被爆建物・樹木を知る(紙屋町・本通エリア)
紙屋町・本通地区は、被爆前も現在と同じように商店や商業施設、銀行などが立ち並び、多くの人が行き交う活気のある町でした。
(広島市公文書館所蔵)
白神社境内「クスノキ」
原爆により地上部が焼失しましたが、焼け残った根元から新芽が生え、成長しました。社殿下の巨石群、鼻の欠けた狛犬なども残りました。
住所:広島市中区中町7-24(白神社境内)
旧日本銀行広島支店(日本銀行広島支店)
(撮影/川本俊雄氏 提供/川本祥雄氏)
昭和11年(1936年)に建設された日本銀行の広島支店で、被爆時、鎧戸(よろいど)が開いていた3階は全焼しましたが、閉じていた1・2階は内部が大破せず、堅牢な建物だったため倒壊をまぬがれました。被災により営業不可能となった市内の金融機関のため、この建物の内部を仕切って各金融機関の窓口を設け、原爆投下からわずか2日後の8月8日には業務を再開しました。現在は広島市指定重要有形文化財として公開するとともに、芸術文化活動の発表の場として活用されています。また、地下1階では近代広島の歩みと海外移民について紹介する、常設展示室を開設しています。
住所:広島市中区袋町5-21
電話:082-504-2500(広島市文化振興課)
開館時間:10:00~17:00 ※催し物により開館時間が延長されることがあります。
料金:無料
休み:12月29日~翌1月3日
≪地下1階展示室≫
開室時間:10:30~16:30
休室日:毎週月曜日(祝休日の場合は、翌平日)
袋町小学校平和資料館(袋町国民学校)
(撮影/米国戦略爆撃調査団 所蔵/米国国立公文書館 提供/広島平和記念資料館)
昭和12年(1937年)の建設当時としては近代的な、地下1階、地上3階建の水洗トイレ・ダストシュート等を備える鉄筋コンクリート造の校舎でしたが、原爆により外形だけを残して焼失しました。焼け残った校舎は、避難場所や救護所として使用され、児童・教職員や地域の人々の安否を尋ねる場となりました。現在は西校舎の一部を保存した「袋町小学校平和資料館」を設置。安否を確認するため書かれた「伝言」が残る内壁の一部などが見学できます。
住所:広島市中区袋町6-36
電話:082-541-5345
開館時間:9:00~17:00
休:12月28日~翌1月4日
※学校等団体で見学する場合は事前にお申込みください。
袋町小学校平和資料館ホームページ
http://www.fukuromachi-e.edu.city.hiroshima.jp/shiryoukan-index.htm
より、見学依頼書をダウンロードし、必要事項をご記入の上、FAXにてお申込みください。
広島アンデルセン(旧帝国銀行広島支店)
(撮影/米国戦略爆撃調査団 所蔵/米国国立公文書館 提供/広島平和記念資料館)
2020年8月1日に再オープンした広島アンデルセン
大正14年(1925年)に三井銀行広島支店として建設された建物で、原爆投下時は合併により帝国銀行の広島支店でした。猛烈な爆風と熱線で屋根は抜け、爆心地に近い西側の壁は崩れ落ちて、炎に包まれました。戦後は修復され、ベーカリーとして使用されていましたが、建物の老朽化が進み、建て替えが決定。被爆した外壁を部分保存、2階部分は旧建物のデザインを踏襲し、2020年8月に再オープンしました。
住所:広島市中区本通7-1
電話:082-247-2403(代表)
営業:10:00~19:00
休み:不定休
福屋八丁堀店
1938(昭和13)年の 福屋(新館)
1945(昭和20)年 秋 被爆1か月後の福屋(手前が旧館、奥が新館)
( 撮影/林寿麿氏 提供/広島平和記念資料館)
昭和13年(1938年)に建設された当時、まだ珍しい鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階、地上8階建ての冷暖房設備を備えた近代的な百貨店は、“白亜の殿堂”と称され多くの人のあこがれの場所になりました。原爆の強烈な爆風と熱線により、内部は完全に焼失。骨組みと外郭が残り、臨時避難病院として使われました。増改築を繰り返しながら現在も百貨店として利用され、被爆当時、外壁に使われていました。タイルは1階に展示されています。
住所:広島中区胡町6-26
縮景園内(イチョウ・ムクノキ・クロマツ)
(広島市公文書館所蔵)
イチョウ
ムクノキ
クロマツ
江戸時代から続く庭園。原爆の爆風や熱線によって大きな被害を受けましたが、イチョウ、ムクノキ、クロマツの3本が被爆樹木として登録されています。中でも樹齢200年以上のイチョウの幹は爆心地方向に傾き、爆心地側の幹にはケロイド状の傷が今もなお残っています。
住所:広島市中区上幟町2-11(縮景園内)
電話:082-221-3620
開館時間:9:00~18:00(4月~9月)、9:00~17:00(10月~3月)入園は閉園の30分前まで
料金:大人260円、高校生・大学生150円、小学生・中学生100円
休み:12月29~31日
<ルートマップ>
この記事の参考書籍
『ヒロシマの「もの言わぬ証人」たち 被爆建物・被爆樹木巡りガイドブック』
広島市 (2019年発刊)
価格:1000円
平和学習事業の紹介
被爆樹木を伝える取り組み
株式会社ジェイ・エム・エスが活動を支援している「緑の伝言プロジェクト」。これは広島市にある被爆樹木を守り、後世に残し、その存在を知ってもらうという取り組みです。
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