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国際平和拠点ひろしま

Hiroshima Business Forum for Global Peace「2020世界平和経済人会議ひろしま」の開催結果について

ビジネスと平和構築のあり方との関係を多面的に議論するとともに,核兵器のない平和な世界の実現に向けた効果的な発信と国際世論の喚起にむけ,経済界との連携を図るため「2020世界平和経済人会議ひろしま」をオンラインで開催しました。

 

概要

(1)開催日 令和2年8月8日(土)

(2)テーマ COVID-19との闘いを踏まえた「積極的平和」と「SDGs」

(3)主 催 ひろしま平和推進ネットワーク協議会

(構成 広島県,広島県市長会,広島経済同友会,広島大学ほか 計19団体)

(4)後 援 国連広報センター,国連訓練調査研究所,内閣府地方創生推進室

(5)参加者 761名

当日のプログラム・登壇者を見る イベントレポートを見る

主な内容

(1)基調講演:小林 喜光(株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長)「地球と共存する経営」
  • サイエンスと政治の関わり,テクノロジーと経営との関わりが重要になってきている。
  • アフター・コロナをビフォア・コロナに戻してはならない。デジタル化を加速し,社会全体で「デジタル・ルネサンス」を起こす気概が必要。
  • 不条理には連帯や絆が重要だが,現実ではなかなかできず,むしろ逆を行ってしまう。テクノロジーを軸にした条理を超えた「「非」条理」の時代への転換へ,我々がどう本気でコミットしていくかが今後の世界のポイントではないか。
(2)セッション1: 「ウィズ/アフターCOVID-19の『グローバル経済』と『格差』への対応」

ウィズ/アフターCOVID-19における「グローバル経済」のあり方が変容する中で,新しい企業経営のあり方や,男女格差等の平和を脅かす「格差」を縮小するための企業行動はどうあるべきか,また「積極的平和」と「SDGs」を目指した,世界の安定を作り出すための「新たなグローバル経済」の姿と,ESG投資の促進等経済人がとるべき行動等について議論を行った。

(3)セッション2:「都市化,工業化と気候変動等による平和のリスク

(ウィズ/アフターCOVID-19を踏まえて)」

【ビデオメッセージ(小泉環境大臣)】

  • 環境を置き去りにした経済と社会を作ることは,人々が安定的かつ幸せに暮らしている状態を,持続可能に作っていくことにはならない。
  • コロナや,気候危機など,どんな環境であっても,もっとも大切にしなければならない平和のことを,平和なうちから考え続け,そして今,コロナと気候変動というこの2つの危機に直面している中,今回のシンポジウムで,今までと違う新しい価値,新しいアイディア,そして今日から始めることができる一人一人の新しい行動に何か繋がっていくと嬉しい。

【ディスカッション】

COVID-19を契機に,日本では都市での生活を見直し,地方に移り住む「逆都市化」の議論も活性化する中,都市化や工業化,気候変動が平和に及ぼすリスクを低減させながら,私たちが「豊かに」暮らすための生活様式の変容とはどのようなものかについて議論を行った。

(4)セッション3:「グローバル社会における自治体の役割~「教育」や「自治体外交」を通じた平和構築(ウィズ/アフターCOVID-19を踏まえて)」

ウィズ/アフターCOVID-19時代において,分散と集約のバランスの再設定についての議論が進む中での,自治体の「教育」分野における役割や,自治体同士,もしくは自治体と国家の交流による「平和構築」における寄与が求められることから,自治体は平和の構築にどのような役割を果たせるのか,教育や自治体外交の面から,議論を行った。

(5)スペシャルセッション:「ウィズ/アフターCOVID-19の「人間の安全保障」と「平和×ビジネス×SDGs」」

パンデミックや食糧不足,気候変動などの個人を襲う危機に,ビジネスは直接的に何をし得るかや,個々人の安全や安寧を,人間一人ひとりの視点から確保しようとする「人間の安全保障」の考えを起点に私たちは経済/ビジネスを通してどのような未来を選択すべきなのかについて,広い視野で議論を行った。

(6)総括パネル「2020広島宣言」発表

会議登壇者・参加者から,「経済と平和」の連携の重要性を再認識し,広島だからこそ,日本にとどまらず,世界に何ができるかという視点で,被爆・終戦100年を視野に入れ,民主的で自由なビジネスの前提条件となる「積極的平和」の実現のため,新たな行動を始めることを宣言する「2020広島宣言」を発表した。

【御立 ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー】

  • 1945年8月6日に起こったことを逆転させるためには今何ができるのかを広島で考えるタイミングで,さらに,新型コロナウイルスで,人間と自然の関係,企業と働き方の関係,経済と社会の関係等,全部を一度前提を取り払って考えなければいけないという機運が高まっているときに,この会議を広島で開催するお手伝いをさせていただいたことは,喜びであり,今回の宣言を皆様と一緒に,どうやって具体化してくか考えていきたい。

【湯崎知事】

  • コロナウイルスの危機に直面し,当たり前だと思っていた平穏な日常があたりまえでない,これがまさに平和が脅かされている状況。これが地球温暖化や,戦争,紛争,核兵器につながっていくものだと思う。
  • 様々な主体が,主体的に関わって平和を作っていくことが必要。特に経済人や企業が平和を能動的に作っていく,そこに貢献していくことがいかに重要かつまびらかになったのではないか。
  • 平和に関わる問題について様々な主体が情報発信をしていく拠点に広島がなるよう努力していきたい。
  • コロナと同じように,核兵器は人類に対する大きな脅威である。これから,経済人の皆さんにも,コロナと同じように平和につながる問題に関わっていただくことを通じて,核兵器の問題にも,間接的,直接的に関わっていただくことをお願いしたい。

※講演・対談については,登壇者側接続不良のため中止となりました。楽しみにしてくださっていた皆様にお詫び申し上げます。

 

「2020広島宣言」の主な内容

グローバル経済と格差への対応の視点から(セッション1を踏まえて)

資本主義のメリットを活かしながら,SDGsの目標を企業経営に組み込むことで,資本主義の潜在的弱点を補い,積極的平和に資する活動を行っていく。ダイバーシティが社会・経済のレジリエンスを高めるという認識のもと,インクルーシブな社会・経済を作るように努める。

 

都市化,工業化と気候変動等による平和のリスクの視点から(セッション2を踏まえて)

COVID-19対応の観点から,これまでの工業化・都市化等の「集中化」から,「分散化」の必要性が議論されていることに留意し,「平和」が担保された社会変容の適切な在り方を見据えた企業活動,金融活動等を行うよう努める。

 

グローバル社会における自治体の役割の視点から(セッション3を踏まえて)

経済活動の前提である平和を維持し,SDGsを達成するためには,平和に貢献する視点を持った,グローバルに活躍するビジネスパーソンの育成が不可欠である。具体的には,科学リテラシー,足元のコミュニティへの関与,偏見の除去と社会格差の縮小といった視点を組み込むべきである。こういった人材を育成する公教育及び民間教育を支援していく。

 

人間の安全保障の視点から(スペシャルセッションを踏まえて)

COVID-19は,既に存在している課題やそれに伴う変化の潮流を加速度的に顕在化している。この中で,人類を襲う未知のリスクに対応し,それに起因する平和へのリスクが高まりかねない。我々はこれを認識し,このリスクへの対応を積極的に行っていく。

 

「2020広島宣言」を見る

このページに関するお問い合わせ先

ひろしま平和推進ネットワーク協議会(広島県地域政策局平和推進プロジェクト・チーム内)

住所:〒730-8511 広島県広島市中区基町10-52(広島県庁本館3階)

Tel:082-513-2366

Fax:082-228-1614

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