当サイトを最適な状態で閲覧していただくにはブラウザのJavaScriptを有効にしてご利用下さい。
JavaScriptを無効のままご覧いただいた場合には一部機能がご利用頂けない場合や正しい情報を取得できない場合がございます。

国際平和拠点ひろしま

Hiroshima Report 2019第1章 核軍縮


第1部 報告書 核軍縮・核不拡散・核セキュリティを巡る2018年の動向


第1章 核軍縮1


(1) 核兵器の保有数(推計)


 核兵器の保有を公表しているのは、2018年末時点で8カ国である。このうち、中国、フランス、ロシア、英国及び米国は、核兵器不拡散条約(NPT)第9条3項で「1967年1月1日前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国」と定義される「核兵器国(nuclear-weapon states)」である。これら5核兵器国の他に、NPT非締約国のインド及びパキスタン、並びにNPTからの脱退を1993年及び2003年に宣言した北朝鮮が、これまでに核爆発実験を実施し、核兵器の保有を公表した。もう1つのNPT非締約国であるイスラエルは、核兵器の保有を肯定も否定もしない「曖昧政策」を維持しているが、核兵器を保有していると広く考えられている(イスラエルによる核爆発実験の実施は、これまでのところ確認されていない)。本報告書では、NPT上の核兵器国以外に、核兵器の保有を公表しているか、あるいは核兵器を保有していると見られる上記の4カ国を「他の核保有国(other nuclear-armed states)」と称する。また、核兵器国と他の核保有国を合わせて表記する場合は、「核保有国」とする。

 冷戦期のピーク時に70,000発に達した核兵器は、1980年代末以降は着実に減少してきた。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の推計によれば、2018年1月時点で世界に存在する核兵器の総数は依然として14,465発にのぼり、このうちの90%以上を米露が保有している2。また、核兵器の総数は2010年からは約8,100発、前年からは470発削減されたが、そのペースは鈍化傾向にある。さらに、中国、インド及びパキスタンの核弾頭数は、ここ数年にわたって、それぞれ年10発程度のペースで漸増してきたと見積もられている(表1-1、表1-2を参照)。


 核保有国のうち、フランスは核兵器保有数を300発と公表し3、英国は2020年代半ばまでに核兵器保有数の上限を180発の規模まで削減するとしている。他の核保有国はいずれも、自国の核兵器の総数(配備、非配備、廃棄待ちなどを含む)や上限を公表していないが4、米国は近年、核兵器の配備数などを公表してきた。米シンクタンクからの情報公開法に基づく請求を受けて国防総省が提供した情報によると、2017年9月の核弾頭保有数(廃棄待ちの核弾頭を含まない)は3,822発であり、2016年末より196発が削減された5。また、国防総省が公表した情報では、2017年の1年間に354発の核弾頭が廃棄された(前年は258発)6


(2) 核兵器のない世界の達成に向けたコミットメント


A)核兵器のない世界に向けたアプローチ


 NPT前文では、「核軍備競争の停止をできる限り早期に達成し、及び核軍備の縮小の方向で効果的な措置をとる意図を宣言し、この目的の達成についてすべての国が協力することを要請」している。また同条約第6条では、「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する」と定められている。

 「核兵器の廃絶」あるいは「核兵器のない世界」という目標に公然と反対する国はなく、NPT運用検討プロセスや国連総会第一委員会などの場で、核兵器(保有)国も核軍縮へのコミットメントを繰り返し確認してきた。しかしながら、核保有国のそうしたコミットメントは「核兵器のない世界」の実現に向けた核軍縮の着実な実施・推進を必ずしも意味するわけではなく、核軍縮は2018年も具体的な進展を見ることなく、むしろ逆行した。

 核軍縮へのアプローチについては、5核兵器国及びインドがステップ・バイ・ステップ(step-by-step)アプローチ7、米国と同盟関係にあり拡大核抑止(核の傘)を供与される非核兵器国(核傘下国)が「ブロック積み上げ(building blocks)アプローチ」に基づく「前進的アプローチ(progressive approach)」、並びに非同盟運動(NAM)諸国が「時限的・段階的(time-bound phased)アプローチ」をそれぞれ提唱してきた8。2018年のNPT運用検討会議準備委員会(以下、NPT準備委員会)では、新アジェンダ連合(NAC)が、「1995年、2000年及び2010年(の運用検討会議)に合意された措置は、NPT締約国が条約第6条の核軍縮義務の履行に必要だとして合意したものである。締約国は、合意された軍縮措置を実施する責任がある」9とした。NAMは改めて、「核兵器を特定の時限付きで完全に廃絶するための段階的なプログラムを交渉し、結論を導く緊急の必要性」を主張した10。また日本は、河野太郎外相が演説し、「核兵器の脅威は未だ現実に存在し、国際的な安全保障環境が悪化している中、国民の生命・財産を守るため万全を期すことは、すべての主権国家の当然の責務であり、核軍縮と安全保障を同時に追求する努力が求められます。核兵器の使用のもたらす人道的結末を回避するとともに、現実の安全保障の脅威に対処していく、この2つの観点を両立させながら、核兵器国、非核兵器国双方の協力の下で、現実的・実践的な取組を行うことが必要です」と述べた。また、外務省主催の「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」による核兵器国と非核兵器国の橋渡しのための措置(bridge-building measures)に関する提言を紹介し、なかでも(1)透明性の向上に向けた取組、(2)核軍縮検証メカニズムの構築に向けた取組の強化、(3)核兵器国と非核兵器国の両者を巻き込んだ対話型討論の必要性を強調した11

 核軍縮における安全保障と人道の関係は、近年の議論における重要な論点の1つとなってきた。安全保障の側面を重視する米国は2018年NPT準備委員会に提出した作業文書で、核軍縮の前進には国際安全保障環境の改善が必要だとする「核軍縮条件創出(CCND)アプローチ」を提示した。そこでは、「真の根本的な安全保障懸念に対応することなく核兵器の数的削減や即時廃絶に焦点を当て続けるのであれば、軍縮の目標も、また強化された集団的国際安全保障の目標も前に進むことはない」としたうえで、CCNDという「軍縮外交への新しいアプローチは、核兵器および核抑止への継続的な依存を導くような紛争及び競争状態を緩和するために、すべてのNPT当事国が努力することを想定したものである。…信頼を構築する効果的な措置を通じたものも含め、国家間の緊張を緩和する概念は、NPT第6条によれば、核軍縮のための条件を育て上げるために必要な出発点である」と記された12。またフォード(Christopher A. Ford)国務次官補は12月の会議で、軍縮の主要な障害となっている安全保障問題を特定し、これをいかに克服するかについて提案を行うことを目的とした、25~30カ国程で構成される「条件創出作業部会(Creating the Conditions Working Group)」を立ち上げることを明らかにした13。米国のCCND提案に対して、NACはNPT準備委員会で、「核軍縮に向けた一層の進展には、これに資するような国際安全環境が必要であるとの…考えは受け入れない。むしろ、既存の核軍縮義務の履行こそが、世界的な環境の改善に貢献するであろう14と主張した。NACやNAM諸国を含め核兵器の非人道的側面を強く論じてきた国々は、核軍縮を実施しない口実に安全保障環境を用いるべきではないと主張している。

 また、グテーレス(Antonio Guterres)国連事務総長は2018年5月に発表した報告書『我々の共通の将来の確保―軍縮の課題』のなかで、核問題に関しては、核軍備管理・軍縮のための対話と交渉の再開、核兵器及びその拡散に対する規範の拡大、核兵器のない世界のための準備の重要性を論じ15、演説で「非締約国を含むすべての国に対して、NPTの下での不拡散・軍縮の義務と確約を遵守するよう訴える。核兵器国、非核兵器国のいかんにかかわらず、すべての国が協力して、両者を分断する亀裂を埋めなければならない。この相違を、人道上の配慮と、安全保障上の配慮の選択と捉える人もいる。しかし、これは誤った二分法である。人間の安全保障、国家の安全保障、および世界の安全保障は切り離すことはできない」16と述べた。


B) 日本、新アジェンダ連合(NAC)及び非同盟運動(NAM)諸国などがそれぞれ提案する核軍縮に関する国連総会決議への投票行動


 2018年の国連総会では、例年通り核軍縮に関する3つの決議、すなわち日本がイニシアティブを取る「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動(United action with renewed determination towards the total elimination of nuclear weapons)」17、NACなどが提案する「核兵器のない世界に向けて:核軍縮コミットメントの履行の加速(Towards a nuclear-weapon-free world: accelerating the implementation of nuclear disarmament commitments)」18、及びNAM諸国による「核軍縮(Nuclear disarmament)」19がそれぞれ採択された。これらの3つの決議について、本報告書での調査対象国による2018年国連総会での投票行動は下記のとおりである。

  • 「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」
    • 提案:豪州、ドイツ、日本、ポーランドなど
    • 賛成162、反対4(中国、ロシア、北朝鮮、シリア)、棄権23(オーストリア、ブラジル、エジプト、フランス、インド、イラン、イスラエル、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、南アフリカ、米国など)
  • 「核兵器のない世界に向けて:核軍縮コミットメントの履行の加速」
    • 提案:オーストリア、ブラジル、エジプト、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカなど
    • 賛成139、反対32(ベルギー、中国、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権17(豪州、カナダ、日本、韓国、北朝鮮、パキスタンなど)
  • 「核軍縮」
    • 提案:ブラジル、インドネシア、フィリピンなど
    • 賛成125、反対40(豪州、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、韓国、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権18(オーストリア、インド、日本、ニュージーランド、パキスタン、南アフリカ、スウェーデンなど)*チリは投票せず

 日本のイニシアティブによる「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」決議に対しては、前年に賛成したフランス及び米国が、また核兵器禁止条約(TPNW)への言及がないとして条約推進国の多くがそれぞれ棄権した一方で、全体の賛成国数は前年より6増加した。


C) 核兵器の非人道的結末


 2015年NPT運用検討会議以降、オーストリアなどが主導する「人道グループ」は、核兵器の非人道性を基盤とした核兵器の法的禁止に向けて積極的に主張及び行動を展開していった。その結果が、2017年のTPNW採択であった。

 人道グループおよびオーストリアはそれぞれ、2018年のNPT準備委員会に核兵器の非人道性に関する作業文書を提出した。このうち人道グループ(オーストリア、ブラジル、チリ、エジプト、インドネシア、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカなど)の作業文書では、核兵器の非人道性に係る認識を一層強化するために取り組むこと、核兵器国は核兵器爆発のリスクを低減するために緊急に暫定的措置を講じることなどを求めるとともに、核兵器の非人道的な結末に関する新たな証拠は、核兵器が国際法に照らして使用できないという見方を強めたこと、並びに核兵器使用のリスクは核兵器の完全な廃絶と核兵器のない世界の維持を通じてのみ回避可能であるとの認識を示した20

 これに対して、核兵器国は、核軍縮における人道問題から距離を置いている。2018年NPT準備委員会では、核兵器国はいずれも、一般討論演説および(核軍縮に関する)クラスター1での演説で、「人道(humanitarian)」という言葉を用いなかった。また、10月の核兵器国会議で発出された共同声明では、核兵器の非人道的側面、あるいはこれに類する問題への言及がまったくなされなかった21。日本が主導する国連総会決議「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」に対しては、2017年の決議で、その前年までの「核兵器のあらゆる使用による壊滅的な人道的結末についての深い懸念」という一文から「あらゆる」という言葉が削除されたことが批判されたが、2018年に採択された決議でも「あらゆる」という言葉は使われなかった。

 2018年の国連総会では、人道グループなどが共同提案国となり、前年に続いて決議「核兵器の非人道的結末(Humanitarian consequences of nuclear weapons)」が採択された22。投票行動は下記のとおりである。

  • 提案:オーストリア、ブラジル、チリ、エジプト、インドネシア、カザフスタン、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカ、スウェーデン、スイスなど
  • 賛成142、反対15(フランス、イスラエル、韓国、ポーランド、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権26(豪州、ベルギー、カナダ、中国、ドイツ、北朝鮮、オランダ、ノルウェー、パキスタンなど)

 さらに、南アフリカが主導して採択された決議「核兵器のない世界の倫理的重要性(Ethical imperatives for a nuclear-weapon-free world)」23への投票行動は下記のとおりである。

  • 提案:オーストリア、ブラジル、エジプト、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカなど
  • 賛成136、反対36(豪州、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、韓国、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権14(中国、北朝鮮、インド、日本、パキスタン、スウェーデン、スイスなど)

(3) 核兵器禁止条約(TPNW)


 2017年9月20日に署名開放されたTPNWの署名国・批准国は着実に増加してきた。2017年末時点では署名国は56、批准国が3であったのに対して、2018年末時点では署名国が69(ブラジル、チリ、インドネシア、カザフスタン、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカなど)、このうち批准国が19(オーストリア、メキシコ、ニュージーランドなど)となった。条約は、50カ国の批准により発効する。

 2018年の国連総会では、TPNWの成立を歓迎し、条約への署名・批准などを求める決議「核兵器禁止条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons)」が採択された24

投票行動は下記のとおりである。

  • 提案:オーストリア、ブラジル、チリ、インドネシア、カザフスタン、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、フィリピン、南アフリカなど
  • 賛成126、反対41(豪州、ベルギー、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、日本、オランダ、ノルウェー、パキスタン、ポーランド、韓国、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権16(北朝鮮、スウェーデン、スイスなど)※シリアは投票せず

 TPNW推進国は、NPT準備委員会や国連総会第一委員会などの場で、核兵器の廃絶に向けたTPNWの重要性と意義を改めて主張した。たとえばオーストリアは、「条約は、核兵器使用の破滅的な非人道的結末のゆえに、核兵器が人類にとって生存の脅威であるという、世界の大多数の見方を顕著に示したものである」25と位置づけた。また、この条約が「NPT第6条の履行に貢献するものとして、NPTと完全に合致するものである。…TPNWは第6条の実現に必要な、効果的な法的措置の1つである」とした26。NPT準備委員会の議長ファクト・サマリーでも、会議では「TPNWは、核兵器に関する法的拘束力のある禁止を作り出すことによって、NPT第6条の下での効果的措置を示していると主張された。TPNWはNPTを補完し、既存の軍縮及び核不拡散レジームを強化するために策定されたと強調された」27ことが記された。

 これに対して、核保有国および同盟国は、引き続きTPNWに署名しないという方針を変えていない。5核兵器国は2018年10月の共同声明で、TPNWを以下のように批判して、これへの反対を改めて明言した28

TPNWは、永続的な世界的核軍縮を達成するために克服しなければならない重要な問題に取り組んでいない。それはNPTと矛盾し、NPTを危険にさらす恐れがある。国際的な安全保障の文脈や地域的課題を無視し、国家間の信頼と透明性をまったく高めるものではない。それは1発の兵器も廃棄する結果をもたらさないであろう。不拡散の最高水準を満たすものでもない。国際的な不拡散・軍縮機構の分裂を作り出し、軍縮のさらなる進展をより一層困難にし得る。

 NPT準備委員会ではフランスが、「安全保障の文脈を考慮することなく核軍縮問題を考えることが可能だと考えるのは危険だ」としたうえで、以下のようにTPNWを厳しく批判した。

フランスがTPNWに反対したのはこのためであり、条約は悪化する安全保障の文脈、並びに国際的、及び欧州やアジアを含む地域的な安全保障・安定の維持に核抑止が果たしている役割を完全に無視して拙速に交渉された。TPNWは…NPTを損ないかねない。NPT第6条の中心である全面完全軍縮の目標から切り離すことで、TPNWは通常兵器能力開発の競争と、その結果として軍事的エスカレーションを導きかねない。人道主義にのみ基盤を置くことで…条約は(国家間の)分裂を深め、多国間主義の基盤を損なっている29

 また、ロシアも同様の点を指摘しつつ、「可能な限り早期に核兵器を無条件に廃絶するとの軍縮プロセスに焦点を当てた試みは、時期尚早で方向感覚を失わせるものだ。TPNWを基礎として形成された方法によっては、核兵器のない世界を構築するとの目標には到達し得ない」30と批判した。さらに英国は、TPNWの成立が「慣習国際法の台頭する規則を表すものだとは認識していない」31とした。米国も、「TPNWは大きな誤りであり、いかによい意図と熱狂があるとしても、不条理で問題のある結果をもたらす」32などと、様々な場で繰り返し批判した。なお中国は、NPT準備委員会及び国連総会第一委員会の演説では、TPNWについて言及しなかった。

 2017年7月の条約採択に賛成したスイスは、関係省庁の合同チームがスイス法やNPTとの整合性を精査するとともに、核兵器の禁止が核軍縮を達成するために最良の方法なのかを分析しており、署名の可否の決定には時間を要するとの見方を示していた。スイスのダラフィオール(Sabrina Dallafior)大使は、「我々は、この条約が本当に核兵器廃絶への一歩になるのか確信が持てない。核保有国が参加していないからだ。我々は核保有国とその同盟国が条約に関わるべきだと確信している。この条約は核保有国と対立するのではなく、共存するべきだ」とも発言した33。そして8月、スイス政府は報告書を公表し、「現在の国際的な文脈において、TPNWは軍縮外交の継続的な前進、並びにスイスの安全保障政策の利益に関してリスクを伴うものであるとして、条約に署名しない」(ただし、第一回締約国会議にはオブザーバーとして参加すべきである)という方針を決定した34。これに対して、スイス連邦議会は12月、政府に対して、TPNWの署名・批准に向けて論議するよう求める決議を採択した。

 これに先立つ10月には、ノルウェーが政府予算案のなかで、2月に議会より要請されたTPNWに関する対応についての検討結果として、核抑止政策と矛盾することなどから条約への署名は当面検討しないとの見解を示した。

 核兵器の法的禁止に関しては、国連総会では例年、「核兵器禁止条約の早期締結を導く多国間交渉の開始によって」NPT第6条の義務を実行するよう求める決議「核兵器の威嚇または使用に関する国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見のフォローアップ(Follow-up to the advisory opinion of the International Court of Justice on the Legality of the Threat or Use of Nuclear Weapons)」35が採択されてきた。2018年国連総会での投票行動は下記のとおりである。

  • 提案:エジプト、イラン、フィリピンなど
  • 賛成138、反対32(豪州、ベルギー、フランス、ドイツ、韓国、イスラエル、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ロシア、トルコ、英国、米国など)、棄権17(カナダ、インド、日本、北朝鮮など)

 同年の国連総会では、前年に続いて「軍縮会議に、いかなる状況でも核兵器の使用または使用の威嚇を禁止する国際条約に関して合意に達するため交渉を開始するよう求める」との「核兵器使用禁止条約(Convention on the Prohibition of the Use of Nuclear Weapons)」決議案が提出され、採択された36。その投票行動は下記のとおりである。

  • 提案:インドなど
  • 賛成124、反対50(豪州、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国など)、棄権13(ブラジル、日本、フィリピン、ロシアなど)

(4) 核兵器の削減


A) 核兵器及び核兵器を搭載可能な運搬手段の削減


新START


 米露は、2011年2月に発効した新戦略兵器削減条約(新START)を履行してきた。条約の下での削減状況は、米国務省のホームページで定期的に公表されている(表1-4)。また米国は、米露の戦略(核)戦力の保有数に加えて、自国の運搬手段毎の保有数を表1-5のように公表してきた。新STARTの下での削減期限である2018年2月5日になされた両国の申告では、配備戦略(核)運搬手段、配備・非配備戦略(核)運搬手段発射機、及び配備戦略(核)弾頭のすべてについて、条約で規定された数的上限を下回り、条約を遵守していることが示された37

 条約発効以来、米露ともに、条約で規定された回数の現地査察を毎年実施してきた38。2017年まで、米露双方から他方の条約違反は指摘されなかった。しかしながら、2018年4月にロシアは、米国による新STARTの下での保有数削減について、条約の下での一般的な慣行に合致しない方法で達成されたものだと批判した。具体的には、一定数の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射機及びB-52H戦略爆撃機について、核弾頭が搭載できない方法で転換されたか、ロシアによる確認がなされないまま行われたことなどを指摘した39

 トランプ(Donald Trump)大統領は、2017年1月の就任前から新STARTに批判的で、同年2月の米露首脳電話会談でも、両国の核弾頭配備を制限する条約が米国にとって「悪いディール」だと発言した40。トランプ大統領はまた、新STARTは「一方的なディール(a one-sided deal)」であり、「米国が行った悪いディールの1つである。我々はよいディールを作り始める」41とも発言した。しかしながら、2018年末までの間、米国は新STARTからの離脱、あるいは新たな米露核軍備管理条約の策定といった動きは見せなかった。

 2018年7月16日の米露首脳会談では、2021年の失効が規定されている新STARTの期限延長問題に関して、プーチン(Vladimir Putin)大統領が5年間の延長を提案した。また、プーチン大統領はトランプ大統領に、核軍備管理の新たな交渉開始、宇宙兵器配備禁止、中距離核戦力全廃条約(INF条約)へのコミットメントの再確認などを含む、「軍備管理に関する対話」と題するリストを示していたとも報じられた42。しかしながら会談では、いずれの問題についても両国間で合意には至らなかった43。トムソン(Andrea Thomson)軍備管理・国際安全保障担当国務次官は上院外交委員会で、ロシアが軍備管理条約への違反を繰り返していることが、そうした条約への米国の信頼感を損ねているとして、米国が新START期限延長に応じる必要性に疑問を提起した44


非戦略核兵器問題及び中距離核戦力全廃条約(INF条約)違反問題


 米露は近年、INF条約に関して相互に他方の違反を指摘し、批判してきた。そうしたなかで2018年10月20日、トランプ大統領は以下のように述べ、条約から脱退する意向を表明した。

ロシアは合意に違反した。彼らは何年も違反してきた。…我々は合意を守ってきた側で、合意を尊重してきた。しかし、ロシアは、残念なことに、合意を尊重しなかった。したがって、我々は、合意を終了させ、合意から離脱するつもりだ。…(ロシアや中国が中距離ミサイルの開発や配備を続けるのであれば)米国もそれらの兵器を開発しなければならない45(括弧内引用者)。

 同月22~23日にはボルトン(John Bolton)大統領補佐官が、モスクワでのプーチン大統領、パトルシェフ(Nikolai Patrushev)国家安全保障会議書記、ラブロフ(Sergei Lavrov)外相らとの会談後、ロシアに対する条約脱退の正式な通告―INF条約からの脱退は、他の締約国に対する通告から6カ月後に発効すると規定されている―は「やがて行われるだろう」と述べた。12月になると、トランプ大統領はツイッターに、「習近平(Xi Jinping)と私がいつか、プーチンと一緒に、制御不能になっている軍拡競争を終了するための意味ある協議を開始するであろうと確信している」と書き込む一方、その翌日にはポンペオ(Michael R. Pompeo)国務長官が、「ロシアが60日以内に完全かつ検証可能な形で再びINF条約を遵守しなければ、米国は義務の履行を停止する」46と発言した。

 米国は、INF条約脱退(宣言)の理由に、締約国であるロシアの違反、ならびにINF条約の対象国ではない中国による中距離ミサイルの増強を理由に挙げた。このうちロシアの条約違反問題について、米国は2014年7月にはじめて公式に指摘した。2018年4月に米国が公表した軍備管理・不拡散条約の遵守に関する報告書では、ロシアが500~5,500kmの射程能力を持つ地上発射巡航ミサイル(GLCM)を保有、生産または飛翔実験しないこと、そのようなミサイルの発射基を保有または生産しないことというINF条約の義務への違反を継続しているとし、ロシアの不遵守に係る問題として、関連する条約の条項が列挙された47。また、この報告書によれば、米国はロシアに対して、開発・生産に関与した企業名などを含むミサイル及び発射基の情報、条約違反のGLCMの実験履歴、あるいは問題となっているのが9M729ミサイルシステムであるとの米国の評価などに関して、詳細な情報を提供してきた48。この間、2017年2月には、ロシアがINF条約に違反するGLCM「SCC-8」の2個大隊(大隊はそれぞれ、移動式のミサイル発射機4基を装備)を持ち、1個大隊はロシア南部ボルゴグラード周辺の開発実験施設に置かれているが、他の1個大隊が昨年12月にロシア国内に実戦配備されたとも報じられた49。また2018年3月には、ハイテン(John Hyten)米戦略軍司令官が、米国の再三の警告にもかかわらず、ロシアは問題となっているGLCMの製造・配備数を増加させているとの見方を示した50

 これに対してロシアは、条約違反を否定するとともに、米国がINF条約に違反―弾道ミサイル防衛(BMD)の迎撃ミサイルの飛翔実験で標的となるミサイルが中距離ミサイルと同様の性格を有していること、米国が製造する無人飛行機は条約のGLCMの定義によってカバーされるものであること、ならびに東欧および日本での配備が予定される地上型イージス(Aegis Ashore)BMDのMk-41発射システムはGLCMを発射する能力があることなど―していると主張してきた51。また、米国のINF条約脱退宣言後、ロシアは米国が実際に脱退すれば、対抗措置として地上発射中距離ミサイルを開発すると繰り返し警告した。

 米国は、自国によるINF条約違反を否定するとともに、外交・防衛の両面から対応策を検討しているとしてきた52。米国は「核態勢見直し(NPR)」報告(以下、NPR 2018)で、低威力核弾頭のSLBMへの搭載、並びに核弾頭搭載海洋発射巡航ミサイル(SLCM)の開発を打ち出したが、特に後者についてはロシアのINF条約違反への対応を目的の1つに挙げ、ロシアがその遵守に転じれば、米国も核SLCMの追求を再考するとした53

 ロシアは2018年国連総会第一委員会に、「INF条約の維持及び遵守」と題する決議案を提出した。第一委員会での採決に付されないまま、決議案は総会に提出されたが、12月21日に賛成43、反対46(豪州、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、韓国、サウジアラビア、スウェーデン、トルコ、英国、米国など)、棄権78(インド、スイスなど)で否決された。米国は投票に先立ち、条約に違反する国が提出した決議であることを反対の理由として述べた54


米露以外の核保有国


 米露以外の核保有国では、フランスと英国が一方的核兵器削減措置を講じてきた。このうち英国は、運用可能な弾頭(operationally available warheads)のための必要数を120発以下、2020年代半ばまでに核兵器ストックパイルを180発以下とするとしてきたが、2015年1月20日、トライデントD5・SLBMに搭載する核弾頭数を48から40に削減するとの2010年のコミットメントを完了し、実戦的に使用可能な弾頭数が120発になったと公表した55

 これに対して、5核兵器国の中で核兵器の配備数や保有数あるいは削減計画などの具体的な姿を全く公表していないのが中国である。中国は、国家安全保障に必要な最小限のレベルの核兵器を保有していると繰り返し述べ、民間研究機関などの分析でも核戦力を急速に増加させているわけではないとの見方が主流である。他方、少なくとも現状では、中国は核兵器の削減には着手しておらず、質的側面での能力向上も続いているとみられる。

 インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の状況はいずれも明確ではないが、少なくとも核兵器(能力)の削減を実施あるいは計画しているとの発言や分析は見られず、核戦力の強化・近代化を継続している。


B) 核兵器の一層の削減に関する具体的計画


 核兵器の一層の削減に関する新たな具体的計画・構想を2018年に明らかにした核保有国はなかった。上述のように、米露間で戦略・非戦略核戦力の一層の削減に関する協議が進展することもなかった。ロシアは近年、米露による核兵器削減プロセスに両国以外の核保有国が加わるべきだと主張している。

 これに対して、中国、フランス及び英国は、多国間の核兵器削減プロセスの開始には、まず米露が核兵器を一層大幅に削減すべきだとの立場を変えていない。中国は、「最大の核軍備」を保有する国々、すなわち米露が核兵器削減を先導すべきだと強調した上で、「条件が整えば」他の核兵器国は核軍縮に関する多国間の交渉に参加すべきだと主張してきた56。しかしながら、米露の核兵器が具体的にどの程度の規模まで削減された場合に中国が多国間核削減プロセスに参加するかは明言していない。他方、フランスは、「2015年2月19日の大統領演説で述べたように、『他国、特にロシアと米国の核戦力のレベルがそれぞれ200~300発に削減されれば、フランスも同様に対応する』」57としている。

 北朝鮮は後述するように、南北及び米朝首脳会談で「朝鮮半島の非核化」を約束したが、核兵器の削減に関する具体的な計画は示していない。


C) 核兵器能力の強化・近代化の動向


 核保有国は、核軍縮に関するコミットメントを繰り返す一方で、核兵器能力の強化や近代化を積極的に継続してきた。


中国


 中国は核戦力の開発・配備の状況について一切公表していないが、その積極的な近代化を推進してきた。

 米国防総省が発表した中国の軍事力に関する2018年の報告書では、中国は大陸間弾道弾(ICBM)―DF-5A、DF-5B(複数個別誘導弾頭(MIRV)化)、DF-31/31A、及びDF-4―を75~100基保有していること(前年の報告書と同数)、4隻の晋級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)(Type 094)が運用状態にあること、次世代SSBN(Type 096)は2020年代初頭に建造開始が見込まれ、後継のJL-3・SLBM(射程9,000km)が搭載されると報じられていることなどが記載された58。2018年末には、中国が11月下旬にJL-3の発射実験を実施したと報じられた59。また、中国が核任務も視野にステルス戦略爆撃機を開発しているとの見方も示された60

 中国の核戦力に関する2018年の新たな動きとしては、たとえば4月に、中国国防省の呉謙(Wu Qian)報道官が記者会見で、DF-26・新型中距離弾道ミサイル(IRBM)がロケット軍に実戦配備されたと述べ、核・通常双方の弾頭を搭載可能で、陸上だけでなく「海上の中・大型艦船に対する精密攻撃能力を備えている」と強調としたことが挙げられる61。また、中国が2016年から2018年1月までの間に、空中発射弾道ミサイル―これまでに配備した国はない―の発射実験を5回実施したとも報じられた62。新型長距離爆撃機「Hong-20」のプロトタイプも近く飛行実験が行われるという63。中国は極音速飛翔体の開発にも積極的であり、8月には国有企業の中国航天科技集団が実験機「星空2(Starry Sky-2)」の飛行に成功し、マッハ6の速度で400秒以上飛行したこと、衝撃波を利用して飛行する「ウエーブライダー」技術の開発に中国で初めて成功したことを発表した64


フランス


 2018年には、フランスの核戦力近代化などに関する顕著な動向は報じられなかった。フランスは2010年、4隻目となるル・トリオンファン級SSBNに射程8,000kmのM-51・SLBMを搭載した。それまでの3隻には射程6,000kmのM-45・SLBMが搭載されているが、フランスは2017~2018年までに、それらをM-51に転換する計画である65。またオランド(Francois Hollande)大統領は、2015年2月の核政策に関する演説で、2018年までに空対地中距離巡航ミサイル(ASMPT)を搭載するミラージュ2000N爆撃機をラファール戦闘機に転換すること、原子力庁に対して運用期限の終了に向かう核弾頭の必要な適合(adaptation)を核実験の実施なく用意するよう指示したこと、ただし新型核兵器は製造しないことなどを明らかにした。この演説では、自国の核抑止力が3セットのSLBM16基(計48基)、及び中距離空対地ミサイル54基で構成されていることも公表した66


ロシア


 ロシアは、新型核戦力の積極的な開発・配備を推進している。2018年1月にはショイグ(Sergei Shoigu)国防相が、2021年までにロシアの核戦力の90%が最先端兵器となると述べた67。プーチン大統領も3月の年頭教書で、戦略核戦力、原子力推進巡航ミサイル、極音速ミサイルなどを挙げつつ、ロシアの核兵器が技術的に格段の進展を遂げていると喧伝した68

 戦略核戦力に関する開発・配備状況は下記のとおりである。

  • ICBM:核弾頭を搭載可能なMIRV化ICBM・RS-24(Yars)の配備が進んでいる。プーチン大統領は5月に、2018年中に14のミサイル連隊が旧型のTopolからこのミサイルに転換されると発言した69。またロシアは、SS-18・重ICBMからの転換を意図して、1基に10発の核弾頭を搭載可能なRS-28を開発中である(2020年に就役予定)70
  • SSBN/SLBM:新型のボレイ(Borei)A級SSBNは、2024年の就航に向けて開発が進められている。ボレイA級SSBNには20基のブラバ(Bulava)SLBMが搭載可能である。また、ブラバは10個の核弾頭または極音速兵器の搭載が可能だとされる71。ボレイA級SSBNの開発、ならびに2018年に予定されていた4隻目のボレイ級SSBNの配備は遅れていると見られるが72、2024年までに配備されるとも報じられた73
  • 戦略爆撃機:8月に、戦略爆撃機Tu-22Mを近代化したTu-22M3Mが近くロシア軍に引き渡されると報じられた。同爆撃機には射程990㎞のKH-32対艦弾道ミサイルをはじめとする対艦ミサイルが搭載されるとみられる74

 ロシアの核開発で近年、特に注視されているのが、アバンガルド(Avangard)極超音速ブーストグライド兵器であり、2018年12月26日の発射実験の成功を受け、プーチン大統領は2019年に配備が開始されると発言した75。アバンガルド(射程は少なくとも5,500km以上)はマッハ20で飛翔し、高い機動性を有するため、弾道ミサイル防衛による迎撃が困難だとされる。また、原子力推進で射程10,000km以上の長距離核魚雷・Status-6の動向も注目されている76。敵の沿岸近くで高出力の核弾頭を爆発させ、放射能を帯びた海水及びデブリの津波を作り出し、沿岸近くの港湾、都市及び経済インフラなどに深刻な放射能汚染を引き起こして何世代にもわたって居住不能にすることを意図したものだとされる77。他方、プーチン大統領が2018年3月の演説で言及した原子力推進巡航ミサイルは、開発に難航していると見られている78


英国


 英国は2017年10月、既存のヴァンガード級SSBNに替わる4隻の新型ドレッドノート級SSBNの建造段階を開始した。このプロジェクトには310億ポンドの予算が計上され、新型SSBNの一番艦は2030年代初頭の就役が予定されている。これと並行して、英国は米国が実施しているトライデントⅡD5ミサイル寿命延長プログラムに参加している。また、弾頭の転換に関する英国の決定は2019~2020年まで先送りされていると報じられた79


米国


 冷戦期に配備が開始された米国の戦略運搬手段の更新時期が近づいており、後継となるICBM、SSBN及び戦略爆撃機(並びにこれに搭載される巡航ミサイル(LRSO))の開発が検討されてきた80。さらに、北朝鮮やロシアの核問題に対する米国の脅威認識が高まるなかで、非戦略核戦力への関心も政権内外で高まりつつあった。

 トランプ政権が2018年2月に公表したNPR2018では、「戦略核の三本柱」(ICBM、SLBM及び戦略爆撃機)の重要性を再確認したうえで、その近代化について、下記の通り、前政権までの計画を踏襲する方針が示された81

  • コロンビア級SSBNを12隻建造し、その一番艦を2031年に運用開始する。
  • 450基のミニットマンⅢ・ICBMを400基のGBSD(新型ICBM)に転換する。
  • B-21次世代戦略爆撃機、これに搭載されるLRSOを開発・配備する。

 より注目を集めたのは非戦略核戦力の強化であり、戦略爆撃機及び核・通常両用航空機(DCA)の前方展開能力を維持するとともに、短期的には少数の既存のSLBMに低威力核弾頭を搭載すること、また長期的には核兵器搭載可能なSLCMを追求することを明らかにした82。民主党の一部からは、低威力核兵器の導入を禁止する法案が議会に提出されたが83、米議会は新型低威力核弾頭の開発予算を圧倒的な多数で可決した84


インド


 インドは引き続き、「戦略核の三本柱」の構築に向けて精力的にそれらの開発を推進していると見られる。開発中のアグニ5・移動式ICBMは、2018年1月、5月及び12月に発射実験が実施された85。またインドは、射程8,000~10,000kmのアグニ6・ICBMも開発している。SSBNに関しては、2017年11月に2隻目が進水し、インドはより大型の原子力潜水艦を建造する計画も有している86。2018年11月には、最初の原子力潜水艦が「抑止パトロール」を完了したことを明らかにした87。SSBNに搭載されるSLBM―射程700KmのK-15及び射程3,000kmのK-4―も開発中である。


イスラエル


 イスラエルは、ジェリコ3・IRBM(射程距離4,800~6,500km)を開発してきたと見られるが、配備の有無は不明である。核弾頭搭載可能なSLCMの配備も伝えられ、2017年10月にはこれを搭載可能なドルフィン級潜水艦3隻をドイツから新たに購入する契約を締結したと発表した(現有5隻)88


パキスタン


 パキスタン89は、対印抑止力の構築を主眼として、核弾頭搭載可能な短距離及び準中距離ミサイルの開発・配備に注力してきた。2018年4月にはBabur・GLCM90、また3月には核弾頭搭載可能なSLCMのBabur-3の発射実験を91、それぞれ実施した。

 コーツ(Dan Coats)米情報局長官は2018年2月の上院情報委員会公聴会で、「パキスタンは、核兵器の製造、並びに短距離戦術兵器、海洋配備巡航ミサイル、空中発射巡航ミサイル及び長距離弾道ミサイルを含む新型核兵器の開発を継続している。これら新型核兵器は、地域におけるエスカレーションの力学及び安全保障に新たなリスクをもたらしている」とした92


北朝鮮


 北朝鮮は前年まで、核兵器及びその運搬手段である弾道ミサイルの開発を活発に展開していたが、2018年に入ると一転して平和攻勢に転じた。核・ミサイル活動についても、新たな実験を実施しないなど(少なくとも表面的には)極めて抑制された。

 しかしながら、北朝鮮の核・ミサイル活動が完全に凍結されたわけではないと見られている。2018年7月にはポンペオ国務長官が上院外交委員会公聴会で、「北朝鮮が現在も核物質の生産を続けている」と発言した93。また、北朝鮮が少なくとも2つの秘密裡のウラン濃縮施設を建設し、そのうちの1つが平壌郊外の降仙(カンソン)であり、2003年から稼働していた可能性があるとも報じられた94

 弾道ミサイル開発に関しても、固体燃料弾道ミサイル計画の中核となっている化学物質研究所が8年にわたる活動を継続してきたこと95、固体ロケットエンジンの地上噴射試験や燃料の製造を行う施設について、2018年5月から6月にかけて大幅な拡張工事を行ったとみられること96、米情報機関は、北朝鮮が7月末の時点で平壌の南・山陰洞(サンウムドン)の研究施設において、少なくとも1~2基のICBMの製造を継続していると分析していることなどが報じられた97。11月には、米国のシンクタンクが北朝鮮の公表していないミサイル基地のうち13カ所を特定したと発表し98、12月には、北朝鮮がICBM基地の拡張を継続しているとも報じられた99


(5) 国家安全保障戦略・政策における核兵器の役割及び重要性の低減


A) 国家安全保障戦略・政策、軍事ドクトリンにおける核兵器の役割及び重要性の現状


 2018年に新たな核戦略・態勢を打ち出したのは米国であり、トランプ政権は2月にNPR 2018を公表した100。NPR 2018では、他の核保有国と同様、自国の核兵器を自衛、あるいは国の死活的な利益への攻撃に対する抑止など、防御的なものだと位置づけつつ、「NPR 2010以来、世界的な脅威の環境は急速に悪化してきた」(2頁)としたうえで、米国は核兵器の役割を低減してきたが、潜在的敵国は役割も数も低減せず、むしろ逆方向に動いてきたとし(7頁)、具体的な核態勢・政策については多分に前政権のそれを踏襲しつつも、トランプ政権下では不安定化する安全保障環境に対応すべく核抑止力の役割を重視することが示唆された101。前政権からの政策転換は、軍備管理・不拡散政策が、NPR 2010で核抑止政策に先んじて記載されていたのに対して、NPR 2018では報告書の最終章に置かれていたことにも表れている。他方、2018年のNPT準備委員会では、NPR 2018が核兵器の役割を拡大したものではなく、核兵器使用の敷居を高いままにしておくことを模索していると述べた。

 ロシアのプーチン大統領は3月の年次教書演説で、「ロシアとその同盟国に対する核兵器使用には直ちに報復する」と警告し、なかでも米国が配備を進めるミサイル防衛網の突破を企図した核戦力の開発・配備に注力していると強調した102。他方、2018年NPT準備委員会では、「ロシアの軍事ドクトリンにおける核兵器の役割は大幅に低減されてきた。その使用可能性は、ロシアあるいは同盟国に対する大量破壊兵器(WMD)の使用、並びにロシアに対する侵略が国家生存を脅かすような状況というような、極端な状況のみに限定されている」103とした。

 2017年には北朝鮮、ロシア及び米国が核威嚇や核戦力を用いた示威的な行動を繰り返したが、2018年には核保有国の言動は抑制されたものであった。北朝鮮は核・ミサイル実験を実施せず、米国も4月からの米韓合同軍事演習に空母や戦略爆撃機など戦略的含意を持つ兵器を派遣しなかった。


B) 先行不使用、「唯一の目的」、あるいは関連ドクトリンに関するコミットメント


 核兵器の先行不使用(no first use、以下NFU)、あるいは核兵器の役割は敵の核兵器使用を抑止することだとする「唯一の目的(sole purpose)」に関して、2018年には核保有国の政策に変化はみられなかった。米国は、前政権下のNPR 2010で、「唯一の目的」には踏み切れないものの、「米国の核兵器の基本的な役割(fundamental role)は、米国及び同盟国・パートナーに対する核攻撃を抑止することである」という政策を打ち出したが104、トランプ政権によるNPR 2018では、「米国の核政策及び戦略の最優先事項は、潜在的な敵によるいかなる規模であれ核攻撃を抑止することである。しかしながら、核攻撃の抑止は核兵器の唯一の目的ではない」とし、米国が核兵器の使用を検討する極端な状況に、戦略的非核攻撃―米国、同盟国あるいはパートナー国の民間人やインフラに対する攻撃、あるいは米国や同盟国の核戦力、指揮統制、警報、攻撃評価能力への攻撃など―を挙げた105。またロシアは、プーチン大統領が3月の演説で、「我々の軍事ドクトリンでは、ロシアは、自国・同盟国に対する核攻撃、他のWMD攻撃、あるいは国家の生存を脅かすような通常兵器の使用を伴う侵略行為に対してのみ、核兵器使用の権利を留保する」と述べた106

 5核兵器国の中では、中国のみが核兵器の先行不使用を宣言しており、2018年にもこのコミットメントを確認した。他方、米国は中国がNFUを適用しない状況について曖昧性があるとしている107

 NPT非締約国の中では、インドがNFUを宣言しつつも、インドへの大規模な生物・化学兵器攻撃に対する核報復オプションを留保している。これに対して、インドの「コールド・スタート」戦略に対抗する目的で小型核兵器や短距離弾道ミサイル(SRBM)を取得したパキスタンは108、先行不使用を宣言せず、通常攻撃に対する核兵器の使用可能性を排除していない。北朝鮮は、2016年に入ると核兵器を用いた先制攻撃の威嚇を再三にわたって繰り返したが、2018年になると平和攻勢に転じるなかで、そうした威嚇も行わなかった。


C) 消極的安全保証


 非核兵器国に対して核兵器の使用または使用の威嚇をしないという消極的安全保証(negative security assurances)に関して、大きな政策変更を2018年に行った核兵器国はなかった。無条件の供与を一貫して宣言する中国を除き、核兵器国はそうした保証に一定の条件を付している。このうち英国及び米国は、NPTに加入し、核不拡散義務を遵守する非核兵器国に対しては、核兵器の使用または使用の威嚇を行わないと宣言している。ただし英国は、「現状では生物・化学兵器といった他のWMDを開発する国からの英国及びその死活的利益に対する直接的な脅威はないが、そうした兵器の将来の脅威、発展及び拡散によって必要となれば、この保証を再検討する権利を留保する」109としている。また、米国はNPR 2018で、「重大な戦略的非核攻撃の可能性から、米国は、戦略的非核攻撃技術の発展や拡散によって当然とされ得るような保証の調整を行う権利を留保する」と明記した110

 フランスは2015年2月、NPT締約国でWMD不拡散の国際的な義務を尊重する非核兵器国に対しては核兵器を使用しないとして、その前年に公表したコミットメントを精緻化した111。ただしフランスは、消極的安全保証を含め核態勢に係る「コミットメントは国連憲章第51条の自衛権に影響を与えるものではない」112との立場を変えていない。ロシアは、核兵器国と同盟関係にある非核兵器国による攻撃の場合を除いて、NPT締約国である非核兵器国に対して核兵器を使用または使用の威嚇を行わないとしている。

 消極的安全保証は、非核兵器地帯条約議定書で定められたものを除き、法的拘束力のある形では非核兵器国に供与されていない。NAM諸国を中心とする非核兵器国はNPT運用検討プロセス、ジュネーブ軍縮会議(CD)、国連総会第一委員会などの場で、核兵器国に対して法的拘束力のある安全保証の供与を繰り返し求めてきた。イランは前年に続いて2018年のNPT準備委員会で、2020年のNPT運用検討会議で「消極的安全保証に関する決定(separate “decision on negative security assurances”)」を採択し、NPT締約国である非核兵器国に対して核兵器の使用または使用の威嚇をしないこと、普遍的で法的拘束力があり無条件の安全の保証をNPT締約国である非核兵器国に提供する交渉を追求し、2023年までに締結することを提案した113。なお中国は、無条件の消極的安全保証を提供する国際的な法的文書を早期に交渉し締結すべきだと主張しているが、他の4核兵器国は一貫して消極的である。またフランスは、非核兵器国の安全の保障に関する1995年4月の一方的声明でなされた「コミットメントが法的拘束力のあるものだと考え、そのように述べてきた」114との立場である。

 消極的安全保証は、NPTの文脈で、核兵器の取得を放棄する非核兵器国がその不平等性の緩和を目的の1つとして、NPT上の核兵器国に提供を求めるものであるが、インド、パキスタン及び北朝鮮も同様の宣言を行っている。2018年には、これらの国々の宣言に変化はなかった。インドは、「インド領域やインド軍への生物・化学兵器による大規模な攻撃の場合、核兵器による報復のオプションを維持する」としつつ、非核兵器国への消極的安全保証を宣言している。パキスタンは、無条件の消極的安全保証を宣言してきた。北朝鮮は、「非核兵器国が侵略や攻撃において核兵器国と連携していない限りにおいて」消極的安全保証を提供するとしている。


D) 非核兵器地帯条約議定書への署名・批准


 非核兵器地帯条約に付属する議定書では、核兵器国が条約締約国に対して法的拘束力のある消極的安全保証を提供することが規定されている。しかしながら、表1-6に示すように、5核兵器国すべての批准を得たのはラテンアメリカ及びカリブ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)議定書のみであり、2018年に新たな展開は見られなかった。5核兵器国がいずれも未署名の東南アジア非核兵器地帯条約(バンコク条約)議定書については、核兵器国とバンコク条約締約国との協議が続けられているという状況は変わっておらず、いずれの核兵器国も署名していない115

 消極的安全保証を規定した非核兵器地帯条約議定書について、署名や批准の際に留保や解釈宣言を付す核兵器国がある。NAM諸国やNACなどは核兵器国に、非核兵器地帯条約議定書への留保や一方的解釈宣言を撤回するよう求めてきた116。しかしながら、(中国を除く)核兵器国が、そうした要求に応じる兆しは見えない。中央アジア非核兵器地帯条約議定書への批准に際しても、たとえばロシアは、核兵器を保有する国と共同でロシアに対する攻撃が行われた場合には、消極的安全保証の供与を留保するとした。ロシアはまた、条約締約国が核兵器を搭載した艦船や航空機の寄港を認めたり、通過したりする場合には、議定書には拘束されないとの留保も付した117


E) 拡大核抑止への依存


 米国は、北大西洋条約機構(NATO)諸国、日本、韓国及び豪州に拡大核抑止を供与している。2018年には、これらの拡大核抑止に関する政策に、顕著な変化は見られなかった。このうち米国は、NATO加盟国のベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ及びトルコに航空機搭載の重力落下式核爆弾をあわせて150発程度配備するとともに、核計画グループ(NPG)への加盟国の参加、ならびに核兵器を保有しない加盟国による核攻撃任務への軍事力の提供といった核シェアリング(nuclear sharing)を継続している。欧州NATO諸国以外の同盟国の領域には米国の核兵器は配備されていないが、日本及び韓国との間では、それぞれ拡大抑止に関する協議メカニズムが設置されている。米国はNPR 2018で、同盟国への拡大抑止の供与を再確認した118。NATOは2018年7月のサミットで、「核兵器が存在する限り、NATOは核の同盟である。同盟の戦略戦力、とりわけ米国のそれは、同盟国の安全を究極的に保障するものである」119ことを、また日本は同年12月に公表された「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」で、「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、我が国は、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していく」120ことを、それぞれ再確認した。

 核シェアリング、とりわけ米国によるNATO5カ国への戦術核配備に対しては、NPT第1条及び第2条違反だとの批判が非核兵器国よりなされてきた。ロシアや中国も、核シェアリング政策の終了を繰り返し求めている。


(6) 警戒態勢の低減、あるいは核兵器使用を決定するまでの時間の最大限化


 核兵器の警戒態勢に関して、2018年に核保有国の政策に大きな変化は見られなかった121。米国及びロシアの戦略核弾道ミサイルは、警報即発射(LOW)あるいは攻撃下発射(LUA)といった高い警戒態勢に置かれている122。米国のNPR 2018では、既存の警戒態勢を維持する方針が明記され、核兵器使用を「決定する時間を最大化している」としつつ、「米ICBMの警戒態勢解除は先制攻撃に対する脆弱性をもたらし、危機あるいは紛争時に米国に再び警戒態勢を急速に高めるよう強いることにより、抑止が不安定化する恐れをもたらし得る」とした123

 米露以外では、英国の40発及びフランスの80発の核兵器が、SSBNの常時哨戒の下で、米露のものよりは低い警戒態勢に置かれている124。中国は、通常は核弾頭と運搬手段を切り離して保管しており、即時発射の態勢を採用していないと見られる125。他の核保有国の動向は必ずしも明らかではないが、インドは中国と同様に、即時発射の態勢は採っていないと見られる。パキスタンは2014年2月に、核兵器を含むすべての兵器は首相を長とする国家司令部(National Command Authority)の管理下にあり、インドとの危機時にも核戦力使用の権限を前線の指揮官には移譲しないことを確認した126

 警戒態勢の低減に関しては、チリ、マレーシア、ナイジェリア、ニュージーランド及びスイスがNPT運用検討プロセスで「警戒態勢解除グループ」を形成し、警戒態勢解除に関する作業文書を提出するなど、積極的に提案してきた。前年に続き2018年NPT準備委員会でも、警戒態勢解除の重要性を論じたうえで、核兵器国に対して、核兵器システムの運用態勢を直ちに低減するための措置を採るよう求めた127。これらの国々が中心となって提案し、賛成175、反対5、棄権5で採択された国連総会決議「核兵器システムの運用態勢の低減」128に関しては、フランス、ロシア、英国及び米国などが反対し、イスラエル、韓国及び北朝鮮などが棄権した。

 警戒態勢の低減・解除が提案される目的の1つには、事故による、あるいは偶発的な核兵器の使用の防止が挙げられてきた129。これに対して核兵器国は、そうした使用を防止するために様々な措置を適切に講じてきたと強調している130。また、印パは2017年2月、二国間の核兵器関連事故リスク低減協定を5年間延長した。パキスタンは、上述のように対印抑止力としてSRBM戦力を重視しているが、その核戦力は核指揮権政治評議会(NCA)を通じた完全な文民統制による強力で安全な指揮統制システムの下に置かれ、過激派などが核分裂性物質や核兵器を奪取する可能性はないと強調している131。他方、米国はパキスタンの核兵器が適切に管理されているとの立場をとっていたが、トランプ政権は核兵器及び核物質がテロリストの手にわたる可能性への懸念を示し132、2017年8月にはトランプ大統領が、パキスタンに適切な対応をとるよう求めた133


(7) 包括的核実験禁止条約(CTBT)


A) CTBT署名・批准


 CTBTの署名国は2018年末の時点で184カ国、このうち批准国は167カ国である(新たにツバルが署名、タイが批准)。条約の発効に必要な国として特定された44カ国(発効要件国)のうち、5カ国(中国、エジプト、イラン、イスラエル、米国)の未批准、並びに3カ国(インド、パキスタン、北朝鮮)の未署名が続いているため、条約は発効していない(この他に、調査対象国ではサウジアラビア及びシリアが未署名)。北朝鮮は2018年5月にCDで、韓大成(Han Tae Song)駐スイス・ジュネーブ国際機関代表部大使が、「核実験の停止とその追跡措置は世界的な軍縮のプロセスに重要で、北朝鮮は核実験の全面停止に向けた国際的な軍縮の取り組みに参画する」134と言明したが、CTBTへの参加については明確にしていない。また、10月にはパキスタンが印パ二国間の核実験禁止を提案したが135、その真意は明確ではない。

 CTBT発効促進に関しては、9月27日に日豪両外相の共同議長の下で、第9回CTBTフレンズ外相会合が開催された。会合では共同声明が発表され、条約の発効促進、普遍化、検証体制強化などへの取組、並びに北朝鮮のCTBT署名・批准に対する要求が改めて確認された136。これに先立つ7月には、河野太郎外相がゼルボ(Lassina Zerbo)包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局長と共同で、CTBTの早期発効のための努力再活性化を求めるアピールを発表した137

 2017年9月のCTBT発効促進会議では、署名国・批准国が行ったCTBT発効促進のための活動(未署名国・未批准国へのアウトリーチなど)の概要を取りまとめた文書が配布された138。この文書では、2015年6月から2017年5月までの間の活動として、発効要件国に対する二国間の取組(豪州、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、日本、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、トルコ、UAE、英国など)、それ以外の国に対する二国間の取組(豪州、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、日本、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、トルコ、英国など)、グローバル・レベルでの取組(豪州、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、日本、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、トルコ、UAE、英国、米国など)、地域レベルでの多国間の取組(豪州、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、日本、メキシコ、ニュージーランド、トルコ、UAEなど)が紹介された。


B) CTBT発効までの間の核爆発実験モラトリアム


 5核兵器国、インド及びパキスタンは、核爆発実験モラトリアムを引き続き維持している。核兵器の保有の有無を公表していないイスラエルは、核爆発実験の実施の可能性についても言及していない。

 北朝鮮は2018年5月20日の党中央委員会総会で、核実験とICBM試験発射の凍結を発表し、「核実験中止の透明性を保証するため」として、豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を決定した。5月24日、北朝鮮は核実験場の坑道や観測施設を爆破し、廃棄作業を実施した。しかしながら、この作業は国外専門家による訪問や検証の下でなされたわけではなく、実験場が不可逆的に使用不能になったかは不明である。9月の南北首脳会談では、金正恩(Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長が核実験場を専門家にも公開すると述べたとされるが、2018年中には実施されなかった139。5月になされたのが坑道全体ではなく入り口付近のみの爆破であったとすれば140、再び掘削して利用することも可能だとみられる。

 米国は、NPR 2018で、必要な際に地下核爆発実験を再開するための能力を維持すること、上院によるCTBT批准は求めないが核実験モラトリアムを継続すること、並びに深刻な技術的及び地政学的挑戦への対処に必要であれば核実験を再開する用意がなければならないと考えていることが明記された141。特に最後の点に関して、核実験再開を検討する状況に、新たに「地政学的挑戦」が加えられたことは注目される。また、NPR 2018に先立って2017年11月に公表された国家核安全保障庁(NNSA)報告書では、核ストックパイルの「安全性及び効果に必要とされる場合、あるいは大統領が命令する場合に備えて、地下核実験を実施する準備態勢を維持する」とし、「一般的な実験の見積もり」として、その準備期間が以下のように示された(前政権期には24~36か月であった)142

  • 簡単な実験のためには6~10か月
  • 高度に機器化された実験のためには24~36か月
  • 新しい能力を開発するための実験のためには60か月

ブルックス(Linton Brooks)元NNSA長官によれば、「簡単な実験」とは(科学的・技術的データを得るためのものではなく)「政治的決意」を誇示する目的で実施されるものだという143


C) 包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会との協力


 調査対象国によるCTBTO準備委員会への分担金の支払い状況(2018年12月31日時点)は、下記のとおりである144

  • 全額支払い(Fully paid):豪州、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、エジプト、フランス、ドイツ、インドネシア、イスラエル、日本、カザフスタン、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スウェーデン、スイス、トルコ、UAE、英国、米国
  • 一部未払い(Partially paid):チリ、メキシコ
  • 未払い:ブラジル
  • (未払いにより)投票権停止(Voting right suspended):イラン、ナイジェリア

D) CTBT検証システム発展への貢献


 CTBTの検証体制は着実に整備が進められてきた。他方で、国際監視制度(IMS)ステーションの設置については、本調査対象国のうち未署名国で検証システムの発展に全く関与していないインド、パキスタン、北朝鮮及びサウジアラビアを除けば、中国、エジプト及びイランでの進展が遅れている145。しかしながら、中国の状況については進展も見られ、1月末には2つの放射性核種監視観測所及び2つの地震学的監視観測所がCTBTOによって認証され、これにより中国に設置予定の11施設のうち5施設が認証されたことになる146

 2018年5~6月には、第2回CTBT科学外交シンポジウムが開催され、2週間にわたって議論やシミュレーション演習などが行われた147

 批准国などによる独自の貢献としては、たとえば欧州連合(EU)が2月に、CTBTOに4,500万ユーロの自発的拠出を承認したことが挙げられる。EU加盟国は通常の分担金と合わせると、CTBTOの通常予算の40%を提供している148。日本は2017年2月、CTBTOの監視網の強化のため、243万ドルを拠出するとCTBTOに正式に通知した149。このうち164万ドルは放射性物質の移動式観測装置に用いられ、当初2年間は北日本地域に設置される150。2018年1月には幌延(北海道)、3月にはむつ(青森)で、大気中の放射性希ガスの観測を開始した。


E) 核実験の実施


 2018年に核爆発実験を実施した国はなかった。2017年までに計6回の核爆発実験を実施した北朝鮮は、核戦力が完成したとして、核実験を実施する必要性がなくなり、核実験場も使命を終えたとした。

 核爆発実験以外の活動については、米国が核備蓄管理計画(SSP)の下で、「地下核実験を行うことなく備蓄核兵器を維持及び評価する」ことを目的として、未臨界実験、あるいは強力なX線を発生させる装置「Zマシン」を用いて超高温・超高圧の核爆発に近い状態をつくり、プルトニウムの反応を調べるという実験を含め、核爆発を伴わない様々な実験を継続してきた。NNSAはその種類及び回数をホームページで公表してきたが、2015年第1四半期を最後に更新されず、2018年末時点では過去の情報についての掲載も確認できなかった。他方、NNSAは2018年3月に公表したニュースレターで、2017年12月13日に「ベガ(Vega)」と命名された未臨界実験を実施したと報じた151。トランプ政権下では初めての未臨界実験であり、低感度爆薬を用いる新しい起爆装置の性能を確認するものであった152

 米国以外の核保有国では、フランスが、核兵器の信頼性・安全性を保証する活動として、極端な物理的状況下での物質のパフォーマンス、並びに核兵器の機能をモデル化するシミュレーション及び流体力学的実験(hydrodynamic experiments)を実施していること、これらは新型核兵器の開発を念頭に置くものではないことを明らかにしたが153、その具体的な実施状況については公表していない。またフランスと英国は2010年11月に、X線及び流体力学実験施設の建設・共同運用に関する協定を締結した154。残る核保有国は、核爆発を伴わない実験の実施の有無に関して公表していない。このうち中国に関しては、次世代核兵器の開発を進める中で、2014年9月から2017年12月までの間、約200回(月5回平均)の実験室―実際の核爆発で作られる超高温、超高圧及び衝撃波を模擬することが可能―での核爆発シミュレーションを実施したと報じられた155。また、2018年12月には、中国が米国のZマシンと同様の施設を建設していると報じられた156

 CTBTは核爆発を伴わない実験を禁止していないが、NAM諸国はそうしたものを含めて核兵器に係る実験の即時・無条件の停止、並びに実現可能で、透明性・不可逆性があり、検証可能な方法での核実験場の閉鎖などを求めている157。なお、「核爆発実験」の禁止を定めたCTBTとは異なり、TPNWでは「核実験の禁止」が規定されており、これには核爆発実験以外の実験も含まれると解釈し得る。ただし、これに関する検証措置などはTPNWには規定されていない。


(8) 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)


A) 条約交渉開始に向けた取組


 1995年NPT運用検討・延長会議で採択された「原則及び目標」では、CDにおけるFMCTの即時交渉開始及び早期締結が目標に掲げられたが、現在に至るまで条約交渉は開始されていない。CDでは2018年2月16日に、7つのアジェンダ・アイテム―①核軍備競争停止および核軍縮、②核戦争防止、③宇宙における軍備競争の防止、④非核兵器国に対する安全保証の供与、⑤放射性兵器等新型大量破壊兵器、⑥包括的軍縮計画、⑦軍備の透明性―に関する実質的な作業の前進を目的として、①核軍備競争停止及び核軍縮、②非核兵器国に対する安全保障の供与、③放射性兵器等新型大量破壊兵器、④包括的軍縮計画、並びに⑤軍備の透明性に関する5つの補助機関の設置が決定された158。そこでの技術的議論によってFMCT交渉の開始に向けた前進も期待されたが、2018年の会期でもFMCTの交渉を行う特別委員会(ad hoc committee)の設置を盛り込んだ作業計画を採択できなかった。前年までと同様に、パキスタンが兵器用核分裂性物質の新規生産だけでなく、既存のストックをも条約交渉の対象に含めるよう強く主張し、これが受け入れられない限りは作業計画の採択に反対するとの姿勢を変えなかったためである。

 中国及びイスラエルは、兵器用核分裂性物質の新規生産禁止を定めるFMCTの交渉開始に賛成しているが、西側核兵器国ほどの積極性を示しているわけではない。中国が2018年NPT準備委員会に提出した作業文書では、FMCTに関しては、CDがこれを交渉する唯一の適切なフォーラムであり、(後述する)FMCTハイレベル専門家準備グループは厳格にマンデートに従って進行されるべきだと述べるにとどまり、積極的に推進するという感じではない159

 CDでのFMCT交渉開始を促進すべく、これまでも様々な施策が講じられてきた。2016年の国連総会決議では、FMCTハイレベル専門家準備グループの設置が決定された。25カ国の専門家で構成される同グループは、FMCTの実質的な要素に関する検討及び勧告を目的として、2017年と2018年にそれぞれ2週間の会合を開催し、2018年6月に最終報告書を採択した160。最終報告書では、条約のスコープ、定義、検証、法的・制度的取極、並びにその他の側面(前文、透明性・信頼醸成措置など)といった問題をカバーし、条約の要素となり得る点や交渉者が考慮すべき問題などが取りまとめられた。


B) 生産モラトリアム


 核保有国による兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムについては、前年から状況に変化はなく、中国、インド、イスラエル、パキスタン及び北朝鮮が宣言していない。このうち、インド、パキスタン及び北朝鮮(寧辺(ニョンビョン)の核施設を廃棄する意向を示しているが、それ以外に秘密の施設を有していると考えられている)は、兵器用核分裂性物質の生産を続けているとみられる161。他方、中国は現在、兵器用核分裂性物質を生産していないと考えられている162。イスラエルの状況は明らかではない。

 核兵器(保有)国は、自国が保有する兵器用核分裂性物質の量を公表していないが、民間研究所による分析・推計については本報告書第3章でとりまとめている。


(9) 核戦力、兵器用核分裂性物質、核戦略・ドクトリンの透明性


 2010年NPT運用検討会議で採択された最終文書で、核兵器国は、核軍縮に向けた具体的な措置の進展に関して、2014年NPT準備委員会で報告するよう求められた(行動5)。最終文書では、これに加えて、核兵器国を含む締約国に対して、累次の運用検討会議で合意された核軍縮措置の実施に係る定期報告の提出(行動20)、並びに信頼醸成措置として報告の標準様式への合意など(行動21)が求められた。これらを受けて核兵器国は、2014年NPT準備委員会および2015年運用検討会議に、「共通のフレームワーク」及び「共通のテーマ・カテゴリー」を用いて、NPTの三本柱(核軍縮、核不拡散、原子力平和利用)に係る自国の実施状況をそれぞれ報告した。しかしながら、前年に続き2018年NPT準備委員会にそうした報告を提出した核兵器国はなかった。また非核兵器国についても、NPTの履行状況に関する報告を2018年NPT準備委員会に提出したのは、わずかに6カ国(豪州、オーストリア、カナダ、日本、ニュージーランド、スイス)であった163

 その2018年NPT準備委員会では、NPT締約国、とりわけ核兵器国による定期的な報告を通じた透明性の向上に関して、いくつかの提案がなされた。たとえば軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)は、2010年NPT運用検討委員会最終文書に盛り込まれた64の行動計画を基に新しい報告テンプレートを提案し、2020年NPT運用検討サイクルの間、核兵器国だけでなく非核兵器国もそれを用いて実施状況を報告するよう求めた。核兵器国に対してはさらに、2010年の行動計画に含まれた核兵器国のコミットメントに留意し、2020年運用検討サイクルの間、透明性に関する定期報告の提出を慫慂した164

 NPDIが2012年NPT準備委員会に提出した作業文書「核兵器の透明性」には、大別して、核弾頭、運搬手段、兵器用核分裂性物質、核戦略・政策について報告を行うためのテンプレート案が添付されている165。このテンプレートを用いて核保有国の透明性に関する動向をまとめると、概ね表1-7のようになる。


(10) 核兵器削減の検証


 核軍縮に関する検証は、米露二国間の新STARTの下で、両国による戦略核戦力削減に対して実施されている166。条約発効以来、米露ともに条約で規定された回数の現地査察を毎年実施してきた167

 米国が2014年に立ち上げた「核軍縮検証のための国際パートナーシップ(IPNDV)」では、27の参加国(並びにEU及びバチカン市国)168により、核弾頭の解体、並びに解体された核弾頭に由来する核物質の検証方法・技術に焦点を当てた検討が続けられている。

 2015~2017年のフェーズ1に続く2018~2019年のフェーズ2では、将来の核軍縮検証を支援するために、効果的かつ実践的な検証オプションの理解を深め、演習やデモンストレーションなどの目に見える活動を通じてその任務を示していくことが目標に掲げられ169、以下の3つの作業部会の下での議論が進められている170

  • 作業部会4:核兵器に関する申告についての検証
  • 作業部会5:兵器の削減についての検証
  • 作業部会6:検証の技術的課題

 2018年7月には第2回合同作業部会会合がソウルで開催され、20カ国(及びEU)が参加し、核兵器解体プロセスの14ステップに適用される手続きや技術が議論された171。また、第6回全体会合は、2018年12月に英国の主催で開催された。

 このほかの取組としては、英国及び米国、並びに英国及びノルウェーが、それぞれ共同で技術開発を進めてきたことが挙げられる172。また、EUは2018年NPT準備委員会に提出した作業文書で、核兵器国及び非核兵器国が共同で核軍縮検証技術・体制を構築することの重要性を主張した173。非核兵器国からは、たとえば核兵器計画から除去される核分裂性物質に適用される検証措置の発展などについて、国際原子力機関(IAEA)による関与を求める主張もある174

 2018年5月には、2016年に採択された国連総会決議に基づく、核軍縮の促進における検証の役割の検討を目的とした国連政府専門家会合(Group of Governmental Experts to consider the role of verification in advancing nuclear disarmament)の第一回会合が開催された。会合は25カ国の政府関係者により、2019年春頃までに計3回開催される175


(11) 不可逆性


A) 核弾頭及びその運搬手段の廃棄の実施または計画


 米露による新STARTでは、過去に締結された主要な二国間核軍備管理条約と同様に、条約で規定された上限を超える戦略(核)運搬手段について、検証を伴う解体・廃棄を実施することが義務付けられている。核弾頭の解体・廃棄

については、条約上の義務ではないものの、両国は一方的措置として部分的に実施してきた。このうち、米国は年間に廃棄された核弾頭数を公表している。国防総省が公表した情報では、2017年の一年間に354発の核弾頭が廃棄された(前年は258発)176

 他の核兵器国からは、核兵器の廃棄に関する新たな報告はなされていないが、フランス及び英国は、退役した核弾頭や運搬手段の解体を行っている。


B) 核兵器関連施設などの解体・転換


 核兵器関連施設などの解体・転換に関して、2018年には顕著な動きは見られなかった。核保有国から新たな情報の公開もなされなかった177

 フランスは、核保有国の中で唯一、1996年に核実験場の完全かつ不可逆的な閉鎖を決定し、1998年に完全に閉鎖して除染作業を行った178。上述のように、北朝鮮も核実験場の閉鎖を宣言し、坑道を爆破したが、完全かつ不可逆的な閉鎖であるかは確認されていない。


C) 軍事目的に必要ないとされた核分裂性物質の廃棄や平和的目的への転換など


 2011年7月に発効した米露間のプルトニウム管理・処分協定(PMDA)179に関して、ロシアは2016年10月に履行を停止するとの大統領令を発表した。ロシアは、米国の敵対的な行為、ならびに協定が署名された2000年以来の状況の劇的な変化への対応として履行を停止しただけだと反論してきた180。2018年4月に公表された米国の報告書では、前年の報告書に続き、ロシアが協定の義務に違反しているとの兆候はないものの、履行の停止は将来の遵守に対する懸念を高めているとした181

 他方、トランプ米政権は、(米露合意に基づいて計画された)MOX生産施設(MFFF)について、建設費の高騰とスケジュールの遅延を理由に、その建設中止、ならびにプルトニウムの処分を模索してきた。議会は「希釈・処分オプション」を認めず、MFFF建設への予算を計上してきたが182、NNSAは2018年10月、MFFF建設の事業体に建設にかかる契約終了通知を送付し、このプロジェクトを公式に終了させた183

 米テキサス州のパンテックス施設では核弾頭の解体作業が行われているが、エネルギー省の施設には合計54トンの余剰プルトニウムが貯蔵され、その量は増加しているとされる184

 余剰高濃縮ウラン(HEU)に関しては、エネルギー省の予算要求によれば、米国は2019会計年度に162トンの希釈を完了する予定である(すでに159.7トンが希釈済み)185


(12) 軍縮・不拡散教育、市民社会との連携


 軍縮・不拡散における市民社会との連携は、2017年のTPNW策定過程に象徴されるように186、一層深化している。

 2018年NPT準備委員会では、アイルランドがNPTにおけるジェンダーの役割に関する作業文書を提出した187。軍縮教育を重視してきた日本は、前年に続き、2018年8月にジュネーブの軍縮会議日本政府代表部で、高校生平和大使(ユース非核特使)の20名と現地の各国外交団(インド、豪州、オランダ、カザフスタン、韓国、中国、ドイツ、ブラジル、フランス、南アフリカ、ポーランド、メキシコ、ロシアなど)との意見交換会を開催した。また日本は、国内外の有識者からなる「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」(以下、賢人会議)を立ち上げ、その提言を2018年NPT準備委員会に作業文書として提出した188

 近年のNPT運用検討会議及びその準備委員会、並びに国連総会第一委員会では、非政府組織(NGO)などが参加するサイドイベントが開催されている189。2018年のNPT準備委員会ではオーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、カザフスタン、韓国、オランダ、ノルウェー、南アフリカ、スウェーデン、スイス、英国、米国などが、また国連総会第一委員会では、豪州、オーストリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、スウェーデンなどがそうしたサイドイベントを開催した。

 「市民社会との連携」に関しては、各国政府が核軍縮・不拡散に関する情報をどれだけ国内外の市民に向けて提供しているかも判断材料となろう。調査対象国のうち、豪州、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、ニュージーランド、スウェーデン、スイス、米国、英国といった国々のホームページ(英語版)では、(核)軍縮・不拡散に関するセクションが設けられ、程度の差はあるものの他国と比べて充実した情報が掲載されている。

 近年の動きとして、核兵器の開発・製造などに携わる組織や企業などへの融資の禁止や引揚げ(divestment)が提案され、実際にこれを定める国が出始めている。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が2018年3月に公表した年次報告書によれば、フランス、インド、オランダ、英国、米国190に拠点を置く核兵器製造企業(「核軍備の維持・近代化に少なからず加担した」)上位20社に対して、329機関(世界24カ国の銀行、保険会社、年金基金、資産管理会社)が2014年1月?2017年10月の間に計5250億ドルを投資した191。また報告書では、23の機関が核兵器製造企業に対するいかなる投資も包括的に禁止するというポリシーを採用していることも記載された192。スイス及びルクセンブルクでは、核兵器のための投資を制限する国内法が制定された。また、ノルウェー及びスウェーデンの公的年金基金は、核兵器開発・製造に関与する企業を投資先から除外している193


(13) 広島・長崎の平和記念式典への参列


 8月6日に広島で開かれた平和記念式典には、85カ国とEU代表部からの参列がなされた。このうち、日本以外の本調査対象国の参列状況は下記のとおりである。

  • 大使級:豪州、オーストリア、ベルギー、エジプト、フランス、インド、インドネシア、イラン、イスラエル、カザフスタン、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、ポーランド、南アフリカ、スイス、シリア、トルコ、英国、米国
  • 大使以外:ブラジル、カナダ、ドイツ、韓国、オランダ、ノルウェー、ロシア、(このうち、ブラジル、カナダ、オランダ、ノルウェーは、過去3年間に大使による参列があった)
  • 不参加:チリ、中国、フィリピン、サウジアラビア、スウェーデン、北朝鮮、UAE(このうちフィリピン、スウェーデン、UAEは、過去3年間に1回以上の参列があった)

 また、8月9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典には、71カ国とグテーレス国連事務総長などが参列した。このうち、日本以外の本調査対象国の参列状況は下記のとおりである。

  • 大使級:豪州、チリ、フランス、エジプト、ドイツ、インドネシア、カザフスタン、メキシコ、ナイジェリア、ノルウェー、パキスタン、フィリピン、ポーランド、南アフリカ、英国、米国
  • 大使以外:オーストリア、ブラジル、中国、インド、イスラエル、韓国、オランダ、ロシア、スウェーデン
  • 不参加:ベルギー、カナダ、イラン、北朝鮮、ニュージーランド、サウジアラビア、スイス、トルコ、UAE

 日本は様々な場で、「世界の指導者らの広島、長崎の被爆地訪問」を働きかけてきており、2018年には、リトアニア首相、タジキスタン大統領、スリランカ大統領による広島訪問が実現した194。また5月には、チリのバチェレ(Veronica Michelle Bachelet Jeria)大統領が長崎を訪問した。



[1] 第1章「核軍縮」は、戸﨑洋史により執筆された。

[2] Stockholm International Peace Research Institute, SIPRI Yearbook 2018: Armaments, Disarmament and International Security (Oxford: Oxford University Press, 2018), chapter 6.

[3] さらにフランスは、非配備の核兵器を保有せず、すべての核兵器は配備され運用状況にあるとしている(NPT/CONF.2015/10, March 12, 2015)。

[4] この点について、テルトレ(Bruno Tertrais)は、「核兵器保管数には核兵器としての機能を果たさないものや非破壊実験に用いられるものなど、『核兵器』とは呼べないようなものが含まれており、正確な数を提示することは難しく、ミスリーディングであり、また提示された日にのみ正しい数字でしかない」ということが理由にあると説明している(Bruno Tertrais, “Comments on Hiroshima Report of March 2013,” Hiroshima Report Blog: Nuclear Disarmament, Nonproliferation and Nuclear Security, October 29, 2013, http://hiroshima-report.blogspot.jp/2013/10/op-ed-bruno-tertrais-comments-on.html)。

[5] Hans M. Kristensen, “Despite Rhetoric, US Stockpile Continues to Decline,” Federation of American Scientists, March 22, 2018, https://fas.org/blogs/security/2018/03/stockpile-reduction/.

[6] Department of Defense, “Stockpile Numbers: End of Fiscal Years 1962-2017,” http://open.defense.gov/Portals/23/Documents/frddwg/2017_Tables_UNCLASS.pdf.

[7] ロシアのリャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は2018年6月の会合で、世界的核軍縮プロセスに進むのは時期尚早で、妥当かつ現実的な方法で段階的に進めるべきだと発言している。 “Diplomat Says too Early to Embark on Global Nuclear Disarmament Process,” Tass, June 14, 2018, http://tass.com/politics/1009436.

[8] それぞれのアプローチに関しては、『ひろしまレポート2017年版』を参照。

[9] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.13, March 15, 2018.

[10] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.17, March 23, 2018.

[11] “Statement by H.E. Mr. Taro Kono, Minister for Foreign Affairs,” General Debate, 2018 NPT PrepCom, April 24, 2018. また、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」報告書は、Group of Eminent Persons for Substantive Advancement of Nuclear Disarmament, Building Bridges to Effective Nuclear Disarmament: Recommendations for the 2020 Review Process for the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons, March 2018, https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000403717.pdf.

[12] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.30, April 18, 2018. 他方、米国はこの準備委員会で、ほぼ核不拡散問題に焦点を当てた一般討論演説を行い、現政権が核不拡散、核軍縮及び原子力平和利用という三本柱ではなく、核不拡散のための条約としてNPTを捉えていることを強く示唆した。“Statement by the United States,” General Debate, Second Session of the Preparatory Committee for the 2020 NPT Review Conference [以下、2018 PrepCom], April 23, 2018.

[13] Christopher Ashley Ford, Assistant Secretary, “The P5 Process and Approaches to Nuclear Disarmament: A New Structured Dialogue,” Conference on “The Nuclear Nonproliferation Regime – Towards the 2020 NPT Review Conference,” Wilton Park, December 10, 2018, https://www.state.gov/t/isn/rls/rm/2018/288018.htm.

[14] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.13, March 15, 2018.

[15] Office for Disarmament Affairs, Securing Our Common Future: An Agenda for Disarmament, 2018, pp. 15-24.

[16] Antonio Guterres, “Remarks at the University of Geneva on the launch of the Disarmament Agenda,” May 24, 2018, https://www.un.org/sg/en/content/sg/speeches/2018-05-24/launch-disarmament-agenda-remarks.

[17] A/RES/73/62, December 5, 2018.

[18] A/RES/73/70, December 5, 2018.

[19] A/RES/73/50, December 5, 2018.

[20] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.9, March 9, 2018. また、オーストリアの作業文書は、NPT/CONF.2020/PC.II/WP.10, March 12, 2018。

[21] “P5 Joint Statement on the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons,” October 24, 2018, https://www.gov.uk/government/news/p5-joint-statement-on-the-treaty-on-the-non-proliferation-of-nuclear-weapons.

[22] A/RES/73/47, December 5, 2018.

[23] A/RES/73/68, December 5, 2018.

[24] A/RES/73/48, December 5, 2018.

[25] “Statement by Austria,” General Debate, 2018 NPT PrepCom, April 23, 2018.

[26] Ibid. また、“Statement by New Zealand,” General Debate, 2018 NPT PrepCom, April 23, 2018なども参照。

[27] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.41, May 16, 2018.

[28] “P5 Joint Statement on the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons,” October 24, 2018, https://www.gov.uk/government/news/p5-joint-statement-on-the-treaty-on-the-non-proliferation-of-nuclear-weapons.

[29] “Statement by France,” Cluster I, 2018 NPT PrepCom, April 25, 2018.

[30] “Statement by Russia,” General Debate, 2018 NPT PrepCom, April 24, 2018. “Statement by Russia,” Cluster I, 2018 NPT PrepCom, April 26, 2018も参照。

[31] “Statement by the United Kingdom,” General Debate, 2018 NPT PrepCom, April 24, 2018.

[32] Christopher Ashley Ford, “The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons: A Well-Intentioned Mistake,” Advancing Disarmament in an Increasingly Dangerous World, University of Iceland, Reykjavik, Iceland, October 30, 2018, https://www.state.gov/t/isn/rls/rm/2018/287082.htm.

[33] Frederic Burnand, “Why Switzerland Hasn’t (yet) Signed the Treaty Banning Nuclear Weapons,” Swissinfo, March 19, 2018, https://www.swissinfo.ch/eng/disarmament_why-switzerland-hasn-t-signed-the-treaty-banning-nuclear-weapons–yet-/43982398.

[34] Federal Department of Foreign Affairs of Switzerland, “Report of the Working Group to Analyse the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons,” June 30, 2018, https://www.eda.admin.ch/dam/eda/en/documents/aussenpolitik/sicherheitspolitik/2018-bericht-arbeitsgruppe-uno-TPNW_en.pdf; “The Federal Council Decides Not to Sign the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons at the Present Time,” Portal of the Swiss Government, August 15, 2018, https://www.admin.ch/gov/en/start/documentation/media-releases.msg-id-71821.html.

[35] A/RES/73/64, December 5, 2018.

[36] A/RES/73/74, December 5, 2018.

[37] “New START Treaty Aggregate Numbers of Strategic Offensive Arms,” Fact Sheet, February 22, 2018, https://www.state.gov/t/avc/newstart/278775.htm.

[38] “New START Treaty Inspection Activities,” U.S. Department of State, https://www.state.gov/t/avc/newstart/c52405.htm.

[39] Ministry of Foreign Affairs of Russian Federation, “Russia’s Assessment of the US Department of State’s Report on Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments,” April 24, 2018, http://www.mid.ru/en/foreign_policy/news/-/asset_publisher/cKNonkJE02Bw/content/id/3192916. また、Vladimir Isachenkov, “Russia Challenges US Compliance with Nuclear Arms Treaty,” Associated Press, September 9, 2018, https://apnews.com/d9eeccab26d64019ab3ea1954eb89280.も参照。

[40] Jonathan Landay and David Rohde, “Exclusive: In Call with Putin, Trump Denounced Obama-era Nuclear Arms Treaty ? Sources,” Reuters, February 10, 2017, http://www.reuters.com/article/us-usa-trump-putin-idUSKBN15O2A5.

[41] Steve Holland, “Trump Wants to Make Sure U.S. Nuclear Arsenal at ‘Top of the Pack,’” Reuters, February 23, 2017, https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-exclusive/trump-wants-to-make-sure-u-s-nuclear-arsenal-at-top-of-the-pack-idUSKBN1622IF.

[42] Bryan Bender, “Leaked Document: Putin Lobbied Trump on Arms Control,” Politico, August 7, 2018, https://www.politico.com/story/2018/08/07/putin-trump-arms-control-russia-724718.

[43] 他方で、アントノフ(Anatoly Antonov)駐米ロシア大使が、会談では新START・INF条約の存続など重要な口頭了解があったと述べている。9月の米上院外交委員会では、メネンデス(Bob Menendez)議員などがトランプ政権に対して、合意の有無を明らかにするよう求めた。Cristina Maza, “Trump-Putin Summit: What Secret Agreements Did They Make on Arms Control? Senators Ask,” Newsweek, September 18, 2018, https://www.newsweek.com/trump-putin-summit-what-secret-agreements-did-they-make-arms-control-senators-1126938.

[44] Andrea Thompson, “Statement for the Record,” Testimony before the Senate Committee on Foreign Relations, September 18, 2018.

[45] White House “Remarks by President Trump Before Air Force One Departure,” October 20, 2018.

[46] Michael R. Pompeo, “Press Availability at NATO Headquarters,” Brussels, December 4, 2018, https://www.state.gov/secretary/remarks/2018/12/287873.htm. Julian Borger, “US Says it Will Pull Out of INF Treaty if Russia Does Not Comply Within 60 Days,” Guardian, December 4, 2018, https://www.theguardian.com/world/2018/dec/04/us-inf-russia-nuclear-treaty-deadlineも参照。

[47] U.S. Department of State, “Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments,” April 2018, https://www.state.gov/t/avc/rls/rpt/2018/280532.htm. 米国が指摘した内容に関しては、『ひろしまレポート2015年版』及び『ひろしまレポート2016年版』を参照。

[48] U.S. Department of State, “Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments.”

[49] Michael R. Gordon, “Russia Deploys Missile, Violating Treaty and Challenging Trump,” New York Times, February 14, 2017, https://www.nytimes.com/2017/02/14/world/europe/russia-cruise-missile-arms-control-treaty.html.

[50] “U.S. Says Russia Deployment Of ‘Banned’ Cruise Missile Increasing,” Radio Free Europe, March 20, 2018, https://www.rferl.org/a/united-states-russia-increasing-deployment-of-banned-cruise-missile/29111751.html.

[51] Ministry of Foreign Affairs of Russian Federation, “Russia’s Assessment of the US Department of State’s Report on Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments,” April 24, 2018, http://www.mid.ru/en/foreign_policy/news/-/asset_publisher/cKNonkJE02Bw/content/id/3192916.

[52] 『ひろしまレポート2018年版』を参照。

[53] U.S. Department of Defense, Nuclear Posture Review, February 2018, p. 55.

[54] “General Assembly Rejects Resolution Calling for Strengthening Russian-United States Compliance with Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty,” United Nations Meetings Coverage, December 21, 2018, https://www.un.org/press/en/2018/ga12116.doc.htm.

[55] “UK Downsizes Its Nuclear Arsenal,” Arms Control Today, Vol. 45, No. 2 (March 2015), http://www.armscontrol.org/ACT/2015_03/News-Brief/UK-Downsizes-Its-Nuclear-Arsenal.

[56] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.32, April 19, 2018.

[57] “Statement by France”, General Debate, First Session of the Preparatory Committee for the 2020 NPT Review Conference, May 3, 2017.

[58] U.S. Department of Defense, Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018, May 2018, pp. 29, 36-37.

[59] Bill Gertz, “China Flight Tests New Submarine-Launched Missile,” Washington Free Beacon, December 18, 2018, https://freebeacon.com/national-security/china-flight-tests-new-submarine-launched-missile/.

[60] U.S. Department of Defense, Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018, May 2018, p. 34.

[61] “China Deploy Advanced DF-26 Missile,” Associated Press, April 26, 2018, https://www.defensenews.com/global/asia-pacific/2018/04/26/china-deploys-advanced-df-26-missile/.

[62] Alicia Sanders-Zakre, “China Develops, Deploys New Missiles,” Arms Control Today, June 1, 2018, https://www.armscontrol.org/act/2018-06/news-briefs/china-develops-deploys-new-missiles.

[63] Mike Yeo, “In first, China Confirms ‘New Long-Range Strategic Bomber’ Designation,” Defense News, October 11, 2018, https://www.defensenews.com/air/2018/10/11/in-first-china-confirms-new-long-range-strategic-bomber-designation/.

[64] Liu Xuanzun, “China Tests Hypersonic Aircraft That Can ‘Break Any Missile Defense System,’” Global Times, August 5, 2018, http://www.globaltimes.cn/content/1113980.shtml.

[65] たとえば、“France Submarine Capabilities,” Nuclear Threat Initiative, August 15, 2013, http://www.nti.org/analysis/ articles/france-submarine-capabilities/を参照。

[66] Francois Hollande, “Nuclear Deterrence?Visit to the Strategic Air Forces,” February 19, 2015, http://basedoc.diplomatie.gouv.fr/vues/Kiosque/FranceDiplomatie/kiosque.php?fichier=baen2015-02-23.html#Chapitre1.

[67] “Defense Chief Sets Sights on Beefing Up Russia’s Nuclear Triad with Advanced Weaponry,” Tass, January 10, 2018, http://tass.com/defense/984435.

[68] “Presidential Address to the Federal Assembly,” March 1, 2018, http://en.kremlin.ru/events/president/news/56957.

[69] “Putin Says New Russian Missiles, Bombers to Be Deployed This Year,” Radio Free Europe, May 16, 2018, https://www.rferl.org/a/putin-says-modernized-russia-missiles-bombers-deploy-this-year-sochi-yars-icbm/29229178.html.

[70] Hans M. Kristensen and Robert S. Norris, “Russian Nuclear Forces, 2018,” Bulletin of the Atomic Scientists, Vol. 74, No. 3 (2018), p. 189.

[71] Amanda Macias, “Russian Submarine Fleet Capable of Launching Missiles Armed with Hypersonics and Nukes Will be Ready for War by 2024,” CNBC, September 21, 2018, https://www.cnbc.com/2018/09/21/russia-sub-fleet-capable-of-launching-hypersonics-will-be-ready-by-2024.html.

[72] Kristensen and Norris, “Russian Nuclear Forces, 2018,” p. 190.

[73] Macias, “Russian Submarine Fleet Capable of Launching Missiles.”

[74] Alex Lockie, “Russia Upgraded a Nuclear Bomber? and Its Missiles are a Nightmare for US Navy Aircraft Carriers,” Business Insider, August 7, 2018, https://www.businessinsider.com/russias-upgraded-tu-22m3m-has-missile-made-for-us-navy-carriers-2018-8.

[75] “Russia Tests Avangard Hypersonic System on Putin’s Orders,” Tass, December 26, 2018, http://tass.com/defense/1037974.

[76] “Is Russia Working on a Massive Dirty Bomb,” Russian Strategic Nuclear Forces, November 10, 2015, http://russianforces.org/blog/2015/11/is_russia_working_on_a_massive.shtm.

[77] Kyle Mizokami, “How Can We Stop Russia’s Apocalypse Nuke Torpedo?” National Interest, August 17, 2018, https://www.popularmechanics.com/military/weapons/a22749605/how-can-we-stop-russias-apocalypse-nuke-torpedo/.

[78] “Russia’s Nuclear Cruise Missile Is Struggling to Take Off, Imagery Suggests,” NPR, September 25, 2018, https://www.npr.org/2018/09/25/649646815/russias-nuclear-cruise-missile-is-struggling-to-take-off-imagery-suggests.

[79] Claire Mills and Noel Dempsey, “Replacing the UK’s Nuclear Deterrent: Progress of the Dreadnought Class,” UK Parliament, House of Commons Briefing Paper, June 19, 2017.

[80] 米国による核兵器能力の近代化については、Amy F. Woolf, “U.S. Strategic Nuclear Forces: Background, Developments, and Issues,” CRS Report, March 6, 2018, pp. 9-41; “U.S. Nuclear Modernization Program,” Fact Sheet and Brief, Arms Control Association, August 2018, https://www.armscontrol.org/factsheets/USNuclearModernizationなどを参照。

[81] NPR 2018, pp. 48-51.

[82] Ibid., pp. 54-55.

[83] Rebecca Kheel, “Dems Introduce Bill to Ban Low-Yield Nukes,” Hill, September 18, 2018, https://thehill.com/policy/defense/407263-dems-introduce-bill-to-ban-low-yield-nukes.

[84] Travis J. Tritten, “Congress Funds Pentagon’s New Low-Yield Nuclear Warhead,” Washington Examiner, September 13, 2018, https://www.washingtonexaminer.com/policy/defense-national-security/congress-funds-pentagons-new-low-yield-nuclear-warhead.

[85] Dinakar Peri, “India Successfully Test-Fires Nuclear-Capable Agni-5,” The Hindu, June 4, 2018, http://www.thehindu.com/news/national/india-successfully-test-fires-nuclear-capable-agni-5/article24071775.ece; “India Successfully Test-Fires Nuclear-Capable Agni-5 Missile,” The Time of India, December 10, 2018, https://timesofindia.indiatimes.com/india/india-successfully-test-fires-nuclear-capable-agni-5-missile/articleshow/67025807.cms.

[86] Franz-Stefan Gady, “India Launches Second Ballistic Missile Sub,” Diplomat, December 13, 2017, https://thediplomat.com/2017/12/india-launches-second-ballistic-missile-sub/; Dinakar Peri and Josy Joseph, “A Bigger Nuclear Submarine is Coming,” The Hindu, October 15, 2017, http://www.thehindu.com/news/national/a-bigger-nuclear-submarine-is-coming/article19862549.ece.

[87] “India Says Nuclear Submarine Makes First Patrol, Modi Warns Against ‘Misadventure,’” Reuters, November 5, 2018, https://www.reuters.com/article/us-india-submarine/india-says-nuclear-submarine-makes-first-patrol-modi-warns-against-misadventure-idUSKCN1NA1HK.

[88] “Israel Signs MoU to Purchase Dolphin-class Submarines from Germany,” Naval Technology, October 25, 2017, https://www.naval-technology.com/news/newsisrael-signs-mou-to-purchase-dolphin-class-submarines-from-germany-5956187/.

[89] パキスタンの核戦力に関しては、Hans M. Kristensen, Robert S. Norris & Julia Diamond, “Pakistani Nuclear Forces, 2018,” Bulletin of the Atomic Scientists, Vol. 74, No. 5 (2018), pp. 348-358.

[90] Ankit Panda, “Pakistan Tests Enhanced-Range Variant of Babur Nuclear-Capable Land-Attack Cruise Missile,” Diplomat, April 16, 2018, https://thediplomat.com/2018/04/pakistan-tests-enhanced-range-variant-of-babur-nuclear-capable-land-attack-cruise-missile/.

[91] Ankit Panda, “Pakistan Conducts Second Test of Babur-3 Nuclear-Capable Submarine-Launched Cruise Missile,” Diplomat, April 16, 2018, https://thediplomat.com/2018/04/pakistan-conducts-second-test-of-babur-3-nuclear-capable-submarine-launched-cruise-missile/.

[92] Daniel R. Coats, Director of National Intelligence “Worldwide Threat Assessment of the Us Intelligence Community,” February 13, 2018.

[93] Hearing, Senate Foreign Relations Committee, July 25, 2018, https://www.foreign.senate.gov/hearings/an-update-on-american-diplomacy-to-advance-our-national-security-strategy-072518.

[94] Joby Warrick and Souad Mekhennet, “Summit Collapse Foils Chance to Press North Korea on Suspicious Sites,” Washington Post, May 25, 2018, https://www.washingtonpost.com/world/national-security/summit-collapse-foils-chance-to-press-north-korea-on-suspicious-sites/2018/05/25/d5a14044-602d-11e8-9ee3-49d6d4814c4c_story.html; Ankit Panda, “Revealing Kangson, North Korea’s First Covert Uranium Enrichment Site,” Diplomat, July 13, 2018, https://thediplomat.com/2018/07/exclusive-revealing-kangson-north-koreas-first-covert-uranium-enrichment-site/.

[95] Joseph S. Bermudez Jr. and Dan Dueweke, “Expansion of North Korea’s Solid Fuel Ballistic Missile Program: The Eight Year Old Case of the Chemical Materials Institute,” 38 North, July 25, 2018, https://www.38north.org/2018/07/cmi072518/.

[96] Jonathan Cheng, “North Korea Expands Key Missile-Manufacturing Plant,” Wall Street Journal, July 1, 2018, https://www.wsj.com/articles/north-korea-expands-key-missile-manufacturing-plant-1530486907.

[97] Ellen Nakashima and Joby Warrick, “U.S. Spy Agencies: North Korea is Working on New Missiles,” Washington Post, July 30 2018, https://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-spy-agencies-north-korea-is-working-on-new-missiles/2018/07/30/b3542696-940d-11e8-a679-b09212fb69c2_story.html.

[98] Joseph Bermudez, Victor Cha and Lisa Collins, “Undeclared North Korea: The Sakkanmol Missile Operating Base,” Beyond Parallel, Center for Strategic and International Studies, November 12, 2018, https://beyondparallel.csis.org/undeclared-north-korea-sakkanmol-missile-operating-base/.

[99] Zachary Cohen, “New Satellite Images Reveal Activity at Unidentified North Korean Missile Base,” CNN, December 5, 2018, https://edition.cnn.com/2018/12/05/politics/north-korea-satellite-images-missile-base/index.html. 詳細な分析については、Jeffrey Lewis and Dave Schmerler, “North Korean Missile Base at Yeongjeo-dong,” Arms Control Wonk, December 6, 2018, https://www.armscontrolwonk.com/archive/1206442/north-korean-missile-base-at-yeongjeo-dong/.

[100] 他の核保有国の各国の基本的な政策に関しては、『ひろしまレポート2017年版』を参照。

[101] またNPR 2018では、「米国の核抑止の導入以来、米国の核能力は核・非核の侵略の抑止に極めて重要な貢献を行ってきた。これに続く大国間の紛争の欠如は、世界の戦死者は劇的かつ持続的な減少とも重なっている」(17頁)として、核兵器の重要性を強調した。

[102] “Presidential Address to the Federal Assembly,” President of Russia, March 1, 2018, http://en.kremlin.ru/events/president/news/56957.

[103] “Statement by Russia,” Cluster 1, 2018 NPT PrepCom, April 26, 2018.

[104] U.S. Department of Defense, “Report on Nuclear Employment Strategy,” June 19, 2013, p. 4.

[105] NPR 2018, pp. 20-21. NPRには明記されていないが、戦略的非核攻撃は生物・化学攻撃、通常攻撃、さらにはサイバー攻撃などによると見られている。他方、米国はこれまでも、核兵器以外の手段による攻撃に対する核兵器の使用可能性を排除してこなかった。

[106] “Presidential Address to the Federal Assembly,” President of Russia, March 1, 2018, http://en.kremlin.ru/events/president/news/56957.

[107] 米国はそうした状況として、敵の通常戦力が中国の核戦力や国家生存を脅かす場合を例に挙げている。U.S. Department of Defense, Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018, May 2018, pp. 75-76.

[108] “Short-Range Nuclear Weapons to Counter India’s Cold Start Doctrine: Pakistan PM,” Live Mint, September 21, 2017, http://www.livemint.com/Politics/z8zop6Ytu4bPiksPMLW49L/Shortrange-nuclear-weapons-to-counter-Indias-cold-start-do.html.

[109] NPT/CONF.2015/29, April 22, 2015.

[110] NPR 2018, p. 21.

[111] フランスは2014年のNPT準備委員会に提出した報告書で、「不拡散コミットメントを遵守するすべての非核兵器国に対して、安全の保証を提供してきた」と記載していた(NPT/CONF.2015/PC.III/14, April 25, 2014)。

[112] NPT/CONF.2015/10, March 12, 2015.

[113] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.28, April 13, 2018.

[114] NPT/CONF.2015/PC.III/14, April 25, 2014.

[115] 『ひろしまレポート2016年版』で述べたように、具体的内容は明らかではないが、核兵器国による留保を巡ってASEAN諸国と議論が続いていることが示唆されている。

[116] たとえば、NPT/CONF.2018/WP.19, March 23, 2018.

[117] “Putin Submits Protocol to Treaty on Nuclear-free Zone in Central Asia for Ratification,” Tass, March 12, 2015, http://tass.ru/en/russia/782424.

[118] NPR 2018, pp. 34-37.

[119] “Brussels Summit Declaration,” Issued by the Heads of State and Government participating in the meeting of the North Atlantic Council in Brussels, July 11-12, 2018, https://www.nato.int/cps/en/natohq/official_texts_156624.htm.

[120] 「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」2018年12月18日。

[121] 各国の政策については、『ひろしまレポート2017年版』を参照。

[122] Hans M. Kristensen, “Reducing Alert Rates of Nuclear Weapons,” Presentation to NPT PrepCom Side Event, Geneva, April 24, 2013; Hans M. Kristensen and Matthew McKinzie, “Reducing Alert Rates of Nuclear Weapons,” United Nations Institute for Disarmament Research, 2012.

[123] NPR 2018, p. 22.

[124] Kristensen, “Reducing Alert Rates of Nuclear Weapons”; Kristensen and McKinzie, “Reducing Alert Rates of Nuclear Weapons”を参照。

[125] 他方、米国防総省による中国軍事力に関する年次報告書では、中国人民解放軍の文書でLOW核態勢の有用性が示され、NFUとも整合するものだと強調していること、中国は将来的にそうした体制を支援し得る宇宙配備早期警戒能力の開発を進めていることが記された。U.S. Department of Defense, Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018, May 2018, p. 77.

[126] Elaine M. Grossman, “Pakistani Leaders to Retain Nuclear-arms Authority in Crises: Senior Official,” Global Security Newswire, February 27, 2014, http://www.nti.org/gsn/article/pakistani-leaders-retain-nuclear-arms-authority-crises-senior- official/.

[127] “Statement by Malaysia on Behalf of the De-alerting Group,” Cluster 1, 2018 NPT PrepCom, April 25, 2018.

[128] A/RES/73/60, December 5, 2018.

[129] たとえばルイス(Patricia Lewis)らは、核兵器が不用意に用いられかけた13の事例を概観し、考えられていたよりも核兵器使用の可能性は高かったこと、核兵器の不使用は抑止の効果よりも個々の意思決定者が救ったという側面が強いことなどを論じた上で、核兵器が存在する限り、不注意、事故、あるいは故意の核爆発のリスクは残ることから、核兵器廃絶までの間、慎慮ある意思決定が最優先課題だとする報告書を公表した。Patricia Lewis, Heather Williams, Benoit Pelopidas and Sasan Aghlani, “Too Close for Comfort: Cases of Near Nuclear Use and Options for Policy,” Chatham House Report, April 2014.

[130] 『ひろしまレポート2017年版』を参照。

[131] “Short-Range Nuclear Weapons to Counter India’s Cold Start Doctrine: Pakistan PM,” Live Mint, September 21, 2017, http://www.livemint.com/Politics/z8zop6Ytu4bPiksPMLW49L/Shortrange-nuclear-weapons-to-counter-Indias-cold-start-do.html.

[132] “US Worried Pakistan’s Nuclear Weapons Could Land Up in Terrorists’ Hands: Official.” Economic Times, August 25, 2017, https://economictimes.indiatimes.com/news/defence/us-worried-pakistans-nuclearweapons-could-land-up-in-terrorists-hands-official/articleshow/60220358.cms.

[133] “Remarks by President Trump on the Strategy in Afghanistan and South Asia.” White House, August 21, 2017, https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-strategy-afghanistan-south-asia/.

[134] “North Korea Will Join ‘Efforts for a Total Ban on Nuclear Tests,’” Reuters, May 15, 2018, https://www.reuters.com/article/us-northkorea-nuclear-tests/north-korea-will-join-efforts-for-a-total-ban-on-nuclear-tests-idUSKCN1IG28E.

[135] “Pakistan Proposes N-Test Ban Arrangement with India,” The Nation, October 11, 2018, https://nation.com.pk/11-Oct-2018/pakistan-proposes-n-test-ban-arrangement-with-india.

[136] “Joint Ministerial Statement on the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty,” Ninth Ministerial Meeting of the Friends of the CTBT, New York, September 26, 2018.

[137] “Joint Appeal by Mr. Taro Kono, Minister for Foreign Affairs of Japan, and Dr. Lassina Zerbo, Executive Secretary of the Provisional Technical Secretariat of the Preparatory Commission for the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization,” Vienna, 5 July 2018.

[138] CTBT-Art.XIV/2017/4, September 14, 2017.

[139] CTBTOは、専門家への公開がなされる場合、北朝鮮の核実験場が実際に廃棄されたことを確認する専門的知見を提供できるとして、支援の用意を表明した。Umer Jamshaid, “CTBTO Willing To Join Int’l Efforts Seeking N.Korea Denuclearization?Executive Secretary,” UrduPoint Network, October 15, 2018, https://www.urdupoint.com/en/world/ctbto-willing-to-join-intl-efforts-seeking-n-456466.html. ゼルボ事務局長は、CTBTは北朝鮮の核実験場を検証する能力があり、その実施は北朝鮮の非核化の信頼性向上、ならびにCTBTOの検証能力の発展に資するともしている。Lassina Zerbo, “The Nuclear Test Ban and the Verifiable Denuclearization of North Korea,” Arms Control Today, Vol. 48, No. 9 (November 2018).

[140] 破壊されたのは実験場の入り口だけであり、他に3つの坑道トンネルの各々で2か所ずつ爆破が行われたとされるが、奥の坑道は破壊されていないと見られると分析したものとして、Frank V. Pabian, Joseph S. Bermudez Jr. and Jack Liu, “More Potential Questions About the Punggye-ri Nuclear Test Site Destruction,” 38 North, June 11, 2018, https://www.38north.org/2018/06/punggye060818/を参照

[141] NPR 2018, p. 63.

[142] National Nuclear Security Administration, Stockpile Stewardship and Management Plan: Fiscal Year 2018, November 2017, p. 3-26.

[143] Masakatsu Ota, “Trump Administration Moving to Beef Up Nuclear Test Readiness,” Kyodo News, December 4, 2017, https://english.kyodonews.net/news/2017/12/206015ba6bbf-trump-administration-moving-to-beef-up-nuclear-test-readiness.html.

[144] CTBTO, “CTBTO Member States’ Payment as at 31-Dec-2018,” https://www.ctbto.org/fileadmin/user_upload/treasury/37._10_September_2018_Member_States__Payments.pdf.

[145] CTBTO, “Station Profiles,” http://www.ctbto.org/verification-regime/station-profiles/.

[146] CTBTO, “Remarkable Progress: China and the CTBT,” February 2, 2018, https://www.ctbto.org/press-centre/highlights/2018/remarkable-progress-china-and-the-ctbt/; “4 China-hosted nuclear activity monitoring stations certified by CTBTO,” Xinhua, February 1, 2018, http://www.xinhuanet.com/english/2018-02/01/c_136940100.htm.

[147] CTBTO, “2nd CTBT Science Diplomacy Symposium,” May 31, 2018, https://www.ctbto.org/press-centre/highlights/2018/2nd-ctbt-science-diplomacy-symposium/.

[148] CTBTO, “European Union Champions the Ctbto?Voluntary Contribution of Over 4.5 Mio EUR,” April 30, 2018, https://www.ctbto.org/press-centre/highlights/2018/european-union-champions-the-ctbto-voluntary-contribution-of-over-45-mio-eur/.

[149] “Japan Gives US$ 2.43 Million to Boost Nuclear Test Detection,” CTBTO, February 23, 2017, https://www.ctbto.org/press-centre/highlights/2017/japan-gives-us-243-million-to-boost-nuclear-test-detection/.

[150] “Transportable Radioxenon Systems (Txls) Enhance the CTBTO’s Radionuclide Monitoring Technology in Japan,” January 23, 2018, https://www.ctbto.org/press-centre/highlights/2018/transportable-radioxenon-systems-txls-enhance-the-ctbtos-radionuclide-monitoring-technology-in-japan/.

[151] Garry R. Maskaly, “Vega & the Lyra Series,” Stockpile Stewardship Quarterly, NNSA, Vol. 8, No. 1 (March 2018), p. 6, http://inpp.ohiou.edu/~meisel/assets/file/SSAPQuarterlyVolume8.pdf.

[152] “US Held Subcritical Nuclear Test Last Dec.,” NHK, October 10, 2018, https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20181010_27/.

[153] NPT/CONF.2015/PC.III/14, April 25, 2014.

[154] NPT/CONF.2015/29, April 22, 2015.

[155] Stephen Chen, “China Steps Up Pace in New Nuclear Arms Race with US and Russia as Experts Warn of Rising Risk of Conflict,” South China Morning Post, May 28, 2018, http://www.scmp.com/news/china/society/article/2147304/china-steps-pace-new-nuclear-arms-race-us-and-russia-experts-warn.

[156] Stephen Chen, “Operation Z Machine: China’s Next Big Weapon in the Nuclear ‘Arms Race’ Could Create Clean Fuel ? Or Deadly Bombs,” South China Monitoring Post, December 12, 2018, https://www.scmp.com/news/china/science/article/2177652/operation-z-machine-chinas-next-big-weapon-nuclear-arms-race.

[157] NPT/CONF.2018/PC.II/WP.18, March 23, 2018.

[158] “Conference on Disarmament Decides to Establish Five Subsidiary Bodies on Agenda Items to Advance the Substantive Work,” United Nations Office at Geneva, February 16, 2018, https://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/(httpNewsByYear_fr)/A3466E06D04B7FF4C125823600543D15?OpenDocument.

[159] NPT/CONF.2018/WP.32, April 19, 2018.

[160] A/73/159, July 13, 2018. 同グループについては、 “High Level Fissile Material Cut-Off Treaty (FMCT) Expert Preparatory Group,” The United Nations Office at Geneva, https://unog.ch/80256EE600585943/(httpPages)/B8A3B48A3FB7185EC1257B280045DBE3?OpenDocument; Paul Meyer, “UN High-level Fissile Material Cut-Off Treaty Expert Preparatory Group Report: Little Prospect for Progress,” IPFM Blog, September 26, 2018, http://fissilematerials.org/blog/2018/09/un_high-level_fissile_mat.html も参照。参加国は、アルジェリア、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、エジプト、エストニア、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、日本、メキシコ、モロッコ、オランダ、ポーランド、韓国、ロシア、セネガル、南アフリカ、スウェーデン、英国、米国。なお、同グループにはパキスタンも参加を要請されたが、2017年3月の同グループ非公式協議会合で、兵器用核分裂性物質の新規生産のみを禁止する条約に係るいかなる議論にも参加できないなどと述べ、参加を拒否した。

[161] 『ひろしまレポート2017年版』などを参照。

[162] たとえば、Hui Zhang, “China’s Fissile Material Production and Stockpile,” Research Report, Inter-national Panel on Fissile Materials, No. 17 (2017); Hui Zhang, “Why China Stopped Making Fissile Material for Nukes,” Bulletin of the Atomic Scientists, March 15, 2018, https://thebulletin.org/2018/03/why-china-stopped-making-fissile-material-for-nukes/ などを参照。

[163] このうち、2017年準備委員会にも提出していたのは、豪州、オーストリア、カナダ、日本、ニュージーランド。

[164] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.26, April 11, 2018.

[165] NPT/CONF.2015/PC.I/WP.12, April 20, 2012.

[166] 1987年に成立した米ソINF条約で、核兵器の削減に対して初めて現地査察を含む検証措置が規定された。

[167] “New START Treaty Inspection Activities,” U.S. Department of State, https://www.state.gov/t/avc/newstart/c52405.htm.

[168] 3核兵器国(フランス、英国及び米国)のほか、豪州、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、インドネシア、イタリア、日本、ヨルダン、カザフスタン、メキシコ、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、韓国、スウェーデン、スイス、トルコ、UAEなど。中国及びロシアはフェーズ1にはオブザーバー参加していたが、フェーズ2には参加していない。

[169] 第1フェーズでは、今後検討すべき具体的分野として、幅広い核軍縮プロセスのなかにおける、また核兵器廃棄のより特定の監視・査察を補完するものとしての申告、査察プロセスを通じたデータの取り扱い、インフォメーションバリア技術、特殊核分裂性物質及び高性能爆薬の測定を可能にする技術、核兵器テンプレートの開発、並びに有望な技術及び手順の実験及び訓練が挙げられていた。

[170] The U.S. Department of State, “The International Partnership for Nuclear Disarmament Verification: Phase II,” December 8, 2017, https://www.state.gov/t/avc/rls/2017/276403.htm.

[171] IPNDVのホームページ(https://www.ipndv.org/events/joint-working-group-meeting-seoul/)を参照。

[172] 『ひろしまレポート2017年版』などを参照。

[173] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.6, March 8, 2018.

[174] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.23, March 26, 2018. また、『ひろしまレポート2017年版』などを参照。

[175] 参加国は、核兵器国(米国、英国、フランス、ロシア、中国)、非核兵器国(アルジェリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、インドネシア、日本、カザフスタン、メキシコ、モロッコ、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、ポーランド、南アフリカ、スイス)、NPT非締約国(インド、パキスタン)。Wilton Park, “Verification in Multilateral Nuclear Disarmament: Preparing for the UN Group of Governmental Experts,” January 24-26, 2018も参照。

[176] Department of Defense, “Stockpile Numbers: End of Fiscal Years 1962-2017,” http://open.defense.gov/Portals/23/Documents/frddwg/2017_Tables_UNCLASS.pdf.

[177] 前年までの動向に関しては、『ひろしまレポート2017年版』を参照。

[178] NPT/CONF.2015/10, March 12, 2015.

[179] 解体する核弾頭から取り出された米露の余剰プルトニウム各34トンを、MOX燃料化して民生用原子炉で使用し処分するというもの。

[180] Maggie Tennis, “INF Dispute Adds to U.S.-Russia Tensions,” Arms Control Today, Vol. 47, No. 5 (June 2017), pp. 29-30.

[181] U.S. Department of State, “Adherence to and Compliance with Arms Control, Nonproliferation, and Disarmament Agreements and Commitments.”

[182] Kingston Reif, “MOX Facility to Switch to Plutonium Pits,” Arms Control Today, Vol. 48, No. 5 (June 2018), p. 29.

[183] Timothy Gardner, “Trump Administration Kills Contract for Plutonium-to-Fuel Plant,” Reuters, October 13, 2018, https://www.reuters.com/article/us-usa-plutonium-mox/trump-administration-kills-contract-for-plutonium-to-fuel-plant-idUSKCN1MM2N0.

[184] Scot J. Paltrow, “America’s Nuclear Headache: Old Plutonium with Nowhere to Go,” Reuters, April 20, 2018, https://www.reuters.com/article/us-usa-nukes-plutonium-specialreport/americas-nuclear-headache-old-plutonium-with-nowhere-to-go-idUSKBN1HR1KC.

[185] “United States to Down-Blend HEU for Tritium Production,” IPFM Blog, October 1, 2018, http://fissilematerials.org/blog/2018/10/united_states_to_down-ble.html.

[186] 『ひろしまレポート2018年版』を参照。

[187] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.38, April 24, 2018.

[188] NPT/CONF.2020/PC.II/WP.37, April 20, 2018.

[189] 2018年NPT準備委員会では、広島県が主催し、広島県知事などがパネリストとして参加した会合「核軍縮に向けた前進のための具体的ステップの特定」(4月25日)が開催された。

[190] 他の核保有国では、核戦力の維持や近代化のほとんどを政府機関が直接担っている。

[191] IKV Pax Christi and ICAN, “Don’t Bank on the Bomb: A Global Report on the Financing of Nuclear Weapons Producers?2018,” March 2018, pp. 6-7 を参照。なお、この報告書は、すべての投資を列挙しているわけではなく、また政府、大学あるいは教会などの投資は含まれていないとしている(Ibid., p. 10)。

[192] Ibid., p. 7.

[193] Ibid.

[194] 「広島市への海外からの賓客訪問実績」広島市ホームページ、http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1416289898775/index.html


ひろしまレポート2019に戻る

このページに関するお問い合わせ先

平和推進プロジェクト・チーム

住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52(県庁本館3階)

Tel:082-513-2366

Fax:082-228-1614

お問い合せフォームはこちらから