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国際平和拠点ひろしま

(3) 調査、分析及び評価の方法

調査対象国の核軍縮、核不拡散及び核セキュリティに関する2020 年の動向について、各国政府の公式見解(NPT 運用検討会議・準備委員会、国連総会、IAEA 総会、ジュネーブ軍縮会議(CD)、核セキュリティサミット、TPNW 交渉会議などでの演説及び作業文書、その他政府発表の文書)をはじめとする公開資料を用いて調査、分析及び評価を行った。
評価については、項目ごとに可能な限り客観性に留意した評価基準を設定し、これに基づいて各国の取組や動向を採点した。本事業の研究委員会は、各国のパフォーマンスを採点する難しさ、限界及びリスクを認識しつつ、優先課題や緊急性についての議論を促すべく核問題への関心を高めるために、そうしたアプローチが有益であると考えた。
各具体的措置には、それぞれの分野(核軍縮、核不拡散、核セキュリティ)内での重要性を反映して、異なる配点がなされた。この「重要性」の程度は、本事業の研究委員会による検討を通じて決定された。他方、それぞれの分野に与えられた「最高評点」の程度は、他の分野との相対的な重要性の軽重を意味するものではない。つまり、核軍縮(最高評点101 点)は、核不拡散(最高評点61 点)あるいは核セキュリティ(最高評点41 点)の2倍程度重要だと研究委員会が考えているわけではない。
「核兵器の保有数」(核軍縮)及び「兵器利用可能な核分裂性物質の保有量」(核セキュリティ)については、より多くの核兵器、または兵器利用可能な核分裂性物質を保有する国は、その削減あるいはセキュリティ確保により大きな責任があるとの考えにより、多く保有するほどマイナスの評価とした。研究委員会は、「数」あるいは「量」が唯一の決定的な要因ではなく、核軍縮、不拡散及び核セキュリティにはミサイル防衛、生物・化学兵器、あるいは通常兵器の不均衡などといった他の要因も影響を与えることを十分に認識している。しかしながら、そうした要因は、客観的(無論、相対的なものではあるが)な評価基準の設定が難しいこともあり、これらを評価項目には加えなかった。また、『ひろしまレポート2013 年版』に対して寄せられた意見を受け、『ひろしまレポート2014 年版』からは、国家安全保障面での核兵器への依存、及び核実験の実施に関しては、その程度によってマイナスの評価を行うこととし、『ひろしまレポート2021 年版』においても同様の評価手法を採っている。なお、『ひろしまレポート2018 年版』より、TPNW の署名開放を受けてこれへの署名・批准状況を新たに評価項目に加えた。また、『ひろしまレポート2019 年版』より、広島だけでなく長崎の平和記念式典への出席状況を評価項目に加えた(当該項目の最高評点は変化なし)。『ひろしまレポート2020 年版』より、核兵器保有数が増加している場合、並びに評価項目ではカバーされないものの核軍縮及び核不拡散に明らかに逆行する行動については、それぞれマイナスの評価を行うこととした。さらに、『ひろしまレポート2021 年版』では、核不拡散及び核セキュリティに関する取組の進展などを考慮して、一部の評価項目に関して評点基準に若干の変更を加えた(第2 部「評点及び評価基準」を参照)。

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