2019 World Business Conference2019国際平和のための世界経済人会議各セッション内容について(2日目:10月24日)
講演 ジャック・アタリ ポジティブ・プラネット会長
講演内容は2019国際平和のための世界経済人会議開催結果についてをご覧ください。
セッション4 「グローバル・ビジネス戦略を通じた平和の実現」
世界経済のブロック化が懸念される中で,オープンな経済による自由貿易とグローバリゼーションは,地域の安定や世界の平和にどのように貢献しうるのか,ビジネス戦略を通じた国際平和の実現について議論した。
【主な意見】 ・自由貿易によるグローバリゼーションは世界の安定に資するものと考えられてきたが,昨今の国際情勢ではその常識が変わろうとしてきている。
・安全保障を理由に投資をする,しないということが起こっている。企業として,安全保障をよく理解する必要がある。
・科学の進歩は人類共通の財産であり,グローバル化をひっくり返すような動きに対しては,声をあげるべき。 ・政治情勢は別にして,経済界は各国と交流しており,経済界は紛争のブレーキ役になることができる。
・企業・大学・民間の技術者がどう動くかが重要になっており,米国では軍事利用される技術開発に加わらない技術者が増えている 。
スペシャルトーク 太田雄貴 国際フェンシング連盟副会長・(公財)日本フェンシング協会会長
トーク内容は2019国際平和のための世界経済人会議開催結果についてをご覧ください。
総括パネル ジャック・アタリ ポジティブ・プラネット会長,湯﨑英彦 広島県知事
統括パネルの内容は2019国際平和のための世界経済人会議開催結果についてをご覧ください。
〔ポジティブ・エコノミー・フォーラム〕
オープニング ジャック・アタリ ポジティブ・プラネット会長,湯﨑英彦 広島県知事
イントロダクション あらゆる外交が平和に資する可能性がある
基調講演 ノーベル外交:世界平和への超国家的貢献
・ノーベル賞を受けたことで,受賞した人は個人から世界的な名誉を持つ人へと育っていく。そのため,これらの外交には,規範的なパワー,象徴的な力があり,これはノーベル賞の外交術の鍵となる。
・自分たちの意見を主張し,1人のスポークスマンとして発言できるようになり,国際的にも政治的にも介入できるようになっている。
・ノーベル外交は,国境を超えた外交として,平和に貢献するものとして認められている。非国家的な外交ではあるが,政治的なプロセスや優先順位を決めて,世界を評価する力があるものとされている。
ACT1 戦争は根絶可能か?〜紛争の様々な側面に照らして〜
戦争は不可避なのだろうか。あるいは,人間は戦争をなくすことができるだろうか。何が戦争をなくすための最良の方法だろうか,教育か,国際対話か,社会的な平等か。私達はどのようなポジティブ・エコノミーの選択をすれば,将来の紛争を防げるだろうかについて議論した。
○証言1:ヘイトと戦ったヒーローたち
・男性優位の世界の解消に向け,差別と戦うという道を選んだ。10か国に仲間がおり,女性のみならず男性にも影響力を持ち,あらゆる形の差別と戦ってきた。
・平和を構築したいのであれば,女性への差別があってはいけない。差別的な法律があれば,すぐに改正すべきである。
・進歩的な立法的な枠組みを目指すとともに,経済的な問題にも言及している。この問題は社会全体に関わることである。
・女性の権利は平和達成の上で,不可欠であり,戦争がないことだけが平和ではない。平等が必要。
○証言2:国家の和解,紛争後の平和構築および安定
・平和協定が締結され,ラテンアメリカは制度的な平和を構築することは出来た。それにも関わらず,戦争が続いている。
・核兵器に反対する運動について,例えば,メキシコが,1960年代にラテンアメリカの非核化を提案し,どの国も核兵器を持たないことや,安保理の5か国が核兵器をラテンアメリカに対して使用しないこと等を取り決めた。
・周辺諸国であるがゆえに核兵器は廃絶されないとラテンアメリカは主張している。
・ラテンアメリカで起きている戦争は国家間ではなく内戦,政治戦争であり,解決方法は見つかったが,最終的な決着にならなかったことが多い。
・国際機関からの財政支援を得て紛争解決が図られたが,殺人など犯罪に対する平和は確立されていない。
○対 話:21世紀における紛争の引き金
・紛争が世界を席巻しているように見えるが,実際には紛争で死ぬ人の数は減少している。
・資源の中では,水不足が世界的に大きな課題になってきている。
・資源の不足が紛争の引き金とならないようにするためにどのような行動が必要か。
○参 加:戦争への幻想を捨てる
・絵の持つ力は大きい。同時に絵は脅威ともなるため,表現するのが難しくなってきている。
・イスラエルとパレスチナの関係では,実際に,好きではない人のことをユダヤ人と呼んだ事例があった。
ACT2 国際協力
○基調講演:気候変動との戦い:平和のための国際課題
国際協力には,組織的なもの,民間レベルのもの,人道的なもの等様々ある。国際協力は常に平和への手段である。気候変動であれ,核兵器であれ,どんな戦略的な対話も今日,国際協力なしには考えられない。どうすれば国家やリーダーが国際協力を推進することを支援できるだろうか。
・気候変動への具体的対処がないと平和は実現できない。
・世界的に都市開発の課題に直面しており,すべてのステークホルダーで解決しなければならない。R20は,地域・都市がグリーンなインフラプロジェクトをサポートしている団体である。
・女性のためのR20グリーン基金。気候変動と平和の維持に関して女性は特別な役割を担えると信じている。
・女性は変化の鍵を握っていて,法の下で男女が平等になった時,経済は加速する。
・女性と協力することで経済的に持続可能な発展をサポートしている。
・解決策としては,女性の生活の質・教育・権利を向上させること。気候変動の戦いに女性たちを積極的に関与させること。
○証 言:核兵器の次世代への影響
・ICANでは,核兵器の製造に関わっている企業への融資を取りやめるよう,呼びかけを行っている。
・小倉さん(被爆者)がこれまでに最も驚いたのは, 被爆証言の後で,「おめでとう」と言われたことだった。「なぜなら,米国が原爆を落とさなかったら日本は戦争をやめていないし,あなたも生きていなかったから。」と言われて驚いた。
・被爆者への質問では,広島の人はアメリカ人を憎んでいますか,という質問が一番多い。
・被爆証言で伝えようとしているのは,報復ではない。
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