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国際平和拠点ひろしま

(4) 調査、分析及び評価の方法

調査対象国の核軍縮、核不拡散及び核セ キュリティに関する 2019 年の動向について、各国政府の公式見解(NPT 運用検討会 議・準備委員会、国連総会、IAEA 総会、 ジュネーブ軍縮会議(CD)、核セキュリティ・サミット、TPNW 交渉会議などでの 演説及び作業文書、その他政府発表の文書) をはじめとする公開資料を用いて調査、分 析及び評価を行った。

評価については、項目ごとに可能な限り 客観性に留意した評価基準を設定し、これ に基づいて各国の取組や動向を採点した。 本事業の研究委員会は、各国のパフォーマ ンスを採点する難しさ、限界及びリスクを 認識しつつ、優先課題や緊急性についての 議論を促すべく核問題への関心を高めるた めに、そうしたアプローチが有益であると 考えた。

各具体的措置には、それぞれの分野(核 軍縮、核不拡散、核セキュリティ)内での 重要性を反映して、異なる配点がなされた。 この「重要性」の程度は、本事業の研究委 員会による検討を通じて決定された。他方、 それぞれの分野に与えられた「最高評点」 の程度は、他の分野との相対的な重要性の 軽重を意味するものではない。つまり、核軍縮(最高評点 101 点)は、核不拡散(最 高評点 61 点)あるいは核セキュリティ(最高評点 41 点)の2倍程度重要だと研究委員会が考えているわけではない。

「核兵器の保有数」(核軍縮)及び「兵器利用可能な核分裂性物質の保有量」(核 セキュリティ)については、より多くの核兵器、または兵器利用可能な核分裂性物質 を保有する国は、その削減あるいはセキュ リティ確保により大きな責任があるとの考えにより、多く保有するほどマイナスの評価とした。研究委員会は、「数」あるいは 「量」が唯一の決定的な要因ではなく、核軍縮、不拡散及び核セキュリティにはミサイル防衛、生物・化学兵器、あるいは通常兵器の不均衡などといった他の要因も影響を与えることを十分に認識している。しかしながら、そうした要因は、客観的(無論、相対的なものではあるが)な評価基準の設 定が難しいこともあり、これらを評価項目には加えなかった。また、『ひろしまレポ ート 2013 年版』に対して寄せられた意見を受け、『ひろしまレポート 2014 年版』 からは、国家安全保障面での核兵器への依存、及び核実験の実施に関しては、その程度によってマイナスの評価を行うこととし、 『ひろしまレポート 2020 年版』においても同様の評価手法を採っている。なお、 『ひろしまレポート 2018 年版』より、 TPNWの署名開放を受けてこれへの署名・ 批准状況を新たに評価項目に加えた。また、『ひろしまレポート 2019 年版』より、広島だけでなく長崎の平和記念式典への出席状況を評価項目に加えた(当該項目の最高評点は変化なし)。さらに、『ひろしまレポート 2020 年版』より、核兵器保有数が 増加している場合、ならびに評価項目ではカバーされないものの核軍縮及び核不拡散に明らかに逆行する行動については、それぞれマイナスの評価を行うこととした。

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