帯の母である者に対して支給開始(認定期間は1年または3年)

○介護手当創設

・特別被爆者であって要介護状態にある者が、介護のため支出した費用に対して手当を支給開始
1995(H7)年 「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)」施行

○特別葬祭給付金創設

・被爆者のうち、広島、長崎で被爆し、かつ葬祭料制度の対象となる前に死亡した遺族に対して、特別葬祭給付金を支給

○特別手当、健康管理手当、保健手当、介護手当の支給のための所得制限撤廃

 

本記事は,ひろしま復興・平和構築研究事業で作成した「広島の復興の歩み」、国際平和拠点ひろしま構想推進連携事業実行委員会で作成した「広島の復興経験を生かすために-廃墟からの再生-第2巻」並びに厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/genbaku09/17.html を参考に作成

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