11月16日(木)、Young Diplomats Canadaとして活動しているカナダのユースと「より平和な世界には何が必要か?」をテーマにワークショップを行い、対話・交流を行いました。
ワークショップの概要
ピースキャラバン参加者5名とカナダのユース5名が2グループに分かれ、グループワークを通して、より平和な世界を実現するための課題を抽出しました。その後、2つの課題に対して、解決策を議論し、ワークショップの最後には議論の成果を発表しました。
また、最後の成果発表には、在バンクーバー日本総領事館の岡垣さとみ首席領事にもご臨席いただき、「今日の議論は平和な世界の実現に貢献しています。いつの日か、今日の議論が世界の政策の変化につながり、最終的には、より平和な世界の実現につながるでしょう。引き続き、国際情勢や地球規模課題に関心を持ち続けて頑張ってください」とワークショップ参加者に激励の言葉をいただきました。
成果発表の概要
グループA
課題① 気候を要因とする避難民
気候変動等を要因とする災害後の資源への公平なアクセスと分配
- 資源への公平なアクセスと分配は、災害に強く、団結力のあるコミュニティを育むために、復興プロセスにおいて重要な要素である。 災害後のデータ共有、技術・言語の障壁をなくす、意思決定に地域コミュニティが参加できるシステムを構築することにより、協調的で効率的な復興を目指す 。
- 強靭で持続可能な復興を実現するためには、資源への公平なアクセス・分配が重要な要素であるため、戦略的投資を行う必要がある 。
災害後の計画の強化
- 気候変動を要因とした災害のリスクが高まる中、計画を立てて、国境を越えた情報共有を行うため、 相互行動計画を策定、国境を越えた地域パートナーシップや知識やデータを共有 するとともに、防災を含んだ計画を定期的に見直す 。
- さらに、 気候変動等に関する共通の知識を得るための教育、 緊急時の資金調達や保険の検討 、 災害発生時の早急な復興の確保 などを行う。
課題② 政策決定における多様性の確保
政策決定プロセスにおける多様性の制度化と評価
(国際レベル)
- 各国のニーズを考慮した柔軟で、行動可能なグローバル指標を設定する。
- 各国間の情報と経験の共有を促進するとともに、人口動態に基づく地域パートナーシップを構築する。
- 公平性、多様性、包括性(EDI)の枠組みを構築する。
(国家レベル)
- クオータ制の導入
- 政策決定者に公平性、多様性、包括性(EDI)またはジェンダーに基づく分析(GBA)に関する研修や教育を提供する。
- 政策立案において、マイノリティグループと協議する。
- 第三者機関に政策立案における多様性を評価させる。
マイノリティグループのアクセスの確保
- 平等に参加できるよう、クオータ制を導入する。
- 短期的な政策を策定し、状況に応じて、政策を見直す。
グループB
課題① 人種及びジェンダーに基づく暴力
無意識の偏見や否定的な見方を減少させる
- 社会の公平性に焦点を当てたVR文化交流プログラム/カリキュラムを実施する 。
既存の施策や法律におけるギャップや障壁を取り除く
- 人種やジェンダーに関するデータ等をデータベース化し、AIで現状の政策や法律を見直し、既存のギャップや新たな技術に潜在的な偏見がないか確認する。
課題② 土地と資源の管理
土地や資源の利用にあたり、(先住民等との)同意・合意を得る
- 合意と同意に関する法律、政策実施、既存の枠組を増やし、ガバナンスを強化する。
処理能力を高め、システムを変革する
- 法整備や政策提言を行い、役割分担を行うことで、制度改革を加速させる。
ピースキャラバン参加者の声
- 「人種やジェンダーによる差別」と「土地や資源の利用」に着目して議論したことから、構造的暴力の解決に向けた議論を行うことができた。
- カナダの学生の「先住民」との向き合い方がとても印象的であり、「平和」の定義は、日本と異なると感じた。
- 「平和」について語る時、核兵器という言葉が議論の中で一度も登場しなかったことが逆に印象的だった。
- カナダの人々は、先住民問題を最優先事項と捉えているように感じ、それぞれ国ごとに教育における優先事項があるゆえだと感じた。