今年の夏,三重県との連携事業が次のとおり開催されました。
開催日時:令和3年8月11日(水)13時~
開催場所:三重県総合博物館(MieMu)
1 被爆・戦争関係資料の展示
三重県内戦争遺品の実物展示や広島平和記念資料館から借用した写真パネルや広島に投下された原子爆弾の実物大ポスターの展示を実施されました。
※展示は令和3年8月3日(火)~15日(日)の間実施。
2 三重県内高校生大学生と広島県の高校生による活動発表会
三重県内の高校生・大学生と広島県の高校生が「戦争の記憶を語り継ぐ活動」の取り組みを発表しました。
【第1部】
(1)三重県内戦争体験者による証言
小川きぬさんが戦争当時の体験を伝えてくださいました。
1年生の間は勉強やお茶やお花を学ぶなど女学生らしい生活をしていたのに,先輩たちは学徒動員で工場に行き,自分たちも田植えの手伝いなどをしなければならなくなったこと,空襲が激しくなると40Wの裸電球に黒い布をかけ,警報が鳴れば電気を隠すような生活を送っていたこと,学校にお米の入ったお弁当を持っていける人は限られていたことなど,当時の暮らしについてのお話が心に残りました。
(2)三重県立神戸高等学校放送部による取り組み発表
三重県立神戸高等学校放送部員が,(1)の県内戦争体験者にインタビューを行い,ラジオ番組を制作し,校内放送等で紹介する取り組みについて発表しました。
また,番組を聞いた生徒や先生にアンケート調査を行い,その結果を報告しました。
(3)広島県崇徳高等学校新聞部による取り組み発表
2016年にオバマ大統領が来広した際の取材について特別取材体制を組み,現場取材に赴いたことなどについて発表し,今の高校生に平和について少しでも興味を持ってもらい,若者の平和活動に少しでも貢献できるように高校生新聞の作成に日々頑張っていると締めくくりました。
【第2部】
(1)皇學館大學文学部による取り組み発表
戦時期の紙芝居の実演と解説をとおして,戦時中の漫画,ボードゲームなど当時の子どもたちが手にしていた資料の実物を使用し,人々の暮らしと戦争との関わりを調べる取り組みについて発表しました。
この紙芝居などをとおして,当時の戦争や人々の考えについて推察することができます。
(2)発表者による意見交換
高校生,大学生による意見交換が行われました。
参加者の感想
・自分より若い世代の方々が,多方面から学ばれていて自身も平和について考えるきっかけになった。
・年齢の近い高校生や大学生の考えを聞くことができ,活動内容にも興味が沸いた。
・戦争は自分が生まれる前のことで,どこか遠く感じている部分があったが,小川さんの体験を聞いて,生命の危機を脅かされることなく不自由なく過ごしてきた年月の重みを感じた。一方で,戦争体験の話を聞かせていただいたとしても,はかりしれない(自分ごととして考えきれない)ところもあると思い,活動発表を行った学生らはその部分を埋めようとしているのだと理解し,自分も今後とも学び続けなければならないと思った。
・具体的な体験,地名を耳にして,戦争の事実がとても身近に迫ってきた。語りは辛い作業でもあると思いますが,こうして聴かせていただけるのは有難かった。
・高校の取組のレベルが非常に高く,ただ自分たちで調べる,活動するだけなく社会に還元することができており,大変すばらしかった。
当日の映像はこちらから御覧いただけます。
http://www.pref.mie.lg.jp/SENSOMU/HP/m0004000096.htm