「へいわって？」絵本を通して、問いかける　～ひろしまジュニア国際フォーラム修了生の挑戦～国際平和拠点ひろしま〜核兵器のない世界平和に向けて〜

「へいわって？」絵本を通して、問いかける　～ひろしまジュニア国際フォーラム修了生の挑戦～

国内外の高校生等が国際平和についての討議や交流等を行い、平和のメッセージを世界に発信することを通じて、次の世代の人材育成を行うことを目的に、広島県が開催している「ひろしまジュニア国際フォーラム」。

2022年夏、このプログラムに参加した、青木藍花（あおきあいか）さんは、フォーラムでの学びや想いを１冊の絵本に込めました。

ジュニアフォーラム参加のきっかけや、絵本作成についてお話を伺いました。

なぜ「ひろしまジュニア国際フォーラム」に参加しようと思いましたか？

遡ると高校２年生の時に参加した英語弁論大会で、「平和の定義って？」というスピーチをしたことがきっかけでした。そのスピーチをつくるにあたって平和について調べたところ、深刻な国際情勢と平和のために活躍するたくさんの人を見て、自分ももっと深く調べてみようと思い、学校の課題研究のテーマにしました。（私の学校では高校２年次に、自分の好きなテーマで課題研究を1年間行います。）

そして調べていくうちに、この「ひろしまジュニア国際フォーラム」が実施されていることを知り、知識を広げたい、また同じように平和に関心を持っている高校生と交流したいと思い、参加しました。

2022年に参加した、第７回ひろしまジュニア国際フォーラム（オンライン）アイスブレイキングタイムの様子

フォーラムに参加してみての感想や印象的だったことは？

私はこのフォーラムを通して「平和を害する要因は戦争紛争だけではなく、様々な要因が関係している」ということを学びました。具体的には、政治・宗教・資源・領土・民族なども要因の一つなのだそうです。

また、英語での活動もとても印象に残っています。英語でディスカッションをして、英語でプレゼンテーションをして、と母国語以外で行う難しさもありましたが、英語という共通言語で世界各地の高校生と交流できたことはとても貴重な体験で、何より楽しかったです。この経験から、大学でも英語を使って世界中の人と交流したいと考えるようになりました。

フォーラム最終日に、青木さんは「平和宣言」のグループ発表を代表して行いました。

なぜ、絵本を作成したのですか？

先述のとおり、私はフォーラムを通して「平和を害する要因は戦争紛争だけではない」ことを学びました。しかしそれを踏まえた上で、「では平和の定義って何なのか」という疑問が浮かび上がりました。そしてたどり着いた答えが、「平和の定義というのは人によって異なるもので、大切なのは自分の平和とは何なのかを考えることだ」ということです。
そこで自分の平和について考えるきっかけをつくりたいと思い、絵本を作成しました。絵本にした理由は、①子供と親が一緒に触れられる、②若者にとってより親しみやすい、③絵によって想像を膨らませられるからです。

絵本に込めた想い、工夫した点、難しかった点などを教えてください。

この絵本をきっかけに「自分の平和とは何なのか」を考えてほしいです。この絵本にはいくつかの仕掛けがあります。一つは、動物や大人・子供などたくさんの視点から平和を考えた上で、最終ページで自分の平和とは何かを考え、記入できるようになっています。最後のページに記入することで絵本が完成するのです。また、絵本に掲載されているQRコードを読み取るとその最終ページに書いた、読者にとっての「へいわ」の考えを専用ページでシェアすることができます。シェアすることで他の人にとっての平和を知り、より自分の平和を深めることができます。

絵本に掲載されているもう一つのQRコードを読み取ると、電子絵本を見ることができます。しかし、そのQRコードがないと絵本のウェブサイトにたどり着けないことが課題で、今後より多くの人に読んでもらうためにどうすればいいかを考えていきたいと思っています。

また、たくさんの人に読んでもらうべく、クラウドファンディングを行う準備をしています。資金が集まり次第、製本し、地域の幼稚園や小学校に配布しようと思っています。

フォーラムでの経験をどう生かしていくかなど、今後の目標を教えてください。

この経験を通して、平和という大きな問題であっても、私にできることはあるということを身をもって体験したので、大学でも平和に限らず、世界の社会問題・国際問題解決のためにできることを、世界中の人と話し合いながら行動していきたいと考えています。