Hiroshima Report 2019評価書
第2部 評価書
評点及び評価基準
本「評価書」は、核軍縮、核不拡散及び核セキュリティの各分野における調査対象国の取組状況について、調査・分析の結果を取りまとめた「報告書」をもとに、これを評価し、数値化することを試みたものである。
これらの分野における各国の取組状況を評価すると言っても、核兵器国と非核兵器国とでは、核兵器への関わり方が異なることからも分かるように、様々な立場にある調査対象国すべてを同一のものさしで評価することは困難である。
そこで、『ひろしまレポート』では、次の表のとおり,調査対象国を一定のグループに区分し、そのグループごとに配分される評点やそれを合計した最高評点自体が異なる方法を採った。
その上で、各分野における各国の取組状況の相対性を表すための手法の1つとして、調査対象国の評点率(評点/最高評点)を算出し、その結果を分野ごとにグラフ化した。
また、各分野の評価項目について、評点及び評価基準を次ページの一覧のとおりに設定した。
【区分別最高評点一覧】
(単位:点) |
|||||
グループ |
(1) 核兵器国 |
(2) 核兵器不拡散条約(NPT)非締約国 |
(3) 非核兵器国 |
(4)その他 |
|
分野 |
中国 フランス ロシア 英国 米国 (5カ国) |
インド イスラエル パキスタン (3カ国) |
豪州 オーストリア ベルギー ブラジル カナダ チリ エジプト ドイツ インドネシア イラン 日本 カザフスタン 韓国 メキシコ |
オランダ ニュージーランド ナイジェリア ノルウェー フィリピン ポーランド サウジアラビア 南アフリカ スウェーデン スイス シリア トルコ アラブ首長国連邦(UAE) (27カ国) |
北朝鮮* |
核軍縮 |
101 |
98 |
42 |
98 |
|
核不拡散 |
47 |
43 |
61 |
61 |
|
核セキュリティ |
41 |
41 |
41 |
41 |
|
*:北朝鮮については、1993年及び2003年のNPT脱退宣言により、同国の条約上の地位が明確でないこと、2006年、2009年、2013年、2016年(2回)、2017年の計6回の核実験を行い、核兵器の保有を明言していることから、「その他」と整理した。 |
【核軍縮】
評価項目 |
評点 |
評価基準 |
1. 核兵器の保有数(推計) |
-20 |
|
核兵器の保有数(推計) |
(-20) |
-5(~50発);-6(51~100発);-8(101~200発); -10(201~400発);-12(401~1,000発);-14(1,001~2,000発);-16(2,001~4,000発);-17(4,001~6,000発);-19(6,001~8,000発);-20(8,001発~) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
2.核兵器のない世界の達成に向けた コミットメント |
11 |
|
A) 日本、NAC及びNAMがそれぞれ提案する核軍縮に関する国連総会決議への投票行動 |
(6) |
3つの決議のそれぞれについて、0(反対);1(棄権);2(賛成) |
B) 重要な政策の発表、活動の実施 |
(3) |
加点方式 「核兵器のない世界」への国際的な機運に大きなインパクトを与えた政策、提案、会議の開催、その他イニシアティブにつき各1点を加点(最高3点) |
C) 核兵器の非人道的結末 |
(2) |
加点方式 2つの決議のそれぞれについて、0(反対); 0.5(棄権);1(賛成) |
3. 核兵器禁止条約(TPNW) |
10 |
|
A) TPNW署名・批准 |
(7) |
0(未署名);3(未批准);7(批准) |
B) 核兵器の法的禁止に関する国連総会決議への投票行動 |
(3) |
3つの決議のそれぞれについて、0(反対);0.5(棄権);1(賛成) |
4. 核兵器の削減 |
22 |
|
A) 核兵器及び核兵器を搭載可能な運搬手段の削減 |
(15) |
・核兵器保有数を公表している場合、前年度からの削減率×10により、1~10点を加点;保有数を公表していない場合、「(前年の保有数(推計値)-最新の保有数(推計値))÷保有数(前年)」で削減率を算出し、これを10倍して得点に加点 |
(非核兵器国については評価せず) |
||
B) 核兵器の一層の削減に関する具体的計画 |
(3) |
0(削減計画・構想に関する表明なし);1(おおまかな削減計画・構想の表明);2(削減規模に関する計画・構想の表明); 3(具体的かつ詳細な削減計画の表明) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
C) 核兵器能力の強化・近代化の動向 |
(4) |
0(核兵器削減に逆行するような核戦力近代化・強化); 2~3(核兵器の数的強化はもたらさない可能性のある近代化・強化);4(強化・近代化せず) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
5. 国家安全保障戦略・政策における 核兵器の役割及び重要性の低減 |
8 |
|
A) 国家安全保障戦略・政策、軍事ドクトリンにおける核兵器の役割及び重要性の現状 |
(-8) |
宣言政策から判断して-7~-8点 |
(非核兵器国については評価せず) |
||
B) 先行不使用、「唯一の目的」、あるいは関連ドクトリンに関するコミットメント |
(3) |
0(いずれの政策も採用せず);2(類似の政策の表明、または将来的にいずれかの政策を採用する意思を表明);3(いずれかの政策の表明) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
C) 消極的安全保証 |
(2) |
0(表明せず);1(条件付きで表明);2(無条件で表明) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
D) 非核兵器地帯条約議定書への署名・批准 |
(3) |
1つの議定書への批准につき0.5点加点;すべての議定書に批准している場合は3点 |
(核兵器国以外については評価せず) |
||
E) 拡大核抑止への依存 |
(-5) |
(核兵器国及びNPT非締約国については評価せず) |
(非核兵器国にのみ適用) 核の傘の下にあり、かつ核シェアリングを行っている国は-5点;核の傘に安全保障を依存する国は-3点;核の傘の下にない国は0点 |
||
6. 警戒態勢の低減、あるいは核兵器使用を決定するまでの時間の最大限化 |
4 |
|
警戒態勢の低減、あるいは核兵器使用を決定するまでの時間の最大限化 |
(4) |
0~1(高度な警戒態勢の維持);2(高度ではないものの一定の警戒態勢の維持);3(平時における警戒態勢解除);警戒態勢(低減)の信頼性を示すための措置の実施については1点加点 |
(非核兵器国については評価せず) |
||
7. 包括的核実験禁止条約(CTBT) |
11 |
|
A) CTBT署名・批准 |
(4) |
0(未署名);2(未批准);4(批准) |
B) CTBT発効までの間の核爆発実験モラトリアム |
(3) |
0(なし);2(宣言);3(宣言し、核実験場を閉鎖) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
C) CTBTO準備委員会との協力 |
(2) |
0(なし、情報なし);1~2(分担金の負担、会合への積極的な参加、発効促進へ向けた積極的なアウトリーチ活動の展開など) |
D) CTBT検証システム発展への貢献 |
(2) |
加点方式 IMS設置・稼働状況(1);検証の強化に関する議論への参加(1) |
E) 核実験の実施 |
(-3) |
-3(過去5年間に核爆発実験を実施);-1(核爆発を伴わない実験を実施、あるいは実施状況は不明);0(核兵器に係る実験を実施せず) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
8. 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT) |
10 |
|
A) FMCTに関する即時交渉開始に向けたコミットメント、努力、提案 |
(5) |
加点方式 コミットメントの表明(1);促進への積極的な取組(1~2);交渉開始に係る具体的提案(1~2) |
B) 兵器用核分裂性物質の生産モラトリアム |
(3) |
0(なし);1(宣言はしていないものの生産せず);2(宣言);3(宣言を裏付ける措置の実施) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
C) 検証措置の開発に対する貢献 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(検証措置の研究に関する提案);2(検証措置の研究開発の実施) |
9. 核戦力、兵器用核分裂性物質、核戦略・ドクトリンの透明性 |
6 |
|
核戦力、兵器用核分裂性物質、核戦略・ドクトリンの透明性 |
(6) |
加点方式 核戦略・ドクトリンの公表(1~2);核戦力に関する公表(1~2);兵器用核分裂性物質に関する公表(1~2) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
10. 核兵器削減の検証 |
7 |
|
A) 核兵器削減の検証の受諾・実施 |
(3) |
0(受諾・実施せず);2(限定的な検証措置の受諾・実施); 3(包括性、完全性を伴う検証措置の受諾・実施); 減点1?2(受諾するものの実施状況に問題がある場合、あるいは不遵守の場合) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
B) 核兵器削減のための検証措置の研究開発 |
(1) |
0(実施せず、または情報なし);1(研究開発の実施) |
C) 軍事目的に必要ないとされた核分裂性物質に対するIAEA査察の実施 |
(3) |
0(実施せず);1(限定的な実施);3(実施);既に実施(3点)している場合を除き、実施及び実施状況の強化に向けた取組を行っている場合には1点加点 |
(非核兵器国については評価せず) |
||
11. 不可逆性 |
7 |
|
A) 核弾頭及びその運搬手段の廃棄の実施または計画 |
(3) |
0(なし、情報なし);1(実施していると見られるが明確ではない);2~3(実施) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
B) 核兵器関連施設などの解体・転換 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(一部について実施);2(広範に実施) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
C) 軍事目的に必要ないとされた核分裂性物質の廃棄や平和的目的への転換など |
(2) |
0(なし、情報なし);1(一部について実施);2(広範に実施) |
(非核兵器国については評価せず) |
||
12. 軍縮・不拡散教育、市民社会との 連携 |
4 |
|
軍縮・不拡散教育、市民社会との連携 |
(4) |
加点方式 NPT運用検討プロセスなどでの言及、共同声明への参加(1);軍縮・不拡散教育の実施(1~2);市民社会との連携(1~2)(最高4点) |
13. 広島・長崎の平和記念式典への出席状況 |
1 |
|
広島・長崎の平和記念式典への出席状況 |
(1) |
0(不参加);0.5(調査対象年は不参加ながら、過去3年間に1回以上の参加);1(いずれかに参加) |
【核不拡散】
評価項目 |
評点 |
評価基準 |
1. 核不拡散義務の遵守 |
20 |
|
A) NPTへの加入 |
(10) |
0(未署名);3(未批准);10(発効);加入後、脱退を表明した国は0 |
B) NPT第1条及び第2条、並びに関連安保理決議の遵守 |
(7) |
0(NPT第1条または第2条違反);3~4(NPT違反には至らないものの拡散懸念を高める行動、または関連核問題について採択された国連安保理決議への違反);5(不遵守問題の解決に向けた具体的措置の実施);7(遵守) |
NPT非締約国に関しては、当該核問題に関する国連安保理決議を遵守していない場合は2点、それ以外の場合は3点(3点満点) |
||
C) 非核兵器地帯 |
(3) |
非核兵器地帯条約への署名には1点、批准には3点 |
2. IAEA保障措置 (NPT締約国である非核兵器国) |
18 |
|
A) 包括的保障措置協定の署名・批准 |
(4) |
0(未署名);1(未批准);4(発効) |
B) 追加議定書の署名・批准 |
(5) |
0(未署名);1(未批准);3(暫定適用);5(発効) |
C) 統合保障措置への移行 |
(4) |
0(なし);2(拡大結論);4(移行) |
D) IAEA保障措置協定の遵守 |
(5) |
0(違反及び未解決);2(不遵守問題の解決に向けた具体的取組);5(遵守) |
3. IAEA保障措置 (核兵器国及びNPT非締約国) |
7 |
|
A) 平和的目的の施設に対するIAEA保障措置の適用 |
(3) |
0(なし);2(INFCIRC/66を適用);3(自発的提供協定〔VOA〕を実施) |
B) 追加議定書の署名・批准・実施 |
(4) |
0(未署名);1(未批准);3(発効);発効し、原子力活動に広く適用されている場合には1点加点 |
4. IAEAとの協力 |
4 |
|
IAEAとの協力 |
(4) |
加点方式 検証技術の開発への貢献(1);追加議定書普遍化の取組(1~2);その他(1) |
5. 核関連輸出管理の実施 |
15 |
|
A) 国内実施システムの確立及び実施 |
(5) |
0(国内実施法・体制なし);1(不十分ながらも国内実施法・体制を整備);2(一定の国内実施法・体制を整備);3(キャッチオールの導入などを含む国内実施法・体制を整備);一定期間にわたって適切な輸出管理を実施している場合には1~2点加点;適切な実施がなされていない場合には1~2点減点 |
B) 追加議定書締結の供給条件化 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(一部について実施、あるいは実施すべきと主張);2(実施) |
C) 北朝鮮及びイラン問題に関する安保理決議の履行 |
(3) |
0(なし、情報なし);2(実施);3(積極的な実施);多くの違反の指摘がある場合には減点(1~3) |
D) PSIへの参加 |
(2) |
0(未参加);1(参加);2(積極的な参加) |
E) NPT非締約国との原子力協力 |
(3) |
0(積極的な実施・検討);1~2(協力対象国による追加的な核軍縮・不拡散措置の条件化を通じた実施、または実施の検討);3(慎重または反対) |
6. 原子力平和利用の透明性 |
4 |
|
A) 平和的目的の原子力活動の報告 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(不十分ながらも報告);2(報告) |
B) プルトニウム管理に関する報告 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(報告);2(ウランについても報告);報告の義務はないが、プルトニウム保有量について高い透明性が確保されている国は1点加点 |
【核セキュリティ】
評価項目 |
評点 |
評価基準 |
1. 兵器利用可能な核分裂性物質の 保有量 |
-16 |
|
兵器利用可能な核分裂性物質の保有量 |
(-16) |
・保有の場合-3 -2(1t以上);-1(1t未満で保有) |
2. 核セキュリティ・原子力安全に係る諸条約などへの加入、参加、国内体制への反映 |
21 |
|
A) 核物質防護条約及び改正条約 |
(3) |
0(条約未署名);1(条約未批准);2(条約発効、改正条約未批准);3(改正条約発効) |
B) 核テロ防止条約 |
(2) |
0(未署名);1(未批准);2(発効) |
C) 原子力安全条約 |
(2) |
0(未署名);1(未批准);2(発効) |
D) 原子力事故早期通報条約 |
(2) |
0(未署名);1(未批准);2(発効) |
E) 使用済み燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約 |
(2) |
0(未署名);1(未批准);2(発効) |
F) 原子力事故援助条約 |
(2) |
0(未署名);1(未批准);2(発効) |
G) IAEA核物質防護勧告 (INFCIRC/225/Rev.5) |
(4) |
0(なし、情報なし);2(国内実施措置への反映); 4(国内実施措置に反映し、着実に実施) |
H) 国内実施のための法・制度の確立 |
(4) |
0(国内実施法・体制なし);1~2 (不十分ながらも国内実施法・体制を整備);4(一定の国内実施法・体制を整備) |
3. 核セキュリティの最高水準の維持・向上に向けた取組 |
20 |
|
A) 民生利用におけるHEU及びプルトニウム在庫量の最小限化 |
(4) |
0(なし、情報なし);1(限定的な実施);3(積極的な実施);さらなる強化のコミットメントには1点加点 |
B) 不法移転の防止 |
(5) |
0(なし、情報なし);2(限定的な実施);4(積極的な実施);さらなる強化のコミットメントには1点加点 |
C) 国際評価ミッションの受け入れ |
(2) |
0(なし、情報なし);1(実施);2(積極的な実施) |
D) 技術開発―核鑑識 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(実施);2(積極的な実施) |
E) キャパシティ・ビルディング及び支援活動 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(実施);2(積極的な実施) |
F) IAEA核セキュリティ計画及び核セキュリティ基金 |
(2) |
0(なし、情報なし);1(実施);2(積極的な実施) |
G) 国際的な取組(CTR、G8グローバル・パートナーシップ、GICNT、ISTC、核セキュリティサミットなど)への参加 |
(3) |
0(参加せず);1(少数の枠組みに参加);2(多くの枠組みに参加);積極的に貢献している場合には1点加点 |
評価については、項目ごとに可能な限り客観性に留意した評価基準を設定し、これに基づいて各国の取組や動向を採点した。本事業の研究委員会は、各国のパフォーマンスを採点する難しさ、限界及びリスクを認識しつつ、優先課題や緊急性についての議論を促すべく核問題への関心を高めるために、そうしたアプローチが有益であると考えた。
各具体的措置には、それぞれの分野(核軍縮、核不拡散、核セキュリティ)内での重要性を反映して、異なる配点がなされた。この「重要性」の程度は、本事業の研究委員会による検討を通じて決定された。他方、それぞれの分野に与えられた「最高評点」の程度は、他の分野との相対的な重要性の軽重を意味するものではない。つまり、核軍縮(最高評点101点)は、核不拡散(最高評点61点)あるいは核セキュリティ(最高評点41点)の2倍程度重要だと研究委員会が考えているわけではない。
「核兵器の保有数」(核軍縮)及び「兵器利用可能な核分裂性物質の保有量」(核セキュリティ)については、より多くの核兵器、または兵器利用可能な核分裂性物質を保有する国は、その削減あるいはセキュリティ確保により大きな責任があるとの考えにより、多く保有するほどマイナスの評価とした。研究委員会は、「数」あるいは「量」が唯一の決定的な要因ではなく、核軍縮、核不拡散及び核セキュリティにはミサイル防衛、生物・化学兵器、あるいは通常兵器の不均衡などといった他の要因も影響を与えることを十分に認識している。しかしながら、そうした要因は、客観的(無論、相対的なものではあるが)な評価基準の設定が難しいこともあり、これらを評価項目には加えなかった。また、『ひろしまレポート2013年版』に対して寄せられた意見を受け、『ひろしまレポート2014年版』からは、国家安全保障への核兵器への依存、及び核実験の実施に関しては、その程度によってマイナスの評価を行うこととし、『ひろしまレポート2019年版』においても同様の評価手法を採っている。
核兵器国については、次のとおり、核軍縮の分野における6つのポイントを掲げ、各ポイントに対応する項目の評価を整理し、レーダーチャート(クモの巣グラフ)の形で示すことにより、より多角的な分析を行った。
【6つのポイントと評価項目の関係】
6つのポイント |
評価項目 |
核兵器保有数 |
核兵器の保有数 |
核兵器削減状況 |
核兵器の削減状況 |
「核兵器のない世界」に向けた取組 (コミットメント) |
核兵器禁止条約(TPNW) 核兵器のない世界に向けた取組 軍縮・不拡散教育・市民社会との連携 広島・長崎の平和記念式典への参列 |
運用政策 |
核兵器の役割低減、警戒態勢の緩和 |
関連多国間条約の署名・批准状況、 交渉への対応等 |
包括的核実験禁止条約(CTBT) 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT) |
透明性 |
透明性、検証措置、不可逆性 |
第1章 各分野別の取組状況
(1)核軍縮
核兵器国による核軍縮の取組状況の6つのポイントによる分析
核軍縮を促進するためには、核兵器国による核兵器の削減や運用政策の変更、核軍縮につながる多国間枠組みへの積極的な関与、「核兵器なき世界」へ向けた取組(コミットメント)の強化、核戦力等に関する透明性向上の推進が不可欠である。これらのポイントについて各核兵器国の取組状況をレーダーチャートで示すと下記のようになる。中国については、削減への取組及び透明性、フランスについては透明性、ロシア及び米国については核戦力のさらなる削減について改善の余地があると言えよう。英国は、全体的にバランスのとれた形で核軍縮に取り組んでいることがうかがえる。
[中国]
[フランス]
[ロシア]
[英国]
[米国]
(2)核不拡散
(3)核セキュリティ
第2章 国別評価
(1)核兵器国
1.中国 ■核兵器国
核軍縮 |
評点 8 |
最高評点 101 |
評点率 7.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
|||
5核兵器国の中で唯一、核兵器の削減に取り組んでおらず、保有する核弾頭数は約280発と漸増を続けていると見積もられている。大陸間弾道ミサイル(ICBM)及び潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を中心に核戦力の近代化も積極的に推進している。核兵器禁止条約(TPNW)に反対し、署名していない。兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムも宣言していない。包括的核実験禁止条約(CTBT)を依然として批准していないが、国際監視制度(IMS)ステーションの設置は漸進している。核爆発シミュレーションの実施、爆発を伴わない実験のための施設の建設が報じられた。核兵器の先行不使用、並びに非核兵器国への無条件の消極的安全保証を宣言し、意図の透明性を強調する一方、核戦力など能力面に関する情報は一切公表していない。 |
|||
核不拡散 |
評点 30 |
最高評点 47 |
評点率 63.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
|||
国際原子力機関(IAEA)追加議定書を締結しているが、補完的なアクセスに関する規定はない。中国は、輸出管理にかかる国内実施体制の強化、あるいは安保理決議で定められた対北朝鮮制裁の履行に従事してきたと述べているが、その取組が依然として十分ではないとの事例も報告されている。パキスタンへの原子炉輸出が原子力供給国グループ(NSG)ガイドラインに反しているとの指摘が続いている。 |
|||
核セキュリティ |
評点 27 |
最高評点 41 |
評点率 65.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
|||
関連条約をすべて批准しており、またこれまでにINFCIRC/225/Rev.5に基づく法令整備なども進めてきた。高濃縮ウラン(HEU)利用の最小限化のための国際協力や、国内の中心的拠点(COE)での活動を通じたキャパシティ・ビルディングにも力を入れており、核セキュリティ強化に対する能動的姿勢を示している。 |
2.フランス ■核兵器国
核軍縮 |
評点 20 |
最高評点 101 |
評点率 19.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -3 |
|||
自国の核弾頭数の上限を300発とし、核戦力の削減、並びに軍事目的に必要ないと判断した核分裂性物質の民生用への転換や保障措置の適用も進めている。核軍縮関連の国連総会決議には軒並み反対し、とりわけ核兵器の非人道性や法的禁止に関する問題では厳しい態度が目立った。TPNWに反対し、署名していない。核ドクトリンに大きな変更はなく、核兵器の役割の低減は必ずしも進んでいない。 |
|||
核不拡散 |
評点 38 |
最高評点 47 |
評点率 80.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
|||
補完的なアクセスに関する規定を含むIAEA追加議定書を締結している。民生用核物質が存在するすべての施設(濃縮・再処理施設などを含む)が欧州原子力共同体(EURATOM)により査察されてきた。IAEA保障措置制度への貢献や輸出管理制度の整備状況など、核不拡散に積極的に取り組んでいる。 |
|||
核セキュリティ |
評点 26 |
最高評点 41 |
評点率 63.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
|||
関連条約をすべて批准しており、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入し、また核鑑識をはじめとした国際的な取組に関与するなど、これまで核セキュリティ強化に対する能動的姿勢を示している。2018年は国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)フォローアップミッションも受け入れた。 |
3.ロシア ■核兵器国
核軍縮 |
評点 5.7 |
最高評点 101 |
評点率 5.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2.1 |
|||
核兵器は数的には削減傾向にあり、新戦略兵器削減条約(新START)の履行も継続し、その5年間の期限延長を提案した。他方、依然として6,850発の核弾頭を保有すると見られ、老朽化した戦略核戦力を更新すべくICBM及びSLBMの活発な実験・配備を実施してきた。極超音速ブーストグライド兵器、長距離核魚雷及び原子力推進巡航ミサイルの開発も注視されている。さらに、中距離核戦力全廃条約(INF条約)に違反した巡航ミサイルの開発・配備が疑われている。核軍縮関連の国連総会決議には軒並み反対し、とりわけ核兵器の非人道性や法的禁止に関する問題では厳しい態度が目立った。TPNWに反対し、署名していない。 |
|||
核不拡散 |
評点 35 |
最高評点 47 |
評点率 74.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
|||
IAEA追加議定書を締結しているが、補完的なアクセスに関する規定はない。また、追加議定書の適用は自発的になされるべきだとし、その検証標準化には消極的である。アラブ諸国が提案した中東非大量破壊兵器(WMD)地帯に関する国際会議の国連による開催を支持した。 |
|||
核セキュリティ |
評点 19 |
最高評点 41 |
評点率 46.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了しており、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。2018年は核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアティブ(GICNT)実施評価(IAG)会合共同議長を米国とともに務めるなど、核セキュリティ強化のための国際的な取組でも貢献した。 |
4.英国 ■核兵器国
核軍縮 |
評点 25 |
最高評点 101 |
評点率 24.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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核兵器を漸進的に削減しており、2020年代半ばまでに、運用可能な核弾頭数を120発以下に、また全ストックパイルを180発以下に削減する予定である。ヴァンガード級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)4隻の建造が開始された。TPNWに反対し、署名していない。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。また、核軍縮検証に関する共同技術開発を米国・ノルウェーとそれぞれ実施してきた。 |
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核不拡散 |
評点 39 |
最高評点 47 |
評点率 83.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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補完的なアクセスに関する規定を含むIAEA追加議定書を締結している。また、国内のすべての民生用核物質を保障措置下に置いている。EURATOM脱退後の保障措置に関して、IAEAと新たに保障措置協定及び追加議定書に署名した。輸出管理の実施をはじめ、引き続き積極的に核不拡散に取り組んでいる。 |
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核セキュリティ |
評点 25 |
最高評点 41 |
評点率 61.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC225/Rev.5の勧告措置を導入している。2018年、英国はGICNTの枠組みで核鑑識研修を開催し、またIAEAの核セキュリティ基金(NSF)への拠出を表明するなど、核セキュリティ強化のための多国間協力に力を入れている。 |
5.米国 ■核兵器国
核軍縮 |
評点 16 |
最高評点 101 |
評点率 15.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -0.7 |
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ロシアに次ぐ規模の6,450発の核弾頭を保有し、継続的に廃棄している。他方、2018年10月に、INF条約からの脱退を表明した。新START下での義務は履行しているが、その期限延長問題には態度を明確にしていない。TPNWに反対し、署名していない。核軍縮の前進には国際安全保障環境の改善が必要だとする「核軍縮条件創出(CCND)アプローチ」を提示した。2月に核態勢見直し(NPR)を公表し、前政権の核態勢を基本的に踏襲しつつ、戦略的非核攻撃への核兵器使用の可能性を留保し、また低威力核弾頭搭載SLBM及び核SLCMの開発・導入を明らかにするなど、核抑止力の重視が示唆された。CTBTを批准せず、核爆発実験実施の準備期間の短縮も打ち出した。2017年末には未臨界実験を実施した。核兵器に関する透明性は核兵器国の中で最も高く、2014年に設立した「核軍縮検証のための国際パートナーシップ(IPNDV)」を主導してきた。 |
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核不拡散 |
評点 40 |
最高評点 47 |
評点率 85.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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IAEA保障措置への貢献度や輸出管理体制の信頼性の高さなど、核不拡散に引き続き積極的で、国際社会における取組をリードしている。補完的なアクセスに関する規定を含むIAEA追加議定書を締結している。6月には、北朝鮮核問題に関して、初の米朝首脳会談を開催した。他方、5月にはイラン核問題に関する包括的共同作業計画(JCPOA)からの離脱を発表し、対イラン制裁を再開した。 |
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核セキュリティ |
評点 25 |
最高評点 41 |
評点率 61.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。米国は地球的規模脅威削減イニシアティブ(GTRI)を通じて、多年にわたりHEU利用の最小限化のための協力などの国際的取組を推進してきた。2018年はGICNT・IAG会合共同議長をロシアとともに務めたほか、医療用放射線源のリサイクルなどIAEAを直接支援する取組でも核セキュリティ強化に貢献している。 |
(2)核兵器不拡散条約(NPT)非締約国
6.インド ■NPT非締約国
核軍縮 |
評点 2 |
最高評点 98 |
評点率 2.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
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核兵器保有数は130~140発程度へと漸増していると見られる。ICBM及びSLBMをはじめとする核運搬手段の開発や兵器用核分裂性物質の生産を積極的に継続している。11月には原子力潜水艦が最初の「抑止パトロール」を完了した。核軍縮関連の国連総会決議には比較的前向きな投票行動を示した。TPNWには署名していない。核実験モラトリアムを宣言しているが、CTBTには依然として署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 15 |
最高評点 43 |
評点率 34.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結しているが、補完的なアクセスに関する規定はない。NSGでインドのメンバー国化が議論されてきたが、2018年も結論には至らなかった。 |
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核セキュリティ |
評点 23 |
最高評点 41 |
評点率 56.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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放射性廃棄物等安全条約以外、すべての関連条約を批准しているほか、国内COEでの活動を通じてキャパシティ・ビルディングにも貢献している。 |
7.イスラエル ■NPT非締約国
核軍縮 |
評点 -2 |
最高評点 98 |
評点率 -2.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
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80発程度の核兵器を保有していると見られるが、自国の核保有について一貫して「曖昧政策」(核保有を肯定も否定もしない政策)を採っており、核兵器に関する能力や政策には不明な点が少なくない。CTBTを批准せず、兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムも宣言していない。核軍縮関連の国連総会決議には軒並み反対した。TPNWにも署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 13 |
最高評点 43 |
評点率 30.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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中東非WMD地帯の提案に関して、地域の安全保障環境の改善が不可欠だとの主張を続けている。40年近くにわたり反対してこなかった国連総会決議「中東地域における非核兵器地帯の設置」に(米国とともに)反対票を投じた。輸出管理体制は整備されている。IAEA追加議定書は締結していない。 |
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核セキュリティ |
評点 22 |
最高評点 41 |
評点率 53.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置導入が進んでおり、またGICNTを通じた核セキュリティ関連の国際的な取組に参加している。 |
8.パキスタン ■NPT非締約国
核軍縮 |
評点 0 |
最高評点 98 |
評点率 0.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
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核兵器保有数は140~150発程度に漸増していると見られる。短・中距離弾道ミサイル開発を進め、低威力・小型核兵器の保有も明らかにしており、核兵器の早期使用の可能性が懸念されている。TPNWには署名していない。核実験モラトリアムを宣言しているが、CTBTには依然として署名していない。ジュネーブ軍縮会議(CD)では、兵器用核分裂性物質の生産禁止に焦点を当てた条約の交渉開始に引き続き強く反対した。兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムも宣言していない。 |
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核不拡散 |
評点 10 |
最高評点 43 |
評点率 23.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結していない。輸出管理制度の強化を図ってきたとされるが、厳格かつ成功裏に実施しているかは明確ではない。 |
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核セキュリティ |
評点 19 |
最高評点 41 |
評点率 46.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置導入を進める一方、IAEAとの連携のもと、国内COEを通じてキャパシティ・ビルディングに貢献している。 |
(3)非核兵器国
9.豪州 ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 17.5 |
最高評点 42 |
評点率 41.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。TPNWには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 56 |
最高評点 61 |
評点率 91.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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南太平洋非核地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。豪印原子力協力協定を締結している。 |
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核セキュリティ |
評点 32 |
最高評点 41 |
評点率 78.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、多国間協力の文脈でも能動的な姿勢で核セキュリティ強化に取り組んでいる。 |
10.オーストリア ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 33 |
最高評点 42 |
評点率 78.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +3 |
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核兵器の非人道性に係る問題に続き、TPNWの成立に向けて主導的な役割を担い、すでに批准している。核軍縮に係る市民社会との連携にも積極的に取り組んでいる。 |
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核不拡散 |
評点 52 |
最高評点 61 |
評点率 85.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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核不拡散関連条約・措置などへの参加、義務の履行を着実に行っている。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了しており、HEUの最小限化や不法移転の防止などにも関与している。 |
11.ベルギー ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 13.5 |
最高評点 42 |
評点率 32.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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北大西洋条約機構(NATO)の核シェアリング政策の一環で、米国の非戦略核兵器が配備されている。TPNWには署名していない。米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。 |
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核不拡散 |
評点 54 |
最高評点 61 |
評点率 88.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了しているほか、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置として、特に妨害破壊行為に対する物理的防護措置の導入を進めている。2019年にIPPASミッションの受け入れを予定している。 |
12.ブラジル ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 26.5 |
最高評点 42 |
評点率 63.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -0.5 |
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TPNWの成立に向けて積極的なイニシアティブをとり、条約にも署名した。核軍縮関連の国連総会決議にも軒並み賛成票を投じた。 |
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核不拡散 |
評点 43 |
最高評点 61 |
評点率 70.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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ラテンアメリカ非核兵器地帯条約締約国でもある。核不拡散義務を遵守しているが、IAEA保障措置協定追加議定書を受諾していない。また、追加議定書の適用は自発的になされるべきだとし、検証標準化にも消極的である。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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改正核物質防護条約以外、すべての関連条約を批准しているほか、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置として妨害破壊行為に対する物理的防護措置の導入などが進められている。 |
13.カナダ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 19 |
最高評点 42 |
評点率 45.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。TPNWには署名していない。CTBT検証システム発展や発効促進、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の策定に向けた取り組み、核軍縮に関する市民社会との連携に積極的である。 |
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核不拡散 |
評点 52 |
最高評点 61 |
評点率 85.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。インドとの原子力協力として、同国にウランを輸出している。 |
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核セキュリティ |
評点 33 |
最高評点 41 |
評点率 80.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、IAEAによる医療目的での放射線源の撤去支援への出資や、密封線源の持続可能な管理のための支援など、多国間協力の文脈でも能動的な姿勢で核セキュリティ強化に取り組んでいる。 |
14.チリ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 22 |
最高評点 42 |
評点率 52.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -4.5 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。TPNWにも署名している。 |
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核不拡散 |
評点 52 |
最高評点 61 |
評点率 85.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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ラテンアメリカ非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。核関連輸出管理体制の強化は、核不拡散分野における課題となっている。 |
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核セキュリティ |
評点 30 |
最高評点 41 |
評点率 73.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置も導入しているほか、近年は不法移転防止やHEU利用の最小限化などに取り組んでいる。 |
15.エジプト ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 16 |
最高評点 42 |
評点率 38.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -2 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。他方で、TPNWには署名していない。核軍縮の推進に積極的に取り組んでいるとは言えず、CTBTも批准していない。 |
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核不拡散 |
評点 37 |
最高評点 61 |
評点率 60.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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中東非WMD地帯の設置に向けて積極的にイニシアティブを取ってきた。国連総会では決定「中東非WMD地帯に関する会議の開催」を主導した。他方、IAEA保障措置協定追加議定書を締結していない。輸出管理関連の国内法を有し、執行担当部局の設置等に取り組む姿勢を見せているが、同国の輸出管理は依然として不十分であるとみられる。アフリカ非核兵器地帯条約には署名しているものの批准していない。 |
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核セキュリティ |
評点 14 |
最高評点 41 |
評点率 34.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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核物質防護条約や改正核物質防護条約、核テロ防止条約など関連条約の署名に進んだものの、未だ批准には至っていない。近年、不法移転の防止に関する国内法の整備や、COEを活用した核セキュリティ文化の普及などに取り組んでいる。 |
16.ドイツ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 14.5 |
最高評点 42 |
評点率 34.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +0.5 |
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核軍縮への積極的な取組を続ける一方、核兵器の非人道性及び法的側面に関する国連総会決議には反対または棄権した。TPNWにも署名していない。米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。NATOの核シェアリング政策の一環で、米国の非戦略核兵器が配備されている。 |
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核不拡散 |
評点 56 |
最高評点 61 |
評点率 91.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
|||
IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 30 |
最高評点 41 |
評点率 73.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、多国間でのサイバー及びコンピュータセキュリティ強化の取組にも力を入れている。また、IAEAのNSFにも多年にわたり拠出を行っている。 |
17.インドネシア ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 25 |
最高評点 42 |
評点率 59.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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核軍縮に関する諸会合で、核軍縮の推進を積極的に提唱してきた。核軍縮関連の国連総会決議にも軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。TPNWにも署名している。 |
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核不拡散 |
評点 48 |
最高評点 61 |
評点率 78.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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東南アジア非核兵器地帯条約締約国でもある。非同盟運動(NAM)諸国がIAEA追加議定書の受け入れに積極的ではないなかで、インドネシアはこれを締結し、統合保障措置が適用されている。他方、輸出管理については、汎用品に関するリストを整備しておらず、キャッチオール規制も行っていない。 |
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核セキュリティ |
評点 31 |
最高評点 41 |
評点率 75.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置の導入として核セキュリティ関連の国内法整備などに取り組んでいる。国内のHEUを撤去完了したほか、IAEAの協力のもとに不法移転の防止に力を入れており、またCOEを通じたキャパシティ・ビルディングにも積極的に関与している。 |
18.イラン ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 14 |
最高評点 42 |
評点率 33.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。他方で、CTBTを依然として批准していないなど、必ずしも核軍縮の推進に積極的だとは言えない。TPNWにも署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 37 |
最高評点 61 |
評点率 60.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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2015年7月に合意したJCPOAについて、米国による離脱と対イラン制裁再開にもかかわらず、遵守を継続している。IAEA追加議定書の批准は実現していないが、その暫定的な適用が続いており、補完的なアクセスも実施された。一方で、JCPOAを巡っては、米国の動向に対する牽制と受け取れる行動も見られた。 |
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核セキュリティ |
評点 10 |
最高評点 41 |
評点率 24.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置の導入が一部で進められたものの、関連条約の批准やHEU利用の最小限化、不法移転の防止や国際的な取組への参加などで未だに目立った進展が見られない状況にある。 |
19.日本 ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 22.5 |
最高評点 42 |
評点率 53.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。TPNWにも署名していない。安全保障面では核兵器を含む米国の拡大抑止に依存しながらも、非核兵器国として、また、唯一の被爆国として、NPTや国連をはじめとする多国間枠組の中で、CTBTの発効促進、核兵器に係る透明性の向上、軍縮・不拡散教育の実施をはじめ、核軍縮を積極的に推進する立場をとり続けてきた。放射性物質の移動式観測装置の設置のため、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)に自発的拠出を行った。 |
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核不拡散 |
評点 53 |
最高評点 61 |
評点率 86.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。2018年7月に期限を迎えた日米原子力協力協定は自動更新された。プルトニウムの保有量を減少させるとの新たな方針を明らかにした。 |
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核セキュリティ |
評点 29 |
最高評点 41 |
評点率 70.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。2018年に利用目的のないプルトニウムを持たない原則を堅持するとともに、プルトニウム在庫量の削減政策を打ち出した。IPPASフォローアップミッションを受け入れたほか、経験豊富なCOE(JAEA-ISCN)を活用したキャパシティ・ビルディングにも積極的に関与している。 |
20.カザフスタン ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 26 |
最高評点 42 |
評点率 61.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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CTBTに関して、検証システム発展や発効促進への取組をはじめ、積極的に貢献してきた。核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。TPNWにも署名している。 |
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核不拡散 |
評点 49 |
最高評点 61 |
評点率 80.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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中央アジア非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。2017年にIAEA低濃縮ウランバンクの運用が開始された。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、不法移転の防止措置にも取り組んでいる。 |
21.韓国 ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 15 |
最高評点 42 |
評点率 35.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
|||
米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。TPNWには署名していない。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。 |
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核不拡散 |
評点 51 |
最高評点 61 |
評点率 83.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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北朝鮮核問題の解決に向けて、3回の南北首脳会談を開催した。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。NPT脱退問題に関して、積極的な発言を続けてきた。 |
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核セキュリティ |
評点 37 |
最高評点 41 |
評点率 90.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、核鑑識での協力など各種の国際的取組にも関与している。 |
22.メキシコ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 29 |
最高評点 42 |
評点率 69.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1.5 |
|||
核兵器の非人道性に係る問題に続き、TPNWの成立に向けて主導的な役割を担った。すでに条約を批准している。 |
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核不拡散 |
評点 50 |
最高評点 61 |
評点率 82.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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ラテンアメリカ非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA保障措置協定追加議定書を締結しているが、拡大結論は導出されていない。 |
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核セキュリティ |
評点 33 |
最高評点 41 |
評点率 80.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +3 |
|||
新たに放射性廃棄物等安全条約に批准し、関連条約をすべて批准完了した。IAEAの地域トレーニングコースや核鑑識関連のGICNTの野外演習を開催するなど、国際的な取組にも関与している。 |
23.オランダ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 13.5 |
最高評点 42 |
評点率 32.1% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1.5 |
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TPNW交渉会議に核保有国・同盟国のなかで唯一参加した。条約の採択に反対し、署名もしていない。米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。拡大抑止への依存の点では、NATOの核シェアリング政策の一環で米国の非戦略核兵器が配備されている。 |
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核不拡散 |
評点 55 |
最高評点 61 |
評点率 90.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 32 |
最高評点 41 |
評点率 78.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。HEU利用の最小限化に取り組んでいるほか、IAEAの地域ワークショップの開催など国際的な取組にも貢献している。 |
24.ニュージーランド ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 32 |
最高評点 42 |
評点率 76.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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TPNWの策定に積極的に関与し、条約をすでに批准している。国連総会など様々な場で核軍縮の推進を積極的に提唱している。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。 |
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核不拡散 |
評点 57 |
最高評点 61 |
評点率 93.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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南太平洋非核地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置導入を進めているほか、核鑑識に関する国際技術ワーキンググループ(ITWG)による核鑑識関連の会議を共催するなど、国際的な取組にも能動的に関与している。 |
25.ナイジェリア ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 22 |
最高評点 42 |
評点率 52.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1.5 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、TPNWにも署名した。 |
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核不拡散 |
評点 45 |
最高評点 61 |
評点率 73.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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アフリカ非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA保障措置協定追加議定書を締結しているが、拡大結論は導出されていない。輸出管理や核セキュリティに関する国内実施は、他国と比べて十分になされているとは言い難い。 |
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核セキュリティ |
評点 30 |
最高評点 41 |
評点率 73.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +7 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置として国内法制の整備を進めている。2018年に国内のHEU撤去を完了したほか、不法移転の防止にも取り組んでいる。 |
26.ノルウェー ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 14.5 |
最高評点 42 |
評点率 34.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。TPNWには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 54 |
最高評点 61 |
評点率 88.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了している。HEU利用の最小限化のための国際会議をIAEAと共催し不法移転の防止に貢献したほか、ルーマニアとの原子力安全及び核セキュリティの規制インフラ強化のためのパートナーシップを期限延長するなど、国際的な取組を進めている。 |
27.フィリピン ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 25.5 |
最高評点 42 |
評点率 60.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1.5 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、TPNWにも署名した。 |
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核不拡散 |
評点 52 |
最高評点 61 |
評点率 85.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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東南アジア非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。キャッチオール規制の導入を含め、輸出管理制度の整備も進めている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置導入を進めており、2018年にはIAEAの統合核セキュリティ支援計画(INSSP)を受け入れた。 |
28.ポーランド ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 12 |
最高評点 42 |
評点率 28.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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他の多くのNATO加盟国と同様に、核兵器の法的禁止には慎重な姿勢をとる。TPNWにも署名していない。米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。 |
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核不拡散 |
評点 52 |
最高評点 61 |
評点率 85.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 30 |
最高評点 41 |
評点率 73.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入しているほか、不法移転の防止やHEU利用の最小限化に取り組んでいる。 |
29.サウジアラビア ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 12 |
最高評点 42 |
評点率 28.6% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じ、核兵器の非人道性及び法的禁止への賛同を示した。他方、TPNWやCTBTには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 36 |
最高評点 61 |
評点率 59.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結しておらず、輸出管理についても十分な取組はなされていないと見られる。発電用原子炉の導入を計画しており、厳密に民生用だとしているが、中東における核拡散状況によっては自国もこれに続くとの発言も見られる。少量議定書の改定を受諾していない。また、米・サウジ原子力協力協定交渉では、濃縮・再処理活動の放棄に反対している。 |
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核セキュリティ |
評点 21 |
最高評点 41 |
評点率 51.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入として国内法制の整備を進めている。 |
30.南アフリカ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 25 |
最高評点 42 |
評点率 59.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -0.5 |
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核兵器の非人道性に係る問題に続き、TPNWの策定に向けて主導的な役割を担った。条約にも署名している。 |
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核不拡散 |
評点 53 |
最高評点 61 |
評点率 86.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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アフリカ非核兵器地帯条約締約国でもある。IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。他方、追加議定書の適用は自発的になされるべきだと主張しており、追加議定書の検証標準化には消極的である。 |
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核セキュリティ |
評点 25 |
最高評点 41 |
評点率 61.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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改正核物質防護条約を除き、関連条約をすべて批准している。不法移転の防止に取り組んでいるほか、IAEAのINSSPの受け入れに向けて計画が進められている。 |
31.スウェーデン ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 25 |
最高評点 42 |
評点率 59.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1 |
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TPNW交渉会議に参加し、採択に賛成したが、署名はしていない。国連総会など様々な場で、核軍縮の推進を積極的に提唱している。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んでいる。 |
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核不拡散 |
評点 53 |
最高評点 61 |
評点率 86.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、統合保障措置が適用されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 38 |
最高評点 41 |
評点率 92.7% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置の導入として核セキュリティ関連の国内法制整備を進めている。核鑑識関連のセミナーを共催しているほか、キャパシティ・ビルディングをはじめとする国際的な取組にも能動的姿勢で関与している。 |
32.スイス ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 25 |
最高評点 42 |
評点率 59.5% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +0.5 |
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TPNW交渉会議に参加し、採択に賛成したが、政府は軍縮外交及び安全保障の観点から条約に署名しないとの報告書を公表した。国連総会など様々な場で、核軍縮の推進を積極的に提唱している。CTBT検証システム発展や発効促進に積極的に取り組んできた。市民社会との連携にも積極的である。核兵器のための投資を制限する国内法を制定している。 |
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核不拡散 |
評点 50 |
最高評点 61 |
評点率 82.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA保障措置協定追加議定書を締結しており、拡大結論が導出された。輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 32 |
最高評点 41 |
評点率 78.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約を全て批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。通算2度目のIPPASミッションを受け入れたほか、ITWG年次会合の開催など国際的な取組に貢献している。 |
33.シリア ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 9 |
最高評点 42 |
評点率 21.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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核兵器の非人道性及び法的禁止を含め核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じる一方、TPNWには署名していない。CTBTにも署名せず、核軍縮に積極的に取り組んでいるわけではない。 |
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核不拡散 |
評点 21 |
最高評点 61 |
評点率 34.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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秘密裏の原子炉建設疑惑(シリアは否定)について、IAEAからの再三の求めにもかかわらず、シリアは依然として対応していない。IAEA追加議定書を締結しておらず、輸出管理の適切な実施もなされていない。 |
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核セキュリティ |
評点 5 |
最高評点 41 |
評点率 12.2% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +2 |
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2018年に原子力事故早期通報条約と原子力事故援助条約を批准したことで、核セキュリティ関連条約への加入には前進が見られた一方で、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置の導入や国際的な取組への参加などは未だ不十分な状況にある。 |
34.トルコ ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 9 |
最高評点 42 |
評点率 21.4% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +1 |
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米国の他の同盟国とともに、一足飛びの核兵器の法的禁止ではなく、「前進的アプローチ」による核軍縮の推進を提唱している。TPNWには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 50 |
最高評点 61 |
評点率 82.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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IAEA追加議定書を締結し、拡大結論が導出されている。また、輸出管理体制を整備するなど、核不拡散への積極的な取組を行っている。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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放射性廃棄物等安全条約以外、すべての関連条約を批准しており、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置導入も進めている。近年、HEU利用の最小限化や不法移転の防止にも取り組んでいる。 |
35.アラブ首長国連邦(UAE) ■非核兵器国
核軍縮 |
評点 20.5 |
最高評点 42 |
評点率 48.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 -1.5 |
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核兵器の非人道性及び法的禁止を含め核軍縮関連の国連総会決議に軒並み賛成票を投じる一方、TPNWには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 45 |
最高評点 61 |
評点率 73.8% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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中東では数少ないIAEA追加議定書の締約国である。拡大結論は導出されていない。輸出管理に関して、キャッチオール規制を規定しているが、実際にどれだけ実効的に運用されているかは明確ではない。 |
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核セキュリティ |
評点 28 |
最高評点 41 |
評点率 68.3% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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関連条約をすべて批准完了し、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置を導入している。IAEA移転事案データベース(ITDB)への参加をはじめ、不法移転の防止にも取り組んでいる。 |
(4)その他
36.北朝鮮 ■その他
核軍縮 |
評点 -2 |
最高評点 98 |
評点率 -2.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 +6 |
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2018年には一転して平和攻勢に転じた。南北/米朝首脳会談が開催され、「朝鮮半島の非核化」を約束したが、核兵器放棄の戦略的決断を下したかは明らかでない。一年を通じて核・ミサイル実験を実施せず、核実験場の坑道を爆破したが、不可逆的に使用不能となったかは不明である。核・ミサイル活動を完全に停止しているわけではないとも分析されている。TPNWやCTBTには署名していない。 |
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核不拡散 |
評点 0 |
最高評点 61 |
評点率 0.0% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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2003年に脱退を表明したNPTをはじめとして、核不拡散に関する国際的な条約、義務あるいは規範をほとんど受け入れていない。国連安保理決議に反する核・ミサイル開発を継続し、様々な不法取引及び違法調達活動に従事していると分析されている。なかでも2018年には、石油精製品の「瀬取り」を活発に繰り返していることが注目された。 |
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核セキュリティ |
評点 -2 |
最高評点 41 |
評点率 -4.9% |
『ひろしまレポート2018年版』からの評点変化 0 |
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核セキュリティや原子力安全に関連する条約が批准されておらず、HEU最小限化、不法移転の防止、INFCIRC/225/Rev.5の勧告措置の導入などの取組に進展が見られない状況にある。 |
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