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国際平和拠点ひろしま

海田高等学校SDGs委員会が企画
カプセル玩具でユニセフ募金(ウクライナ支援)




広島県立海田高等学校のSDGs委員会は、社会課題に関心をもち解決策を広く探究していくことを目的に2022年度に設立されたもので、全学年で各クラス2名の計44名のメンバーで構成されています。

いまだ収束の気配が見えない、ロシアとウクライナの戦争。同委員会は、この戦争に反対の声をあげ、ロシアからの軍事侵攻を受けるウクライナを支援しようと立ち上がりました。普段は、不要となった子ども服を世界の難民などに届ける「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参画するなど、同校の生徒会やコリア文化同好会と力を合わせて活動を行っています。


ユニセフ募金を企画・運営した新長 太(しんちょう ふとし)先生と今年のSDGs委員会の2人


2022年にスタートした企画「カプセル玩具でユニセフ募金(ウクライナ支援)」は、委員会の担当教員の新長先生が、ある新聞記事を読んだことがきっかけで始まりました。記事によると、東京にある「一般社団法人 日本ガチャガチャ協会」の会長の小野尾勝彦(おのお かつひこ)さんが、戦争反対をデザインした缶バッジをカプセルトイにして、集まったお金をユニセフに寄付しているというものでした。新長先生は、「海田高校の生徒たちとぜひ同様の取り組みをしたい」と考え、同協会にコンタクトを取ったそうです。

若い世代が関心をもつことを喜んだ日本ガチャガチャ協会は、販売機やカプセル、缶バッジなど、カプセル玩具の道具一式を無償で提供。晴れて海田高校でも、SDGs委員会が中心となり同じ企画をスタートすることができたのです。また、株式会社Funboxの広島出身の林基史(はやし もとし)さんのお力添えも大きかったそうです。カプセル玩具は1回200円で参加でき、収益は全額ユニセフへ募金するというものでした。さらに、カプセルは、プラスチック素材ではなく、土に還る生分解性の素材でできており、ここでもSDGsの理念が反映されていました。

カプセル玩具による募金は、海田高校の文化祭と海田町の街頭とで2回実施。2022年はコロナ禍により文化祭の外部者来校が叶いませんでしたが、「素晴らしい取り組みだから家族分買ってきて」と、生徒にお金を預ける保護者もいたそうです。また、街頭では「後輩たちが頑張っている姿がうれしい」と同校の卒業生やOB・OGが立ち寄ったり、新聞やニュースで取り組みを知った地域の人が「頑張ってね」と募金に訪れたりしたといいます。


販売された缶バッジ。2022年は上の2種を、2023年は戦争反対の立場から、下の2種が販売された


2023年は、9月15日(金)と16日(土)に行われた文化祭及び、10月6日(金)の街頭で実施。SDGs委員会の委員長の北田星音(きただ せな)さんは、「皆さんが応援の声をかけてくださるのがとてもうれしかったです。カプセル玩具という楽しみのある募金方法なので、今後も様々な人に参加していただき、支援の輪を広げていきたいです」と話します。同副委員長の甲田あずみ(こうだ あずみ)さんは、「広島という土地に生まれて平和学習を当たり前のように受けてきましたが、今回このような戦争が起き、驚き、悲しい気持ちになりました。この取り組みが、間接的にでも何らかの支援になることを願っています」と語ってくれました。


2023年の文化祭で販売されたカプセル玩具の様子


発案者である新長先生は、「日本の方はチャリティーや募金活動に対して、比較的ハードルを高く感じてしまいがちですが、海外では一般市民生活に根差したごく普通の活動です。カプセル玩具という新しい方法にヒントを得て、活動に参加できるのではと期待しています。生徒たちには大変意義ある活動だと考えているので、今後も続けていきたいです」と、意欲を見せてくれました。


募金活動の中心として活動したSDGs委員会・委員長の北田さん(左)と副委員長の甲田さん(右)


また、募金活動に際し、印象に残っている出来事として、「カプセル玩具の缶バッジを受け取らずにお金だけ募金してくださる方や、持っている小銭を全部募金していく方など、さまざまな方がいらっしゃいました。皆さん、この活動に賛同してくだっているんだと心強く感じました」と、新長先生。さらに、この活動は、SDGsの目標17番「パートナーシップで目標を達成しよう」にもつながる活動とのこと。

募金活動中に訪れた戦争経験者だと思われる高齢の女性は、「私は今回の戦争のニュースを見て、本当に嫌じゃと感じとった。早く終わればいいのにと願いながら、自分一人では何もできんかったんよ。けど、海田高校の生徒さんたちがこのような募金活動をしてくれて、私にも支援する方法があったと気付かされてね。すごくうれしかったんよ、ありがとうね」と、熱心に話して帰られたのだそうです。

「ロシアとウクライナの戦争が一日でも早く終わりますように。そして、世界各地で起きている紛争や争いごとが、ひとつでもなくなりますように」。そんな思いが込められた同企画は、今後も息の長い支援のひとつとして、継続して行われる予定です。


日本ユニセフ協会 募金額

〇令和5年 合計 81,799円(街頭募金 44,799円、文化祭  37,000円)

〇令和4年 合計 60,776円(街頭募金 31,176円、文化祭  29,600円)

【問い合わせ】

広島県立海田高等学校 担当:新長

082-822-3030

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