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再生可能エネルギー太陽熱利用の普及促進によるCO2排出量の削減への取り組み |
SDGsのターゲット
7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率 及び 先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
13.1 すべての国々において、気候 関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
SDGsの取組内容
近年、地球温暖化や気候変動といった新たな社会課題に対応していく必要性が出てきました。当社では、1917年の創業時より、石油化学や製鉄、電力プラント等の市場において、モノ作りを通じて豊かな社会を創る貢献をしており、2008年より再生可能エネルギーの1つである太陽熱を利用した様々なソリューションを提案しています。
太陽熱利用システムとは太陽の熱を利用して温水や温風を生み出し、給湯や空調に活用するシステムのことで、太陽光発電の3~4倍もエネルギー変換効率が高くなっています。太陽光発電でできた電力を熱に変換するよりも、太陽光を直接熱エネルギーに変換するほうが効率的です。
これを生かし、当社では給湯ボイラーの補助熱源として太陽熱を利用しています。このシステムは、病院や介護老人施設、公衆浴場や温水プール、厨房など給湯ボイラーのある施設で数多く導入されています。既存ボイラーの燃料である石油やガスなどの化石燃料とあわせて、太陽熱も利用することで、結果的にボイラーの主熱源である化石燃料の使用量を減らし、CO2削減に努めています。
また、数年前からZEB(※)仕様の建設が始まりました。当社では太陽熱による冷暖房・除湿システムを提案してきました。太陽熱は温熱ばかりでなく、吸収式冷凍機と組み合わせると冷熱利用も可能となります。
※Net Zero Energy Building:ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物
さらに、太陽熱で除湿をするデシカント空調機も提案しています。既にオフィスビルや商業施設、庁舎や図書館などで採用されています。他にも鶏舎の床暖房や下水処理場の汚泥乾燥など様々な市場に導入されています。
当社では、一般消費者にも太陽熱の良さを知ってもらおうとソーラークッカー「エコ作」を開発しました。「エコ作」は業務用で使用している太陽熱集熱器と全く同じ構造であり、太陽光を当てると最大300℃近い温度になるため様々な調理が可能です。既に年間2,000個以上の販売となった「エコ作」はアウトドアばかりでなく、環境教育や防災グッズとしても人気があります。今後、「エコ作」は海外でも展開していく予定です。世界中の人々が太陽熱に親しみを感じ、カーボンニュートラルを目指す社会が広がることを期待しています。
SDGsに取り組むためのポイント
SDGsは、わざわざ取り組むのではなく、現在の仕事や生活の中で意識することが大切です。当社では、太陽熱利用システムの事業を通じて、SDGsの7と13の2つの社会課題の解決に向けて活動していることを社員に伝えています。これは、SDGsが今のように周知される前から行っている事業です。このほか、当社の主力製品である石炭火力発電所向け排煙脱硫装置は、酸性雨対策という社会課題の解決に繋がっています。このように自社の生産活動が社会課題の解決にどのようにかかわっているかを説くことが重要であり、社員に伝えることでSDGsという社会課題に自らがどのように関わり、どのようなことが出来るのかを考える機会になると考えています。
株式会社寺田鉄工所
福山市新浜町2丁目4-16
084-953ー0556