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国際平和拠点ひろしま

平和とグルメ3 「酔心 本店」

    

     

    

    

原爆投下後の広島で生まれ、戦後の復興とともに愛されてきた「酔心」。戦後をどのように歩み、現在に至るのか。今回は、1950年(昭和25年)創業の「酔心」の代表取締役社長である原田秀二さんに話を伺いました。

     

     

    

創業当時1950年(昭和25年)ごろの酔心

     

     

私の妻の父である創業者の母親がその当時女手一つで苦労して兄弟を育ててくれたということで、その母親を喜ばせたいという思いから、母親が兄弟の中でも特に可愛がっていた末っ子の希望である飲食店を開くことになりました。それが1950年(昭和25年)に始めた「酒場酔心」。ただ、当時は夜中心の店がほとんどで家族が来れない店となっていてることに創業者として納得がいかず、開店後2年4か月で閉店しました。そして新たに1953年(昭和28年)に家族に喜んでいただける店「釜飯酔心」という広島の食材を使った家庭料理を出す店に変わり、現在の酔心につながります。それまで料理店では出されることがなかったメバルやオコゼなど、瀬戸内の小魚料理が評判を呼びました。また、当時は家族みんなで行ける飲食店がなかったので、家族三世代が楽しめるお店ということで大人気となったそうです。

     

      

     

     

創業当時は“水商売”と呼ばれていた飲食業をきちんとした職業にすることも創業者の考えでした。そのために社会保障を整え、社員の教育にも力を入れていきます。1957年(昭和32年)には料理店には珍しい鉄筋で4階建の店を建て、法人化しました。常連さんから「店を大きくしてほしい」との声が多かったからです。銀行へ融資の相談に行くときには、常連さんたちが書いた嘆願書のようなものを持参したことで信用を得たそうです。当時からお客様に支えられて今に至ることがよく伺えるエピソードです。さらに、酔心だけでなく全国で通用する料理人を育てるため、1967年(昭和42年)には酔心調理専門学校(現在の広島酔心調理製菓専門学校)を設立し、飲食業に人材を送り出していきます。

    

    

   

看板メニューは昔から変わらず「釜飯」。牡蠣をはじめ穴子など広島ならではの食材を使った釜飯が魅力

   

    

 創業から70年近く経て、時代は変わっても酔心の看板メニューは変わらず釜飯です。親に連れてこられた子が親となって、またその子どもを連れてくる。そんな風に受け継がれ、酔心の味を広島の人のDNAに覚えてもらえるような、時代をつないでいく店でありたいですね。戦後、お好み焼が広島の人たちのお腹を満たして復興の活力になったのであれば、酔心の釜飯や料理は、広島に住む家族の心を満たし、たくさんの笑顔を作り出してきました。1968年(昭和43年)に広島で初めて全国高等学校総合体育大会が開かれた際には、皇太子同妃両殿下が来広されましたが、この日の食事を酔心が賜りました。このような大役を任され、両陛下に広島の味を召し上がっていただいたことは創業者にとっても大変名誉なことでした。

 『広島で二番目にうまい店』という酔心のキャッチフレーズは「一番うまいのは家庭料理、その次が酔心」との思いから付けられました。もともとは、創業者が家族を喜ばせたくて始めた店ですから、お客様にも家族を大切にしてほしいという思いが込められています。最近ではご自宅でも酔心の味を味わえるように宅配商品にも力を入れております。これからも家族みんなに喜んでいただけるような店づくりを続け、時代の変化にも対応しながら酔心の味を守っていきたいと考えています。

   

   

    

酔心 本店

    

1950年(昭和25年)創業。釜飯と瀬戸内の小魚料理が自慢の店。戦後の復興とともに、広島の人々のお腹を満たしてきた。現在、広島に4店舗を展開、東京には3店舗を展開

      

     

酔心 本店

電話番号:082-247-4411

住所:広島市中区立町6-7

時間:11:00~22:00

休み:水曜(祝日の場合は営業)

HP:http://www.suishin.or.jp/honten/

   

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