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国際平和拠点ひろしま

Doomsday Clock 20242024年終末時計「残り90秒」

画像提供:原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)

2024年1月23日(火)(米国時間)、2024年の終末時計が発表されました。

人類の終末まで「残り90秒」。

昨年に続き、2年連続で過去最短の「90秒」となりました。

原子力科学者会報のプレスリリースでは、「残り90秒」を今年も維持した理由について、

「昨年は、ウクライナ戦争でロシアが核兵器を使用すると脅したこともあり、世界の破滅にこれまでで最も近づいた「90秒」と設定した。今年も、人類は依然として未曾有の危機に直面している。」と指摘しました。

終末時計は、 米国の原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)が定期的に発表しているもので 、
核戦争などによる人類の終末を深夜0時とし、その終末までの残り時間を「あと何秒(分)」という形で示しています。
創設された1947年は、深夜0時まで「残り7分」を指しており、 冷戦が終結した1991年の時計は「残り17分」まで巻き戻されました。

終末時計について詳細はこちら

 

なぜ「残り90秒」なのか (核兵器問題)

原子力科学者会報は終末時計の発表時に毎年、声明文を発表しています。その中から核に関する記述の一部を紹介します。

  • ウクライナでの戦争と、核兵器への依存が広範囲に高まりつつあることで、核エスカレーション(核戦争に至るまで状況が悪化すること)の危険性が高まっている。中国、ロシア、米国はいずれも、常に存在する人的ミスや誤算による核戦争の危険に加え、核兵器の増強や近代化のために巨費を投じている。
  • 昨年は、世界の大国が核兵器の拡大や近代化に取り組み、核軍備管理体制が崩壊の一途をたどっていった。このような状況の中で、ウクライナでの戦争を平和的かつ持続的に終結させることは困難であり、ロシアが核兵器を使用する可能性についても懸念が残る。
  • 2023年2月、ロシアのプーチン大統領は、ロシアと米国の新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を定めた法律に署名した。ロシアが戦略核戦力の上限を超えたという兆候はないが、データ交換、査察、その他の検証・透明性措置の欠如によって、ロシアの核戦力の現状に対する信頼は長期的に低下していくだろう。
  • 2023年3月、プーチン大統領はベラルーシへの戦術核兵器の配備を発表したが、兵器が移されたかは依然として不明である。ロシアは地域紛争で使用するため、約2,000発の戦術核兵器を保持している。
  • 2023年10月、ロシア下院は包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准撤回を決議した。米国と同様、ロシアも同条約の署名国である。プーチンは、米国が核実験を再開しない限りロシアは核実験を再開しないと述べているが、ロシアと中国の核実験場での活動が活発化しているとの報告もある。
  • 米国と中国は、大規模な核軍拡競争に突入しようとしている。米国では、中国の核兵器増強に対抗するため、今後10年間で米国の核兵器保有数を増やす必要性があるかどうかが議論されている。
  • 米国政府高官は、米国が現在、「イラン核合意(包括的共同作業計画)」の立て直しに向けた協議を優先していないことを認めている。核合意が宙に浮いたままであるため、国際監視団はイランの核開発に関するデータをますます把握できなくなっている。イスラエル/ガザでの戦争が激化し、中東での紛争が拡大する可能性があることを考えると、これは特に憂慮すべき事態である。
  • 北朝鮮の核兵器開発計画は着々と進んでいる。2023年3月、北朝鮮は、短距離ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の写真を多数公開した。2023年4月、固体燃料式の新型ICBM=大陸間弾道ミサイル「火星18型」の発射実験に成功したと主張した。これらのミサイルはより迅速に移動・発射できるため、北朝鮮の残存性(戦争時に、敵に兵器の存在を察知・破壊されず、使用できる状態を保つこと)は高まるだろう。
  • 2023年5月、インドとパキスタンの一連の核実験から25年を迎えたが、両国は兵器と運搬システムを増やし続けている。両国の核戦力、態勢、核分裂性物質の生産に関して、建設的な進展は見られず、この地域における協力と脅威削減の見通しは、依然として暗い。
原子力科学者会報のステートメント全文(英語)はこちら

原子力科学者会報のウェブサイトはこちら

 

原子力科学者会報の終末時計発表イベント全編(英語)はYouTubeからご覧いただけます。

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