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国際平和拠点ひろしま

第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議 広島県知事・長崎県知事共同メッセージ (2022年8月)

令和4年(2022年)8月に開催中の「第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議」のサイドイベントとして,8月1日(月)に「核軍縮と私たちの持続可能な未来」をテーマとしたシンポジウムを開催し,以下のとおり広島県知事と長崎県知事が共同メッセージを発出しました。

【広島県知事・長崎県知事共同メッセージ】

被爆県である広島県と長崎県の両知事は、

第10回の節目となる2022年のNPT運用検討会議(NPT RevCon 2022)の機会に現地ニューヨークに赴き、その初日に、初めての国際会議での共同で取り組むサイドイベントとして、「核軍縮と私たちの持続可能な未来」をテーマにシンポジウムを開催するにあたり、

広島と長崎の人々が経験した核兵器の軍事利用による言語に絶する悲劇を、将来にわたりこの世界で誰一人として経験することがないことを心から願い、
核兵器の廃絶なしに真に持続可能な地球と人類の未来は実現しえないとの確信の下、

本運用検討会議の成功による核軍縮の前進が、被爆者を含む広島と長崎の県民はもとより平和と繁栄を希求する世界の人々の共通の願いと期待であることを全締約国に直接伝え、各国が誠実で創造的な交渉にコミットすることを求め、

核廃絶を通じた平和こそがNPTと核兵器禁止条約との共通の最終目標であり、両条約を含む核軍縮関連諸条約の相互補完の上に今後の各国政府の努力が進展していくことを期待し、

さらに、ポストSDGsの世界において持続可能な平和と繁栄をすべての人にもたらすために国連で合意されるべきグローバルな共通目標のなかに、ヒロシマ・ナガサキから100年を迎える2045年までのできるだけ早い時期に,核兵器の完全な廃絶を実現することが明記されることを提案する。

核兵器の廃絶は、理想のための理想ではなく、いかに困難であったとしても遅くとも2045年の現実となっていなければならない。なぜなら核兵器に依存する世界から脱却(exit)することは、ネットゼロやプラネタリーヘルスの実現などと同様、地球と人類が持続不能となるカタストロフィを回避するために必要不可欠な変革(トランスフォーメーション)の一つだからである。

私たち両知事は、本日、この国連本部でNPT RevCon 2022を機に共催したシンポジウムにおいて、パネリストと参加者の豊かなビジョンとパッションによって実施された核廃絶からのバックキャストの知的な議論が一つの弾みとなり、今後、世界の英知と良識と政治的意思のネットワークが広がり、核兵器のない新しい世界のノーマル(常識・当たり前)の実現に歩みを進める具体的な連帯と行動がさらに拡大・発展していくことを強く求めたい。

2022年8月1日
広島県知事 湯﨑英彦
長崎県知事 大石賢吾

第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議(ニューヨーク・国連本部)にて

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