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国際平和拠点ひろしま

Governor's Comment核戦争の防止と軍拡競争回避に関する5核兵器国の共同声明について(知事コメント)

令和4(2022)年1月3日に国連安保理の常任理事国で、核兵器国であるアメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5か国が核戦争や軍拡競争を防ぐための共同声明を発表したのに伴い、広島県知事がコメントを発出しました。

 

知事コメント

昨年末,第10回NPT運用検討会議の更なる延期が決定され,重要な協議の機会がさらに遠のいたことを残念に思っていました。

こうした中,昨日,アメリカ,ロシア,中国,フランス,イギリスの核兵器国5か国が,核戦争や軍拡競争を防ぐための共同声明を発表しました。

5か国の指導者が,そろって核兵器の問題について声明を発表し,NPT第6条の義務を果たしていくこと,不拡散や軍縮に関する合意などを遵守する必要があるという認識を示したもので,こうした核兵器国の姿勢は前向きな動きとして評価したいと思います。

しかしながら,声明にあるような「核戦争に勝者はなく,決して戦ってはならない」や「核兵器の権限のない使用又は意図せざる使用を防止」を確実に保障する唯一の方法は,核兵器の廃絶しかありません。 

今回の声明は,核兵器不拡散の重要性を強調していますが,今後,核兵器5か国が核軍縮についても同じレベルのコミットメントを示し,軍縮やリスク低減に向けて,具体的に取り組むことを強く要望致します。

 令和4年1月4日

 広島県知事 湯崎 英彦

核戦争の防止と軍拡競争回避に関する5核兵器国首脳の共同声明

(仮訳)

中華人民共和国,フランス共和国,ロシア連邦,グレートブリテン及び北アイルランド連合王国並びにアメリカ合衆国は,核兵器国間の戦争の回避及び戦略的リスクの軽減を我々の最も重要な責務とみなします。

我々は,核戦争に勝者はなく,決して戦ってはならないことを確認します。 また,核兵器の使用は広範に影響を及ぼすため,核兵器が存在し続ける限り,防衛,攻撃の抑止,戦争の予防を目的とするべきであることを確認します。 私たちは,このような兵器のさらなる拡散を防止しなければならないと強く信じています。

我々は,核の脅威に対処することの重要性を再確認し,我々の二国間及び多国間の不拡散,軍縮,軍備管理に関する合意及び公約を維持し遵守することの重要性を強調します。 我々は,「核軍備競争の早期の停止及び核軍縮に関する効果的な措置並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について誠実に交渉を行う」という第6条の義務を含む核不拡散条約(NPT)上の義務に引き続き取り組んでいきます。

我々は,それぞれ,核兵器の権限のない使用又は意図せざる使用を防止するための国内措置を維持し,更に強化する意向であります。 我々は,非標的化に関する我々のこれまでの声明が有効であることを改めて確認し,我々の核兵器はいずれも互いに,又は他のいかなる国も標的としていないことを再確認します。

我々は,全ての者のための安全保障が損なわれない核兵器のない世界という究極の目標に向けて,軍縮の進展により資する安全保障環境を創出するため,全ての国家と協働する希望を強調します。 我々は,軍事的対立を回避し,安定性と予測可能性を強化し,相互理解と信頼を高め,そして誰も得をせず全てを危険にさらす軍拡競争を防止するために,二国間及び多国間の外交的アプローチを引き続き追求する意向であります。 我々は,相互尊重と互いの安全保障上の利益及び懸念の認識の下に建設的な対話を追求することを決意します。

 2022年1月3日

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