ひろしまレポート2024:推薦コメント
『ひろしまレポート』は、国際安全保障環境の包括的な年次評価基準ともいえます。世界は今、転換期にあります。一つでも踏み間違い、誤算、過ちがあれば、アルマゲドン・破滅を迎えることになりかねません。この『ひろしまレポート』は、核兵器がまさに私たちの地球の存在への脅威であること、万が一にも使用されれば壊滅的な人的被害をもたらすこと、そして核兵器の全面的廃絶を確実にすることが道徳的にも必要不可欠であることを思い起こさせてくれるのです。
中満 泉
国際連合事務次長
軍縮担当上級代表
核軍縮、核不拡散及び核セキュリティをめぐる2023年の情勢に対するこの深刻な報告は、地政戦略的競争の激化に伴い、各国が核兵器を重視する不穏な傾向が強まっていることを示しています。しかし、世界的に高濃縮ウランの在庫が減り続けていることや、原子力安全及び核セキュリティに対する世界的な関心が広がっていることなど、希望が持てる話題もあります。『ひろしまレポート』は、そうした包括的な全体像を描いており、核問題にかかる世界中の政策決定者にとって、欠くことのできない資料となっています。
ローズ・ゴッテメラー
スタンフォード大学講師・研究員
前NATO事務次長
元米国務次官(軍縮管理・国際安全保障担当)