【Event Report】Sustainable Development as a Path to Peace
9月23日(水)広島大学FE・SDGsネットワーク拠点(Network for Education and Research on Peace and Sustainability , NERPS )がウェビナー「Sustainable Development as a Path to Peace」を開催しました。ウェビナーについて報告します。(報告者:広島県平和推進プロジェクト・チーム職員)
イベント概要
日時:9月23日(水)午前9時~10時(日本時間)
ゲストスピーカー:Jeffrey D. Sachs教授(米コロンビア大学)
※ウェビナーは全て英語で行われた。
https://nerps.hiroshima-u.ac.jp/efforts-list/efforts-list-518/
イベント
ゲストスピーカーであるJeffrey D. Sachs教授(米コロンビア大学)からは,近年我々は三つの課題に直面していること,そしてその課題に対して対応可能かなどについて話があった。
まず,我々が直面している三つの課題として,1) 環境危機,2)急速なデジタル化,3)多極化が挙げられた。
一つ目はCOVID-19を含めた環境危機である。COVID-19は,第二次世界大戦以来最大の経済ダメージを与える結果となった。過去にも,SARSなどをはじめパンデミックは出現していた。
二つ目は急速なデジタル化である。農業,製造業など様々な経済活動のあらゆる場面でデジタル化が加速していった。COVID-19によりデジタル化はさらに加速し,教育,医療,政府,金融などにもデジタル化は加速している。それにより,奪われた職もあった一方で富が特定の人に集中していった。
三つ目は地政学的変化による多極化である。特に中国の台頭による地政学の変化や外交への影響,及び米国の覇権が衰退したことにより,多極化の世界へ向かっていることが言及された。
では,その課題について対応するためには何が必要だろうか?
それについて,二つのステップを言及された。一つは,持続可能な開発の道の実現可能性を探求することである。Sachs教授は自身の研究を基に持続可能な開発の道は実現可能であると言われていた。技術を活用し循環型経済と脱石油化を進めることも可能であること,医療,教育などの公共サービスの課題解決を進め,誰も取り残さない社会を実現させることなどが必要であると言及された。二つ目のステップとして,政治を通じてこれらの課題に対応していくということである。課題を解決するためには,国際協調が必須である。SDGsやパリ協定などすべての国々が賛同して成立した国際枠組みが存在するように国際協調は可能である,一方で,これらの枠組みに反対している国がいることも事実であると言及された。また,私たちは,人間の共通価値を見出していく必要があることも言及された。
最後に,Sachs教授がウェビナーの中で言及されたジョン・F・ケネディ米国大統領の言葉を紹介したい。
ジョン・F・ケネディ米国大統領が1963年6月にアメリカン大学で行った演説の一部である。
“Genuine peace must be the product of many nations, the sum of many acts. It must be dynamic, not static, changing to meet the challenge of each new generation. For peace is a process–a way of solving problems..” ※1
「真の平和は、多くの国と人々の行動が積み重なって作り出されるものでなければなりません。そして静的なものではなく、新しい世代の課題が浮かび上がるたびに変化して対応する、動的なものでなければなりません。なぜなら、平和とは過程であり、問題を解決するための手段だからです。」※2
※2https://www.global-vision.education/news/2019/10/23/146/
広島県のSDGsの取組
広島県は,平成30(2018)年6月に「SDGs未来都市」として内閣総理大臣により認定されました。SDGs未来都市の取組として,世界平和経済人会議ひろしま(国際平和のための世界経済人会議),県内企業のSDGsビジネスを紹介する事例集の作成などを行っています。
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