平和の本を読む
原爆投下から75年を経た今、さまざまなかたちで「ヒロシマ」が語り継がれています。ここでは「戦前から戦後にかけて、第二次世界大戦を経た広島が分かる一冊」「広島に投下された原子爆弾について分かる一冊」「被爆された方々の証言が記載されている一冊」という3つのテーマで広島平和記念資料館の学芸課情報資料室司書の方に、おすすめの本を伺いました。
『いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録』
1945年(昭和20年)8月6日に、勤労奉仕をしていた旧制広島県立第二中学校(広島二中)一年生321人の生徒。原爆の被害により命を落としてしまった広島二中の生徒たちの遺族から聞き取った悲劇の記録。遺族の多くもまた被爆者であり、子どもを失った大きな悲しみとともに、当時の広島の様子を伝えている。
著者:広島テレビ放送/編
出版:ポプラ社(ポプラポケット文庫)
出版年:2009年
価格:1188円+税
WEB購入 可
電子書籍版 なし
『この世界の片隅に』
第二次世界大戦中の、広島県呉市を舞台にした家族ドラマを描いた漫画。主人公の「すず」は広島から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑いながらも生きていく。その時代の人々の生活や感情がリアルに表現され、庶民の目線から捉える戦争という大きな悲劇をしっかりと描いている。
巻:全3巻(上・中・下)
著者:こうの史代
出版:双葉社
出版年:2008年(上巻初版)
価格:648円+税
WEB購入 可
電子書籍版あり
『絵で読む広島の原爆』
広島で生まれ3歳で被爆をした著者が、生存者の証言をもとに、当時の広島の街の様子、人々の暮らし、広島市内の被爆状況、そして、原爆の開発から投下にいたることになった歴史的背景、核兵器の原理、放射線障害など、風化させてはならないテーマを多角的に描いた作品。また作画の西村繁男が、実際に街を取材し、克明な絵で表現。「広島の原爆」の全体像を描いた科学絵本。
著者:那須正幹/文、西村繁男/絵
出版:福音館書店
出版年:1995年
価格:2600円+税
WEB購入 可
電子書籍版なし
『ヒロシマを世界に 図録・広島平和記念資料館』
原爆被害や被爆前後の広島の歴史などについて、図版と詳しい解説を掲載。広島平和記念資料館に展示されている資料や写真なども収録。2019年の広島平和記念資料館リニューアルにともない、新版を制作中。
著者:広島平和記念資料館
出版:広島平和記念資料館
出版年:2019年(第15刷)
価格:1000円(税込) ※購入は広島平和記念資料館ミュージアムショップにて
英語併記
WEB購入 不可
電子書籍版なし
【広島平和記念資料館 平和データベース】
広島平和記念資料館のホームページには、資料館が管理する原爆、平和関連の資料をデータベース化したページがあります。戦争や原爆のことはもちろん、当時の広島を知ることができる充実した内容になっているので、一度ご覧ください。
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/database/
【広島平和記念資料館】
被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や絵などの資料を展示し、1945年(昭和20年)8月6日に広島で起こった悲劇を世界中の人々に伝えている。東館地下1階の情報資料室(入場無料)にある、戦争や原爆に関するたくさんの資料や本は自由に閲覧することができる。
住所:広島市中区中島町1-2
電話:082-241-4004
時間:8:30~19:00(8月 ※8月5、6日は~20:00)、~18:00(3~7月、9~11月)、~17:00(12~2月)
休館:12月30、31日 ※情報資料室は12月29日~1月1日まで閉室
料金:大人200円、高校生100円、中学生以下無料
平和学習事業の紹介
オンラインで学ぶ平和サイト4選
IT環境があれば、誰でも好きな時間に好きな場所で学ぶことができるオンライン学習。「核兵器廃絶」や「平和構築」の観点からオンラインで学べるサイト4選を紹介しています。
オンラインで学べるサイト4選この記事に関連付けられているタグ