当サイトを最適な状態で閲覧していただくにはブラウザのJavaScriptを有効にしてご利用下さい。
JavaScriptを無効のままご覧いただいた場合には一部機能がご利用頂けない場合や正しい情報を取得できない場合がございます。

国際平和拠点ひろしま

Leaning from Hiroshima’s Reconstruction Experience: Reborn from the Ashes vol1第9章 平和を模索する都市:はじめに

原爆の放射線は,人体に原爆症を引き起こした。急性原爆症の猛威は約2か月間続いたが,これを乗り切ることのできた患者の症状は,徐々に回復に向かった。戦後の広島の歴史は,これら生存者を中心にその歩みを始める。

広島への原爆投下のニュースに,原子エネルギーが人類の将来に大きな影響を及ぼすことを直感した多くの人びとがあった。被爆2年目には核戦争による人類の滅亡を予感し,恒久平和の実現を目指す動きが起こった。また,海外からは,広島・長崎の原爆被害に強い関心を寄せる人びとによる被爆地救援や被害の実相を伝える運動が始まった。本章では,広島の行政・運動・教育の各分野で展開された平和模索の歩みを取り上げる。

被爆直後から被爆の実相を訴える試みは見られる。しかし,それらが社会的影響力を持つようになるには,講和条約発効前後からである。以後,原爆被害者の思いや声がさまざまな形でまとめられている。ここでは,被爆60年後の被爆者の平和観を事例研究の形で紹介する。

< 前のページに戻る次のページに進む >

 

目次に戻る