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国際平和拠点ひろしま

Event Report Denis Mukwege【Event Report】デニ・ムクウェゲ医師講演会 in ヒロシマ

10月6日(日)に開催されたデニ・ムクウェゲ医師講演会 in ヒロシマ「グローバルな平和と正義をめざして」をレポートします。(報告者:広島県平和推進プロジェクト・チーム職員)

1. デニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)医師について

1955年、コンゴ民主共和国東部ブカヴ生まれ。産婦人科医であり、人権活動家でもある。1999年、ブカヴに病院を設立し、これまで5万人以上の性暴力被害者の治療と支援にあたってきた。2018年ノーベル平和賞を受賞。

2. コンゴ民主共和国における紛争について

アフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国。ムクウェゲ医師が活動するコンゴ民主共和国東部は、100を超える武装勢力が闘争を続け、性暴力という兵器によって、数多くの人が犠牲になっている。講演会の中で、ムクウェゲ医師から、この闘争は民族間・宗教間・国家間のものではなく、コンゴ民主共和国東部にある豊富な鉱物資源を巡る紛争であることを教わった。また犠牲者の大半が女性であることは間違いないが、性別・年齢に関係なく犠牲になっていることや、性暴力被害の直接的被害者だけでなく、被害者家族など間接的被害者も数多く生み出していることも教わった。

3. 私たちにできること

ムクウェゲ医師の発言から私たちにできることを考えたい。

  • 知ることから始める。「無関心」は一つの破壊力を持つものである。講演会でムクウェゲ医師が言われた言葉である。例えば、ムクウェゲ医師からコンゴ民主共和国の紛争については、国際連合高等弁務官事務所のマッピングレポートの紹介があった。このレポートにはコンゴ民主共和国の性暴力の実態がレポートされており、このレポートから実態を知ることができるのではないだろうか。(https://www.ohchr.org/Documents/Countries/CD/DRC_MAPPING_REPORT_FINAL_EN.pdf
  • 正当に取引した鉱物を使う。紛争の要因となっている鉱物資源の一つに「タンタル」というものがある。これは、私たちが日常的に使用しているスマートフォンなどの情報通信機器に使われている。スマートフォンを購入する際に、正当な取引をした鉱物かどうか意識したことはあるだろうか。購入する前に、企業のウェブサイトを訪れ、コンフリクトフリーポリシーを確認するのも一つの手段だと考える。

4. 広島から学べること

ムクウェゲ医師は広島を訪れ、記憶を残すことが大切ということを学んだと言われていた。1発の原子爆弾によって破壊され、そこから復興した広島は世界の紛争地域の手本となっている。

核兵器のない平和な世界の実現に向けて、「国際平和拠点ひろしま」ウェブサイトを通じて、核兵器使用の実相、現在の核兵器の現状を知ることから始めてみませんか。

核兵器使用の実相については、被爆者証言検索(会員限定コンテツ)をご活用ください。

現在の核兵器の現状については、核軍縮・核不拡散・核セキュリティの現状を報告しているひろしまレポートをご覧ください。

写真提供:コンゴの性暴力と紛争を考える会/下村靖樹
写真提供:コンゴの性暴力と紛争を考える会/下村靖樹

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